超快感3Dシューティングゲーム
ニューラル・ギア
対応機種 : SHARP X68000シリーズ
メディア : 5inch 2HD(2枚)
定価 : 8,800円(税別)
発売日 : 1990年11月23日
開発 : Fill in Café
販売元 : ビクター音楽産業
○サイバースティック対応
○MIDI対応(Roland MT-32)
○特典:豪華ロゴシール
数字ボタンを選択すると映像を再生
MT-32版 / 内蔵音源版
※マニュアル抜粋
PACKAGE REPRODUCTION
ゲーム性、グラフィックス、サウンドの全てが限界を超えた!!
多色高速疑似スプライトを使用。10MHzの68000CPUでの限界速度を実現!
大型エネルギー・ゲージ、スコア・ゲージの採用により迫力ある戦闘シーンを展開!
ステージごとに異なるテーマ曲など全20曲を収録。内蔵音源に加えて、MIDI音源(ROLAND MT-32)にも対応!
もちろん、リアルなサンプリング効果音も多数搭載!
▶全10ステージ構成。ステージごとに時代背景、戦闘シーン、敵キャラのすべてが異なります。
▶ステージ間のセッティングモードで武器の選択、次ステージの解説、自機のエネルギー残量などが表示されます。
▶武器は全5種類。誘導弾、キャノン砲など各ステージ、ボスキャラに合わせて選択可能。
▶戦闘中のスピード変更機能(後退も可)により、敵キャラの動き(前後左右から出現)、障害物の状況により臨機応変な戦いができます。
企画、開発―Fill in Café
制作、発売―ビクター音楽産業株式会社
パッケージの表示以外の機種では動作しませんのでご注意下さい。
このプログラムは賃貸業に使用することを禁じます。
また、個人用として使用以外のコピー、転用、改造は、当社に無断で行うことはできません。
お問い合わせ:〒151 東京都渋谷区千駄ヶ谷2-8-16 ビクター音楽産業株式会社
TEL.03-423-7901
ビクター音楽産業株式会社
\8,800
〈税抜〉
Made in Japan
『ニューラル・ギア』について
◆『ニューラル・ギア』概要
『ニューラル・ギア』(NEURAL GEAR)はFill in Café(フィルインカフェ)がSHARP X68000専用として企画・開発し、1990年11月23日にビクター音楽産業が販売を行った3D型シューティングゲーム。Fill in Caféは『メタルサイト』(1989年12月にシステムサコムより発売)の開発を行った チーム クロスワンダーのスタッフで構成されたチーム名で1990年に結成された。
ゲームデザイン及びプログラムは『メタルサイト』を開発した天野匠(Yakumi Amano)。引き続き仮名を使用しており、その実は森慎一郎(Shinichiro Mori)である。
またグラフィックスタッフとして『Oh!X』(ソフトバンク刊行のシャープ製PCを中心とした雑誌)ではお馴染みの高橋哲史(Tetsushi Takahashi)も参加していることが後に明かされた。(スタッフロールにはSPECIAL THANKSで名が刻まれている)
◆ディスク2枚になった大きな代償
ディスク枚数は『メタルサイト』の5枚から大幅に削減された2枚になった。これはゲーム中におけるディスク入れ替え発生によるテンポの悪さを反省しての対応なのか、それとも販売会社であるビクター音楽産業の意向なのか不明だ。ただ、同系列のゲームでディスク枚数の削減は一般的に中身の薄さを意味する。
事実、背景のキャラクターパターンが激減しており、『メタルサイト』のように地面に近づいたり、地形変化を楽しむことができない。また、迫力不足の要因として3D型シューティングゲームでは壁にあたる障害物も無くなったことも挙げられる。これはあまりにも大きな代償に思えた。
◆大きく変わったゲームデザイン
入力装置は『メタルサイト』と異なり、アナログ操作系のみに統一され、一般的なデジタル入力のジョイスティックやキーボードによる操作はできなくなった。そのため、移動にはX68000に標準付属しているマウスを使用(スピードスロットルの調整のみキーボードを使用)する。もちろん別売の外部入力機器であるアナログジョイスティック・サイバースティックにも対応している。
スロットル操作で特徴的なのは加減速、停止に加え後退まで行うことが可能になったことだ。これにより、静止している敵を追い越してやり過ごしたり、弾の回避、敵との接触を防ぎやすくするという攻略性の幅を広げている。ただし、ステージ進行が早くなったり、敵の登場タイミングが変わるということはなく後退し続けても何ら変わりなくゲームは進行する。(むしろゲームの攻略としては後退し続けるほうが有利)
