創立5周年記念作品
デス・ブリンガー
対応機種 : NEC PC-88VAシリーズ
メディア : 5inch 2HD (2枚)
定価 : 9,800円
発売日 : 1989年2月10日
販売元 : 日本テレネット
○ジョイスティック対応
○FM音源対応
○要400ラインディスプレイ
○MUSIC MODE付き
○ユーザーディスク作成にブランクメディア1枚が必要
※ゲーム本編はサウンドボードⅡ未対応
※マニュアル抜粋
PACKAGE REPRODUCTION
16bitの極限、真RPGここに完結
!
「もっと主人公になりきりたい」
「より臨場感あふれる世界にのめりこみたい」
RPGファンなら誰もがそう願うであろう。
その想いを満たす新作がついにここに登場する。
プレイヤーの自由度を多様化させ、物語の世界が
あたかも現実の世界であるかのように展開していく。
デス・ブリンガーは、貴方のもう一つの
人生となるであろう。
時折現れる崩壊した壁が壁ごしの
マップや敵の位置を知らしめる。
3D
敵との距離感を表現。
なんと、遠くの敵が
見えるのだ。
キャラクターデザイン&アニメーション指導
"越智一裕"
▲戦闘モード
キャラクターの位置関係を表現。弓矢や魔法
の効用範囲で味方が巻添えを喰うこともある。
職業性を排除。レベルを技能毎で細分化することにより、プレイヤーにキャラクターの個性を
創ってもらうというもの。つまり、剣ばかりつかっていれば弓は上達しない。すべての武器、魔法、
能力それぞれにレベルが存在するのである。
█純正ディスクユニット以外では動作しないことがあります。█要400ラインディスプレイ
█マウスは、はずしてご使用ください。●MUSIC MODE付き。
※当社は、当社が著作権を有する本ソフトウェアの複製行為、及び賃貸(レンタル)行為について、これを一切許可しておりません。もし違反した場合は懲役または罰金が課せられます。
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『デス・ブリンガー』PC-88VA版について
◆『デス・ブリンガー』PC-88VA版概要
『デス・ブリンガー』(DEATH-BRINGER)は日本テレネットが開発し、NEC PC-9801シリーズ版をオリジナルとして1988年12月16日に発売した3D型ロールプレイングゲーム。
ゲームデザインは高井政彦(Masahiko Takai)が担当。細かいことを気にしたくない初心者にも、もっと細かいことにこだわりたい上級者にも楽しめるよう、テーブルトークロールプレイングゲームに見られるような生活感や世界観に力を入れたという。
キャラクターデザインは現在でもイラストレーターやアニメーターとして活躍されている越智一裕(Kazuhiro Ochi)が担当している。パッケージや広告にはもちろんのこと、当時の雑誌紹介などでは必ずといっていいほど取り上げられていたウリの1つだった。ゲーム中のキャラクターはもちろんのこと、マニュアルなどでもイラストを手掛けている。
◆突如のPC-88VA版登場
NEC PC-88VA版は発表当初に開発機種として挙がっていなかったが1989年2月10日に発売。マニュアルにも急遽対応のためか操作方法を含めた記載がなく、補足説明書(ペラ紙1枚)が付属する。
PC-88VA版のメインプログラマーはPC-88VA版『神羅万象』(1987年11月14日発売)に引き続き向井純(Jun Mukai)が担当。同社では 1988年に発売した『紫醜罹』(SAZIRI)のメインプログラムも一部担当している。
PC-9801シリーズ版と同時開発されていたSHARP X68000版(1989年3月10日)は遅れて発売。家庭用ゲーム機用としてNEC PCエンジンCD-ROM2(1990年4月27日)と SEGA メガCD(1992年4月17日)へ移植されているが、内容はアレンジされており、インタフェースや見た目が大きく変わる。
◆オリジナルのPC-98版
オリジナルであるPC-9801シリーズ版のメディアは5"2DD、5"2HD、3.5"2HDの3メディアにて発売。RAMさえ384KB以上搭載していればPC-9801初代 及びPC-9801U以外は全機種対応した。
1988年という時代はNEC製パソコンのゲームシーンにおいて8bitの中心機種であったPC-8801mkⅡSR以降のシリーズから16bitのPC-9801シリーズへのユーザー移行はまだ進んでいなかった。そのため、厳しいと予想される売上からほぼ全機種での対応としたのだろう。ただし、大きなデメリットもあった。
デジタル8色のパレット
1988年12月当時に現行発売していたPC-9801シリーズは4096色中16色表示対応機種に移行していたが、『デス・ブリンガー』は初期機種対応のため、グラフィックは下位の8bit PCであるPC-8801mkⅡSRのアナログ8色(512色中8色)より厳しいデジタル8色(8色中8色)で描いている。また、メモリなどの制約のためかCRT解像度400ラインにも関わらずグラフィック解像度は200ラインで描いている。そのため、表現力においてはPC-9801シリーズの優位性はほぼ無く、むしろPC-8801mkⅡSRのシリーズより劣っていたのだ。
◆PC-88VA版は機能を使い切っているのか?
