
ナイトアームズ for SHARP X68000
作品名 : ナイトアームズ
販売 : アルシス ソフトウェア
対応機種 :
メディア : 5inch 2HD (2枚組)
サウンドチップ : YAMAHA YM2151, OKI MSM6258
サウンド性能 : FMx8, ADPCMx1
定価 : 9,700円(税別)
発売日 : 1989年12月8日
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店頭デモ製品版
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PROMO WORD
3Dと2Dが融合した,90年代の新シューティングゲーム!
■全方向三次元スクロールシューティング
■拡大縮小無段階3Dスプライト
■高解像、ワイドモード選択可能
■コンフィギュレーション機能搭載
■ステレオFM音源、ADPCM対応
■サイバースティック対応
悪の帝国サイファーは、その非情さと強力無比なる兵器「ステラスマッシャー」を持つことで、宇宙の中で恐れられていた。それはワープを使った遠隔攻撃兵器で、その名の通り星をも下く破壊力を持っていた。
彼らの攻撃がわが銀河系に始まった。が、敵の姿はどこにも見当らなかった。それもそのはず、彼らは4置6千万光年の彼方、かみのけ超銀河団の中にいたのだ。必死の探索の末、サイファーの基地をつきとめた銀河機甲騎士団(ギャラクシー・ナイツ)は、ステラスマッシャーを破壊するため銀河系最強の人型兵器「ナイトアームズ」を彼方の敵地へ送り込んだ。いま銀河系の存亡をかけ、孤立無援の戦いが始まろうとしている。
プロローグ

満天の空、きらめく星がひとつ、そしてまたひとつ消えていった。
人類が太陽系の他の惑星に進出し始めてから、早一千年もの年月が経過していた。その間、超高速通信や重力カタパルトを始めとするワープシステムの発展により、銀河系は一つに結ばれ、広大な共和国家を形成していた。この共和国家内外の治安維持は、銀河機甲騎士団=ギャラクシーナイツ(G.K.)が行い、人々(あるいは、その他諸々の生命体)から絶大なる信頼を得ていた。
銀河系内には、ここ数十年、大きな争いもなく平穏であった。だがこの静寂が破られる時がきた。突然レグルスがけし飛んだのだ。それは近隣の銀河を破滅に至らしめているあのCIPHER(サイファー)からの攻撃をうけたのである。彼らの攻撃は強力無比で、しかも避けようがなかった。
彼らCHIPERの兵器は、「ステラスマッシャー」と呼ばれた。それはその名の通り一つの星をも楽々と破壊するほどの威力をもっていた。その兵器のエネルギー源は、途方もないエネルギーが凝縮されているあのブラックホールであった。(どの様な方法かは判らぬが)彼らはこのエネルギー魂を取り出し、ワープで、設定したターゲットへ発射していたのだ。
ワープによる攻撃のため、CHIPERが果たしてどこにいるのか、次の攻撃のターゲットがどこなのか皆目わからず、ギャラクシーナイツは、これに対抗する術がなかった。
不意の攻撃の恐怖に震える日々が続いた。だが遂に、ギャラクシーナイツはワープ航路の割り出しに成功した。……が、喜びもつかの間、余りの事実に愕然とした。CHIPERは銀河系内にはいなかったのだ。それどころか近隣の銀河団の中でもなかった。ワープ航路の中の一つのエリアであったのだ。ワープ航路の起点は、はるか4億6千万光年もの彼方、「かみのけ座超銀河団」の中の一つのエリアであったのだ。だが、ワープ航路の発見は、ギャラクシーナイツに、反撃する唯一のチャンスをもたらした。早速、ギャラクシーナイツは、CHIPERの領域へ部隊を送り込んだ。
戦況は、我軍に有利であった。CHIPERは、ワープによる攻撃を行っていたため、弱体化した敵としか戦ったことがなく組織的な戦闘、接近戦には不得手であった。CHIPERは、ギャラクシーナイツの組織的な戦略行動の前に敗走しみるみる形勢は逆転していった。数多くあったステラスマッシャーは、次々と破壊されていき、人々は次々と寄せられる戦勝にわきたった。
戦いは、我軍の圧勝に終わるかに見えた。しかしCHIPERはその間、秘かに新型のステラスマッシャーを建造していたのだ。この事は、偶然にも捕虜となったCHIPERの士官かの口からもれたものだった。
早速、真偽を確かめる為に調査が始められた。そして間もなく驚くべき事実が判明した。
その新型ステラスマッシャーの構造は、一つのコンパクトな太陽系であり、その中心には太陽と連星をなすブラックホールがあった。そしてその近くには、巨大なステラスマッシャーが建造されつつあった。これらは一体となり、ぶ厚く厳重な隔壁でガードされており、その性能についても十分に推測できた。
これが完成すると、現状のギャラクシーナイツ最強の戦艦では、隔壁を破壊し突入を果たすことは到底不可能と思われ、我軍の敗退は火を見るより明らかであった。
ギャラクシーナイツ内では、差し迫ったこの緊急事態をいかに対応するか連日議論がかわされた。ギャラクシーナイツの司令官は非常事態のため、遂にギャラクシーナイツの技術陣が秘密裏に総力を上げて開発を進めていた、史上最強の単座式人型兵器の存在を公表した。開発コード UGK・A-1701「ナイトアームズ」である。
完成した「ナイトアームズ」は、前線基地「ベース11」で出撃を待っていた。だが必死になる敵もこの事を察知し、「ベース11」へ奇襲をかけた。不意をつかれた「ベース11」は、必死の応戦もむなしく、遂に敵の手におちてしまった。
別の基地「ベース7」で建造が行われていた別の一体が無事完成し、最強の装備をもつ「ナイトアームズ」は、ステラスマッシャーを破壊するため出撃を待っていた。間もなく決戦の火ぶたが切って落とされようとしていた。
ナイトアームズについて