◆ゲームデザインをプロに説くということ
これらのゲームデザインにおける変化に関して大きく関与しているのが Oh!X 1991年1月号(ソフトバンク刊)に掲載された 西川善司(Zenji Nishikawa)の『メタルサイト』に関するなかなか刺激的なレビューだ。
最後にこのゲームに対する意見を述べておきますが、このゲームはアクションゲームにもかかわらずスコア表示がないのです。ズームの「ジェノサイド」もそうでしたが、アクションゲームにスコアがないのはどうも目的意識がなくなってしまい、プレイしていても楽しくないのです。初めはエンディングを見たいがために頑張りますが、エンディングを見てしまったら、もうそのゲームを二度とプレイしなくなってしまいがちです。プログラム的には、スコア表示やその計算は非常に簡単なので「ジェノサイド」にしろスコア表示がないのはゲームデザイン上のミスか、勘違いとしか思えないわけです。
出典:『Oh!X』1990年1月号 THE SOFTOUCH メタルサイト 西川善司
ゲームデザインの話が出てきたついでに述べておきますが「メタルサイト」はなぜ自機がロボッ卜である必要があるのでしょうか。ゲームアーツの「テグザー」のようにロボッ卜形態と飛行機形態とで機能の差が出るようなゲームデザインをすべきだったと私は思います。このゲームは、オープニングでその機動兵器の機動性なんたらかんたらと言っておきながら、全ステージ通してパックパック背負った飛行形態のロボッ卜を操るだけです。たとえばロボッ卜形態だとスクロールが停止、もしくはゆっくりになって画面にたまった敵を一掃できるとかの工夫がほしかったところです。あと、どうもラストの敵以外は戦っているという感じを得られなかったのが少し残念です。
が、この「メタルサイト」、ゲームバランスは最高ですし背景のトラップやグラフィックなどの視覚的演出も工夫がなされています。プログラム的にはトップレベルなので次回作ではいま言ったようなゲームデザインのしっかりしたものを作ってほしいものです。
端的に書けば「ゲームデザインが糞だから次はもうちょっと考えて作れ」ということだ。
後のOh!X1990年12月号に記載されているが、驚くことにFill in Caféはほとんどの案を「意見を尊重して」ゲームに反映させたそうだ。恐らく制作スタッフはデザイン論をかなり上から目線で振り飾されたことに心穏やかでなかっただろうことは想像に難くない。決して「素晴らしい」デザイン論だから全て採用した作品を開発したのではなく当て付けであろう。
◆1ユーザーの声を反映した結果…
残念ながら『ニューラル・ギア』は『メタルサイト』と比較してランキングでは惨敗だった。評価以前に注目される何かが無かったのだろう。売れなかったのだ。
ゲームデザインの変更でスコア表示が行われたことにより繰り返しプレイしようというキッカケになっただろうか。ロボットが人間になり、スクロールを停止することも可能になり、敵を一掃できるようにもなったがそれらを改善だと注目したプレイヤーがどれだけいただろうか。そんなデザイン論はただの飾りなのだ。根本は別のところにあるだろう。
FM TOWNSにはできないX68000 ONLYの凄いゲームを作ろうという野心を持って作られた『メタルサイト』とゲームデザイン(ゲーム性)を重視し手堅く作られた『ニューラル・ギア』。雑誌などで広告や画面写真、レビューを見たプレイヤーにとってどちらが魅力的に映っただろう。その結果がランキングにも現れていたような気がするのだ。
ちなみに「自機がロボットである必要性がない」と指摘され『ニューラル・ギア』で自キャラを人間に変更した結果、Oh!Xに掲載されたレビュー記事がまた見事な切れ味だ。
確かにデキは「まずまず」だし、ゲームも楽しいのですけど、どうもキャラクターが……。敵キャラはなんかデコレーションケーキみたいにノッペリしているし、特に女性自キャラはせっかく「人間」なのに「スペースハリアー」の主人公のような人間臭さが感じられないのが少し残念。
出典:「Oh!X」1990年12月号 THE SOFTOUCH SPECIAL ニューラル・ギア 吉田賢司
しかし、突きつけられたデザイン論をすべて盛り込んだだけの作品でないことは解る。Fill in Café も売れないソフトを作ろうとしていたわけではないだろう。限られたディスク枚数、指摘のあったゲームデザイン要素の包括といった制約の中でブラッシュアップさせている。
