悪あがきのドキュメント

                          進藤 慶到

皆さんこんにちは。SION2の内蔵音源版のBGMを担当している(現在

進行形であるところがミソ)進藤というものです。聞いてみてどん

な感想をもたれたでしょうか。

 エンディングを見た限りではなんか僕が作曲したような感じにな

っていますが、実をいうと自分の曲は1つもありません。作曲に関

してはまだまだ未熟で、とても世に出せるような代物ではないので

今回はMIDIからのアレンジだけを入れてあります(ただのコンバー

トに近い感もあるが…)。

 曲の詳しい解説は各氏に任せるとして、ここではFMアレンジの苦

労話等を少し。まず、どうしようもないのが音数。3倍以上の発音

数ですから当然です。削れないベースとメロディーを差し引いた残

りのポートでコードその他をやるわけですが、ここはもう妥協する

しかありませんでした。印象に残る音を拾ってMMLにしただけです。

もう少し時間があれば、効果的なアレンジができたとは思うのです

が。

 PCM音についても結構苦労しました。西川氏の曲はラテンパーカッ

ションをふんだんに取り入れたものが多く、これを入れないと何だ

か怒られそうだったので取り敢えず鳴らしました。しかし何度も聴

いているうちにラテンParc.の音が心地よくなってきて、いまでは

割と気にいってたりします。ディスクの容量と時間さえあれば、原

曲のリズムパートを完全再現することも出来たのですが、さすがに

それはやめました。

 それとFMサウンドについてですが、どうしても薄い音になってし

まうのでアルゴリズム4等の音をたくさん使いました。これをやる

と音が何かに似てしまうのですが、そこは大目に見てやって下さい。

そうそうAMOUNTなどで使っているサックスの音は自信作です。結構

リアルだと思いませんか?フュージョン等に使ってみて下さい。

 まだいろいろとありますが、1番の問題は時間がなかったことで

しょう。曲作りには実質10日ほどの期間しかないうえに、常に眠

気との戦いでした。いろいろやりたいことはあったのですがテクニ

ックらしいものも使っていない本当に単純なプログラムになってし

まって、少し残念です。しかしなんとか曲が入りそうな現在、やっ

と落ち着いた気分に……ってまだ上げてないんだった。はやくせね

ば。作りかけのコピー曲もあるというのに。

 このように未だに予断を許さない状況ですが、無事に曲がついた

SION2をプレイした人はぜひ感想、質問、叱責などを送って下さい。

今後、万が一(!)こういった機会があればありがたく参考にさせて

いただきます。

 最後に、曲の作れない僕にアレンジする題材を与えてくれた西川、

高橋両氏に深く感謝致します。高橋氏とはなかなか会えず、ついに

アレンジの感想を聞けずじまいでしたが(オープニングの曲、勝手

にいじくって申し訳ないです)。コツコツとすべてのシーンの曲を

完成させてくるなんて本当にすごいよ彼は。また西川氏はZ-MUSICの

デバグを兼ねての制作だったようで、ご苦労さまでした。おなじMML

派のリストだったのでかなり助かったんだなこれが。

 そして忘れてならないのが浜崎、山田の両氏。1つのゲームが徐

々に完成していくさまを少しでもみることができ、感動しておりま

す。本当にお疲れさまでした。曲が足りひんかったら許してな。