その点も踏まえ、『神羅万象』でも PC-88VA専用としての片鱗を見せてくれた日本テレネットだけに、PC-88VA版はX68000版と同等のグラフィックで、サウンドボードⅡに対応したかなり凄い移植になると期待したプレイヤーも多かったのではないだろうか。ただ、雑誌でもPC-88VA版はその画面やサウンドに関してほぼ取り上げられることがなかった。その行く末と真相を知る人は少ないだろう。
その実は、ビジュアル、オーディオ面共にPC-9801シリーズ版のベタ移植だ。PC-88VAの優れた機能を一切使用しないデジタル8色200ライングラフィックをそっくりそのまま再現。BGMはサウンドボードⅡ発売以降、対応を貫いてきた日本テレネットだが未対応だ。またグラフィック面のみなぜか走査線を表示(プログラムにより取り除くことは可能)させている。
もし、グラフィックスをX68000版と同等にし、サウンドボードⅡ対応にしたならばPC-88VA専用としての存在意義は大きかったと思われるが、間に合わせで作ったような移植になってしまったのは残念だ。
◆漢字登録までも可能とした名前登録
『デス・ブリンガー』の物語はユーザーディスク作成から始まる。特徴的なのは主人公の名前を7文字まで漢字表記にすることもできることだ。過去にも主人公の名前を漢字入力できたロールプレイングゲームは存在したが、『デス・ブリンガー』もその一つだ。日本テレネットが「RPGファンの願望」と捉えていた「もっと主人公になりきりたい」という点を実現しており、本名を入力し主人公になりきることも可能とした。ひらがなやローマ字では感じなかった漢字の持つパワー(破壊力)は想像以上に大きいことに気づくだろう。
一般的なゲームでは一文字も入力しない場合、制作側の決めた主人公の名前が表示されたりするものだが、『デス・ブリンガー』はそんな親切設計ではない。今後、ゲーム上での名前は一切表示されない黒帯状態になるので注意が必要だ。
◆複雑なパラメータとスキル
パソコンゲームといえばマニア向けであり複雑で難しくて当たり前という風潮であったが、1988年ともなれば、よりシンプルに遊びやすく親切設計が好まれる時代の流れは既にやってきていた。逆に複雑なものは「本格的」であったり「リアル」という言葉をウリ文句として、それこそマニア向けとして発売される。そんな過渡期に発売された1作が『デス・ブリンガー』だ。戦士や魔法使い、僧侶などの職業性を廃し(それでも初期値で適正はある)てプレイヤーが各キャラクターの方向性を決めることができる画期的な設計だ。
紹介記事などでは「剣だけ使っていると剣のレベルが、魔法だけを使っていると魔法のレベルが上がる」とシンプルな書き方をされているが、その技能は21種類にも及ぶ。
では、パラメータに対応する武器や防具を装備して戦えばいいかというとそう単純ではない。技能レベルが0の状態は技能を修得していないということだ。その状態で対象の武器や防具を装備して戦っても経験を得ることはできないし、レベルは上がらない。
ならば、と勢いで行いがちなのが手当たり次第に技能を修得していくことだ。全ての技能を手に入れれば剣も魔法も使いまくれるスーパーキャラクターを育てることができる。そう思うだろう。しかし、これは初プレイで陥りやすい『デス・ブリンガー』の問題点でもある。
ある時気づくだろう。新たな技能を修得しようとした際「修得できません」という無機質なメッセージが出て何もできないことに。理由が表示されない(X68000版では改善)ため、種族など適正があるのだと勘違いするかもしれない。
しかし、よく考えて欲しい。『デス・ブリンガー』の特徴は職業性を排除したことだ。そして、もう一度マニュアルを読み返して欲しい。こう記載されている。「修得できる技能の数には限界があります。各技能の修得コストを合計してINT(知力)の2倍までしか修得することは出来ません」と。さらに、こうも記載されている。「一度覚えた技能を忘れることは出来ません」と。つまり、こうなっては打つ手がないということだ。
幸いにもこれでゲームが詰まない(面倒になる可能性はある)のが『デス・ブリンガー』の良いところだ。しかしながら、1回目のプレイでここまでを理解して進行させるのはかなり難しいだろう。攻略法が分かっていなければ、どこで、どんな 技能 を覚えるなんていう計画的なプレイは不可能。これが『デス・ブリンガー』における最大の難点だろう。
ただ、この育成システムは1つ1つを理解すると、面白さが増していく。エンディングを見たら終わりではなく、何度もプレイし直す可能性を秘めている。これが『デス・ブリンガー』の持つ隠れた特徴でもあるだろう。
ST(筋力) |
:武器を使って相手に与えるダメージや、装備できる鎧や盾の大きさに影響する。
対応技能:戦鎚, 両手用戦鎚, 剣, 両手用剣, 大型盾, 完全装甲, 格闘 |
---|---|
DEX(俊敏性) |
:武器の命中率、攻撃の回避率に影響。
