イスラムの謎、隠された史実が蘇る。
XZR エグザイル 破戒の偶像
対応機種 : NEC PC-8801mkⅡSR以降
メディア : 5inch 2D (3枚)
定価 : 8,800円
発売日 : 1988年8月(5日?)(発売予定1988年7月23日から延期)
販売元 : 日本テレネット
○2ドライブ専用
○PC-88VA対応
○ジョイスティック対応
○FMサウンドボードⅡ対応
GALLERY
PROMO WORD
未来への黙示録!!
それぞれの目的を持つ、数々のシナリオ
バクダット 東西文明の交錯地帯、生存する仲間を捜し出しターゲットを伐て!
イスファハン カリフ軍に占領され、戒厳令が布告された。逃れた王家の一族はどこに?
バビロン 伝説にそびえ立つバビロンの架空園。不眠症の王子、一角獣、宇宙卵…。
アレクサンドリア 歴史上名高い錬金術の街。アルキミアの極法を解け!
アラムート要塞 フラグ汗率いるモンゴル軍が大挙襲来!首領サッパーフの命が危ない!
? 後半は現代を照射する衝撃のステージ!時を待て!
時は中世王権乱立期…、墜落した社会を救うべく、テロを繰り返す暗殺集団"アサシン"。そして今なお、繰り返される思想と思想の戦い。何が善いのか!何が悪いのか!平和とは何か!あらゆる社会の問題をテーマに、中世から現代へ及ぶ数々のシナリオが、恐ろしいまでのストーリーを創り上げてゆく〈XZR〉…豊富なパターンを持つリアルなアクション、総数150に迫るアイテム、変化自在の魔術、数々の謎、そして臨場感あふれる音響効果とともに、ARPGまでには踏み込めなかった世界へとあなたを導く。〈XZR〉…その結末が世界の未来を暗示する!
BACK STORY
1. 前兆 流浪の民ユダヤ
紀元前13世紀、モーゼにみちびかれたイスラエル人がエジプトを脱出してパレスチナにはいり、その地の同信同族の民族と共同体を形成した。そののちエルサレムに神殿を建設し、南王国ユダの滅亡までのおよそ500年間をこの地で暮らした。
紀元前6世紀にバビロニアからエルサレムに帰ったユダヤ人たちは第二神殿を建設するが、ペルシャ、ローマの列強の侵略にあい、二度の独立戦争にも敗れ、ついにユダヤ民族は"ディアスポラ(離散の民)"として、流浪の歴史に散っていく…。
2. ユダヤ 対 イスラム
時はくだり、20世紀中葉、このパレスチナの地に約2,000年の時をへだてて、ふたたびユダヤ人の国家"イスラエル"が誕生した。ユダヤ民族は長い流浪の歴史に終止符を打ったのだ。
だがその長い歴史のうちに、パレスチナはすでにアラブ人の地と化し、彼らにとってユダヤ人は侵略者にひとしかった。超大国のしかけたイスラエル建国の陰謀は、第一次世界大戦以来、民族意識に目覚めつつあった中東民族の、遠く中世以来、抑圧されつづけた被害者意識を触発し、ここに第一次中東戦争が勃発、紛争は第二、第三とつづき、過激派によるテロが相次いだ。
3. イスラム異端派 対 20世紀超大国
超大国アメリカはイスラエルを支持するとともに、その近隣諸国に文化・政治・経済・軍事面において膨大な援助をし、アラブ諸国をなだめ、支配下におこうとした。
しかし、その政策はオイルダラーとともに一部支配者階級に富をもたらしはしたが一方で貧富の格差をますます広げ、民衆の不満をつのらせた。社会の墜落になげく民衆は、世界を侵食しようとする西欧文明の手先アメリカを"大サタン"とみなし、その打倒のため過激な"イスラム原理主義"に走った。
"イスラム原理主義"。イスラム教の開祖ムハマド(マホメット)の時代、イスラム的無垢の時代に帰れ、を指標とするそのファナティシズム(熱狂)は、革命のため、「スムリム同胞団」「アル・ジハード」「タクフィール」など大小の組織をつくりあげ、誘拐、暗殺、大使館占領、ハイジャックなどのテロを各地でくりかえした。
そしてついに1979年2月、イラン国民はアメリカの手先パーレビ国王を追放打倒、亡命していたベヤラト・ファギー(最高指導者)をむかえ、最初のイスラム革命を成功させた。
イランで果たされたイスラム革命は各アラブ諸国で活動している原理主義者たちを勇気づけた。アメリカおよび支配階級はその革命の火が四方に引火し、燃えひろがるのを恐れた。
