C type TW DSD
ツインプレートクラッチ、カバー圧着力990kg、ディスクダンパー付、フライホイール軽量タイプ


急激なアクセルに呼応するエンジン。しかし、加速フィールはなくエンジンの回転だけが駆け上がっていく。たった2万キロでその時はきた。Z32のクラッチディスクはカーボン製で扱い安さ重視のため、耐久性に乏しい。という話は本で読んで知っていた。そして、交換品はZ31用(アスベスト材)を流用することにより扱いやすさは、そのままに耐久性を高めることができるらしいと。しかし、当時便りにしていたのは大阪日産。つまりディラーだ。

ディラーのアドバイスは、強化クラッチだ。しかし、クラッチディスクだけを強化すると、他の部分への負担が増えるだけなので、キットで交換するように勧められる。当然、日産だけにニスモ。しかしながら、後日ニスモ製品は製造中止になっていることが判明し、急遽OS技研製へと話は進められる。(後日ニスモからGMAXシリーズが発表されたが、そのときはお互い知らなかったし、待ってる場合でもなかった。)

交換作業自体は、私が仕事に行ってる間に取りに来て、帰ったときには車庫に収まっていた。私にしてみれば車庫から一歩も動いているようには見えない。当然ながら試運転である。クラッチを踏んだ感じは少し重くなった気がする程度。言われなければわからない筈だ。踏んでいる間は多鈑式らしく「シャラシャラ」鳴る。素人が聞いたらガタの来た車に間違えられるだろう。

そろそろとクラッチを繋いでみる。なんか引っかかるような繋がり方をするが無事車庫から脱出できた。しかしながら、普通に繋ごうとすると、一気に繋がるため、その衝撃からクラッチを蹴る、そして繋げる。その繰り返しで上下に揺れる。半クラは殆ど無い。坂道発進などとんでもない。

感覚として例えるとすれば、メチャクチャ効くサイドブレーキを利かせながら発進する感じ。半クラがあるのでそれでも、まだまだマシ。それ以上の行為に等しい。

その後、コツとしてはアクセルを多少吹かしつつ微妙に存在するわずかな半クラゾーンをキープしながら数十メートル走り、そして一気に繋ぐという方法で、スムーズに発進できることが解ってきた。坂道発進のときは、素早く、かつ僅かに存在する半クラゾーンに如何にうまく合わせられるかに掛かっている。失敗すればエンストか、上下運動が待っている。気を少しでも緩めれば交差点でもエンスト。それは、慣れというもので克服できるものではない。

今まで運転を交代するなど幾度となくあったが、それ以来2度とできなくなった。誰もがまともに運転できないのだ。それによる「自分以外は扱えないマシン」という特別ぽく仕上がった感はあるものの、常にエンストという恐怖と坂道発進の恐怖が待ち受けている。街乗りには全く適さない車となった。世の中、どう言おうが知ったこっちゃない。強化クラッチは、強化されるだけであって楽しくなるものではないのだ。



整備内容及び使用部品

整備料金内訳
技術料

43,150

ベアリング、クラッチ レリーズベアリング

1850

スリーブ

1460

OSツインプレートクラッチ

176,000

ギアオイル MP-Gスペシャル

2430

値引き

7,747

消費税

10,857

合計

228,000