対応技能:連接戦鎚, 細身剣, 弓, 石弓, 小型盾, 部分装甲, 鍵あけ, 格闘 |
POW(精神力) |
:MP、魔法に対する抵抗力に影響。※最大MPはPOWの4倍になる
対応技能:風系魔法, 火系魔法, 土系魔法, 水系魔法, 精神系魔法, 自然系魔法, 生死系魔法 |
CON(耐久力) |
:HP、運搬力に影響。※最大HPはCONの4倍になる。
対応技能:両手用戦鎚, 完全装甲, 両手用剣, 大型盾, 格闘 |
INT(知力) |
:技能の習得量に影響。※最大15までしか増えない
対応技能:なし。※特定のイベントにより上昇する。 |
ML(士気) | :戦闘時の積極性に影響。 |
技能に関してはこれだけには留まらない。例えば、新しい技能を覚えてレベル1から開始する際にスタート時と同じ強さに戻るわけではない。それが、数々の技能に絡んでいる地力にあたる基本能力だ。これらを上げるには上表を見ながら検討していくことになる。例えばHPの上限を上げたければ、CONを上げる必要があるので、両手用戦鎚、完全装甲、両手用剣、大型盾、格闘のレベルを上げることにより目標を達成できる仕組みだ。もちろん、技能 を覚えるには先述のINTの2倍までという制約を考えなければならない。どの技能を覚えるかにより、限界の最大値も異なる。プレイヤーによる個性も生まれるのが面白いところだ。
技能の修得はもちろん武器、防具の購入・修復などあらゆるものにはお金が必要だ。冒険者らしく探索で見つけたり宝箱から大金を手に入れることもあるが、そんなことは非常に稀。殆どは戦闘の結果で地味に得ることになる。そして、リアル志向なのが、獣類や昆虫類などは金銭を持たない。それ故に序盤はお金の工面に苦しむことになる。(そこをなんとかするのも冒険者だ)
それほど大事なお金なのに、仲間内でお金がどう取扱われているかあまり知られていないのではないだろうか?実は何気にリアル志向がここにも盛り込まれている。戦闘で手に入れたお金は等しくパーティーに分配される。(ただし買い物の際は割り勘になる)
注意点は、新しい仲間を加えるとそれまでのお金を等分されることだ。もし、一人別れると等分していたお金はそのまま持っていかれる。そして新しい仲間を加えると残りのお金を再分配するのだ。そのため興味本位で新しい仲間を短期で次々に交代するとお金は目に見えて目減りしていく。新しい仲間はただで雇うわけではないということを盛り込んでいるのだろう。
ちなみに別れた仲間を再雇用するとお金はそのまま所有しているのでその点は安心だ。(リアルに別れている間に使い込んでいたり増やしている…なんてことはない)
◆マッピング入門に最適なゲーム
システム面の難しさもあるが『デス・ブリンガー』をプレイするにあたって最もハードルを上げるのがマッピング必須な部分だろう。加えて自分の向いている東西南北の方向さえ分からないのでなにかのタイミングで迷ってしまった場合、元の見知った場所に戻るのは困難を極める。
それでも幸いなのはランダムエンカウントによる戦闘ではないし、ワープなどの意地悪な罠もないのでマッピングは行いやすいことだ。また、食料の概念が無いので彷徨っている間にお腹が減って体力切れで死ぬなんてこともない。よくあるロールプレイングゲームのように、ある地域を超えたら猛烈に強い敵が出てきて一瞬でやられてしまうということもない。迷うと元の道筋に戻るまで手間はかかるが、たまに出現する敵を除いてはのんびり探索することが可能だ。ある意味マッピングの入門向けとも言える。
◆それでも意外に適当にプレイしても大丈夫
こうしてみれば、ゲームシステムが多様で一気に理解するにはやや難解なので始める前に敬遠しがちになるかもしれない。しかし、システムのすべてを理解しなければ物語を進めることができないわけではない。マッピングさえしっかりしていれば割と適当なプレイでもなんとかなる懐の深さがある。そういった点はまさに 高井政彦の掲げた「細かいことを気にしたくない初心者にも、もっと細かいことにこだわりたい上級者にも」という思想が反映されているように思える。
ゲームをスタートすれば、忍び寄る王国の乗っ取り、村を脅かすオーク討伐、エルフの迷える森に潜む遺跡、ドワーフの洞窟、ドラゴンの試練、そして伝説の剣。主人公に恋心を抱くヒロイン。騎士を夢見る青年を主人公とした王道パターンのドラマが待っている。もちろん、イベントは王道パターンであっても物語は独自のものなので先の読めない展開が繰り広げられる。
進行に詰まっても会話を重ねていれば次にどんな行動に出るべきか分かるだろう。おまけに、意地悪な要素が殆どない(その反面プレイヤーによっては謎解き要素があまりなくツマラナイという結論に達する可能性は十分ある)ので物語の進行に集中できる。ここに、キャラクターをどう成長させていくかという戦略を持ち込むことでゲームとしての面白さは加速する。それが デス・ブリンガー の世界なのだ。
◆なぜかPC-88VA版だけ難易度が上げられている
