最強最後のRPG遂に登場!!
ラスト・ハルマゲドン
対応機種 : NEC PC-8801mkⅡSR以降
メディア : 5inch 2D (7枚)
定価 : 7,800円
発売日 : 1988年7月16日(発売予定6月下旬から延期)
販売元 : ブレイン グレイ
○サウンドボードⅡ対応
○2ドライブ専用
目次
ラスト・ハルマゲドン for PC-8801mkⅡSR
※マニュアル抜粋
PACKAGE REPRODUCTION
最強最後のRPG遂に登場!!
最強最後のRPG遂に登場!!
はるか昔・・・。魔族と人類が共存していた伝説の時代、魔族は人類に敗れた。その後、人類
は地上の王となり長き年月をその手中に収めた。そして、はるか未来・・・人類は滅亡した。
長き時を地の奥底で耐え忍んでいた魔族は再び地表に蘇ったのである。時、同じくして人
類の滅亡を待ち望んでいたもう一種の生命体があった。宇宙からの侵略者である。その星
の王として君臨せんがため、今、 本当の最終戦争が始まった。しかし、それは魔族にとっ
てこれから歩まねばならぬ恐るべき時代へのほんの一歩にしかすぎない
ことをまだ誰も知らない・・・。
広大なマップ
通常の移動画面は2D表示、エリア
数にして5万エリアをかるく越えま
す。さらに建物の中は、3D表示。
もちろん、建物によって3Dグラフ
ィックは、すべて異なります。
圧巻のオープニング
2Dディスク2枚をフルに活用した
オープニング・シーン。魔物たちが
エイリアンとの戦いを決意するまで
のプロローグ部分が、アニメーショ
ン効果を駆使したオール・カラーで
描かれています。
超美麗なイベント・シーン
壮大なストーリーを彩る数々のイベ
ント・グラフィック。どんでん返し
に次ぐどんでん返しで繰り広げられ
るイベントは、4人のデザイナーに
よる場面ごとの書き分けで、リアル
な仕上りを見せています。
斬新なキャラクター
魔族はレベル・アップすると、その能力や特性が変化します。それに伴い、グラフィック
も変化します。さらに他の魔族の細胞を取り入れることによって、新種のキャラクターを
作成することも可能です。そのパターンは150種類以上!!
●2ドライブ専用
●外付ディスクは純正ドライブ以外での動作は保証いたしません。
●98シリーズ、X1はFM音源搭載でないと音がでません。
商品内容
● 5" 2D 7枚
●豪華カラー設定資料集
●白黒マニュアル
●大版マップ (60×60cm)
●チェック・シール
●ユーザー登録葉書
BG10001
PC-8801mkIISR以降
(サウンドボードII対応)
5” 2D 7枚組
7,800
円
このゲームにおけるプログラムやマニュアルを無断でコピーしたり、レ
ンタルすることは、著作権法により厳しく禁じられております。もし、
発覚した場合は厳重に処罰されますのでご注意下さい。
株式会社
〒102東京都千代田区飯田橋1-66-7 九段NIビル TEL.03-264-3039(代
『ラスト・ハルマゲドン』PC-88SR版 について
◆『ラスト・ハルマゲドン』PC-88SR版概要
『ラスト・ハルマゲドン』(LAST ARMAGEDDON)はブレイングレイが開発を行い、NEC PC-8801mkⅡSR以降用として1988年7月16日に発売したロールプレイングゲーム。『抜忍伝説』に続くブレイングレイ作品第二弾。
ゲームデザイナーは飯島健男(Takeo Iizima、1965年7月31日-)(現在ペンネームを飯島多紀哉として活動)。『抜忍伝説』で赤字になり、次にダメだったら会社を畳むつもりで出したのが『ラスト・ハルマゲドン』だという。(どこかで聞いたような話)
PC-8801mkⅡSR以降版 の発売を皮切りに、8月8日にはSHARP X1シリーズ版とNEC PC-9801シリーズ版、そして10月20日にはMSX2版が発売。翌年の1989年には機種の性能に合わせ大幅なグレードアップを行ったSHARP X68000版が3月に、富士通 FM TOWNS版が7月15日に順次発売された。また、後に家庭用ゲーム機への移植も行われている。
◆1988年は熱い夏、ハルマゲドンはやってきた
1988年の初夏は、日本ファルコム作品の『イースⅡ』を終えたプレイヤーが次なる大作ロールプレイングゲームを渇望していた時期。学生であれば壮大な夏休みを過ごすにあたっての1本に『ラスト・ハルマゲドン』を選択したPC-88ユーザーも多かったのではないだろうか?数千本という初回出荷分は発売日当日にほぼ完売したため、二次ロットの出荷分を求めて夏休み中にショップを魔物のようにさまよった思い出のあるプレイヤーもきっと大勢いるだろう。
