~ レカロへの道 ~






─── RECARO。



スポーツカー好きでその名を知らない者はいないであろうシートブランド。

シートのメーカーは各社あれど、間違いなくトップを走る最高峰のメーカーである。



Z32の純正シートも悪くはない。 適度にサポートし、適度に座り心地も良い。

だがMLSを走ると全然ダメで、特に太股のサポート部は使えたものじゃない。

上半身はステアリングを握っているのもあり、3点式のシートベルトでもある程度は

支える事は出来るが、縦方向にペダルを踏む下半身(足)は横Gでバタついてしょうがない。

シート欲しいなぁ~とは常々頭にあるものの、修理費で手一杯な私はまだ先の話だった。



ある日、いつものように中島PAで集り、誰となくシートの話題に。

話をしていると白あきら氏が 「家に余ってるフルバケいらんかえ?」 と。

ありがたい話だが、私はセミバケ派なのでフルバケには全く興味が無かった。

ところが後日、フルバケと思っていたシートは実はセミバケだった事が発覚。

何をどう間違えたらフルとセミを間違えるねん!と思ったが、実物を見て納得。





レカロ社製セミバケットシート 『A8』

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元々はポルシェカレラRSR等でのレースを目的に開発。
出来があまりにも良くその後に市販されたが現在では製造中止のモデル。
前期モデルはサポート割れの不具合が多発したが、後期モデルで改善された。
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肩の張りだしなど、まさにフルバケと言っても過言ではない。

太股のサポート部も同じレカロでもSR系より深さがあると思われる。

「限りなくフルバケに違いセミバケ」 そう言われているのもうなずける。

白あきら氏に中島PAまで持参して頂き、実物見て2秒で 「くれ!くれ!くれーーー!」

そのままZに積み込み帰宅し、各部をチェックしてみた。

可動部は引っかかり等もなく全く問題なし。 しかし他の問題点が2つ。





・肩サポート左のウレタンの割れ。

・太股サポート部の割れ。(両側)



肩の問題は走行・使用には特に問題なかったが、太股サポート部は修理が必要と判断。

さらなる細部のチェックも含め、まずは出来る限りバラして掃除してみる事にした。



”良い物は作りもシンプル”とは言ったもので、素人でもバラせるものだ。

座面と背もたれ部は構造が分かれば5分で分離。 ウレタンクッション部は基本的に

マジックテープ止めなので、ウレタンを割らないようにゆっくり剥がすだけ。

棒でホコリを叩き出し掃除機で吸った後、布地用シートクリーナーで洗浄し天日干し。

次はシートレールの購入だ。



A8前期モデルというマイナーシートながらレールはSR系でOK。

色々調べて悩んだ結果ブリンプ製、つまりレカロ純正シートレールで決定した。

ヤフオク等で1万円を切るものも見受けられたが、自分の体を支える重要部品と思い

思い切って購入した。(¥17,500-)





決定的だったのはレールの形状。 座面が下に出っ張っているA8前期は通常の

凡用レールでは底が当たるので、レール左右を繋ぐ補強板の形状がポイントである。

それでも購入店に問い合わせたら 「スペーサーが必要。」 と言われていた。





注文して3日でレールが到着。 早速マンションで座面とのフィッティングを確認。





全くもって問題なし。 スペーサーを入れてないのに十分な空間を確保している。

購入した店に騙され(?)6mmと20mmのスペーサーを買ったのに…。(汗)

まぁヨシとしよう。 掲示板で散々 「座面2cmUP確定」 とか言われ、

「ハイポジなレカロが楽しみです。」 とネタ待ちのハイエナ共に一泡吹かせてやる!

レールと座面を確認できたので、次はシートの補修を始める事にした。



肩のウレタン割れは接着剤を使う事にする。 まず、ウレタンの接着はどんな物を

使えばいいのか分からず調べてみた。 しかし、ググってみるも明確にウレタン補修に

関して記述しているサイトが見つけられず、何とかたどり着いたのはウレタンは

ゴム系を接着する物を使えば良い、、という事なのでホームセンターで購入。(150円)





