Fantasy Roleplaying Game
ヴェルスナーグ戦乱
対応機種 : SHARP X68000シリーズ
メディア : 5inch 2HD (6枚)
定価 : 9,800円 (税別)
発売日 : 1993年4月28日(1991年12月6日→1992年1月下旬→2月20日→4月10日→8月7日→10月中旬から延期)
販売元 : ファミリーソフト
○31kHzモニター専用
○フルマウスオペレーション
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PROMO WORD
ヴェルスナーグ戦乱
………それは突然の出来事であった。
ストーリー
『魔法王国』
それは、神と人とが生み出した不可能の無い世界。
その繁栄は永遠だと誰もが信じていた。
が、その世界にも破滅の時が訪れた。
『魔竜』と『魔獣』の侵略である………
戦いによる世界の破壊を恐れた『神』は、ある決意を固めた。
自らの命と引き換えに『魔竜』を封印する儀式を行ったのである。
その行為は成功し『魔竜』は封印された。
が、『神』の誤算はそこにあった。
『神』が人に与えていた魔導器は、その『神』自身の力で作動していた。
それ故に、
力の源を失った魔導器は崩壊し、あるものは暴走し始めた。
そして、
ついには『魔法王国』自体を破壊してしまったのである。
結果的に『神』は、
自らの行為によって世界の大半を破壊してしまったのである。
『封印』により守られた世界は新時代を迎えた。
そう、『人』だけの世界=魔法の無い文明の始まりである。
時には争い、時には交流し進化していく『人』
そして、いつしか魔法は忘れ去られていった………
新暦 2050 『ヴェルスナーグ戦乱』勃発
アンキス帝国の皇帝カルロス=アンキスは、
隣国ゼナーグ王国へと理由なき戦いを始める。
その狂気に対して近隣諸国は連合軍を結成し、それに立ち向かう。
両軍は互角に渡り合い、戦いは膠着状態になってしまう。
が………その膠着状態を撃ち破ったのは。
意外にも帝国の皇帝カルロスの自殺であった。
長を失った帝国は、連合軍との和平を結び
『ヴェルスナーグ戦乱』は幕を閉じたのである。
新暦 2080
三十の時が流れ、戦いの場は癒されつつあった。
そんな世界で男は一人呟いた。
『また、戦いが始まる』と………
ヴェルスナーグ戦乱について

発売は1993年であるが、実は随分前から発売が予定されていたが伸びに伸びた作品であり、忘れられた頃に発売となった作品。付属の訂正マニュアルに記載されているが、パッケージやマニュアルは発売予定時期に作成されていたのか7枚と記載されているが、実際には6枚になっている。遅れに遅れただけあって、マニュアルに記載されているオリジナルシナリオディスクが貰える企画も中止になったと訂正マニュアルに記載されている。エンディングのFinという文字の下に出ているパスワードはその名残のようだ。

ファミリーソフトの作品という意味では異色であった。X68000オリジナルでは、それまで開発として別の会社が行ったものを販売するという形式を採ってきた。フィルインカフェ作品「あすか120%」や「マッドストーカー」等が挙げられる。それが、今回の作品には、それらの名が無いのだ。オリジナル作品という点では美少女系という18禁にも満たないソフトを作り続けてきた同社であるが、普通のオリジナルを出したのはX68000の作品としてでは初めてなのではないだろうか?ただ、前にも書いたとおり出すのが遅すぎた。
このゲームは1つ1つのシナリオをクリアすることによって、ゲームが進展するミニゲームの集まりのようなものなのだ。ただ、マップ自体はそこそこの広さがある上に、敵とのエカウント率は高い。奥深くまで、進みきり、ボスを倒し目的を達成すれば、街の場面へ戻るのが普通だろうと思いきや、いままで歩んできた道のりを逆戻りしないといけない面倒さ。そういう細かい部分での配慮がストレスとして貯まっていくのだ。また、ゲームの謎解きという意味では最初のステージが最も歯ごたえがあり、その後は単なるマッピングだけの為に存在するステージに近い。先細りが激しく、ゲームという意味ではストーリーの盛り上がりと反比例しており残念だった。