何一つ、PC-9801シリーズ版と変わらないと思わせるPC-88VA版だが一部データ変更が行われており難易度が上がっている。その1つが寺院の魔法や鍛冶屋の武具などの縮小だ。後に発売されたX68000版は PC-9801シリーズ版に準拠しており、これはPC-88VA版だけの特徴である。
まず、毒を癒やす、マヒを癒やすが、最初の街であるソロンの街のパメムート寺院で扱われていない。序盤から スネークやスパイダーGなど毒を持っているモンスターが多数出現し、パーティーキャラクターは簡単に中毒になるので毒を癒やすが覚えられないとかなり厳しい。
そして、本来こういうときの頼みの綱であるシティア。なぜかPC-88VA版のみ毒を癒やすの呪文を修得していないのだ。つまり、まずは毒を癒やすを修得するためにガレクラームの街のガレイク寺院 を訪れなければならない。攻略マップを所有していれば難しいことではないのだが、初めてのプレイでマッピングしながらだとかなり苦しいだろう。しかも、ただでさえお金が厳しいのに魔法を覚えるための余計な出費まで必要だ。
たったこれだけの事だがこれだけでPC-9801シリーズ版やX68000版と比べ、序盤の面倒さと難易度は大幅に上がる。これはあくまで一例で、他のキャラクターも PC-9801シリーズ版で覚えていた魔法技能や魔法を覚えていない(スメロギ:自然系魔法0、ゼノフバルフ:水系魔法0、アリオノーラ:火系魔法0など)ものが細々と存在する。技能に関してはゲームを進めるのに有利になった点が何一つない。
追い打ちをかけるのが、店の価格設定だ。PC-88VA版はほとんどの地域でPC-9801シリーズ版より物価が高い。(寺院を除いた鍛冶屋、ギルド、魔法使いの家など)PC-88VA版はPC-9801シリーズ版より最大1.5倍の価格(デイムの砦、ドワーフの集落)で設定されている。
基本価格データに対する物価係数
ソロンの村 | :1.0倍(PC-98, PC88VA) |
---|---|
ガレクラームの街 | :1.5倍(PC-98)/ 2.0倍(PC88VA) |
エルフ達の集落 | :1.5倍(PC-98,PC88VA) |
レスフィドの街 | :1.5倍(PC-98)/ 2.5倍(PC88VA) |
デイムの砦 | :2.0倍(PC-98)/ 3.0倍(PC88VA) |
---|---|
エルフの集落 | :1.5倍(PC-98, PC88VA) |
アルヌの村 | :1.0倍(PC-98)/ 2.0倍(PC88VA) |
ドワーフの集落 | :2.0倍(PC-98)/ 3.0倍(PC88VA) |
『デス・ブリンガー』は地域による物価が設定されており、基準の価格に係数を掛けたものが反映されている。中にはPC-9801シリーズ版と同じ係数の村や集落は存在するが、PC-88VA版は基本的に高いのが分かるだろう。加えて、武器や防具など取扱内容は同じショップでもPC-88VA版は取扱数が少なかったりするのが上画像でも分かるだろう。ただでさえお金が手に入りにくい序盤は物価が高いとかかる労力も比例して跳ね上がる。
PC-88VA版で行われた調整は、難易度設定をハードモードに設定されているようなものだ。しかも比較して調べないとPC-9801シリーズ版のプレイヤーでさえも違和感だけで終わってしまうだろうある意味大きいが細かい部分だ。PC-9801シリーズ版の調整不足による改善であればX68000版にも反映されるはずだがそうでもないようだ。こんな気づきにくい所に何故わざわざ手を入れたのかは謎が残る。(そしてこの謎が明かされることは無いだろう)
◆テレネット色でファンタジー世界を再現したBGM
『デス・ブリンガー』のBGMは小川史生(Shinobu Ogawa)(2008年逝去)、佐藤天平(Tenpei Sato)の2名で制作している。作曲で明確になっているのは「黒い予感~マリオネットの笑い」が小川史生、「Last Odyssey」が佐藤天平ということだけで、他の曲は明かされていない。(曲風から明らかにどちらか分かる曲は存在する)
前述のとおり、PC-88VA版はサウンドボードⅡに対応していないためPC-9801シリーズ版と全く同じYAMAHA YM2203音源(サウンドボードⅡ搭載機は YM2608音源)を使用し、最大FM音源3音+SSG音源3音で演奏される。
当時発売されていた多数のPCゲームの中で、日本テレネット作品の音楽は割と高い評価をプレイヤーから得ていたと言えるだろう。しかし、決して音源の使いこなしが神がかっているとか、信じられない音を出すという点での評価ではなかった。聞けば日本テレネットと分かる特徴的なFM音源の音色と楽曲とのマッチングを評してであったと思う。しかし、悪く言えば世界観はある程度無視した勢いとノリで突っ走る曲が多数を占めていたように思える。(これは日本テレネットだけの話ではないが)