◆決してヤケクソで作られたわけではないプロの仕事
きっちりと大きく表示させたスコア。そのスコア表示に対する当て付けのような度肝を抜く大きさで表示させたエネルギー・ゲージ、ヒット・カウント。自機は同社から1988年に発売された『アランティア』を思い出させるような美少女キャラとした差別化などデザイン論に対する単なる対応で終わらせていない。知名度は低いと思われるが、『ニューラル・ギア』といえば「ドデカイ数字と女性主人公キャラ」と印象づけることに成功している。
ゲームのルールは『メタルサイト』から大幅に変更された。左上に最も大きく表示される数値は重力シールド及びプラズマシールドを維持するエネルギーを示しており、エネルギー消失前に反時間軸転送技術により転送された各時代の戦闘型生物を破壊することが使命。レースゲームと同じようなルールだが、飛行スピードはエネルギーにもボス到達時間にも関係しない。敵や弾との接触はミスにならないがエネルギーが30ポイントロスする仕組みだ。また、単純にゴールすればいいわけではなく、最後に待ち構えるボスキャラクターをいかに素早く倒すかがクリアにおける最大の鍵となる。
この、ステージ最後に登場する(ステージ2のみ未登場)各ボスキャラクターの個性あるビジュアルと攻撃方法は多彩だ。特殊兵器との相性も考えられているため、選択により様々な攻略が可能だ。無理に戦わなくても時間経過でクリアできるボスは適当に回避して時間を潰すのがエネルギー効率が良かったり、本体を倒さず放出される分裂キャラクターを倒しまくってエネルギーの補給源にする、なんてこともできる。また、当たり判定の無いボスは最接近した瞬間に真正面からたらふく搭載兵器を撃ち込んで瞬殺なんて攻略法もある。
こういったボスの攻略法を探すのも『ニューラル・ギア』の面白さの1つだが、クリアの壁になるようなものはほとんど無く、そこまでシビアにプレイしなくても割と詰まらずにクリアできてしまうのでやりこみ要素を低く思われてしまいそうなのが少し残念だ。(難易度がPANICでも変化に乏しい)
◆完成度は高いが手堅すぎる作品
『ニューラル・ギア』は手堅く作られた印象がありゲームとしての完成度は格段に高まったと言える。しかし、敵の動きが単純で放つ弾数も少ない上にエネルギー制のため敵や弾に当たると大きな痛手を負うという緊張感が無くなってしまった。『メタルサイト』で高すぎると言われた難易度を真に受けたのかは不明だが、『ニューラル・ギア』では極端に難易度を下げてきた。高すぎる難易度というのは問題だが、簡単すぎるというのは達成感に乏しくなるため、それこそ飽きやすくもっと問題だと思うのだ。(プレイヤーにより変わるここが非常に難しいとはわかっているんだけど)
そして致命的に思えたのが期待していた『メタルサイト』のような度肝を抜かれるインパクトや迫力が無かったのだ。(『メタルサイト』のスタッフが開発したという触れ込みで各雑誌に書かれていたので期待したのは当然だろう)
散々書き殴ってしまったが私の中で評価が低いわけではない。個人的な期待値が高すぎたのだ。ディスク2枚組と考えればよく描けている敵キャラクター群。敵出現の間は悪いがそれをカバーする軽快なBGM。通しでプレイしても短い時間。この絶妙なバランスが今日もプレイさせるのだ。
◆与猶啓至の新しい魅力を聞かせてくれるBGM群
『ニューラル・ギア』のBGMは与猶啓至(Keishi Yonao, 1969年7月20日-)が『メタルサイト』から引き続き外部スタッフとして参加。『ニューラル・ギア』でもX68000に標準搭載されたFM音源(YAMAHA YM2151)に加え別売のMIDI機器であるRoland社の音源モジュールMT-32に対応している。また、FM音源での演奏時には同社として初めてADPCMをリズム音源(一部楽曲ではオーケストラヒットも使用)として使用し同期演奏させている。
『ニューラル・ギア』のFM音源版ミュージックドライバーは記憶が正しければヘルツで知り合ったプログラマーが作成されたものであるとのことだ。またMIDI版(Roland MT-32)に関しては『メタルサイト』と同様に『MUSIC PRO-68K [MIDI]』で譜面入力されたものをコンバートして使用しているということだ。ソフトハウスにより差があることは理解しているが、『メタルサイト』から1年経過しても音楽面での開発環境の厳しさに驚かされる。使用してみれば体感できると思うが、譜面入力はかなり面倒だ。『ニューラル・ギア』はFM音源版を想定してMIDI版から作成されていったとのことで、これだけのテクニカルな曲を作成したのは恐れ入る。
