
マクロス カウントダウン for SHARP X1シリーズ

作品名 : マクロス カウントダウン
販売 : ボーステック
制作 : ALEX BROS
対応機種 :
メディア : 5inch 2D (1枚組)/テープ (1本組)
サウンドチップ : GI AY-3-8910
サウンド性能 : PSGx3
定価 : 6,500円(5D)/4,500円(TAPE)
発売日 : 1985年5月下旬
○ジョイスティック使用可
GALLERY
PROMO WORD
西暦 1999年、人類のテクノロジーをはるかに超えた謎の宇宙船が地球に飛来した。
それは、地球外知的生命体の存在と、大宇宙を戦場とする闘争のあることを人類にしらしめた。
墜落した巨大戦艦の修復に10数年の年月をかけ、ここに謎の宇宙船は巨大戦艦マクロスとしてよみがえった。
しかし、それは戦いの第一歩でもあった。
カウントダウン バルキリー発進せよ!
超時空要塞マクロスから飛び立ったバルキリーを操り君は リン・ミンメイを救えるか!
ガンポッドとミサイルポッドの2つを武器に敵ゼントラーディ軍にたちむかう。
広大な宇宙とゼントラーディ軍の戦艦の中でくりひろげられる戦闘シーン、そしてエンディングには何が!
映画版マクロスをリアルに再現したスクロールタイプのシューティングゲーム。
バトロイド。ガウォーク、ファイターとリアルに三段変形。
各タイプによって能力に特徴を持つ、キャラクターパターンは100以上、宇宙空間での戦闘、敵基地内への侵入など画面のバリエーションも豊富。
バルキリーの発艦が今秒よみに入った......
ゲーム ストーリー
ゼントラーディ軍にとらわれた リン・ミンメイを救おうと一人バルキリーに乗り、マクロスを発艦した 一条 輝。
敵陣の中、ミンメイを見つけ出すために広大な宇宙へ。
今、君(一条 輝)とゼントラーディの戦がはじまる
─カウントダウン─
ゲーム画面と操作
①
②
③
④
①連射ミサイル残り
一定の時間がたつと、スクリーン上に最大3つランプが点灯します。
②レーダースクリーン
画面よりも先に敵の位置を知ることができる。
③現在の変形タイプ
ファイター、ガウォーク、バトロイドが表示される。
④プレイヤー残り数
ゲーム開始時の数は4機です。
キー操作
●コントロール
テンキー
789
486
123
●変形
キーボード上部の数字キー
1 ファイター
2 ガウォーク
3 バトロイド
・変形時は動けません。
●ガンポッドミサイル発射スイッチ
SPACE
●10連発ミサイル攻撃
SHIFT+SPACE
但しプレイヤーの形がバトロイドの時は発射できません。
●タイムストップ
ESC
マクロス カウントダウンについて
マクロス カウントダウン は1985年5月下旬にボーステック(制作ALEX BROS)がSFアニメーション映画 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(1984年7月21日公開) をベースにゲーム化したもの。ジャンルは横スクロールアクションシューティングゲームで最初に SHARP X1シリーズ用 (テープ、5"2D)として発売された。これまでもマクロスを取り扱ったゲームはあったが、バルキリーのリアルタイム変形を行えた作品はこれが初出。テープ版は内容が一部異なるらしいが解らなかった。(後に広告へDISK版は グラフィック画像付 と記載されるも意味不明)X1-D の3インチ機種に対しては店頭でのパッケージ販売はなくメーカー対応で販売されている。同年11月30日にはMSX(ROM)、12月15日には NEC PC-8801mkⅡSR以降(5"2D)、翌年の1986年(恐らくテープ版が10月末、フロッピー版が11月末)には 富士通FM-7シリーズへ移植販売されている。
X1シリーズ と他機種で大きく異なるのが音楽。他機種は 愛・おぼえていますか(飯島真理)の音楽がタイトル及びエンディングで流れる。また、許諾証紙である JASRACシール(2007年4月廃止)がパッケージに添付されている。パッケージ構成や付属マニュアルもX1シリーズ用とそれ以外の機種では大きく異なっている。(X1以外は紙スリーブにポスター型マニュアルなのでボロボロになりやすい。)
マクロス カウントダウン では前述したとおり、ファイター、ガウォーク、バトロイドとバルキリー(VF-X1)のリアルタイム3段変形が可能だ。ファイターは移動力に優れているが小回りが効かない。ガウォークは飛行歩行共に小回りが効き最も攻撃力がある。バトロイドは唯一8方向の自動照準攻撃を可能としているが移動スピードは遅い。ちなみにガウォークやバルキリーは宇宙空間の隕石上や敵基地内に着地可能で画面スクロールを止めることができるという特徴もある。
敵を打ち漏らすことなくハイスコアを狙うならバトロイドで決まりだが、後半になると敵弾が移動スピードより圧倒的に速くて避けきれなくなる。当然1つのシーンも時間がかなり掛かることになるのでクリアに何時間かかるかわからない持久戦のようになる。ファイターやバルキリーだと撃ち漏らしが発生しやすく、敵弾が増えることになるので自機を失いやすくもなる。どの変形スタイルで行くか戦略性がプレイヤーによって変わる面白さがあった。
また、敵艦内では壁の隙間の形状に応じて変形しなければならず、ファイターではすり抜けられず壁に挟まれてしまうなんてこともあり、強引に1つの変形形状でプレイすることはできなくなっていた。
攻撃方法は弾数制限のないガンポッドミサイルがメインとなる。射出位置が凝っていて、ファイターとガウォークでも異なるのだ。地上スレスレの敵にはガウォークの攻撃は当たらないのでファイターで攻撃しなければならないといった戦略性もあった。細い通路ではバトロイドの8方向でも対応できないので、ファイターで低空飛行しながらガンポッド連射で一気に駆け抜け、広い場所に出たらすぐさまガウォークかバトロイドに変形というのが敵艦内攻略のポイントだったりするのだ。
ミサイル以外にオプション兵器としてファイターとガウォーク時のみ連射ミサイル攻撃が用意されている。最大3回まで使用できるが、再度使用するにはランプが再点灯するまで待つ必要がある。
マクロス カウントダウン で見逃せないのはシューティングとしては珍しくレーダースクリーンが存在していることだ。敵が出てくる位置が事前に分かるようになっている。敵が現れて放置してしまうと弾がバンバン飛んでくるので、レーダーを見ながら可能な限り早期に撃破しなければならない。撃ち漏らしを少なくし可能な限り撃破するのが攻略の重要なポイントでもあった。
もう一つの特徴が膨大なステージ数とクリアにかかる時間だ。ステージ数はなんと40シーンもあり、819画面分にもなる。途中には多重スクロールするゼントラーディ艦内のシーンまで用意されている!