しかし、『デス・ブリンガー』ではそういった面から脱却した感を受ける。これまでの日本テレネット作品では、オープニングといえば垢抜けて明るかったり勇ましい曲が殆どだったが、「マリオネットの笑い」ではマハーヴィーラとその背景に起こる悲劇を見事に表現した曲に仕上がっている。また、フィールド移動というメインで最も聞くことになるであろう「FOREST」は傑作だろう。背景を知らずに聞くとつまらない曲に思えるかもしれないが、ファンタジー世界の壮大な森の中を冒険するというイメージが見事に再現されている。下手をすればここで日本テレネットの音楽ファンは拒否反応を起こすかもしれないが、各曲とも世界観を大切にして作られており、世界観ありきで作成されたBGM群にこれまでの日本テレネットのイメージを変える1作になったのではないかと思う。
使用曲に対する使用音数
FOREST | :FM音源3音+SSG音源2音 |
---|---|
満たされた想い | :FM音源3音+SSG音源3音 |
重農主義 | :FM音源3音 |
Spire | :FM音源3音+SSG音源3音 |
巴里の日本人 | :FM音源3音+SSG音源3音 |
神殿 | :FM音源3音+SSG音源1音 |
STARLESS | :FM音源3音+SSG音源2音 |
Toothache | :FM音源3音 |
---|---|
BUBBLES | :FM音源3音 |
STREET PERFORMER | :FM音源3音+SSG音源3音 |
BLOOD&FLAME | :FM音源3音+SSG音源3音 |
Refuse | :FM音源3音 |
LAST ODYSSEY | :FM音源3音+SSG音源3音 |
黒い予感 | :FM音源3音 |
マリオネットの笑い | :FM音源3音+SSG音源3音 |
日本テレネットはどの作品でも音源のフルパートを使うことすら稀でこの『デス・ブリンガー』においてもその傾向が見られる。『デス・ブリンガー』ではフルパートで奏でられているのが全14曲中、半数の7曲のみだ。考え方によっては、空きパートがあっても完成されているというのは驚くべき点ではあるが、もっと豊かな音を演奏することが可能であったという可能性を残したままという残念な部分でもある。
PC-88VA版はサウンドボードⅡに対応していないが、後に発売された『TELENET MUSIC-BOX』にはサウンドボードⅡ対応版が収録されている。そもそも付属のシングルCDに収録されているBGMがPC-88VAにて収録されたサウンドボードⅡバージョンだったことを考えると、データ自体は準備されていたのではないかと思われる。
サウンドボードⅡになってパート構成が大きく変わることはない。しかし、ステレオ化とリズム音源によるパーカッション類の充実が心地よく、もし対応していればというifを聞かせてくれる。
バックストーリー
神々の黄昏
遥かなる昔、神々は人間と共に地上にくらし、人々はその偉大な力の恩恵を受けて平和に暮らしていたと言われている。神々の操る偉大な魔法は魔物達を遠ざけ、嵐をしずめ、およそすべての厄災から人間の生活を守ってくれていた。人々は神に感謝しながら自らの生活を謳歌し、神々自身もこの平穏の時が永久に続くものと信じて疑わなかった。
破局は突然に訪れた。一人の邪悪な神が自らが最高神であると宣言し、他の神々に服従を求めて戦いを挑んだのである。混沌の時代が訪れた。神々は調和を失い、邪神に追従する者、新たに最高神の座を求める者が現れて凄惨な戦いが繰り広げられた。魔物や人間も例外ではなく、次々と戦いの渦に巻き込まれていった。
永遠かとも思われた戦いが終ったとき、邪神をはじめ、多くの神々が滅び去ってしまっていた。後に残されたものは傷つき疲れた神と、戦乱の爪痕に喘ぐ人間達だけであった。わずかに残った神々は、自分達の力が再びこの世界を崩壊に導くことを恐れ、この世界を去ることを決意する。そして、この世界を去るにあたって、人間がこれから自分達の力だけで生きていけるよう、魔法の力を分け与えた。やがて、神々が一人、また一人と遥かな地へと去り、人間の時代が始まったのだ。
人間の時代
悠久の時を経て人間達は繁栄の時代を向かえていた。人々は集まって国家を築き、豊かな暮しは文化を芽生えさせていた。魔物達は荒野に身を隠し、ときたま起こる戦いも騎士の名誉の元に行われ、この繁栄の時代を揺るがせるものでは無かった。
しかし、魔法だけは時代に取り残された様に、発展する気配すら見せなかった。人々は、神がその力を人間に与えなかったからだと考え、より偉大な魔法を求めることは神の意に逆らうことだと信じていた。けれど、一部の魔法使い達は、偉大な魔法の魅力に取り付かれ、日夜魔法の研究にはげみ、神々の遺跡を求めて辺境の地を探求し続けた。そして時代は流れた。
混沌の兆し
神々が遥かな地へ去ってしまったと伝えられる時から3,800年の後、この世界に再び混沌の時代が訪れようとしていた。 何処からともなく現れた謎の一団が村々を襲い始めたのである。そして、その影はひっそりと、しかし着実に主人公の回りにも忍び寄っていたのである!