スタークルーザーからアルシスソフトのX68000版作品はパッケージイラストが独特の空気を纏っていた。ジャケ買いは狙っておらず、あくまでデザイナーの趣味を貫いたとも思える。そして、今作より肥大化したパッケージ。ほぼ統一されていたと言っても過言ではないパッケージサイズのものより一回り大きくなっており、ブック陳列する際には目立つようにできていた。更に時を同じくして発売されていたX68000版ヴァリスはその上を行った。これは販売店の担当泣かせであったに違いない。カバンに入らなくて苦労した思い出が未だ残る。

パッケージがどうもうさん臭い絵柄で購入意欲をそがれた。しかし、スタークルーザーをプレイして音楽面とシナリオの素晴らしさに、ナイトアームズへの興味が湧き立った。このゲームの3Dという点において今までのゲームと徹底的に違ったのはキャラクターの拡大縮小の方法である。それまではアニメーション処理のように何枚かのキャラクターを用意しておきそれを順番に表示させることでいかにも拡大縮小しているように見せていた。ただ、滑らかに拡大縮小させるには、制限のあるメモリやパターン数では無理があるし、画面一杯にまで拡大させるような絵まで用意させるのは事実上不可能だ。そこで本来アーケードゲーム等のハードウェアのチップで採用されていた計算による拡大縮小処理をソフトウェアで擬似的に行うという大胆な試みをアルシスは行っている。これがアルシスのいう「拡大縮小32,767段階」である。

拡大縮小処理にプロセッサの処理を占有されてしまうという、ゲームとしての難点がこの部分で露呈していた。プロセッサの処理が10MHzと遅いために画面の描画がコマ送りやコマ落ちになってしまうのだ。それに加え、このコマ落ちと処理落ちを踏まえた難易度に設定されていた。高速なプロセッサを搭載した機種が後に出る事を想定していなかった為、16MHz設定のXVIでは滑らかにかつ高速に動作してしまい、敵の弾のスピードが早すぎて難易度が上がりすぎるという弊害までが現れていた。

ゲームのルールは3Dと2Dの2構成からなる変わったゲームだ。3Dの場合は奥に突き進むオーソドックスな画面。しかし、他のゲームと異なるのは真後ろに方向転換できること。後方に敵が現れた場合画面上に「WATCH YOUR BACK」と表示されるので、後方を振り向き迎撃する。
その他、2面のボス等後ろに回り込まれたりした場合にも方向転換を行い迎撃する。2Dの場合も見た目にはただの2Dだが、今度は画面の奥を向くことができ、それにより背景に居る敵を迎撃することができる。しかしながらゲームをプレイにおいて、このゲームの売りである「ホンモノ」の3Dっぽさを表現したかった部分には蛇足と思えて仕方がない。
事実3Dモードでは、方向転換せざるを得ない場面があるが(ただしボス戦の一部だけ)、それはごくまれな部分であり、ほとんどは正面を向いて突き進むだけだし、2Dモードにおいては左右の方向転換は行うものの、奥の方向転換、ましてや手前の方向転換など一切使用する必要はなく、無視して進んでも問題無く攻略できる。
奥に敵が居ようとも通り過ぎるだけである。また、肩に装着されるアイテムの「SNDユニット」を装備していれば自動的に奥側の敵を迎撃してくれるので、全くもって意味のない奥行きになるのだ。

