
獣神ローガス for NEC PC-9801シリーズ
作品名 : 獣神ローガス
販売 : ランダムハウス
対応機種 :
メディア : 5inch/3.5inch 2HD (1枚組)
サウンドチップ : YAMAHA YM2203
サウンド性能 : FMx3, SSGx3
定価 : 7,800円
発売日 : 1988年1月(発売予定1986年11月下旬→1987年2月下旬→3月下旬→4月下旬→6月→7月→8月→9月→10月→11月→12月から延期)
○最低必要メモリ384Kバイト
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PROMO WORD

迫真、握汗のTRAG!
TRAGとは、タクティカル(T)・リアル(R)・アクション(A)・ゲーム(G)の略名です。
すなわち、従来のアクションゲームに比べ、リアル性を重視し、
戦術的要素をプラスしたゲームの事!
『獣神ローガス』はこのTRAGの代表選手です。
★ソフトウェアスプライトによるフルカラーの重ね合わせを実現した、綿密な画面処理。
★自機(プレーヤー機)を中心とした、多数対多数の戦闘シーン。
★スーパーリアルなメカグラフィックスとトップレベルのアニメーション処理。
★地上マップ上のベースの攻防を軸とした、ゲーム進行。
★FM音源対応による、緊迫感あふれるオリジナルBGM。
★従来のタマよけシューティングとは一線を画する、重厚なメカバトルシーン。
★多彩な武器。
★レベルアップシステム。
プロローグ
恒星暦 2987. 1114
降下作戦部隊指揮官、
J.P.マクガドル少佐(IDNO.26344)記録

現在時は、母星標準時0451。ネビュラ恒星系第5惑星サゴスの周回軌道上に位置する。我々は、強襲揚陸艦ベガスにて降下指令を待っている。
ピーキングホールより眺める惑星サゴスは、イシス恒星系の第4惑星マルスによく似ている。赤と黄色と白が入り乱れて、何か異様な模様を描きあげている。赤と黄色の部分は、陸地、おそらく構成要素の違いか何かによるのだろう。白い部分は、海洋、とはいっても凍りついたドライアイス(おかしな表現だが)である。いかなる現住生物も存在しない。すくなくとも現時点では。
我々が惑星サゴスに植民を開始したのは、今からおよそ10恒星年前。この惑星に、ボディーの製造に欠くべかざる鉱物資源や、エナジー資源が豊富に埋蔵されていることが調査された後である。この惑星の発見は、我々がこの先数100恒星年の間、ゆったりと生存していけるだけの資源を保証してくれた。しかし、おおかたの予想どおり、各惑星国家は、この植民星を独り占めしたいがために、こぞって植民にのりだした。そして緊張が高まった。まるで、古代史のシミュレーションをみているようである。歴史は繰り返す、なぜ人間は、こうも争いを好むのだろうか?まあ、いまさらそんなことを考えてみても仕方がない。そのために、我々軍人が食っていけるのだから。また、それゆえ、科学文明はここまで発展してきたのだ。しかし、本当に発展してよかったのだろうか?
公式記録に私情をまじえるのは、厳禁である。しかし、このような状況下では、大抵のことは、許されるものである。何しろ我々は、実戦に突入するのである。ここ数百恒星年の間の偽りの平和の中では絶えて久しい実戦に。
想像していた程の恐怖は、感じられない。これは実際に戦闘が始まってみなくては、なんとも言えない。今は、ただ、緊張している。鼓動が激しい。しかし、全身に力がみなぎってくるような感覚を覚える。これが始動感覚なのだろうか?