キャラクター紹介
主人公 20歳(♂) Human
S T 9/ 9 DEX 8/ 8
POW 8/ 8 CON 9/ 9
INT 9/12 M L 15/15
H P 36
M P 32 運搬力 20/36
修得スキル一覧
戦鎚 3 細身剣 4 剣 5
小型盾 4 部分装甲 5 格闘 6
若き冒険者。幼い頃に両親を亡くし、それ以来、騎士に成ることを夢みて冒険の旅を続けている。現在は冒険の途中で立ち寄ったソロンの村の人達に、家族の暖かみを感じ、村に留まってオークや野獣から村を守る役目についている。まだ腕は未熟だが、彼自身も気付いていない大きな可能性を内に秘めている。
シティア 19歳(♀) Human 居場所:ノルロスの街(ノルロス)
ST 7/ 7 DEX 8/ 8
POW 9/ 9 CON 8/ 8
INT 12/10 M L 13/13
H P 32
M P 36 運搬力 20/30
修得スキル一覧
戦鎚 5 細身剣 5 石弓 4
小型盾 3 部分装甲 5 自然系魔法 4
格闘 5
美しく物静かな女性の伝道師。人々を苦難から救うことを志し、女性の身でありながら各地を旅して僧侶としての修行を積んでいる。また、きびしい修行の結果、自然系の魔法を使うことが出来る。戦うことは余り得意ではないが、それを補って余り有るものを持った女性である。
ラーラアルカス 320歳(♂) Elf 居場所:エルフ達の集落(ティボスティーの森)
S T 8/ 8 DEX 12/12
POW 11/11 CON 8/ 8
INT 19/11 M L 13/13
H P 32
M P 44 運搬力 28/32
修得スキル一覧
細身剣 7 剣 7 弓 8
小型盾 6 部分装甲 7 風系魔法 5
水系魔法 6 格闘 6
ティボスティーの森に棲むエルフ族の戦士。風系の魔法、水系の魔法、剣、弓、幅広い能力を持った優秀な戦士でエルフとしては珍しく、勇気と冒険心とを強く持っている。また、森には非常に詳しく、彼ならば普通の人間が通れないような所でも木々の間を縫って、道を見つけ出してしまうだろう。
スメロギ 42歳(♂) Human 居場所:ガレクラームの街(ノルロス)
S T 12/12 DEX 10/10
POW 9/ 9 CON 11/11
INT 13/ 9 M L 15/15
H P 44
M P 36 運搬力 32/46
修得スキル一覧
細身剣 6 剣 5 両手用剣 8
弓 8 部分装甲 7 完全装甲 7
格闘 8
遙か東の地からやってきた謎の戦士。性格は豪放、快活。奇妙な形をした剣と鎧を使い、白兵戦では無敵の強さを発揮する非常に頼りになる戦士である。けれど、自分のことは語りたがらず、何処から?また、何の目的でこの土地にやって来たのか?まったく謎に包まれた怪人物である。
フォボック 49歳(♂) Human 居場所:レスフィド城(ウエストイアノーク)
S T 10/10 DEX 9/ 9
POW 12/12 CON 11/11
INT 17/12 M L 14/14
H P 44
M P 48 運搬力 38/42
修得スキル一覧
戦鎚 9 連接戦鎚 10 小型盾 8
大型盾 9 部分装甲 8 完全装甲 9
精神系魔法 9 自然系魔法 9 格闘 9
シュターケル 31歳(♂) Human 居場所:レスフィドの街(ウエストイアノーク)
S T 9/ 9 DEX 12/12
POW 8/ 8 CON 10/10
INT 11/10 M L 12/12
H P 40
M P 32 運搬力 22/38
修得スキル一覧
細身剣 9 剣 8 弓 10
小型盾 8 部分装甲 9 鍵開け 9
格闘 10
ゼノフバルフ 85歳(♂) Human 居場所:ディムの砦(イースト・イアノーク)
S T 8/ 8 DEX 8/ 8
POW 13/13 CON 9/ 9
INT 16/12 M L 11/11
H P 36
M P 52 運搬力 12/34
修得スキル一覧
細身剣 8 剣 8 風系魔法 7
火系魔法 10 土系魔法 9 格闘 8
アリオノーラ 247歳(♀) Elf 居場所:エルフの集落(ミレアガルド)
S T 8/ 8 DEX 13/13
POW 14/14 CON 9/ 9
INT 20/13 M L 13/13
H P 36
M P 56 運搬力 21/34
修得スキル一覧
細身剣 9 剣 9 小型盾 8
部分装甲 9 風系魔法 10 土系魔法 8
水系魔法 12 格闘 7
ガフズ 250歳(♂) Dwarf 居場所:ドワーフの集落(ソードピーク山)
S T 13/13 DEX 8/ 8
POW 7/ 7 CON 14/14
INT 14/ 8 M L 14/14
H P 56
M P 28 運搬力 31/54
修得スキル一覧
戦鎚 13 連接戦鎚 13 細身剣 8
剣 10 小型盾 10 大型盾 12
部分装甲 9 完全装甲 12 格闘 9
ディーナ 16歳(♀) Human 居場所:グラステスヴァレー
S T 7/ 7 DEX 11/11
POW 9/ 9 CON 9/ 9
INT 11/ 9 M L 12/12
H P 36
M P 36 運搬力 21/32
修得スキル一覧
細身剣 10 剣 7 弓 12
小型盾 7 部分装甲 8 格闘 7