今でこそネットの力により与猶啓至が『メタルサイト』の曲作りに参加していたことは知られている。しかし、当時は与猶啓至の関わりを殆どの人が知らなかったはずだ。なぜなら、マニュアルやゲーム中でも音楽は安芸出(Izuru Aki)の一人の名前しかゲームでもマニュアルでも出ておらずあたかも一人で担当したかのようになっていたからだ。
そのお詫びもあってなのか、『ニューラル・ギア』では特別な扱いを受けている。例えば11ページしかないマニュアルに「ミュージックインフォメーション」という曲解説で2ページも割いたり、開発後記にも天野匠以外で唯一参加している。そして、極めつけはスタッフロールでトップに名前が刻まれていることだ。これが誠意と言わんばかり、可能な限りのフォローが行われている。
『メタルサイト』では安芸出の曲風に合わせて作った制約ありの制作だったが、『ニューラル・ギア』では構想4ヶ月制作3ヶ月を経て与猶啓至が思い描いた曲を作成されている。ゲームシーンに合わせた疾走感のある曲が多くネット上で調べている限りでも評価は非常に高い。また、南極面で流れる静かなイメージの代表格「MERRY DANCERS」でもベースの激しさでシューティングらしい躍動感を見事に表現している。
気になるのはパッケージ裏面には全20曲となっているが実際は15曲であること。また1990年12月7日号(11月16日発売)のログイン記事(アスキー刊)に「演奏時間に3、4分もかかる曲が全20曲も収録されている」とあったが、最長の曲で1ループ2分。このことからも、ステージの時間に曲を合わせて作成し直したとか、色々裏がありそうな気がする。
『ニューラル・ギア』のBGMではFM音源版とMT-32版の好みが別れる話を目にすることがある。これもBGMが評価されているが故に起こる議論だろう。私個人としては澄んだ音でカラフルに彩られたMT-32版を推したい。FM音源版も悪くはないのだがADPCMとの相性もあまり良くないように聞こえるし、私の思う与猶啓至の音色や音使いのカラーがまだまだ出ていない気がするのだ。好みの問題もあるだろうが、FM音源版がMIDI版を完全に上回った思うのは1994年にファミリーソフトから発売された『あすか120%』あたりだ。与猶啓至がセルフアレンジされた『ニューラル・ギア』(草原)こそ、これだ!という作品だ。このリアレンジで全曲聞いてみたい。
ニューラル・ギア 33周年記念 X68000音楽篇 完全版
COLD NERVE/2023年8月31日
メディア/価格:
CD CNCD-0004 4,000円(税込)
収録曲: DISC 01/INTERNAL FM ①LOGO ②KEEP TIME ③INVITE ④WHAT YOU CHANGE ⑤SYSTEMATIC EYES ⑥TOWN SCAPE ⑦DEPLETION ⑧VAST ⑨WAKE UP EVERYBODY ⑩MERRY DANCERS ⑪FLUXION ⑫SUPER SONIC ⑬DON’T TARRY ⑭COME TO A CLIMAX ⑮TIME SPRIT ⑯INVERSION ⑰Sound Effects DISC 01/INTERNAL FM ⑱KEEP TIME ⑲INVITE ⑳WHAT YOU CHANGE ㉑SYSTEMATIC EYES ㉒TOWN SCAPE ㉓DEPLETION ㉔VAST ㉕WAKE UP EVERYBODY ㉖MERRY DANCERS ㉗FLUXION ㉘SUPER SONIC ㉙DON'T TARRY ㉚COME TO A CLIMAX ㉛TIME SPRIT ㉜INVERSION DISC2/ARRANGE VERSION ①SYSTEMATIC EYES (Outside Sight) ②TOWN SCAPE (Multiple Chrome) ③DEPLETION (Wild Wide Waste World) ④VAST (Memory of Green Inferno) ⑤MERRY DANCERS (Within Shiver) ⑥FLUXION (Distortion of the Age) ⑦SUPER SONIC (Slimy Fire) ⑧TIME SPLIT (Fate) ⑨INVERSION (In the Future)
そう思い続けて数十年。2023年8月31日には『ニューラル・ギア 33周年記念 X68000音楽篇 完全版 CD』がCOLD NERVEより発売された。(購入する場合はショップによって特典が異なったりするので注意!)