ゲームとしての完成度にも甘さがある。当たり判定には敵、自機共に非常に難がある。自機に対しては大きく感じ、敵に関しては小さく感じるのだ。また、3Dモードでは自機が大きすぎて敵が撃ってきた弾が自機に隠れて見えなかったり、2Dモードでは敵の弾の大きさが妙に大き過ぎて非常に避けにくかったりと大変だ。
何が面白いのか?と改めて考えてみると「何だろう?」と首を傾げてしまう。爽快感に欠ける処理に、パッとしない自機、そして敵。よくわからない展開。スタークルーザーとは対照的に面白い部分を明確に列挙できない。しかしながら、なぜか今日もプレイしてしまう。アルシスは何かをこのゲームに封じ込めているに違いない。エンディングの惑星をぼーっと眺めながら、その背景に流れるモダンな曲を聴く。それだけで充実感が得られるのだから。

購入の動機にもなったアルシスの音楽にも触れておく。特に評価しているのは、FM音源で出しているとは思えない音色の作り込み、凝った音表現だった。今回もオープニングから非常に凝った音で奏でるのに驚愕した。FM音源を使った音楽でこれだけ細かい音、そして短音で聞いても雑音にしか聞こえない様々なバッキングの音色を加え8声で演奏させると、どうしてこうまでの音になるのか。
そして、細かい打ち込み処理。PCMドラムを使用しないのに、この完成度。聞く度に溜息が出る。ただし、ゲーム中の曲では2Dのモードの曲以外は「ウルサイ」だけに感じる。映画のBGMと同じように確かに世界観と合った曲と言われればそうだが、曲単体で聞いた場合には今ひとつで、このゲームに於いてはやはり「ウルサイ」だけなのだ。それゆえに、オープニング、エンディング、2Dモードの3曲以外は個人的に評価できない結果になった。(起動時のロード中の曲もイイので合計4曲)
しかし、一番好きなオープニングは、オープニング自体の尺が短く曲が最後まで聞けないという状況で、かつミュージックモードも非搭載だったから、ディスクをイジェクトしてよくループ地点まで聞いていた。
効果音の大きさが必要以上に大きいのも音楽が派手で聞こえなかったせいでは無いかと思わされる。店頭デモでは効果音しか聞こえなかった印象しか残っていない。
TRACK LIST
ラジオ収録曲
01 Morning Post (Loading)
02 One Voice in the Cosmic Fugue (Opening Demo)
03 Galaxy Knight March (Title)
04 Frenzied Dance of Light (3D scene)
05 Destructive Note (2D scene)
06 Cipher's Beat! (Boss)
07 Jazzy Moon (Stage2)
08 Banquet of Pterodactyls (Stage3-1)
09 A Shamble Rock (Stage3-2)
10 Travellers Tales (Stage4)
11 Blues for a Dark Star (Stage5a)
12 Feed Back (Stage5b)
13 Critical Tune (Final Boss)
14 Gloria in Exceisis Deo! (Ending Demo)
15 The Cavalier Ballad (Ending Theme)
16 Re-in (Game Over)
曲名は作曲者がつけたものではない。
合計時間 : 17:18
作曲者 : 山中季哉
DISCOGRAPHY
アルシス・ベスト・セレクション

発売日: 1990年12月21日
価格: 2,400円(税込)
商品番号: PSCX-1016
販売元: ポリスター
収録曲
〈プリンス・オブ・ペルシャ〉
01 プリンス・オブ・ペルシャ
02 ジャファーの陰謀
03 メニュー画面
04 石造りの部屋
05 装飾のある部屋
06 正義の戦い
07 スケルトン
08 ドッペルゲンガー
09 心臓破りの部屋
10 ジャファーの部屋
11 ジャファーとの対決
12 勝利の凱旋
13 戦いの軌跡
14 ペルシャの平和
15 回廊(未発表曲)
16 装飾のある部屋/(グレードアップバージョン)
17 プリンセスの不安
18 SE集
19 エンディングタイトル(店頭用デモ)
20 オープニングテーマ(店頭用デモ)
〈ナイトアームズ〉
21 アルシスクリスマスソング
22 ナイトアームズ
23 バッドシューター
24 スラッピングボール
25 バッドコンディション
26 メタルレディー
27 デストラクション
28 ラストドライブ
〈スタークルーザー〉
29 スタークルーザー
30 プロテクター
31 ビッグボス
32 スペースファイト
33 デザートゾーン
34 スペースフライト
35 ミッドボス
36 チャーチ
37 バーナードシステム
38 レッドゾーン
39 スペースボート
40 ボイドバトルシップ
41 遥かな宇宙へ
42 ミステリーエリア
43 ジューン(グレードアップバージョン)
44 地上~宇宙空間(グレードアップバージョン)
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YouTube
sm11363674 - X68000版 ナイトアームズ 店頭デモ
Knight Arms: The Hybrid Framer (1989)
- Sharp X68000 Playthrough
■エンディングムービー