ハイドラックス 34歳(♂) Human 居場所:ダモスの神殿(クラウドパス)
S T 14/14 DEX 10/10
POW 9/ 9 CON 14/14
INT 18/11 M L 14/14
H P 56
M P 36 運搬力 48/56
修得スキル一覧
戦鎚 11 両手用戦鎚14 細身剣 9
剣 14 両手用剣 13 小型盾 11
大型盾 13 部分装甲 11 完全装甲 14
格闘 11
操作方法
●キーボードの操作
移動
Y
メニュー表示 キャンセル
会話モード
●ジョイスティックの操作
移動 トリガA 決定
メニュー表示 トリガB キャンセル
会話モード
画面説明
●通常シーン
①
②
③
① メイン・ウインドゥ
キャラクター達の目から見た風景が、3D画面で表示される。また、視界内にモンスターや人がいる場合3D画面内に遠近感を持った3段階のグラフィックで表示される。
② データ・ウインドゥ
キャラクター達が今いる場所の情景や地名、人との会話など、文章データが表示される。
③ ポートレイ・ウインドゥ
上段にはキャラクターの顔が表示され、下段にはそのキャラクターの体力、魔力等の情報が表示される。また、下段に表示される情報はその場の必要に応じて変化する。
●戦闘シーン
①
②
③
④
① メイン・ウインドゥ
戦闘の進行状況や、キャラクターの位置関係が表示される。
② データ・ウインドゥ
攻撃の結果やコマンドが表示される
③ ポートレイ・ウインドゥ
味方の状態が表示される。
④ モンスター・ウインドゥ
敵の情報が表示される。
状態による影響
肉体的状態 精神的状態
状態 効果 マヒ 戦闘ができなくなる。 中毒 戦闘はできるが、ダメージが回復しない。 石化 全ての行動ができなくなり、ダメージも回復しない。 死亡 全ての行動ができなくなり、ダメージも回復しない。 魅了 敵味方の区別がなくなり、防御しかしなくなる。 恐慌 敵味方の区別がなくなり、誰にでも攻撃する。 睡眠 戦闘ができなくなる。 気絶 全ての行動ができなくなる。
攻略のヒント
◆最初はとにかくシティアに毒を癒す魔法を覚えさせろ
前述しているが、PC-88VA版だけは、ソロンで毒を癒やす魔法を覚えることができない上に、シティアも最初から毒を癒やす魔法を覚えていない。この状態で経験を得るための戦闘を行うことは確実な死を招く。PC-88VA版はとにかくシティアを引き連れガレクラームへ向かい速攻で毒を癒やすの呪文を修得するのだ。面倒そうにも思えるが、マップが頭に入っていればシティアを仲間にしておよそ60秒で終わらせることができる。
◆ローブを装備して格闘を鍛えろ
格闘の技能レベルを上げるにはローブを装備するしか方法が無い。PC-9801シリーズ版のプレイヤーならば、そんな後半の鍛冶屋に出てくる装備の話をされても…と思うだろう。しかし、PC-88VA版では序盤のティボスティーの森にあるエルフ達の集落で手に入るのだ!これだけが、唯一PC-88VA版におけるデータ変更の改善ポイントと言える。無論、ローブ の持つ技能を知っていればという話だが…。
格闘の技能レベルを上げるにはローブを装備し、防御に徹すること。部分装甲などのように普通に戦ってダメージを受けてもまったく上がらない。なかなかレベルが上がらないので根気はいるが、上げていくと見返りは大きいぞ。攻撃力の低い ラット・G か バット・Gが現れればチャンスだ。ただし、勘違いしてはならないのは格闘だけを上げてもあまり意味はないことだ。他の武器や防具の技能レベルを上げることにより ST、DEX、POW、CON、の数値が伸びるのだ。(格闘はこの全てに関わっている唯一の技能)
◆シュターケルが仲間にならない
ゲームの進行上、ウエスト・イアノークのレスフィドの街では鍵あけスキルを持ったシュターケルを一度は必ず仲間にしなければならない。そうとも知らず、とりあえずそのまま先へ進めよう…として大抵のプレイヤーはここ詰まってしまうだろう。解決方法はかなり難しいので解法を記しておく。
まず、夜になるのを待ち酒場「ライヤー亭」へ繰り出す。中にそっけない態度を取る冒険者がいたはずだ。この冒険者を覚えておこう。中で 酒樽 を注文した後に先程の冒険者に話しかけてみよう。そうすれば道は開ける(結構無茶なフラグ)
◆ドワーフの集落で先へ進めない場所がある
ドワーフの集落で先に進めない場所があり、長老の許可を貰おうにも話にならないことがある。これにはフラグがあるのだが、気づかないうちに満たしていることも多い。ただし、どこでフラグが立つのか分からないとこの謎で詰まることがある。そもそも、なぜこの先に進む必要があるのかという理由が必要なわけだ。
この謎の答えは、ミレアガルドのリュガーゲンの街の中にある。街の中には「聖リュガーゲン騎士団の兵舎」があり、黒騎士の鎧に関してソードピーク山のドワーフに聞くように話をしてくれる。これがフラグとなっている。
フラグが立つと、ドワーフの長老は黒の鎧の話をしてくれ、長老の許可が降りる。この先の試練を乗り越えた者だけが、黒の鎧を貫くことができる剣「ヒートブレード」を手に入れることができる。ヒートブレードは「両手用剣」なので、この技能を修得しておくと後半はぐっと楽になるぞ。
◆ハイドラックスが仲間にならない