disc.2はレジェンドが参加した令和版のフルアレンジを9曲収録している。『ニューラル・ギア』のBGMが好きなプレイヤーは必聴だ。
ゲーム・ストーリー
西暦2356年。その戦火を太陽系全体にまで広げた第4次大戦が終戦の日を迎えた。しかし、戦時中高度な発展を遂げたバイオ技術により生み出された戦闘型生物が増殖し、その中でも反時間軸転送技術により転送された一部の生命体が過去の世界へと流されてしまった。
西暦2423年、統一国家はそれらの戦闘型生物を処分すべく、極秘裏に作戦を開始した。この作戦のために開発されたバイオパワードスーツが、「ウィネス」(開発コード:BWTS-7)である。また、この「ウィネス」を装着し作戦遂行するために抜擢されたのが、「Emi・T・Fonon」。日系人女性である。
バイオパワードスーツ「ウィネス」とは…
時間移動が可能だが、残念ながらその性能は十分ではない。
時間的に閉じた空間線を作り出すことにより過去へは移動できるが、未来へ移動することはできない。その解決策として「ウィネス」には、睡眠ポッドとしての機能が装備されている。全ミッション終了後は、地中深く重力シールドに保護されながら冷凍睡眠で西暦2356年に帰還されるはずだが…。
結果として、今回の作戦が成功するならば、作戦司令部が「ウィネス」を過去へと送り出し、「ウィネス」に作戦指示を与えながらも、同時に別の救出班が睡眠ポッド(ウィネス)の回収を始める事になる。
重力シールドは、「ウィネス」の周りの空間を歪め極小特異点を作り出し、それを球形に並べている。機体に影響を及ぼさないように、その球体の内側に反原子を配置し、さらにその内側に反原子を支えるためのプラズマシールドで覆われている。エネルギーを大量に消費するのが難点だが、「ウィネス」本体にはほとんどダメージを与えない。
ウィネスの搭載兵器
ウィネスは通常兵器のキャノン砲の他に、SPC(スーパーキャノン砲)、誘導弾、サイドゼス、などの特殊兵器を搭載することができる。兵器の選択はゲームスタート時と各ステージ間で行うことができる。
キャノン砲
通常兵器で一切エネルギーを消費しない。特殊兵器を搭載しない場合はステージ開始時にエネルギーが150ポイント補給される。
SPC(スーパーキャノン)
貫通性があり、通常のキャノン砲よりいくらか強力。
破壊力:4
1発あたりのエネルギー消費量:5
誘導弾
オートロックにより最大4つの敵を追撃・破壊する。
破壊力:20
1発あたりのエネルギー消費量:20
サイドゼス
左右に広がり前方に向かって発射する。
破壊力:6
1発あたりのエネルギー消費量:6
???
トップシークレット。
破壊力:??
1発あたりのエネルギー消費量:??
