ウォーロイド
対応機種 : MSX
メディア : ROMカートリッジ
定価 : 5,800円
発売日 : 1985年10月18日
開発 : イエローホーン
販売元 : アスキー
○RAM16K以上必要
○ジョイスティック対応
目次
ウォーロイド for MSX
※マニュアル抜粋
SCREEN SHOTS
PACKAGE REPRODUCTION
█メモリ容量 16K以上
█ジョイスティック使用可
(2人でプレイする場合は、最低1本の
ジョイスティックが必要。)
ROM PACK
神殿、ピラミッド、巨大な機械、洞窟など、美しく変化に富んだ背景は全部で16面。ウォーロイドのリアルな動き、MSXの機能をフルに生かした、グラフィック、サウンド、スピードなど魅力もいっぱい。手に汗握って、思わず熱中してしまうオモシロゲームだ。
2人で同時にプレイすれば、楽しさも倍増、友達や家族とワイワイ言いながらプレイできる。ネアカでナウいゲームがこの"WARROID"だ。
MSXマークはマイクロソフトの商標です。
プログラマ""YELLOW HORN
表紙イラスト""内藤英治
Presented by ASCII HSP
〒107 東京都港区南青山5-11-5住友南青山ビル PHONE03-(486)-7111㈹
株式会社
アスキー
2013302
ISBN4-87148-839-X C3055 \5800E
『ウォーロイド』MSX版について
◆『ウォーロイド』MSX版概要
『ウォーロイド』(WARROID)は高田義広(Yoshihiro Takata)が開発を行い、1984年12月にSHARP X1シリーズ用としてアスキーから発売されたハイスピードアクションバトルゲーム。
このMSX版は移植作として小松田裕一(Yuichi Komatsuda aka イエローホーン)が開発し、アスキーより1985年10月18日に発売された。小松田裕一は1983年にアスキーからMSX用として発売した『パイパニック』や、1987年にゲームアーツからPC-8801シリーズ用として発売された『ぎゅわんぶらあ自己中心派』のプログラマーも務めている。
パッケージイラストはX1版と共用でペーパーアートで著名な内藤英治(Hideharu Naito, 1946年-)を起用している。
MSX版は純粋な移植作ではなく、タイトル画面と終了時のBGM追加、画面構成から背景など変更されている点は多岐に渡り、リメイク作と言っても過言ではないだろう。1985年当時テープ版でなければRAM容量を気にする必要はほとんどなく全機種で動く…と思いがちだが何気にRAMが16KB必要なので8KBのMSX(CASIOのPV-7が代表的機種)では動作しないのが注意点だった。
◆『ウォーロイド』の序章には『エグゾア』が存在している
『ウォーロイド』の序章にあたる『エグゾア』は「第1回アスキーソフトウェアコンテスト」受賞作でありSHARP X1シリーズ版が1983年にアスキーより発売。ストーリー上の続編として同じくSHARP X1シリーズ用として開発を行い、第2回アスキーソフトウェアコンテストに応募。その受賞作として発売されたのが、この『ウォーロイド』のオリジナルだ。
『エグゾア』は後にゲームアーツより発売された『テグザー』の名称の元になったシリーズ作品でもある。(『テセウス』、『エグゾア』、『グロブダー』を混ぜたものと「テグザー100の秘密」にて語られている)。
オリジナルであるSHARP X1シリーズ版での名称は『エグゾアⅡ ウォーロイド』。MSXで発売されるにあたり、『エグゾア』という名は消えることになる。MSXでは『エグゾア』が発売されていない上に、ゲームも続編として謳われている割にまったく関連性のないゲーム内容であったからだと思われる。(ただし、ストーリー上に『エグゾア』の名が記されており名残は残っている。)
◆当時のMSXユーザーには知られた存在だった『ウォーロイド』
当時、MSXユーザーにはメジャーとも言えた作品がこの『ウォーロイド』。MSXマガジンでは1986年2月号でトップ10の1位を飾っている。(その後もおよそ半年に渡りトップ20位以内に入っていた。)オリジナルに比べると知名度、人気共に別格の扱いを受ける。しかし、残念ながらMSXユーザーのこの熱量は家庭用ゲーム機のコンシューマー層にはあまり知られていないと思われる。それは家庭用ゲーム機への移植が実現しなかったからだ。
1986年8月には任天堂のファミリーコンピュータでもMSX版をベースとしたと思われる移植でアスキーから発売される(型番HSP-07)予定であったが、開発中止になってしまったのだ。もし、これが叶っていたならば、『ウォーロイド』の知名度は大きく変わっていたと思われる。(ただし、家庭用ゲーム機の層に受け入れられたかどうかは別と考えるべきだろう)
◆『ウォーロイド』のルール、そして死体蹴り
ゲームは1体1の対戦ゲームで2人、もしくはコンピュータとの対戦となる。ただし、2人プレイの場合は別売のジョイスティック(ジョイパッド)が最低限1つ必要になり、X1シリーズ版のようにキーボードのみで対人対戦はできない。
