新感覚のDSG。アクションへ、RPGへ!!
紫醜罹(サジリ)
対応機種 : NEC PC-8801mkⅡSR以降
メディア : 5inch 2D (2枚)
定価 : 7,800円
発売日 : 1988年4月(5日?)(発売予定3月下旬から延期)
販売元 : 日本テレネット
○1ドライブ対応
○PC-88VA対応
○FM音源対応
○ジョイスティック対応
GALLERY
PROMO WORD
新感覚のDSG。アクションへ、RPGへ!!
これはただのアクションではない。
もちろんRPGでもない。新開発のDSGである。純粋なるアクションゲームとパーフェクトなRPGとに、プレイヤーの判断でいつでも変換できる。さらにビジュアルはADV。それぞれのゲームを混ぜ合わせているのではなく、すべての要素を独立して持っているのがこのゲーム。どこでチェンジするかを決定するのはあなただ!
プロローグ
……今より、はるかに遠い時間と時空の果て
1つの邪悪な生命体が生み出された……
あらゆる恐怖を実体化させる究極の凶悪生物
それが《SA・ZI・RI》である……
その驚異的な増殖力と変成能力は
いともたやすく宇宙の全生命を
滅亡寸前に追いやった……
だが、そこに1人の絶大な力を持つ超能力者が現わ
れその侵略を止め、《SA・ZI・RI》の源核を
重力封印し、全宇宙の危機を救った。
そして時は流れ、その史実はいつの間にか伝説化さ
れ人々は真の恐怖を忘れてしまった……
しかし今、その封印が何者かによって解かれようとして
いる……一体誰が、何の為に……?
全宇宙の運命は? 果たして再び救世主は現れる
のか? 全ての謎の回答を求めて、戦いの幕は切っ
て落された……
ストーリー
銀河統一戦争が終り、高度文明種族間で連邦が組織され全宇宙は安定の時代に入った。……だが、戦災を受けた惑星の復興や後進文明種族星系へのコンタクト等、数々の問題も同時にかかえていた。
そしてある時、第4銀河・植民星系807・惑星『ディオーム』は突如として外部との通信を一斉断ち、植民星として全ての機能を完全停止してしまう。幾度となく調査隊がディオームへ派遣されたが、ことごとく行方不明になり、ついには銀河統合軍が直接調査部隊を編成し、戦闘体制で惑星に突入する……。が、しかし今までの調査隊同様に全軍消息を断ったのである。
かつて無い異常事態に連邦首脳陣は苦悩し、公式発表を控えていた……。だが、またたく間に807星系全部がディオームと同じ状態になり、付近を通過した宇宙平和の象徴『リアンナ王女』の乗る惑星復興視察船団も消息を断つと全宇宙にその事実は知れわたり、人々を大いなる恐怖に陥れた。
「……もし、あれが蘇ったのなら、この銀河、いや全宇宙の全生命に死を宣告しても良かろう……。」そう言うと、統合軍参謀指令、元Vナンバー指揮官『ラークマン将軍』は自から通信機を操作し、送信を開始した……。
「……どうしても行かれるのですか?」「死神じきじきのお呼びなんでな……。それに俺自身、今回は避けて通れない理由がある。」惑星ディオームの成層圏上、スペース・クルーザーのコクピットで『アーク・ジェス・ライヴァー』はオペレート・アンドロイドに別れを告げた。「宿命と追憶にピリオドを打ちに来い……か。あい変らずキザなセリフを言う……だが図星という奴だな。」そう一言つぶやいてアークは転送システムの中に消えた……。
=ゲーム目的=
主人公『アーク』は8つに分裂した重磁力幽閉シャトルのパーツを集めて保修し、再び『SAZIRI』の源核を封印し、処理しなければならない。そのためには1パーツにつき必要数のジョイントを全て手に入れ、各惑星及び空間内のボスを倒し、パーツを奪還して修理するのだが、各パーツには異常事態にそなえた自爆装置がすでにカウントダウンしており、一定時間内にステージクリアできなければ爆発、『SAZIRI』を封じる手段は無くなってしまう。又、ボスはそれぞれ異空間に住みついていて、何らかの方法あるいは特別なタイミングを見つけなければ対戦する事はできない。それにはステージ中での情報収集と謎解きが不可欠である。果たして『アーク』は『リアンナ王女』を救出し、『SAZIRI』復活の謎を解いて、伝説の救世主の再来となりうる事ができるであろうか……?