◆人類が滅亡した後の魔族が主役、そして敵はエイリアン
『ラスト・ハルマゲドン』が一風変わっているのは、人類が滅亡した星(あえて「地球」と書かない)が舞台であり、プレイヤー側が地中深くに身を隠していた魔族であるということだ。しかも、敵となるのは魔族の住む星を攻めてきた異星人。魔物が自分たちの住む星を賭けて侵略者であるエイリアンと戦うという発想に度肝を抜かれたプレイヤーは私だけではないはずだ。
◆行動時間、日に制限がある種族でパーティーを組むという斬新さ
『ラスト・ハルマゲドン』のもつ特徴の1つは種族により行動できる時間帯が限られていることだ。そのため、昼(10:00~22:00)、夜(22:00~10:00)、そして毎月1日に訪れる通常経過時間の10倍の遅さで時間が進行する日 "サルバンの破砕日"(0:00~24:00)を担当する魔族をゲーム開始時に編成する。これが実はかなり重要。なぜならゲームを開始すると一切入れ替えなどの変更はできない理不尽な設定だからだ。
特に "サルバンの破砕日" が重要。ゴーレムとA.スフィンクスが確定種族だが、2種族とも武器や防具が作成できないので、そのあたりを考えてパーティを編成しないと "サルバンの破砕日" だけゲーム序盤は武器も防具も装備できないなんてことになり進行が大変になる。
…なんて気づくのはプレイし始めてもうやり直しができない所まで来たときだろう。
◆移動シーンは2Dと3D
キャラクターの移動シーンは、フィールド上を移動する「2Dマップ」と特定の建物内を移動する「3Dマップ」に別れている。見下ろし型ロールプレイングゲームとダンジョン型ロールプレイングゲームの融合型だ。「3Dマップ」時のみ CAPS キーのロックは関係なく日付、時刻、曜日、そして方角が強制的に表示される。
オートマッピングのない国産PC 3Dロールプレイングゲームの一例(1988~)
当時の3Dロールプレイングゲームは迷子になる、マッピングが面倒という点で拒否反応を起こすプレイヤーも一定数いただろう。海外パソコンゲームはもちろんのこと国産パソコンゲームにおける一般的な3Dダンジョンロールプレイングゲームはまだまだマッピングをプレイヤーが行うことこそが醍醐味と考えられている作品が多い。『ラスト・ハルマゲドン』発売の1988年だとオートマッピングなどまだまだ常識ではない時代だった。
しかし、『ラスト・ハルマゲドン』は幾分親切設計だ。制限はあるもののオートマッピング(初期パーティではサイクロプスと、A.スフィンクスのもつ「記憶力」という特性)を採用している。また、3Dマップのロールプレイングゲームだと数多くの罠や進行のためのフラグが仕掛けられており難儀するものだ。しかし、良くも悪くもそういったものはほとんどない。少しややこしいのは抜けられる壁の存在くらいだろう。それすらも「ダークボイス」という腕輪のアイテムを装備すれば気づかせてくれる親切設計だった。
◆戦闘はコマンドバトルでアニメーションも多彩
戦闘シーンはエンカウント方式でターン制のコマンドバトルを採用している。効果表現のアニメは攻撃方法やキャラクターによって変化するこだわりだ。しかし、その弊害でディスク読み込みが非常に多くアニメ発生ごとにドライブ1のディスクCをガシガシ読み込む。(ただし、後に発売するX1シリーズ版のようにスピードが阿鼻叫喚の地獄絵図にはならずスムーズに展開するのでご安心を。)
このこだわりを見せるアニメ。見応えがあるのは最初だけで、割とすぐに飽きた。慣れてくると、戦闘はさっさと終わらせたくなるため「簡易戦闘」によるアニメーションOFFをまず最初に選択するようになるプレイヤーも多かったのではないだろうか?無駄なディスクアクセスも無くなるのでいいことずくめだ。ただし、戦闘ごとに毎回選択するのは非常にダルい。戦闘アニメのON/OFFをシステムに組み込まなかったのは大きな失敗だと私は思う。
◆ショップなど魔族の世界にナシ!ないなら作ればいいじゃない
戦闘を有効に進めるための武器や防具、体力や状態異常を回復するためのアイテム。『ラスト・ハルマゲドン』ではこれらを購入するために街へ戻るなんて面倒な行動は必要ない。そもそも町やショップなど一切存在しない(ある意味では語弊がある)世界だ。能力は必要だがフィールド上でも建物内でも場所を選ばず「ジン」(エイリアンの体に付着している宇宙塵)を使ってその場で作成できる。治療用アイテムが底をついて絶体絶命なんてときでもジンさえあればその場で作成でき使用できるのは非常に心強い。
◆レベルの存在するパラメータ群