肩部をめくってみると見事に割れている。

見える範囲で接着剤を流し込みヘラで伸ばしてくっつけた。 この時に気を付けるのは

布地には付けないように。 はみ出して布にでも付けばカチカチに固まるから。





お次は座面の割れ。 シートをめくるとプラスチック部はほとんど全滅でバキバキ。

一部だけなら接着剤で…とも考えたが端から端まで全部割れており、手で合わせても

傷口が一致せず無理と判断。 色々修理方法を考えてみたもののナイスなアイデアが

浮かばずこの部分は放置に決定。(笑) 使用上の問題としては、横Gが掛かった時に

太股が外側にいかなければ良いだけなので、外側からの補強を考えた。





シンプル・イズ・ベストである。





こんな物は複雑に考えてはいけない。 ホームセンターで使えそうなステーを買い、

座面と位置合わせをしながら微妙なラインを出すべくハンマーで形を整えて装着。

強度を考えるともう少し分厚い鉄板を使いたかったが、ハンマーでラインを出す時に

あまりにも固すぎると曲がらないのよね。(汗)





開き具合は上から見れば一目瞭然。 この違いが見て分からん奴は心で感じろ。

で、左側は何もせず。 左側はセンターコンソールがあるので勝手に止まるし。(笑)



さて、次は実際にシート交換作業。



当たり前だが純正電動シートを外す。 確認すると基本のボルト4本で止まっていた。



ココで気を付けるとすれば後ろ側のボルト。 ナットカバーでキャップが付いているが

マイナスドラーバー等でこじってはダメ。 実はネジ式なので手で回すと取れる。



4本のボルトが外れたらフロントを少し浮かせ、床から配線されたコネクターを外す。



これでシートはフリーになるんで持ち上げて車内から出すのだが、電動シートの場合

コネクターを外すとシート角度が一切調整出来なくなるんで家で使う人はそれなりの

角度に合わせてからコネクタは抜きましょう。



あと、クソ重いんで踏ん張ってから持ち上げないと腰を痛める可能性大。(汗)

重さもあるし、シートって取っ手がないから以外と持ちにくいってのもある。

家に持ち帰って体重計に乗せてみたら約27kgあった。

レカロの方は計ってないけども、持った感じでは半分ぐらいの重さかな??



さて、シートを降ろすと、、、











宝の山が出てくる。











お金は出てくるだろうと想像出来た。 まぁタバコもありえるだろう。

でも釣りで使う 「ウキ」 はありえんやろ。 つーか、釣りとか行ってねーし。ww

発掘成果はお金が771円、タバコ2袋で中身3本、そしてウキ。



で、シートレールを実際に取り付けてみる。 穴の位置等、これはあくまで仮合わせ。

Z32専用レールを買ったので合うのは当たり前なのだが。



レールを確認できたら今度はシートに取り付ける。

この順番で付けないとレールをボディに付けたままだとシートが付けれない。



後は車に乗せるだけ。 今回購入したレールは後ろ側で高さが4段階に調整出来る

タイプなので、シートを乗せたらまずフロントを固定。 そして最後に後ろの高さを

自分の好みの位置で合わせて付属のボルトを入れる。



色々試した結果、私は一番ローポジの位置で合わせた。 これで純正と同じ高さぐらい。

レールやボディにどこか干渉するかと思われていたが、心配をよそに全く干渉せず。

もちろんスペーサーも使わない。 これまでの悩みは一体何だったんだろう。(笑)

ポジションも全く違和感なし!!



レカロ専門店に電話し、レールを購入した店にメールまでして聞いた結果が、両店で

「普通ではA8前期は付かない。」 と言われたのが事の始まりだったのになぁ…。

ブリンプの正規品で普通に付くやんけ!!みたいな。



で、装着当日にコンチに出かけ中島PAまでひとっ走りした訳ですが、なるほど

いかに今まで自分の座る格好というか、シート位置が悪かったのか痛感。

今まで通りポンと座った感じではこんなものか??と思いましたが、ケツを奥深くまで入れ

ちゃんとポジションを決めると体全体がガチッと固定され動けない。(笑)

太股から背中全体までピタッとシートが張り付く感じ。 こ、これがレカロかーーー!!

これで次回のMLSはタイムUP間違いなしっ。うむっ。



で、最後に増し締めすべく力が入るようにと後部座席に移ろうとして シートを前に倒したら













天井で止まっちゃった☆









恐るべし、ワイド&ロー。 つーか、背もたれが高すぎるんだなコリャ。

ま、ええか…。







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