=ステージ進行=
8つのワールドで構成され、最終ワールド以外の7ワールドは、ビジュアル・シーンを区切りに、前半(ステージ1)と後半(ステージ2)に分けられる。ビジュアル・シーンへのカギは "フォース・ユニット" であり、タイムリミット内にステージ2をクリアしてワールドのボスを倒すとパーツが手に入り、次のワールドに進むことができる。
尚、クリアしたワールドは自動的にセーブされます。
登場人物
アーク・ジェス・ライヴァー
年齢、出身ともに不祥。“Vナンバー”と呼ばれる『連邦特務部隊ESPライセンサー』のNo,V7であった。群を抜くパワーと優秀な頭脳で銀河統一戦争時に数々の大きな戦闘を勝利に導いた影の功労者といわれ、終戦を早めた男としてその名を知らしめた。が、その特殊能力ゆえに戦後、政府中枢はVナンバーの存在に脅威し、強制解散させ、メンバーの自由を奪った。アークも又、例外ではなかったが、その飛び抜けた能力の前にはどのような弾圧も無意味であったので、トップ・シークレットに関する記憶を消す事、容姿を変える事で自由の身となった。『SAZIRI』を倒せる能力を持つ唯一のエスパーである。
エルロード・メイ・リアンナ
政統王族『エルロード家』の第一王女。戦争当時Vナンバーの守護下にあり、アークにガードされていた。戦後は銀河政府の平和の象徴として信望を集め、戦争被災惑星を視察、復興に協力している。
ウォルティ・ルリーマ
元Vナンバーで、アークの同僚だった。戦争中は、ミッションパートナーとしてアークと一緒に数多くの任務にたずさわったが、Vナンバー解散後、行方不明となる。戦争中、護衛任務時にはリアンナ姫から姉のように慕われていた。
SA・ZI・RI
他生命の脳内にある最高の恐怖記憶を実態化する『超恐怖変異生命体』。物質、動物、現象を答わずに本物と同等の能力を持つ、宇宙史上最悪の生命体である。どのような攻撃兵器も通用せず、特殊な超能力者でなければ倒す事ができない。
サジリについて
オープニングやビジュアルシーンは真面目なのにゲームの内容がギャグ仕様。そんなよく分からないゲームの代表格がSAZIRIだ。珍しくX1版が先行販売されたが、オープニングはPC-8801mkⅡSR版の完全勝利。逆にゲームはPC88版の負けだ。当時、ナムコから妖怪道中記が出ており、それに酷似している雰囲気とも言われていたが、所詮は8bitパソコンのゲーム。そうもうまくアクション重視にできるわけもなく、謎解き重視のアクション+わけのわかんない戦闘&会話シーンという内容に収まった(収まったというべきか…)
日本テレネットが言うには技術的要素は「3重スクロール」。それ以外は特にないようだ。ただ、そのテクニックもスクロールが荒すぎるのが難点だった。アクションシーンはさておき、RPGモードというものが一つの見せ場だろう。敵の出ている状況で「A」キーを押せば、機嫌がいいと応じてくれる。全ての敵にはきっちりと名前があるが画面写真にあるような
「妻子に逃げられてしまった間熊正治(42才)」のようなとんでもない名前が付いている。
他にも
「必殺!夜逃げ人ファーマーミカミ(32才)」
「伝説小人 井出ピョン太郎」
「地獄のチェスト・バスター 愛田 政彦(25才)」
などなど。中年が多いのもなんとかしてほしい。敵の会話や、戦闘シーンは、思わず微笑んでしまうあたり、制作者のツボと同じというところだろうか。少々悔しい。
本題の謎は、RPGモードの「おだてる」コマンドで、相手からうまく情報を引き出す必要がある。これがないと、ステージのクリアはかなり難解。この謎というのが、無理矢理作られた時間経過の概念を使う所があるからだ。
情報メモ
会話シーンを2カ所経ていないと駄目。
●ステージ1
祭壇の右側をジャンプで移動
●ステージ2
夜明けに右へ(7時前ごろ)
●ステージ3
12時過ぎに右へ移動
●ステージ4
特になし
●ステージ5
中央の扉でエネルギー供給を止めるだけ
●ステージ6
夜明けに右へ(4時ごろ)
●ステージ7
敵は何度倒しても消えないが、右へ突っ込む
謎以外にも、ビジュアルシーンの扉を見えにくい背景から探すの至難の業。フラフラ移動しているとダメージをビシバシ受けていていつの間にか死んでいるからだ。見えにくいのは、すぐ見つけられてクリアされないようにするための「仕様」なのだと思われる。ただ、見つけたときには「成程」と思わせる背景なので、理不尽さはそう感じない。
ステージの最後にはボスが待ち受けているが、これもよく分からないボス達で、最後にはギャグの捨て台詞を吐いて倒れる。そういうところを見せられるとオープニングのシリアスな表情は一体何だったのか?と考えさせられる。大人の事情なのか、それとも狙ったものなのか。狙ったものならば、凄いかもしれないが買った人間は恐らく誰も納得しないだろう。
なお、エンディングはゲーム中のお遊び感覚から一点シリアスに。「ビジュアルが単なるオマケでない」とメーカーは説いているが、ゲームがオマケでビジュアルが本題であることに気付くのは恐らくクリアしてからだ。
音楽もゲームと同様にゲーム中の音楽は曲調が完全に遊んでいる。ファンキーモンキーベイビーなんていうのは、当時でさえ死語だろう。
しかしオープニングやビジュアル、そしてエンディングは渋い。特に、オープニングとエンディングは、日本テレネットの作品の中でも屈指のデキ。日本テレネットはオープニングとエンディングだけは外さない。ちなみに、X68000のデスブリンガーのミュージックモードに、何故かSAZIRIのオープニングとエンディングが入っていた。
PC8801版はサウンドボードⅡに対応しており、リズム音源の音が心地よい。スネアドラムにはFM音源を重ねる技を使う事が多くなっていくのだが、その特徴的な最初の作品はこのSAZIRIあたりかもしれない。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源+SSG+リズム音源)
サウンドボードⅡ
音源チップ:YAMAHA YM2608(OPNA)
01 チューニング
02 Synchrotron (オープニング)
03 君は、Fanky, Monkey, Saziri (メインBGM)
04 すったかもんだら三度笠 (RPGモード)
05 五右衛門至上の愛 (五右衛門する)
06 屍を越えて (ゲームオーバー)
07 壮絶!稲妻、狙い打ち (ボス)
08 天の怒り (ラストボス)
09 天使はかく語りき (ビジュアルシーンA)
10 殺陣師死すべし (ビジュアルシーンB)
11 真剣!白刃の舞 (最終ステージ)
12 Breeze of spring (エンディング)
合計時間 : 11:32
作曲 : 小川史生, 恋瀬信人
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エンディングムービー
■エンディングムービー