惑星が近づくにつれて、徐々に高揚していく。何か書かずにはいられない。これが私の最後の記録となるやもしれないのだから。しかし、不思議と死ぬことへの恐怖は、感じない。確かにこれまで、数々の苦しい訓練を生き抜いてきて、精神的に鍛えられたのであろう。しかし、今、訓練では得られなかった、何かを感じるのである。私の優秀な部下たちも、同様であろう。彼らの命を、私は、どうにでもできる。彼らは、私を信じている。私もむろん彼らを信じている。私と彼らは、一つなのである。私が命じれば、彼らは進んで、死の戦いに望むだろうし、私も彼らを助けるためなら、自ら望んで命を投げ出すことだろう。このようなこと、本国で安穏とくらしている者たちは、せらせら笑うかも知れない。しかし、私は、その者たちには、永遠に味わえることのない充実感を体験しているのである。戦いというのは、人間の持っている本能なのだろう。確かに、争い、殺し合うのは、愚かである。しかし、ただ安穏と無気力の中で平和をむざぼっていることが、本当に幸福なのだろうか? 「死、あっての生」 この言葉のもつ重さを、肌で感じている。
もう余り時間がない。これから我々が戦う相手についても、少し記録しておいたほうが、よいだろう。
今からちょうど2恒星年前、この植民星で、ひとつのニュースが流れた。資源探査部隊のガイゼル教授の一団が、先住生物のものと思われる遺跡を発見したというものである。我々の母星も、そのニュースで一時わきかえった。昨今のような宇宙植民時代においても、知的生命体に出会うのは極まれであったし、なおかつこれが、今は、滅亡(これは定かではないが)したものの痕跡であるとすれば、興味をそそられない方がおかしい。しかし、事情は、不可思議な方向に進みだした。教授の一団は、その直後、この報告は誤りであったという旨の連絡をよこし、結局その遺跡の位置などの情報を一切明かにせぬまま、このニュースそのものをなかったものとして抹消した。さらにやっかいなことに、その後、教授の一団と、彼が滞在していたベースの隊員らが、本国との連絡をたち、消息不明になったのである。
教授らが姿を現したのは、ほんの最近、すなわち4半恒星年前のことである。もっともその時には、もはや教授ではなかった。彼は、自らを、ガイゼル総統と名乗った。そして、惑星連合からの独立を宣言し、作成サゴスを自らの支配下に置くと宣言した。各国の首脳は、これを気違い学者のたわごととして、一笑にふした。そして、彼のいるベースを占拠すべく、監察軍部隊を派遣した。そして、我々は、すべてを目の当たりにした。
総督は、強大な兵力を有していた。それも、我々の兵器水準からは、想像を絶する高度な兵器、いわゆる機動兵器とも呼ぶべき兵器である。それらは、監察軍の数少ない生き残り兵士の談によれば、まさに野うさぎのごとく、俊敏に行動し、その小型なボディーからは考えられない強力な火器で、それこそ監察軍を、一瞬のうちに撃滅した。そして、これを総督は待っていたかのように、近隣のベースを次々に攻撃、占拠し、それこそあっというまに、惑星のほぼ全土をその支配下にいれた。
惑星連合は、恐怖した。直ちに、何度となく攻略部隊を派遣したが、戻ってきたものは、わずかだった。最も大きな問題は、総督が、なんらかの手段で、異文明と接触をもっているらしいことであった。これは、戻ってきた部隊が持ち帰った兵器の残骸を調べた結果、明らかになった。とにかく、敵の兵器に対応できる兵器の開発が、全力で進められた。そして、それが、我々がこれから搭乗する機動兵器、RHザガードである。
降下のサインが出た。私に与えられた命令は、惑星サゴスへ降下し、反乱軍(ガイゼル総督軍のことを、われわれはこう呼んでいた)部隊を鎮圧し、しかるのちに遺跡を発見することである。命令はしごく簡潔。これがどれほどの苦難を伴うかは、知ったことではない。だが、命令とはそんなものである。
以上で記録終了。
(レコーダー君、長い間つき合ってくれてありがとう。もう一度君と話せることを祈ってるよ。)
LOGOFF
獣神ローガスについて
うさうささんより寄稿。
1986年か87年の、今はなき「PCマガジン」という雑誌の、新作・開発中ゲームソフトチェックというコーナーで不思議な一文を見つけました。「内装の大幅な変更により改築工事中」・・・このPCマガジンという雑誌では、競馬新聞や住宅情報のようなスタイルでゲームソフトを紹介していたので、普通に書けば「ゲーム自体の大幅な仕様変更により開発継続につき発売延期」ということになるでしょう。
これが「獣神ROGUS」との最初の出会いだったと記憶しています。よく情報を読むと「RPG」というジャンルで開発していたのが「アクションシミュレーションRPG」というよくわからないジャンルに変更になったということで、「開発の途中からジャンル変えなんてろくでもないな・・・」というのが正直な最初の印象でした。
ですが、実際に商品が完成して、それが手元に届くと、最初の印象は一変したのでした。
まず単純に「ソフトウェアとして完成度が高い」。擬似スプライトルーチンを新規開発して使用した、ということで、ハードウェアとしてスプライト機能を持ち合わせていないPC98上での多重重ね合わせや色違いキャラクターの表現など、ありきたりな表示プログラムでないことが一目瞭然であり、その高度な表現力に驚きました。
そしてスクロールは横4ドット単位(8ドットだったかも?)。PC98のアーキテクチャ的な特徴から、横16ドット単位スクロールが当然のように採用されていた当時のゲームにあって、ここまで細かいスクロールをしていた、またそれをゲームとして使えるレベルで実装し、かなり高いレベルで完成されていたのがこの獣神ROGUSです。