ゲーム中の操作方法
マウス、アナログ・ジョイスティックのどちらかで操作する。
⇧ ⇦ ⇨ ⇩ マウス上下左右で移動スピード調整
スロットルの前後で加減速。
攻撃方法
キャノン砲
トリガーA
特殊兵器
トリガーB
一時停止
ESCキーで一時ゲームを中断できる。
中断している間はエネルギーも消費しない。
アナログ・マウス操作切り替え
全角キーON:アナログ・ジョイスティック・モード
全角キーOFF:マウス・モード
MIDI音源(Roland社MT-32系)モード
HELPキーを押しながら起動するとMIDI音源モード
画面とエネルギー
プレイヤーのエネルギーは次の場合に補給される。(エネルギーの最高値は999ポイント)
- ステージ毎に400ポイント
- 20機単位で敵を倒した時200ポイント
- 武器選択で「非搭載」を選んだ時150ポイント
エネルギーは通常一定量ずつ減少するが、特殊兵器を使用したり敵や敵弾に当たることによっても消費される。ヒットカウントは倒した敵の数を表すが、ボスのみ1体あたり通常より多い2~3のポイントがカウントされる。
🄰 🄲 🄴 🄱 🄳 🄵🄰 エネルギー・ゲージ
🄱 スコア・ゲージ
🄲 プレイヤー
🄳 ターゲット
🄴 スピード・ゲージ
🄵 ヒット・カウント
トリビア
スコアはカンストはするのか調べてみた
10万点の桁を超えると1桁追加されるが100万点の桁を超えた段階でスコアはリセットされる。皮肉にもスコア表示は存在していても意味がない事の体現となった。ちなみにヒット・カウントはステージクリア時に0へ戻るが、同じステージで99を超えると0に戻り新たにカウントされる。
プレイヤーキャラクターを左右で描き分けている
左右移動時に描かれているプレイヤーのキャラクターは右と左で反転を使わず描き分けられている。一般的には時間的効率からグラフィックエディターの反転機能を使って描くものと思われる。しかし、光源は左後ろ側にあるように見受けられ単純に反転を使用すると陰影方向がおかしくなるのを嫌って使用しなかったのかもしれない。それなら、いっそのことキャラクターパターンを描き直そうという製作者の思いなのか、こだわりなのか。こんな気づかれない所に力を入れているのはあまりにももったいない仕様だ。
デザイナー間で疎通が取れていなかったのか敵の放つ弾や敵には光源が真正面なものもあり、Oh!Xで「敵キャラはなんかデコレーションケーキみたいにのっぺりしているし」とレポートされていたのはこういう光源の統一性のなさが問題の一つだったのかもしれない。
ニューラル・ギア 33周年記念 X68000音楽篇 完全版 CDに採用
DISC.2に描かれている「Emi・T・Fonon」の後ろ姿。実は当サイトで以前にミスして使用していた画像を左右反転させて切り抜いた画像である。以前使用していたものはGIF変換を間違えて色が化けザラザラの色具合になっている。この世に2つとない画像となったわけだが、見事に化けた部分が一致しているのである。デザイナーさんがネットから見つけて拾ったものをわざわざ左右反転させているあたり闇を感じる。まさか、バレるとは思ってもいなかっただろうが。
ボス攻略のヒント
比較的難易度が低いと思われる ニューラル・ギア だが適当に進めると後半ステージでエネルギー切れを起こしがちだ。しかし、対策さえ練ればテクニックは全く重要でないのでポイントを押さえておけばエンディングを見ることは容易に可能だ。ただし、この攻略方法を見てプレイすると恐らく本来の面白さを削いでしまうので注意して欲しい。
なお、ボス攻略はもちろん重要だが、ステージ進行中にダメージをなるべく受けずエネルギー補給を狙ったプレイをすることも大事だ。そのため、攻略中心であればスピードは最低限にしてプレイするのがオススメだ。また画面に留まる敵はスピードで揺さぶりをかければあっという間に画面から消えるぞ。
ステージ1(亜空間1)ボス ハイドバード
ステージ1の最後に待ち受けるボスが「ハイドバード」。遠方からは弾を放ち接近戦では体当たりを仕掛けてくる。体当たりさえ気をつけておけば難なく倒すことができるはずだ。
ステージ1は練習ステージと言えるレベルで非常に易しく作られている。ボスもあっという間に倒せてしまうしダメージを数回受けても問題ないだろう。搭載武器は特に無しでも問題ないが無駄にエネルギーを消費する誘導弾は避けたい。なお、ステージ2はなぜかボスが存在しない。
ステージ3(草原)ボス ラビーグラス
ステージ3の最後に待ち受けるボスが「ラビーグラス」。群れで楕円軌道を描きながら接近、攻撃してくる。