ラスト・ハルマゲドン のシステムにも数多くの特徴がある。その中で最も大きいと特徴と思っているのが戦闘方法で変化していくパラメータだ。攻撃特化の戦士型か、オールマイティの魔法戦士型か、魔法使い型か、はたまた防振りかなどの方向性が異なるパーティを戦闘方法で自由に作り上げることができる。
パラメータにはブレイン指数を除いてすべて経験値とレベルが存在する。戦士型のように攻撃力を高めたいなら接近攻撃などを行わなければならないし、MPを増やし新しい魔法を覚えるには魔法を使わなければならない。防御力を高めたいのであれば、防御を行うのが効果的だ。一辺倒の戦闘方法ではなくプレイヤーにより異なる戦略性の幅を持たせたのは非常に面白いシステムだ。
攻撃力、魔力、防御力などを満遍なく成長させるという戦略も可能だし、防御を徹底的に鍛えて戦闘でノーダメージを狙ったパーティ作成を優先させることも可能だ。もちろん、防御力や魔法など一切不要の脳筋パーティでもエンディングを普通に迎えられる。また、よく言われる "サルバンの破砕日" パーティーの成長不足問題も逃げ足か防御力をそこそこ鍛えれば実は問題ではない。"戻らずの塔" 以降は "昼" と "夜" のパーティがしっかりしていれば進行できる。このことは割と多い間違った固定観念を持っている諸兄に伝えたい。(もちろん3Dマップ内で "サルバンの破砕日" を迎えるのは大いに危険)
しかし、最初はかなり大変に感じるだろう。なぜなら、オープニングシーンでお察しのとおり魔族はエイリアンに対して非常に弱いからだ。特に魔族が弱いうちはそこそこの確率で発生する奇襲で先手を取られる。そうなれば一方的に攻撃をボカスカくらってあっという間にジ・エンドを迎えることも珍しくない。序盤は戦いが1回終わればセーブは必須!面倒そうに思えるかもしれないがセーブするのにディスクの入れ替えは発生しないので安心。これも、あくまで序盤だけの話だ。
◆ワクワクした石版巡り
『ラスト・ハルマゲドン』で面倒と誤解されがちなのはゲーム進行の目的でもあり、必ず語り草になる「108の石版」巡りだ。地表に落下した108個の石版に書かれている黙示録を読破するのが最初に行うべき目標。しかし、適当に訪れると大変なことになる。どこに何章の石版があるのかが決まっていれば攻略本で一発解決だが、そうは行かない。なぜなら、訪れた石版の順に黙示録の章番号が割り振られる システムだからだ。
パッケージに60cm×60cmの大判マップとチェックシールが付属しているのは訪れた石版をマーキングするためなのだ。チェックシールを貼り付けて、画面と大判マップとを見比べながら訪れていない石版を探すというのは斬新でもあり大仕事でもあった。だが、決して苦痛ではなかったことは声を大にして言いたい。その作業がとにかく楽しく、訪れた先に待っている想像のできない展開にワクワクしたのだ。(ただし、早解き目的や展開を知っていると途端に巡礼活動が面倒になるという側面を持っていることは理解している。)
一般的なロールプレイングゲームにおける基本的なスタートアップは簡単に達成できるお使い的な目的が用意されており、クリアすることで達成感や満足感を得る。ところが…だ。いきなり「各所に散らばっている108の石版を全て探索セヨ!」というファーストミッションを与えられるのだ。達成感を得るには途方もなく長い冒険が必要になると思われがちになるのも無理はない。
◆飽きさせないためのレベルアップ戦略
しかし、満足感は別の方法ですぐに得ることになる。ここでパラメータとそのレベルの存在が再び活きるのだ。
通常のロールプレイングゲームでは、レベル上げにおける反復作業がストレスの原因になる。しかし、『ラスト・ハルマゲドン』は違う。その地域における魔族のレベルが高すぎない限りは数回の戦闘で何かのパラメータレベルは確実に上がるのだ。目に見えてキャラクターがどんどん強くなるのは快感であり快楽の世界だ。
そんな戦闘や探索を優位に進めるポイントでもあり、『ラスト・ハルマゲドン』の特徴ともいえるのが、魔物の進化と合体だろう。総合レベルが5、9、13を超えると自動的に進化、総合レベルが17と34を超えると仲間のもつ細胞の融合による合体を行うことが可能となりお互いの特性を補う強力なモンスターになる。ただし、キャラクターによっては感情移入がとても行えないグロテクスな形態へと変化していく。ある意味ユーザーに媚びない硬派な作りのゲームだ。
試みは面白いのだが、難点を挙げるとすれば融合後のパラメータが見えないため比較検討が行いにくいことだろう。とはいえここは深く考えずに出たとこ勝負で選択するのが一興だ。