さらに連邦内に5,000万のイスラム教徒をかかえ、1,900キロにわたってイランと国境を接するソビエトは、それまで中立を保っていたものの、教徒たちが触発されることを恐れ、1979年12月、イスラム教国家アフガニスタンを侵略を開始した。ゲリラはソビエトをも帝国主義と断じ容赦なく牙をむいた。
1980年、イランと国境を接するイラクの"アラブ革命"は、イランとの国交を悪化させ、国境紛争ののちイランに宣戦布告、両者は深い泥沼にはまっていく。ペルシャ湾、地中海には大国の軍用機、潜水艦があふれ、まさに第三次世界大戦は一触即発の危機となった。
1970年4月、イランの民衆パワーは他国の原理主義者の強大化とともにひるむことを知らず、ついにイラクを併合、その後、次々レバノン、バーレーン、クウェートをもイスラム革命にみちびくことに成功した。
国連はアメリカ、ソビエトに中東から撤退をもとめ、ペルシャ湾を牛耳られたアメリカは、やむなくイスラエル国家の保証を条件に撤退を約束する。
ソビエトはアメリカ撤退および連邦内イスラム教徒への絶対的な無干渉を条件に、撤退を約束した。
しかしレバノン、イランが両条件を帝国主義的詭計とつっぱねたため、中東情勢はさらに緊張を深めた。
イランは両大国の干渉をものともせず、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン、エジプトを標的に各国で活動する原理主義者への援助を進めた。
4. イスラムの終焉
1987年以来、ことあるごとに歩みよることをおぼえたアメリカ、ソビエトの二大国は極秘裏に"ガルフ協定"を締結、イランをつぶすための本格的軍事介入を決定し、さらにお互いイランをつぶすまでは中東地域以外での軍事活動を一切行わないことを約束した。
国際世論をよそにアメリカはイスラエルを本格的軍事基地と化し、まずレバノンに侵略、二週間たらずで首都ベイルートを攻略、戒厳令をしき臨時政府を設立、反乱分子を一掃した。さらにシリア政府をほとんど無血でおさえ、イラク領内へ進入した。
ソビエトは直接国境からイランへ南下、連邦内のイスラム教徒をおさえながら、容赦なくイラン領内を蹂躙し、首都テヘランを制圧した。イスラム革命をみちびいたベヤラト・ファギーはとらえられ、もっとも残酷なやりかたで処刑されたとうわさされたが、秘密俚にイラン国内のどこかに幽閉されたというのが実情らしい。
イランはいよいよ亡国の危機にさらされた。
こうしてイスラム革命は二大国により完全終結させられ、中東情勢は安定にむかうかにみえたが、領土利権争いをめぐって、イラン・イラクの国境付近で両大国が対立、両国とも軍隊を引かぬまま膠着状態におちいった。生き残った原理主義者たちは相変わらずテロをくりかえした。アラブ・ペルシャの地は緊張をゆるめぬまま21世紀に突入しようとしている…。
5. 神の奇跡
齢百をむかえんとするイランの、いやイスラム革命の最高指導者ガザル師は、イランの北、カスピ海沿岸のエルブルス山脈にかくれた要塞"アラムート城"に幽閉された。
"アラムート城"。ガザル師はソビエト軍部によってはじめてここに連れてこられたとき、感慨の涙をおさえきれなかった。
それはこの峻険な山奥にひとり幽閉される哀しみではなく、もとより長い亡命生活を強いられてきた師にとって幽閉など一時の安らぎにもひとしく、それよりもここ"アラムート"の地こそは、かつて中世セルジュク朝にあって、腐敗した王家を滅ぼすために厳しいテロリズムを敢行した我が同胞にして祖先"アサシン"の根城とした処だったのだ。
不遇の中にあってこの不思議な邂逅に、思わずガザル師は涙をながしたのだ。
だが"アラムート城"は蒙古の蛮族によって中世の昔にセルジュク朝とともにくずれ落ちたのではなかったか。
ラマダーン(断食月)の夜ガザル師はただひとり黙祷し、警備の者を遠ざけ、わずかに月明りの射す石室にこもり、なにかを待ち望むように聖典クルアーンの章句をとなえた。そしてつぶやくような哀訴をむなしく空にもらす。
「イン・シャーア・アッラー…(アラーの思し召しのままに)。アラーの神よ、私のさずかった天使ジブリールの啓示はまことなのでしょうか!?ほんとうに、中世より憂国の士があらわれ、われら人類がかつて抱えたことのないこの危機を救ってくれるのでしょうか!?イスラムに伝説となって輝く、アサシンの戦士 "サドラー" は本当に我々のまえにあらわれるのでしょうか!?