ウォーロイドの攻撃方法はビームとキックのみだ。主に遠方から間接的に攻撃できるビームがメインの武器となる。ビームの照準はざっくりとだが自動で行ってくれるのが画期的。(ただし、ビームは真下へ向かって撃つことができない仕様になっている。)
接近戦に持ち込んでゴリ押しするのか、それとも壁に隠れてタイミングよく狙い撃ちするのかという戦略性にも優れており、16種類(+4種類)ある背景パターンも相まって長く遊べるゲーム。また、エネルギーが0になって倒れた相手を蹴り飛ばす「死体蹴り」という行為ができるのが特徴。(対戦の場合相手に屈辱を味わわせるのには非常に効果的)
◆画期的だったパラメータのカスタマイズ
『ウォーロイド』は色々とカスタマイズのできる点が画期的だ。これにより対人対戦時のハンデを細かく付け楽しむことができた。パラメータは、ジャンプできる高さ(JUMP)、移動スピード(WALK)、ビームによるダメージの強さ(BEAM)、キックによるダメージの強さ(KICK)の計4種類。また、ゲーム内容には関係ないが、ウォーロイドの色変更も可能だ。GUNの色を透明(00)に設定すると、ビーム砲を持っていないことにできたので、キックだけで闘うといった多様な遊び方ができた。
◆思わず口ずさむBGM
『ウォーロイド』のBGMはX1シリーズ版に用意されていたゲーム中のBGMに加え、MSX版では タイトルBGM「Theme of Warroid」とゲーム終了時のBGMが追加された。この追加されたタイトル曲を高く評価するプレイヤーは多い。残念ながら作曲者は不明。MSXマガジン(1986年7月号)にてBGMプログラムのプログラムが公開されており、リスト内に「Written bt T.Sekino」とあった。もしかしたらこの方が作曲者なのかもしれない。
ストーリー
西暦1999年、わずかな誤解がもとで始まった異星文明エグゾアの地球支配に対し、国連宇宙軍は月に逃げ、細々と抵抗を続けていた。特に国連宇宙軍を悩ませたのは、エグゾアの使う高性能戦闘マシン、通称ウォーロイドであった。しかし、国連宇宙軍は2年間の研究の後、これに対抗できるだけの性能を持つウォーロイドの開発に成功し、大規模な地球奪回作戦を開始したのである。
そこで君の任務は、このウォーロイドに搭乗し、地球上を徘徊するエクゾアのウォーロイドを1機でも多く破壊することである。健闘を祈る。
操作方法
キーボード | ジョイスティック | |
---|---|---|
移動 |
ジャンプ
⇧ 左へ走る⇦D⇨右へ走る ⇩ ひざまづく |
ジャンプ
上 左へ走る左D右右へ走る 下 ひざまづく |
ビーム発射 | SPACE | トリガー |
一時停止 | STOP | |
パラメータの変更 (タイトル画面) |
ESC |
ゲーム画面について
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
① プレイヤー側ウォーロイド
1人プレイの場合の自機。2人プレイの場合のプレイヤー1。
② コンピュータ側ウォーロイド
2人プレイの場合はプレイヤー2のウォーロイド。
③ 得点
ビームが当たると30点、キックが100点。面クリア時の残りエネルギーx50点がボーナス得点となる。
④ ウォーロイドのエネルギー
ちょうど0になると移動とキックはできるが、ビームの発射ができなくなる。エネルギーがマイナスになるとウォーロイドは倒れ爆発する。(表示はマイナス表示されない)
⑤ バトルカウンタ
勝利したウォーロイドのカウンタが増える。1人プレイの場合、青のカウンタが無くなるとゲーム終了。1人プレイの場合は17面、33面、49面と16面毎に1つカウンタが増える。また1人プレイの場合、相撃ちの場合もカウンタが1つ減る。
⑥ ステージ
⑦ エネルギーボール
エネルギーが50増える。
⑧ 機雷
エネルギーが50減る。
裏技の紹介
◆自機をボーロイドにする
パラメータ設定画面でBキーを押しながらSELECTキーを押す。もう一度行うと敵側のウォーロイドがボールに、さらにもう一度行うと両側がボーロイドになる。ボーロイドでは当たり判定が小さくなる上に、ビームを真下へ撃てるようになる。
◆面セレクト
パラメータ設定画面でBSキーを押しながらSELECTキーを押すと、ウォーロイドのタイトル文字の下に "SCENE01" と表示される。キーを押したままINSキーを押すと数値が増え、DELキーを押すと数値が減る。タイトル画面へ戻りスタートすると選択したシーンから開始される。
◆隠し面No.1
シーン1からシーン4まで勝利したウォーロイドの残りエネルギーの末尾の数字を1にする。
◆隠し面No.2
シーン13からシーン16まで勝利したウォーロイドの残りエネルギーの末尾の数字を0にする。
◆隠し面No.3
シーン5からシーン8まで勝利したウォーロイドの残りエネルギーの末尾の数字を8にする。
◆隠し面No.4
シーン9からシーン12まで勝利したウォーロイドの残りエネルギーの末尾の数字を8にする。
背景はイエローホーン開発の『レッドゾーン』からと思われる。