◆何もかも斬新に思えたストーリー展開
ロールプレイングゲームではお約束になりつつあったビジュアルも非常に刺激的だ。のっけのオープニングはもちろん、徐々に明らかになる謎、この星が辿ってきた歴史を物語るイベント・シーン、そして華を添える音楽。『ラスト・ハルマゲドン』の世界へグイグイ引き込まれた。魔物視点に立った予想だにできない数々の展開にこの物語の先を知りたいという欲に駆られて夢中になってプレイしていたのだ。奇想天外な展開はエンディングへ至るまで続いた。今になってプレイしてもシナリオの斬新さは顕在。この年齢になって改めてプレイすると、当時はなんとも思わなかったビジュアル・シーンの文章が意外に深いと考えさせられるものが数多くあったのも印象的だ。
『ラスト・ハルマゲドン』を個人的に推したいのは数々の試みに関してというのもあるが、シナリオが秀逸だったという点が最も大きい。現代でも通用するようなシナリオであると私は思っている。
だからといってリメイクすれば成功するとは思っていない。奇想天外なシナリオ頼りの側面があり、ネタバレすると一気にゲームの魅力は半減してしまうのにネタバレしすぎているからだ。そういう点では夏休み前に発売されたPC-8801mkⅡSR以降版と夏休み真っ最中に発売されたX1シリーズ版の学生プレイヤーは最高の環境だっただろう。(PC-9801シリーズの学生ユーザーはこの当時僅少だったと思うので割愛)
ストーリーの全貌を知ってしまうと数多くの石版巡りや攻略性のない建物探索、単純なレベル上げなど、物語がサクサク進行しないために面倒な部分が浮かび上がる。また、ゲームシステムの設計が過剰というゲームの本質にもたどり着いてしまう。そういう点では名作ではあると思うが鮮度が命でもあった作品でもあったと思うのだ。
◆機能は使い切っていないが名曲ぞろいのBGM群
『ラスト・ハルマゲドン』のBGMは葉山宏治(Koji Hayama, 1965年8月4日-)と猪瀬勝幸(Katsuyuki Inose)の2名で作成しており、その数は52曲に上る。葉山宏治は1986年にメサイヤ作品でデビュー、ブレイングレイを経て後にNECの家庭用ゲーム機であるPCエンジンで発売された『超兄貴』シリーズで一躍有名になるが、陰ながらクローズアップされた最初の作品はこの『ラスト・ハルマゲドン』だったように思う。
葉山宏治の話では3分の2を作曲したという事だったが、実際は異なることが猪瀬勝幸により述べられている。また、両名が関わったのは PC-8801mkⅡSR以降版、X1シリーズ版、PC-9801シリーズ版のみで、MSX2版やX68000版のデータ作成に関わっていないことも判明した。
50を超える曲数になってしまったのは贅沢にもイベント・シーンごとに曲を用意したことが原因だ。イベント・シーンは1度きりの短いものがほとんどだが「愛と優しさ」を除いて、全てにそれぞれの曲を割り振っているのだ。故に サウンドトラックとして発売された『ラスト・ハルマゲドン 全曲集』を何度も聞いていなければイベント・シーンの曲はまず覚えていないだろう。
繰り返し聞くことになる曲はどれも心地よい。「コマンド」から始まり、通常2Dシーンの昼、夜、サルバンの破砕日の「移動テーマ」。最も聞いた回数が多いであろう 「戦闘のテーマ」。3Dシーンでも「戻らずの塔」や「司令塔」などの精一杯頑張って作ったと思われるディストーションギターサウンドを多用したノリの良い忘れられない名曲も多い。そして、最後に流れるエンディング曲はグラフィックとメッセージが合わさって最大の効果が得られる最高の曲に仕上がっている。
https://web.archive.org/web/20090624015429if_/http://www6.airnet.ne.jp/~aniki01/
https://www.nicovideo.jp/watch/sm411836
https://www.nicovideo.jp/watch/sm411836
https://youtu.be/WjzvYLY3tmc?si=tNdyFkf3aYB9iFF2
ラスト・ハルマゲドン 全曲集
ポリスター/1988年10月25日
メディア/価格:CD H30X20010 3,000円 CT H25X1010 2,500円