攻略方法も不要なほどに真っ向から戦っても然程強くない敵だ。さっさと倒したい場合は搭載兵器にSPCを選択し、ラビーグラスが登場したら撃ち込むだけであっという間に倒せてしまう。ただ、ボス戦を適当に戦ってもあっさり倒せるのはこのステージまでだ。
ステージ4(ジャングル)ボス ボルディクス
ステージ4の最後に登場するのが「ボルディクス」の集団だ。楕円回転の行動で体当たりまで次々と仕掛けてくるので翻弄されると一気にエネルギーが削られる要注意ボス。
攻略方法は搭載兵器にSPCを選択し所定の位置(上動画参照)で撃ち続けること。上手く行けばノーダメージで抜けることが可能だ。攻撃を抜けられても同じ位置で攻撃し続ければ全て倒すことができる。無闇矢鱈にヒットアンドアウェイを狙うと却ってエネルギーを失いやすいぞ。ダメージを避けるのも重要だが最も重要なのは戦闘を長引かせないことなのだ。
ステージ5(空)ボス ハイドバード
ステージ5の最後に待ち構えるのは数テージ1で登場した「ハイドバード」の集団だ。遠方から弾を連射して攻撃してくるが時折近づいて体当たりする姿も見せる。
真面目に攻略してもさほど難しいボスではないが、搭載兵器をSPCにして所定の位置でボタンを押しっぱなしにしておけば次々と勝手に倒れてくれる。
ステージ6(極地)ボス ヴィランズ
ステージ6の最後に登場する三角錐の塊が「ヴィランズ」。増殖して攻撃してくる。
このステージ以降でゲームオーバーになった場合、コンティニューしてもステージ6に戻され再スタートとなる。これは制作者側が暗に用意してくれたボーナスステージだ。これを知っているかどうかでクリアの難易度は大きく変わる。
ヴィランズは中央の本体を倒せばステージクリアとなるので出現時に構えておけば瞬殺も可能だ。しかし、増殖してくる敵を20体倒せば通常のエネルギー補給を行えるのがポイント。ヴィランズ本体の少し横あたりが安全地帯なので適当なところまでエネルギーを回復させたら本体を倒して次のステージへ進もう。
ステージ7(夜の嵐の海)ボス グランディア
ステージ7の最後に待ち構える左右対称の人面生物が「グランディア」。群れをなして円を描きながら近づき攻撃してくる。
ボスは倒さなければならないものという心理を巧みに突いたボス。実は倒すことに躍起とならず回避行動だけで放置しているとクリアできる。近づいてきたときに一体ごと体当たりを狙うように離脱していくのである程度適当に避けていればクリアできる。ストーリーを考えれば逃げられるのは任務失敗になるのではと思うのだが。
ステージ8(荒野) ビッグヘン
ステージ8の最後に2体登場するとにかく醜く大きい大鳥獣が「ビッグヘン」だ。接近と離脱スピードが早く動きに翻弄されやすい。遠くに離れたときに大量の弾を放ってくる。
体当たりでダメージを喰らうかもという恐怖心が迷いを生じさせる心理的な罠で強く思わせるだけで実はそう強くない。搭載兵器にサイドゼスを選択し近づいてきたところで密着して撃ち込めばいいだけだ。
ステージ9(亜空間2)ボス ジオカサス、ランドスキャン
ステージ9の最後に登場するのは2種類のボスだ。中央のメインボスが「ジオカサス」、ジオカサスの周りを回っているのが「ランドスキャン」だ。体当たりによる接触はなく離れたところから大量の弾を放ってくる。
搭載兵器は誘導弾一択だろう。ステージ9はスピードを最低にしておけば簡単なので可能な限りエネルギーを補給しておく。ボスが出てきたら無闇に誘導弾を連射せず落ち着いて一発ずつ叩き込もう。一発無駄弾を撃つだけでエネルギーは20減るので慎重に。
誘導弾さえあれば倒すことは容易だが最大の要点は次の最終ステージまでエネルギーを持ち越せるかだ。最低200は残った状態でクリアしなければステージ10のクリアはかなり厳しいだろう。
ステージ10(亜空間3)ボス フェニックス
最終ステージはボス「フェニックス」のみだ。3体が時間差で迫り大量の弾と体当たりで攻撃を仕掛けてくる。色々と試しているが楽勝できる攻略方法を見つけられていない。
搭載兵器にサイドゼスを選択し目一杯近づくまで待つ。サイドゼスはボタンを押しっぱなしで連射できる便利仕様だが無駄に放ってしまうと画面から消えるまで次の弾を放てないのでとにかく近づくまで我慢。近づいたらダメージを気にせず胸元に密着してサイドゼスをブチ込む。開始時にエネルギーがおおよそ600程度あれば倒せるだろうがそれ以下だと苦しい場合がある。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(MIDI音源)
01 KEEP TIME (Loading)