ゲーム進行は、戦略マップではターン制で攻略する敵の基地を選択したり自機の武装を整備したりし、アクションシーンで敵をひたすら破壊して基地を征服する・・・という流れとしては単純なものですが、建造物を盾に出来たり、その建造物にも耐久力があり限度を超えると爆発する、征服時に無事だった建造物の量に応じて自分のターンでの物資補給量(生産量)が決まる、敵の補給線を断つとその基地の敵の戦力が低下する、爆風で自機も敵機もダメージを受ける、弱気になった敵機は逃げ出す、敵からの自軍基地への侵攻があった場合防衛戦を展開することができる、レベルに応じて僚機がつく(正直邪魔です)・・・などの細かい作りこみからくるアクションシーンの楽しさが好印象なゲームでした。
音楽面では、当時、開発者が、「専門の音楽家を呼んで作曲をお願いした。サンプルとして日本ファルコムさんの"Ys"を渡し、"これよりいい曲を"とお願いした」と、これも今はなきマイコンBASICマガジンの記事で記しており、音楽面でも相当気合をいれていたと思います。
音色も日本ファルコムさんや日本テレネットさんなどのものとはまた違う独特の音色で、敵基地への侵攻、自軍の拠点防衛、ボスキャラとの戦闘など、それぞれに緊張感あふれる音楽が流れ、ROGUS独自の雰囲気をかもし出すのに成功していました。
Ys、ひいては日本ファルコムさんの並み居るBGMたちよりよいか、という点では意見も多々あるかと思いますが、個人的にはここまでやってもらえたら大満足、というレベルだと思います。残念ながら「ROGUS」自体があまりメジャーではない? ゲームらしく、同時期の「ヴェイグス」の方が知名度としては高いと思いますが、私としては断然「ROGUS」を推したいと思うのであります。「好き」は盲目なのです。理由なんかそこには必要ないのです。
余談ですが、MS-DOSを起動してROGUSのディスクを覗くと、音楽再生用のツールがあり、これでゲーム中のBGMをすべて聞くことが出来ます。また、おまけで当時のアニメソングのデータもこっそり入っており、これも楽しむことが出来ました。
自機が成長するとレベルに応じて武装が追加されていくのですが、最後に追加される「エナジー・バースト」と呼ばれるエネルギーフィールドを張って敵に体当たりしてダメージを与える攻撃が、当時のアニメ「蒼き流星レイズナー」でレイズナーが使用する必殺攻撃「V-MAX」と似ていたり、上記アニメソングの中にこっそりこの「V-MAX」発動時のBGMが入っていたりして、「ああ、好きな人がいるんだな」とにやりとさせられ、ゲーム以外の部分でも楽しめるゲームだったと思います。
・・・しかし獣神ROGUSとは一体なんだったのでしょうか・・・?
「ROGUS」については、開発に携わった森田和郎氏の「和郎」をさかさまにして「ローカズ」>「ROGUS」という説もありますが、「獣神」についてはなんとも・・・。「RPG」として開発されていた当時の名残、恐らくパッケージのアレ、ラストステージの背景の「マインドエンハンサー」と名乗るアレが関係あるのではないかと想像できますが、真相はわかりません。ともかく、「XEVIOUS」1面をクリアできない私(えっ!?)でも十分楽しめ、音楽面でも素晴らしいものを残してくれた「獣神ROGUS」は、記憶にとどめたいソフトの一つだと思います。
獣神ローガスに関する情報
.cmosさんのホームページMy Historyより

獣神ローガス
当初は山口祐平氏デザインのSF-RPGで企画されたが、結局自分の趣味でゼロから作り直した。 グラフィック関連のツールこそランダムハウス製だが、私とアーテックの絵描き陣(岩田&小川)で作ったゲームだ。
とにかく「多対多」の壮絶なアクションゲームが作りたかった。 悲しいかな、当時まともな思考ルーチンを書く力が無く、「僚機」はヘッポコだったが…。 高校時代にAHのボードゲーム(特に独ソ戦)にのめり込んでおり、シミュレーション風の味付けも入っている。 マップは、モスクワへ侵攻する東部戦線のイメージだ。
一部のはまって下さったプレイヤーには、あっけないエンディングをこの場でお詫びする。 この私に、「KING'S FIELD IV」のラスボスを責める資格なんてないよね。(^^;
ローガスのBGMのうち、ゲームオーバーと攻撃ミッションの2曲は、サイコソニックの作曲だ。 サイコソニックは、「ミネルバトン・サーガ」、「ディガンの魔石」、「ダークレイス」等の 音楽も手がけているが、そのメンバーの一人がASTURIASの大山 曜氏だった。どうりで素晴らしかったわけだ。
裏技の紹介
【ミュージックモード】
MS-DOSを起動してローガスのディスクと入れ替え「PLAY VOICE SPT.MSC」と入力する。
【ミュージックモード (おまけ)】
MS-DOSを起動してローガスのディスクと入れ替え「PLAY VOICE ANIME.MSC」と入力する。
TRACK LIST
ラジオ収録曲
01 Opening
02 Intro
03 Operation
04 Requiem
05 Battle1
06 Battle2
07 Battle3
08 Battle4
09 Last
10 Ruin
11 Ending
12 Ending2
大山曜(04, 05, 07)
兵藤嘉彦(01,02,03,06,08,09,10,11,12 )
合計時間 : 20:16
作曲者 : 大山曜,
兵藤嘉彦(c.mos)
DISCOGRAPHY
Brilliant Streams/Asturias

発売日: 1990年2月21日
価格: 2,000円(税別)
商品番号: KICP9
販売元: キングレコード
収録曲
01 Highland
02 Nostalgia
03 Rogus
04 Brilliant Streams
※02 Rogusがテーマ曲のリメイク。
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エンディングムービー
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