収録曲: ①ラスト・ハルマゲドン オープニング組曲 ②コマンド~キャラクター~昼の移動のテーマ~108の石板 ③エイリアン~バスクの樹~戦闘のテーマI部 ④コールドスリープルーム~ダイアリー~CDルーム~IDカード~夜の移動のテーマ ⑤スペースシップ~コントロールルーム~司令官室のテーマ~ガルマの部屋 ⑥魔界~サルバン~戻らずの塔~鍵の部屋~氷河期~ノアの箱船 ⑦ 戻らずの塔~鍵の部屋~氷河期~ノアの箱船 ⑧ナポレオン~ヒットラー~1999年~想像~滅亡 ⑨モンスターフュージョン~モンスターバイブル~コマンドⅡ~昼の移動のテーマⅡ ⑩転移機のテーマ~石板製作所~石板製作室~109個目の石板 ⑪夜の移動のテーマⅡ~ファンタジーランドショップ~戦士たちとの戦い~メディカルセンター ⑫サルバンⅡ~王の城~王の部屋~コンピュータールーム ⑬戦闘のテーマⅡ部~指令塔~愛と優しさ~ラスト・ハルマゲドン・エンディング ⑭戻らずの塔(リミックス・バージョン) ⑮モンスターバイブル(リミックス・バージョン)
世間でも音楽性が評価されたのかサウンドトラックのCDとカセットテープも早々に発売された。しかし、収録されているのはPC-8801mkⅡSR以降版ではなくマイナーではあるが、発売当時最も音が豪勢であったX1シリーズ版が収録されている。(テンポなどの変更は若干ある様子)
『ラスト・ハルマゲドン』のオリジナルとなる音源であり指標となるのが、このPC-8801mkⅡSR以降版。ノーマル音源に加えて拡張音源である サウンドボードⅡ(FM音源6声+SSG音源3声+リズム音源+ADPCM1声)に対応している。しかし、拡張された機能であるステレオPAN、リズム音源、サンプリングは使われておらず残念ながら性能を活かしているとはとても言えない(データ上はステレオ対応で作成されている)。実際に使用されているのはノーマル音源(FM音源3声+SSG音源3声)演奏時のSSG音源部分をFM音源に置き換えただけの演奏で最大でもFM音源6声の演奏に留まっている。
また、「戦闘のテーマI部」や「戦闘のテーマⅡ部」、「モンスターフュージョン」(曲というには微妙)はFM音源をたった2声しか使用しておらずノーマル音源版と音が全く同じだ。(ただ、「戦闘のテーマ」は2声と考えればこれは完成度が高い)。逆にFM音源6声で演奏されている曲は全52曲中15曲しかなく、残りの曲はFM音源3声~5声しか使用されていない。(※15曲の内訳、オープニング2、オープニング3、キャラクター、昼の移動のテーマ、CDルーム、IDカード、夜の移動のテーマ、スペースシップ、戻らずの塔、1999年、コマンドⅡ、石板製作所、戦士たちとの戦い、メディカルセンター、王の城)
https://youtu.be/a5rZM_sKau0?si=_lLnvA1WwruicjED
ストーリー
「自分は一体、何のために存在しているのか。」
それが、彼ら(モンスター)にとっての主題である。
誰しも様々な状況に出会った時、1度は
自分自身に問いかけてみる問題であろう。
彼らは、それを追求するべく
決死の旅へと立ち上った。
"一体、自分は何者なのだろう?"
繰り返し沸き起こる疑問の中で、真実は常に
たったひとつしかない。
ひたすら、目に見えない何かを追い求め、
旅を続けることによって、次々と新しい
真実が解き明かされていく──。真実を知ることが良しか、悪しか、
それは彼ら自身にもわからない。
ただ、満たされぬ想い、未知への不安、疑惑、
焦り、苛立ち…それが一種の本能に近い
強力なものとなって、彼らを揺り動かすのである。行く手に待ち受けているものは、必ずしも
良いこととは限らない。
しかし、彼らはあえて"己を知る"道を
選んだのである。そして今、ひとつの真実を巡って
戦いの火蓋は切って落とされた。
キャラクター紹介
Orc (オーク)
昼のみ、活動可能なモンスター。ゴブリンと姿・形が似ており、昼と夜の活動を除けば、その特性もほとんど変わらない。
武器・防具の作成能力があり、手先の器用さで罠を外すことができる。但し、本編のオークは、昼間活動可能にあるにもかかわらず、火弱いという欠点がある。
特性:武器作成、防具作成、火に弱い、ワナ外しHarpy (ハーピイ)
昼のみ、活動可能なモンスター。上半身が人間の女性で、下半身が鳥、背には大きな翼が生えている。そのため、空中飛行が可能である。大変汚らしい、卑劣なモンスターであるがハーピイの世界において、それはあたり前とされている。
特性:飛行可能Goblin (ゴブリン)
夜のみ、活動可能なモンスター。武器、防具の作成能力がある。
細かい作業を得意としているゴブリンは、罠外しの名人でもある。かつて、彼らの祖先は洞窟を棲み家としていた。そのためか、ゴブリンは明るいもの、特に火などを苦手とする。
特性:武器作成、防具作成、火に弱い、ワナ外しGargoyle (ガーゴイル)