ステージ構成はシーン1~8が宇宙空間、シーン9~16 がゼントラーディ艦内、シーン17~24 が宇宙空間、シーン25~32 がゼントラーディ艦内、そしてLASTシーン8~1 がゼントラーディ艦内となっている。
こう記載すると期待してしまうのだが、ボスキャラは存在しないし敵が出てくるまでの間延びがあったり、シーンクリアの演出もなく延々と続いていくのでプレイしていると単調に感じてきてしまう。
1つのシーンがひたすら長いのもつらい。ファイター移動時でおよそ90秒(宇宙空間など)~120秒(艦内など)かかる。一節によると普通にプレイするとクリアまで3時間半ほどかかるそうだ。コンティニューも無いのでクリアするのは至難の技だ。
プレイする上での注意点が1つある。シューティングにしては珍しくクリアするためのフラグがあることだ。普通にプレイしていては最終シーンに到達できずミンメイに会えないのだ。途中のシーン(12、28、32)で紫色の1ブロック(正体は不明)を破壊しないといけない。もし3箇所の内1箇所でも破壊していないとシーン32が終了した段階でシーン1へ戻されやり直すことになるのだ。ただ、X1シリーズだけ挙動がおかしいような気がする(下記トリビア参照)
なお、LASTシーンに到達できない問い合わせがボーステックへ多く寄せられたのか、X1用以外のマニュアルには予め攻略ヒントとして記載されている。ゲーム内容は変わらないものの色々な意味でX1シリーズ用は不完全であり、足りない部分を移植のたびに補ったのかもしれない。
マクロス を知らない人がプレイして面白いと思うかは微妙なところだが、当時は十分に楽んだ。最初からオールスターで敵が登場するわけではなくシーン数が進むにつれて新しい兵器が登場する。そういう小出しにしてくる所が子供心をくすぐった。リガードでも3種、グラージで2種、ヌージャデル・ガーやクァドラン・ローまで登場。特にクァドラン・ローのアニメ同様に見せるトリッキーで素早い動きには翻弄された思い出が残るプレイヤーも多いはずだ。
もちろん前述している複数のアニメパターンでバルキリーの変形機構を再現した点などはファンにとって嬉しい限りだった。店頭デモを見ずとも広告に掲載されたアニメパターン一覧を見ただけで マクロス カウントダウン の購入を決意させるだけの説得力がそこにあったのだ。
音楽についても触れておこう。X1シリーズ用の マクロス カウントダウン には 愛・おぼえていますか のメロディが一切入っていない。ではBGMが無いのかと問われれば少しの沈黙の後に「ある」と答えるだろう。ナムコの ゼビウス やカプコンの エグゼドエグゼス を思い浮かべてほしい。あれらがBGMと認められているのだ。 マクロス カウントダウン のゲーム中に奏でられている音は立派なBGMと言えるだろう。1984年1月の ゼビウス 登場からだと1年半。世の中のゲームミュージックは大きく変わった。しかし、その ゼビウス や エグゼドエグゼス をあえてリスペクトした。そう思わずにはいられないのだ。(勝手な妄想)
トリビア
【版権表記がX1シリーズやMSXは緩かった】
PC-8801mkⅡSR以降版とFM-7版は タイトル画面やエンディングに©ビックウエストと被せて表示される。(FM-7のタイトル画面は嫌味なくらい)エンディング画像に関してはタイトル画面の位置そのままで表示させているのでやや不格好だ。検閲でも入って注意されたのかもしれない。そもそも最初の広告は ©ビッグウエスト と誤記されていた。(後の広告では修正されている)
なお、X1シリーズやMSXにはビックウエストの表示がゲームに一切入っていない。(パッケージには許諾シールはある)PC-8801mkⅡSR以降版はここまでやるならエンディングメッセージもローマ字表記にせず日本語表示にすればよかったのに。
【X1シリーズだけフラグチェックがおかしい?(DISK版/TAPE版)】
私だけの環境かもしれないが、通常フラグをクリアしてもシーン1へ必ず戻されてしまう。その後シーン12で再び紫ブロックを破壊するとシーン16クリア後にラストシーンへ突入する。
【ディスク版とテープ版の違い】
明らかに違うのはエンディング後。テープ版はミンメイの絵で止まるが、ディスク版はキーを押すと GAME OVER になりネーミングへ移行する。
裏技の紹介
【無敵にする(DISK版/TAPE版)】
NMIリセットを押すと無敵になる。
当然放置していてもミンメイを見ることはできないのでそれなりにプレイはしないといけない。