02 INVITE (Unused)
03 WHAT YOU CHANGE? (オープニング)
04 SYSTEMATIC EYES (亜空間1/時間軸不定)
05 TOWN SCAPE (都市/時間軸D.C.2015)
06 DEPLETION (草原/時間軸D.C.429)
07 VAST (ジャングル/時間軸B.C.2754)
08 WAKE UP EVERYBODY (空/時間軸B.C.6722)
09 MERRY DANCERS (南極/時間軸B.C.7134)
10 FLUXION (海/時間軸B.C.8722)
11 荒野 (SUPER SONIC/時間軸B.C.9854)
12 DON'T TARRY (亜空間2/時間軸不定)
13 COME TO A CLIMAX (亜空間3/時間軸不定)
14 INVERSION (Game Over)
15 TIME SPRIT (Ending)
合計時間 : 21:58
ラジオ収録曲(FM音源+ADPCM)
内蔵音源
音源チップ:YAMAHA YM2151(OPM)+ OKI OKI MSM6258
01 KEEP TIME (Loading)
02 INVITE (Unused)
03 WHAT YOU CHANGE? (オープニング)
04 SYSTEMATIC EYES (亜空間1/時間軸不定)
05 TOWN SCAPE (都市/時間軸D.C.2015)
06 DEPLETION (草原/時間軸D.C.429)
07 VAST (ジャングル/時間軸B.C.2754)
08 WAKE UP EVERYBODY -空/時間軸B.C.6722)
09 MERRY DANCERS (南極/時間軸B.C.7134)
10 FLUXTION -海/時間軸B.C.8722)
11 荒野 (SUPER SONIC/時間軸B.C.9854)
12 DON'T TARRY (亜空間2/時間軸不定)
13 COME TO A CLIMAX (亜空間3/時間軸不定)
14 INVERSION (Game Over)
15 TIME SPRIT (Ending)
合計時間 : 20:57
作曲 : 与猶啓至
曲名に誤字がありマニュアルでは "FLUXTION"、スタッフロールでは "FLUXION" となっている。当サイトでは意味の通る "FLUXION" を採用している。
DISCOGRAPHY
ニューラル・ギア 33周年記念 X68000音楽篇 完全版
発売日: 2023年8月31日
価格: 4,000円(税込)
商品番号: CNCD-0004
販売元: COLD NERVE
収録曲
DISC 01/INTERNAL FM
01 LOGO
02 KEEP TIME
03 INVITE
04 WHAT YOU CHANGE
05 SYSTEMATIC EYES
06 TOWN SCAPE
07 DEPLETION
08 VAST
09 WAKE UP EVERYBODY
10 MERRY DANCERS
11 FLUXION
12 SUPER SONIC
13 DON’T TARRY
14 COME TO A CLIMAX
15 TIME SPRIT
16 INVERSION
17 Sound Effects
DISC 01/EXTERNAL MIDI
18 KEEP TIME
19 INVITE
20 WHAT YOU CHANGE
21 SYSTEMATIC EYES
22 TOWN SCAPE
23 DEPLETION
24 VAST
25 WAKE UP EVERYBODY
26 MERRY DANCERS
27 FLUXION
28 SUPER SONIC
29 DON’T TARRY
30 COME TO A CLIMAX
31 TIME SPRIT
32 INVERSION
DISC2/ARRANGE VERSION
01 SYSTEMATIC EYES (Outside Sight)
02 TOWN SCAPE (Multiple Chrome)
03 DEPLETION (Wild Wide Waste World)
04 VAST (Memory of Green Inferno)
05 MERRY DANCERS (Within Shiver)
06 FLUXION (Distortion of the Age)
07 SUPER SONIC (Slimy Fire)
08 TIME SPLIT (Fate)
09 INVERSION (In the Future)
当時の広告
カタログ
エンディングムービー