夜のみ、活動可能なモンスター。その昔、西洋にキリスト教が広まりだした頃、それまで信仰されていた神は地位が堕ち、建物の見張りを行うといった扱いになったり、所によっては邪神と化した。
これが、ガーゴイルの祖先である。灰色の大きな翼を持ち、空を翔ぶことができる。知能が高く、アイテム作成が可能である。
特性:道具作成、飛行可能Golem (ゴーレム)
サルバンの破砕日のみ、活動可能なモンスター。多く知られているゴーレムは、誰かの命令に服従し行動するとあるが、このゴーレムは独自の意思を持ち、それ故に他のモンスターと行動ができる。従って、思考あるゴーレムは石化しないものの、眠りや発狂などの精神面を攻撃する魔法にかかる可能性も多分にある。武器を持てるが、何も持たない時の方が威力を発揮できる。水に弱い。
特性:石化無効、水に弱い、武器防御A. Sphinx (アンドロ・スフィンクス)
サルバンの破砕日のみ、活動可能なモンスター。人間の、しかも美しい女性の容姿をしている。大変知能が高く、アイテムを作ることができる。
また、記憶力が優れており、ダンジョン内等で通過した所を覚えるといった特性がある。
特性:道具作成、記憶力Cyclops (サイクロプス)
随時、活動可能なモンスター。ひとつ目の巨人として広く知られており、ミノタウルス同様、かなりの腕力がある。つけ加えていうならばそれだけではなく、手先も器用で、罠を外すことができる。ダンジョン内などでマップの記憶をする能力を持ち、更に千里眼という、実に有効な能力も兼ねそろえている。戦闘の際、棍棒系統の武器を使用すると、かなりの効果が得られる。
特性:記憶力、ワナ外し、千里眼Dragonewt (ドラゴン・ニュート)
随時、活動可能なモンスター。空を翔ぶことができる。体は紫がかったうろこで覆われ、ちょうどとかげが2本足で立っている 状態と似ている。口から吐く武器・息(ブレス)は、ドラゴンによって様々な種類があるようだが、本編登場のドラゴン・ニュートは炎の息(ファイヤーブレス)を吐く。火の攻撃も、一切受け付けない。
特性:飛行可能、火に強いMinotaur (ミノタウルス)
随時、活動可能なモンスター。牛の頭に人間の体、といった奇妙な外観をしており、その腕力もさることながら、武器・防具の作成能力がある。両刀の斧を持ち、相手に猛然と立ち向かう反面、魔法などの仕様も可能。また、千里眼の持ち主でもある。戦闘の際、斧系統の武器を使用すると、更に強い効果が得られる。
特性:武器作成、防具作成、千里眼Skelton (スケルトン)
随時、活動可能なモンスター。本編のスケルトンは、人間が死んで蘇生したアンデットというより、ひとつの孤立した意思を持つモンスターとして登場する。
特徴として挙げられることの第1番目は、アイテム作成能力のあること。2番目に、毒を一切受け付けないこと。3番目は弱点だが、水に弱いということである。
特性:道具作成、毒無効、水に弱いGiantsnake (ジャイアント・スネーク)
随時、活動可能なモンスター。体内に毒の免疫を持っているので、毒を受けてもその状態(ダメージ)にはならない。全身は光沢のある紫色で、通常のジャイアント・スネークから更に変化しており、人間と酷似した腕が生えている。
水に強い、という特性を持つ。
特性:毒無効、水に強いSlime (スライム)
随時、活動可能なモンスター。色は全体的に蛍光を帯びたグリーン、ドロリとした液体状のものでできている。恐るべき消化作用を持ち、その姿に固定はなく、様々な形に変化できる。特性を挙げると、まずマヒにならないこと。
弱点としては火に弱く、火の攻撃を受けるとかなりのダメージとなる。
特性:マヒ無効、火に弱い、武器防御
メイン画面
①
②
③
④
⑤
① 名前
ゲームスタート時に登録した名前
② Level
現在の総合レベル1
③ HP
現在の体力
④ MP
現在の魔力
⑤ ST
状態による影響
状態 | 状態の表示 | 重複した時の優先度 |
---|---|---|
良好 | Good | - |
死亡 | Dead | - |
毒 | Po | - |
石化 | St | 1 |
眠る | Sl | 2 |
マヒ | Pa | 3 |
発狂 | Ma | 4 |
無言 | Si | 5 |
キー操作
●キャラクターの移動・ウインドウの選択
278
左46右
272
下
●RETURNキー
⏎が画面上で点滅している時に押す。
●TABキー
メニューウインド表示。
●CAPSキー
マップ画面への日付、時間及び曜日表示。
●/キー(ESCキー)
メニュー画面のキャンセルの時に使用。
●F1~F5キー