この作品の特徴の一つは「フルマウスオペレーション」。その名のとおり、全てをマウスでコントロールするというもの。しかしながら正直、フルマウスオペレーションが、この作品に適していたのかということに疑問を感じる。というのも、画面の左下に見える矢印をクリックしなければならないのだ。また、戦闘自体は移動画面と同様の画面で行われるのに、戦闘が終わった瞬間、マウスカーソルが所定の位置「左矢印の少し上」に戻るため、戦闘が終わるたびに矢印にマウスカーソルを移動させなければならない面倒さを抱える。この場合、素直にカーソルキーにも対応させるべきだったのではないだろうか?。
そして、大体の人が述べる戦闘時におけるAIの貧弱さ。無意味な行動が多く、ゲームオーバーになることもしばしば。特に、ダントツに強いキャラだけがザコに対して撤退したりして、残ったのが弱いキャラクターのみになるという訳のわからない動きをしたりする。また、戦闘は完全にコンピュータが行うのでユーザーが介入することができない。致命的なのが、ヒットポイントが少なくなろうが撤退しなかったりすることだった。

音楽に関しては、かなり良い作品だ。特にオープニング曲。フルートの音色と打ち込みのテクニックを自身の耳で確認して欲しい。ここまでできるもんなんだ、と感心させられる。そこからFM音源ぽいストリングスに繋がるところなんかは最高の出来映えだと思う。また、ADPCMを普通とは少し違った使い方をしているのも、この作品の特徴ではないだろうか。
恐らく中心で作曲しているのは、TOYO草薙氏であると思われる。調べると色々な情報が出てくるが、興味深いのがゲームを中心で作曲をしているわけではないのに、ゲーム音楽の作曲数は800を越えるということだ。また、ファミリーソフトの音楽顧問という肩書き付いているようだ。
そして、梅本作品と一発で分かる街の曲。曲調は「Yu-No」に近い。無意味に曲の時間が長いのも特徴的か。他にはギルガメスの曲がそうだろう。他にもあるのかもしれないが判断が付きにくい。Ruinなんかは、ベースの感じがそれっぽいんだけども…。
曲の横に使用ステージが書いてあるが、実はそれ以外でも使われているところがある。あまり中心的な使い方ではなかったので記載はしていない。曲の使い所も結構バラバラでこの辺りはきちんと考えて配分されているか結構怪しいものだ。
いただいた情報
こんにちは 投稿者:Nag
投稿日: 2006年 8月 4日(金)02時15分32秒
いつも楽しく拝聴させてもらっています。この間、X68kのヴェルスナーグ戦乱をリクエストして聴いていたのですが、無性に遊びたくなったので実機で起動してみたところ、オープニングの曲でMIDI(SC-88pro)からも音が発声されていました。たしかFM+ADPCMのみだと思っていたのですが。そこでゲームディスクを覗いてみたところ、サウンドドライバにZ-MuSicを使用していたので、収録曲を直接演奏させてみたところ、オープニング曲(ファイル名はopn_4.zmd)のみがFM+ADPCM+MIDIで残りはMIDIには非対応でした。パッケージにはMIDI対応とは記されていなかったのでちょっとびっくりでした。Syabu様も一度聴いてみてくださいませ。
こんにちは 投稿者:Nag
投稿日: 2006年 8月 2日(水)12時42分23秒
>Syabu様
ヴェルスナーグ戦乱に関してはシステム面で厳しい意見が多いですが、私としてはあの世界観が大好きでついついハマってしまった記憶があります。ファミリーソフトの作品の中ではどうしても地味な存在なので情報が少ないのは仕方ないのかもしれませんね。さて、あのオープニングに関してはSyabu様のおっしゃる通りかなと思います。FM+ADPCMであの完成度ですから下手にストリングスやベルをMIDIで鳴らすくらいなら、ドラムパートを鳴らしたほうがよかったと思います。でもあの曲だけMIDI対応というのは何か納得がいかないんですよね。では、また何か情報がありましたら提供させていただきますね。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源+ADPCM)
内蔵音源
音源チップ:YAMAHA YM2151(OPM)+ OKI OKI MSM6258
01 オープニング
02 ゲームセレクト
03 街
04 盗賊の洞窟 (STAGE1)
05 戦闘
06 ボス
07 森 (STAGE2)
08 村
09 リュール山 (STAGE3)
10 洞窟フールフール (STAGE4)
11 遺跡 (STAGE5, 6, 8, 9, 10)
12 ギルガメス
13 試練の塔 (STAGE7, 12)
14 ロンの負傷
15 ロモ神殿 (STAGE11)
16 魔竜神殿 (STAGE13)
17 ゼナーグ王国 (STAGE14)
18 ラストボス カルロス
19 エンディング1
20 エンディング2
21 スタッフロール
22 ゲームオーバー
曲名は勝手に付けたものです。
合計時間 : 36:03
作曲者 : TOYO草薙, 梅本竜