アラーよ、今一度、私に真実をお伝え下さい…」
章句を唱え終え、しばらく静寂に身をまかせていると、遠くかすかに小さな嗚咽がもれ、月明りがゆれたような気がした。ガザル師の額をひとしずくの水玉がはって、月光にきらめき石畳ににじんだ。金縛りにあったようにガザル師はひざまずいたまましばらくじっとしていた。
時はやんだ。
ガザル師は背後になにか迫るような気配を感じ、ゆっくりと首をひねった。するとそこに銀の逆光をあびて屹立する一つの影が、その漆黒の闇に浮んだ二つの眼光をしてきびしくこちらを見すえている。
「あなたがガザル師か…」
影が闇からささやく。ガザル師は自分でも不思議なほど落ちついている。
「いかにも、わたしがガザルだ。おまえは何者か!?」
影はすべるようにして左足をふみだし、ガザル師に近づくと、短剣をにぎった右手をガザル師の額に突きだした。その刹那、一条の月光が短剣に閃き、これまで逆光にかくされてていた闇に、闖入者の顔を照らしだした。
そこはするどい眼光に似合って聡明な顔ばせがほほえんでいた。
「あなたを助けにまいりました」
一瞬ガザル師は天使ジブリールを想った。あのムハマドにアラーの天恵をあたえ、そしておのれにも啓示をさずけた最高位天使のジブリールを。
「では、あなたはサドラー…」
これは奇跡か。
影はまるで大きな翼で包みこむようにたくましい両の腕でガザル師を抱きかかえた。
ガザル師はここへ来てから二度目の涙を落とした。そして、その歓喜をうちに秘めたまま、震えるおのれの体をしばらくアサシンの勇者"サドラー"にあずけた…。
6. 中世イスラムの衰退
時はさかのぼり、オリエントの中世。
紀元622年、ムハマドがアラビア半島に最初のイスラム国家建設に成功して以来、その勢力は東方でササン朝ペルシャをほろぼし、西方でビザンチン(東ローマ帝国)からシリアとエジプトをうばい、さらに西欧イベリア半島にまで進出、8世紀なかばついに驚異的大国家"サラセン帝国"をきずきあげた。
しかし、その後カリフ(教皇)継承権、領土覇権争い、ペルシャ人・トルコ人の強大化などによって帝国内は四分五裂、アッバス朝の誕生から、フラグ汗率いるモンゴルによるその滅亡までの500年あまりのあいだ、各地に王朝が乱立した。
10世紀にアッバス朝が異端シーア派大弾圧を敢行すると、シーア・ベルシャ人のブワイフ朝はアッバス朝帝国内に侵入、首都バグダッドを陥落させた。
他方さらにシーア派はチュニジアから東進してエジプトにシーア派国家ファーティマ朝を建国する。
次にアッバス朝の軍事面をになっていたトルコ人奴隷が、軍事力を盾に行政・財政にまでその権限を拡大し、シーア派ブワイフ朝を倒しペルシャに正統派国家セルジュク朝をきずく。
残ったエジプトのファーティマ朝とペルシャのセルジュク朝が対立するなか、聖地エルサレム奪回を目指しキリスト教徒が大挙襲来。世に有名な十字軍である。
この十字軍に恐れられ、その名がそのまま"暗殺"を意味するヨーロッパ後となった異端派"アサシン"は、カスピ海沿岸のエルブルス山脈にある要塞"アラムート城"を根拠地にセルジュク朝に対してさまざまな殺人的陰謀をくりかえした。
これに対しセルジュク朝はさらにシーア派に対する弾圧を強めた。このころ有能な家臣サラディンが出てファーティマ朝をたおすと、十字軍をけちらし、セルジュク朝併合をもくろむもあえなく、 1258年フラグ汗ひきいるモンゴル軍のまえに敗北を喫する。同時に"アサシン"も"アラムート城"を攻められ壊滅してしまう。
こうしてイスラム帝国は歴史のかなたに消えていく…かにみえた。
7. イスラムの再生
だがこの中世王権乱立の歴史は、今世紀世界をゆるがす中東イスラム革命の攻防とともによみがえった
なぜならばほかでもない、今世紀における中等危機は、中世王権乱立の歴史そのものの再現であるからだ。
〈支配階級〉対〈貧民層・原理主義者〉の争いとは、イスラム内〈正統派〉対〈異端派〉の争いであり、〈イラク〉対〈イラン〉の争いは〈セルジュク〉対〈ファーティマ朝〉の争いであり、〈2大国〉の侵略とは〈十字軍、蒙古軍〉の侵略であった。そしてテロをくりかえす各〈原理主義組織〉こそかつての〈アサシン〉そのものである。
そしてさらに、これら700年におよぶ歴史のへだたりをつなぎ止めるかのように、時を超え中世ペルシャの地から、憂国の若き戦士"サドラー"は、ガザル師のまえに姿をあらわしたのだ。この戦士こそ、かつてこの地"アラムート"を根城に戦った"アサシン"の若き勇者であった。
裏技の紹介
【ミュージックモード】
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源+SSG+リズム音源)
サウンドボードⅡ
音源チップ:YAMAHA YM2608(OPNA)
01 a Prologue on XZR~ラーガ・バゲシュワリ
02 ゴーシャ
03 The White Ruffian
04 The Red Square
05 Return to Fusus
06 Dance of Dirts
07 Parmenides with Herakleitos
08 The Mission
09 タントゥリー・ヴィーナ
10 Pneuma
11 The Black Mailer
12 Elan Doll
13 Punjab
14 Upanisad
15 Leningrad
16 Sufrawaldhi
17 The Puppet
18 On y va
19 シャルマの教え
20 プラーナヤーマ
21 The Gulf Crisis
合計時間 : 21:55
作曲 : 裕次郎(01 ラーガ・バゲシュワリ, 20), 小川史生, 佐藤天平
裕次郎は当時日本に留学していたイスラム人大学生と考えられる
発売日について
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[PC-88] XZR -エグザイル 破壊の偶像- 店頭デモ他