メニュー画面表示(右表参照)。
●CLRキー
パーティの並べ替え。
● スペース キー
2D画面にて飛行と着地を行う。
コマンド・キー
キー | コマンド | 機能 |
---|---|---|
F1 | 見る | 各モンスターの特性やパラメータ、武器などを見る |
F2 | 使う | 各モンスターがアイテムや魔法を使うときその内容を見る |
F3 | 渡す | 別のモンスターへ武器、防具、アイテム、ジンを渡すときに使う |
F4 | 捨てる | 持っている武器、防具、アイテムを捨てるときに使う |
F5 | 装備 | 武器や防具の装備や装備を外すときに使う |
パラメータ
パラメータには、体力、魔力、攻撃力、気力、悪運、敏捷性、ブレイン指数の8種類がある。各々にレベルがあり、このレベルは戦闘時やイベント時に大きく影響する。(但し、ブレイン指数はモンスターの固定した能力であり、レベルアップといった扱いにはならない)
体力(HP)
モンスターの体力レベルを表す。従って、この数値が減少すれば生命の危機となり、増えれば生命の強さに結びつく。減少した体力を回復させるには、アイテムや魔法を使用する他、魔界へ戻ることや、シャーマンの壺に入ることなどがある。
魔力(MP)
モンスターの持つ魔法のレベルを表す。最初の段階では、わずかながらの知識とパワーだが、回数を重ねるごとに知識も豊富になり、パワーもアップする。但し、魔法を使用するごとに魔力は消費される。戦闘中に魔法を使用すると経験値を得ることができる。
攻撃力
モンスターの攻撃力レベルを表す。つまり敵にダメージを与える力であり、これが増していくたび、その力を発揮していく。
防御力
モンスターの防御力レベルを表す。敵から攻撃を受けても、それを防ぎダメージを受けない力のこと。ダメージを受けたり防御を行うと経験値を得ることができる。
気力
モンスターの気力レベルを表す。気力とは、体力の減少した時のみその効果を発揮する、いわば隠されたパワーのようなもの。例えば、体力が著しく減少し死にそうになっても、気力の数値が一定以上あれば、火事場のバカ力のように敵を倒すことができる。
悪運
モンスターの悪運レベルを表す。悪運とは、その名の通り運のことを指し、その数値が高ければ高い程、窮地を脱せる可能性が強くなる。窮地の例を挙げると天変地異のような、避けようのないアクシデントなど。(左図は未完成)アイテムを使用したり戦闘を行うと経験値を得ることができる。
敏しょう性
モンスターの敏しょう性レベルを表す。文字通り、モンスターの機敏さを示すものであり、この数値が低いと攻撃・防御も威力を半減させてしまう結果となる。逆に、敏しょう性が優れていれば、攻撃・防御の数値が低くても、それを手助けするひとつの手段になる。
ブレイン指数
ブレイン指数とは、モンスターの知力を意味する。その明細は、好奇心、殺りく度、自己顕示欲、残酷度、理解力であり、以上の5種類から構成される。それぞれ固定した能力の数値であり、そのレベルアップはないが特定の意味を持っている。
トリビア
◆ログイン付録で残った謎に迫る
発売当時、一部のプレイヤーがどうすればグラフィックが見られるまでレベルが上がるのか話題にしていた悪運のパラメータ。これは地道にアイテムを使用するしか方法がないようだ。そうなると下記に記載する実験結果から普通にレベル99にできた人は存在しないのではないかと考えられる。
実験方法はエミュレータ上で『ラスト・ハルマゲドン』をノーウェイトで動作させ、戦闘中にアイテム「ダジルの光」の使用を繰り返し経験値を得る。キー操作はマクロにて自動化を行い実施。参考値としてレベル41からレベル42までの所要時間はおよそ50分。人間の操作ではレベル99は不可能に近いことがわかる。(間違いなく腱鞘炎になるであろう)
悪運レベルのグラフィックは偶数レベル時に縦の奇数ドットを表示し、奇数レベル時には縦の偶数ドットを徐々に交互で表示する。そのため折り返し点と考えるレベル41と42のグラフィックを合成すると完成図を早く見ることができる。
ヘブライ語の完全解読はできなかった。題名は「死神」と記されている。赤色で記載されている文章は逆さに記されているようだ。文章から部分的に得られるキーワード、ヤコブ、アブラハム、果樹園、エジプト などから旧約聖書の創世記に関して書かれていると思われる。
裏技の紹介
◆時間経過高速モード
2Dモード時にのみテンキーの5を押し続ける。飛行しながら魔界や石版などの上で待機していれば敵とエンカウントすることはなくやりすごせる。(もちろんパーティー内に飛行できる特性をもつ魔族のいることが必須だ)
