好きだ…だからね…いいだろう
キミだけに愛を…
対応機種 : SHARP X68000シリーズ
メディア : 5inch 2HD (3枚)
定価 : 7,800円 (税別)
発売日 : 1991年10月10日
販売元 : GAMEテクノポリス
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PROMO WORD
好きだ…だからね…いいだろう
どんなにすごいファンタジーにも負けない
インビな日常が彼女たちのスカートの下にある
プロローグ
先週、ボク=早坂秋緒(ユーザー)にアネキができた。それは、なんとボクが片思いしていた先輩の紺野美沙さんだったんだ。
とはいっても、結婚式が行なわれただけで、入籍するのは美沙さんが高校を卒業してからになっている(つまり、婚約したワケだ)。
どうして、こんなことになったかというと、まだ未成年のアニキとボクが、事故で亡くなった両親から相続した遺産が目的みたいなんだ。だって、この結婚を決定したのは、ボクたちの親戚と美沙さんの両親だからね……。
二人は結婚式が終わると、新婚旅行へ出発する。ところが、花嫁の美沙さんは旅行先のオアフ島から、ひとりだけで帰って来てしまったんだ。アニキは旅行先に到着するなり、美沙さんを残して、どこかへ行ってしまったらしい。そんなにヒドイことをされても、自分からはこの結婚を破棄できないと美沙さんは言う。自分は、紺野家の養女なので、いままで愛情をそそいで育ててくれた両親たちに、心配も迷惑もかけられない……と。ボクは、美沙さんへの気持ちを忘れようとしていたんだけれど、もうそれができなくなってしまった。
そして……この物語は始まる!
キミだけに愛を・・・について
コマンド総当たり…もせずにでクリアできるアドベンチャーゲーム。セーブ機能も一応付いてはいるが急げば1時間でクリアできる。ゲームシナリオはアニキと結婚した憧れの人を奪うアドベンチャーゲーム。内容もそれに一貫しているが、他の周りのキャラクターの成り行きはほったらかし。オープニングに出てきた彼女(夏希)もどこへ消えたのか謎、と自分本位っぷりが伺える実も蓋もない展開。一応2種類のマルチエンディングが用意されているが、判定は合意の上だったかそうでないかの展開によってなされているという単純な判定だ。なお、パッケージやマニュアルには記載されていないがキャラクターデザインは漫画家の織倉まこと。ウリの一つにでもできそうなものだが、当時はまだ無名の域を出なかったのかもしれない(ゲーメストではよく見ていたが)
しかし、ウリ文句が
どんなにすごいファンタジーにも負けない
インピな日常が
彼女たちのスカートの下にある
と、「キミだけ」への愛もへったくれもない。
ここで取り上げるべき点として音楽が秀逸であること。あまり聞いたことがない作曲者だが、調べてみると色々とゲーム関連の作曲では有名みたいで、この手のゲームで特に有名なようだ。
調べてみると高見龍、BAKI、Akiraの3人ユニットのようだ。後にコズミックサイコで同レベルの曲を聴かせてくれる。
このゲームの曲の良さは、「普通の曲っぽい」ということ。いかにもゲーム的な曲ではなく、MIDIで演奏させればゲームの曲とはわからなくなると思われる。特に目立つ音色はピアノで音質はグランドピアノ系。全編に渡ってピアノのコードがカラフルに流れて心地よい。コードを全部FM音源で出せるのはX68000ならでは。
オープニングから聞かせる曲はT-SQUAREを連想させるフュージョン系でピアノ主体のメロディアスな曲。Bメロからサブで流れるギター系のバッキングの音もそれっぽく、一番印象に残っていて、最もお気に入りの曲。ただ、残念なのはAメロから-B-A-B-Cメロにと繋がると思いきや、A-Bの繰り返しなところ。Cメロに繋げてソロを聴いてみたいと思わせる。エンディングも同様でBメロでAに繋げて繰り返しである。
またピアノの音もいいが、ベースの音も心地イイ。音色が旨く合っていると表現すべきかもしれないが、違和感が全くない。お陰で、アナログ的な音に全体が仕上がっている
惜しむべきは前述したように全てにおいて曲の時間が短い。1曲の平均時間は1分を切っており、ゲームと割り切って作られているためかもしれないがあまりにも残念だ。