ハイドラックスはゲームの進行上で仲間にする必要はない。仲間にしたい場合、ミレアガルドにあるリュガーゲンの街で ハイドラックスの父親である 司政官「オルアード」と会話しリュガ・Rを手に入れること。これが条件だ。
◆ラスボスに勝てない
どうしても最後のボスで詰まってしまう場合、キャラクターの成長や装備の問題もあるが消耗に目を向けていないことが多い。消耗が50%程度になるだけで与えられるダメージはおよそ20%減少する。最初に辿り着いたときはかなり面倒だがグラステスヴァレーのアルヌの村まで戻って装備の修理を行ない、なるべく戦闘を回避して戻ってこよう。難しいようなら安い装備を別で購入し装備、ラスボス前で本番装備に切り替えるという手で乗り切ろう。
比較すると主人公だと神将に与えるダメージは「46→37」に下がっている。受けるダメージは消耗に関わらず大きいので、短いターンで終わらせるのが重要。そのため消耗が0に近いほど良い結果が得られる。消耗が100%なら勝利するのは不可能だろう。消耗に目を瞑ってここまではなんとかなっても、最後だけはどうにもならない。
トリビア
◆ゲームオーバー画面は2種類ある。
PC-88VAだけではなくPC-9801シリーズと共通だが、ゲームオーバー画面には2種類存在する。条件は不明だが、シティア が「よわむし!」とセリフを喋っている画面を拝むことができる。
◆パッケージ画面写真はかなり違う。
パッケージに使用される画面写真は大抵が開発中のものであり、実際の製品と異なる場合が多い。大抵は改善されているものだが、実際より悪くなっている。
爆燃魔法の効果グラフィックがグレードダウンしている。またタクティカル画面の木の並びはシンプルになっている。左上のキャラクターは現在行動している顔が表示されるはずだったが、常に主人公の顔表記になった。
細かい点では4角にオブジェクトが追加されている。かなりマニアックだが、製品では「オーク兵士」に変更。「死亡した」というメッセージは出なくなっている。(X68000版では「死んだ」という表記が表示される)
フィールド上に表示されるモンスターの大きさがパッケージ画面写真に描かれたものよりかなり小さくなっている。他の画面写真を見ていてもデジタル8色ではなくアナログ8色で作成されていた様子が見受けられる。
◆キャラ絵の色がPC-9801シリーズ版と一部異なる
PC-88VA版のフォボックやガフスの髪や髭の色が変わった。また、アリオーノーラの背景はマゼンダから黒に変わっている。ハイドラックスでも共通しているのはマゼンダのパレットがすべて黒色に変わっていることだ。
◆他にも色がPC-9801シリーズ版と一部異なる
寺院の背景色は大きく異なる。使用されている色数、パレットは同じだが蝋燭周りのや床の色、照らされている壁の色、鏡の輪郭の色等が変わっている。
鍛冶屋の背景色は床色あたりが大きく異なる。背景にマゼンダが使用されている箇所が全て黒色になっている。
酒場の天井付近の背景色が異なる。背景でマゼンダが使用されている部分は全て黒色になっている。
背景に描かれている瓶の色、棚に積まれている本がマゼンダから黒色に変わっている。この背景は宿屋や冒険者の部屋など多数共用で使用されている。
黒騎士の背景に描かれている瓶の色がマゼンダ系から変わっている。この背景はフォボックの部屋などでも使用されている。
他にも調べて分かったがPC-9801シリーズ版でマゼンダが使用されているパレットがすべて黒色になっており、バグの類ではないかと思われる。見た目的にも違和感はほとんど無いために見逃されたのではないだろうか。
裏技の紹介
◆ミュージックモード
オープニング中にF5キーを押す。追補マニュアルに記載されているので厳密には裏技ではない。ミュージックモードはPC-9801シリーズには用意されておらず PC-88VA版で追加されたものだ。ただし1ループするとフェードアウトもせず次の曲へ進んでしまうので物足りなさが残る。
◆スキャンラインを消す
PC-88VA版はグラフィックにスキャンラインが入ってしまうので消す方法。
1. N88-日本語BASICシステムディスクでBASICを起動する。
2. SCREEN WIDTH 0,640,4⏎
3. OUT &H100,INP(&H100)OR &H40⏎
4. SYSTEM⏎ でコマンドモードに戻る。
5 デスブリンガー のディスクAを挿入 AUTOEXEC.BAT⏎
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源+SSG)
ノーマル音源
音源チップ:YAMAHA YM2203(OPN)
01 黒い予感~マリオネットの笑い (オープニング1~2)
02 STREET PERFORMER (街/村)
03 FOREST (森)
04 Spire (戦闘)
05 満たされた想い (エルフの集落)
06 BUBBLES (洞窟)
07 STARLESS (航海ビジュアル)
08 巴里の日本人 (城/砦)
09 重農主義 (廃墟)
10 BLOOD & FLAME (山脈)
11 神殿 (神殿/塔)
12 Toothache (邪神登場ビジュアル)
13 Refuse (ゲームオーバー)
14 Last Odyssey (エンディング)
合計時間 : 21:09
作曲 : 小川史生, 佐藤天平
エンディングムービー
■エンディングムービー