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源)
サウンドボードⅡ
音源チップ:YAMAHA YM2608(OPNA)
01 オープニング1~4
02 コマンド
03 キャラクタ
04 昼の移動のテーマ
05 108の石版
06 エイリアン
07 バスクの樹
08 戦闘テーマI部
09 コールドスリープルーム
10 ダイアリー
11 CDルーム
12 IDカード
13 夜の移動のテーマ
14 スペースシップ
15 コントロールルーム
16 指令官室のテーマ
17 ガルマの部屋
18 魔界
19 サルバン
20 戻らずの塔
21 鍵の部屋
22 氷河期
23 ノアの箱船
24 ナポレオン
25 ヒットラー
26 1999年
27 想像
28 滅亡
29 モンスターフュージョン
30 モンスターバイブル
31 コマンドⅡ
32 昼の移動のテーマⅡ
33 転移機のテーマ
34 石版製作所
35 石版製作室
36 109個目の石版
37 夜の移動のテーマⅡ
38 ファンタジーランドショップ
39 戦士たちとの戦い
40 メディカルセンター
41 サルバンⅡ
42 王の城
43 王の部屋
44 コンピュータルーム
45 戦闘のテーマⅡ部
46 指令塔
47 愛と優しさ
48 エンディング1~2
合計時間 : 55:43
作曲 :
葉山宏治 (01, 02, 03, 05, 08, 14~16, 20, 22, 23, 25, 29, 30, 36, 38, 42~44, 46, 48)
猪瀬勝幸 (01, 04, 05, 06, 07, 09~13, 17~19, 21, 24, 26~28, 31~35, 37, 39, 41, 45, 47)
オープニング1,4が葉山宏治, オープニング2,3が猪瀬勝幸
05 108の石版 は共作
40 メディカルセンター は作曲者不明
DISCOGRAPHY
ラストハルマゲドン 全曲集
発売日: 1988年10月25日
価格: 3,000円
商品番号: H30X-20010
販売元: ポリスター
収録曲
01 ラスト・ハルマゲドン オープニング組曲
02 コマンド~キャラクター~昼の移動のテーマ~108の石板
03 エイリアン~バスクの樹~戦闘のテーマI部
04 コールドスリープルーム~ダイアリー~CDルーム~IDカード~夜の移動のテーマ
05 スペースシップ~コントロールルーム~司令官室のテーマ~ガルマの部屋
06 魔界~サルバン~戻らずの塔~鍵の部屋~氷河期~ノアの箱船
07 戻らずの塔~鍵の部屋~氷河期~ノアの箱船
08 ナポレオン~ヒットラー~1999年~想像~滅亡
09 モンスターフュージョン~モンスターバイブル~コマンドⅡ~昼の移動のテーマⅡ
10 転移機のテーマ~石板製作所~石板製作室~109個目の石板
11 夜の移動のテーマⅡ~ファンタジーランドショップ~戦士たちとの戦い~メディカルセンター
12 サルバンⅡ~王の城~王の部屋~コンピュータールーム
13 戦闘のテーマⅡ部~指令塔~愛と優しさ~ラスト・ハルマゲドン・エンディング
14 戻らずの塔(リミックス・バージョン)
15 モンスターバイブル(リミックス・バージョン)
ラストハルマゲドン 全曲集
発売日: 2023年2月24日
価格: 2,750円(税込)
商品番号: PCD-25356
販売元: P-VINE
収録曲
01 ラスト・ハルマゲドン オープニング組曲
02 コマンド~キャラクター~昼の移動のテーマ~108の石板
03 エイリアン~バスクの樹~戦闘のテーマI部
04 コールドスリープルーム~ダイアリー~CDルーム~IDカード~夜の移動のテーマ
05 スペースシップ~コントロールルーム~司令官室のテーマ~ガルマの部屋
06 魔界~サルバン~戻らずの塔~鍵の部屋~氷河期~ノアの箱船
07 戻らずの塔~鍵の部屋~氷河期~ノアの箱船
08 ナポレオン~ヒットラー~1999年~想像~滅亡
09 モンスターフュージョン~モンスターバイブル~コマンドⅡ~昼の移動のテーマⅡ
10 転移機のテーマ~石板製作所~石板製作室~109個目の石板
11 夜の移動のテーマⅡ~ファンタジーランドショップ~戦士たちとの戦い~メディカルセンター
12 サルバンⅡ~王の城~王の部屋~コンピュータールーム
13 戦闘のテーマⅡ部~指令塔~愛と優しさ~ラスト・ハルマゲドン・エンディング
14 戻らずの塔(リミックス・バージョン)
15 モンスターバイブル(リミックス・バージョン)
エンディングムービー
■エンディングムービー