SHARP COMPUTER SOFTWARE
U.S.CHAMPIONSHIP BEACH VOLLEY
V'BALL
対応機種 : SHARP X68000シリーズ
メディア : 5inch 2HD (1枚)
定価 : 7,900円 (税別)
発売日 : 1989年11月15日
オリジナル販売元 : テクノスジャパン
開発 : エス・ピー・エス
販売元 : シャープ
目次
V'BALL for X68000
※マニュアル抜粋
PACKAGE REPRODUCTION
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『V'BALL』X68000版について
◆『V'BALL』X68000版』概要
『V'BALL』はテクノスジャパンが開発を行い、業務用基板として1988年8月(海外版は12月稼働)にビーチバレーを題材とし稼働したスポーツゲーム。
SHARP X68000版はSPSが移植・開発を行い、1989年11月15日にシャープから発売された。ほぼ同時期の11月10日(10月予定から延期)には任天堂 ファミリーコンピュータ用としてテクノスジャパンから発売されている。
◆突如発表・発売となった驚きの一作
1989年後半のSPSは『サンダーブレード』と『スーパーハングオン』を中心に開発状況がユーザーへ届けられていたが、11月に『V'BALL』が突如発表・発売となった。開発期間は発表されていないが、これまでにない短期間であったと述べられている。(1,2カ月程度?)
X68000 版は、アーケード版から忠実な移植を目標に制作されており、内容は国内版に準拠している。海外版はタイトルデモにアメコミ調のストーリーが存在しない、4人までの共同プレイと対戦プレイが可能など大きく異なる点がある。『マイコンBASICマガジン』1989年12月号の「チャレンジX68000」の記事では「完成版となっているアメリカ版を移植」とされているが誤報で、後の記事修正は一切なかった。
◆忠実移植を捨てたX68000版
X68000版が業務用基板と大きく異なるのはBGMだ。オリジナルはFM音源のみで演奏されるがADPCMのリズムが使用されている。他に時間制限が無くなっていたり背景が若干変わっている場面がある。音楽や時間制限などはコンフィグでアーケード寄りに変更することはできないなど、完全移植への拘りはそこまで無かった様子だ。これも、あまりにもマイナー作のため違いに気付かれていないようだ。嘆いているユーザーはネットですら見たことがない。
◆なぜX68000へ移植されたのか謎は残る
『V'BALL』は業務用が稼働したときも各雑誌の取扱いはほとんど無く、注目度が低い作品だった。ガチムチ系キャラクターのため人気を集める要素がなく、マイナーなビーチバレーという種目が題材だったからかもしれない。(唯一目にしたのはトム・クルーズ主演の映画『トップガン』だった。)
X68000版に関しても注目度は高くなかった上にSPSからの情報でも発売した月の発表以外は話題に出てくることは二度となかった。これまでにSPSはテクノスジャパンの『熱血高校ドッジボール部』をリリースしている。後にも数作同社からの移植を手掛けるが、もっと有名作があるのになぜこの作品の移植を手掛けたのか謎は深まる。予想するのは、版権料が異様に安かった、ファミリーコンピュータ版が発売するのでお互いの売上を伸ばす営業が裏であったなどだろうか。とにかくSPSの中では制作側の愛が感じられない作品だ。
『V'BALL』はゲームセンターでインカムを稼げたのかも謎なゲームで、実際にプレイしてみてもそこまで際立った面白さは無い。こうなると、つまんないゲームというレッテル以上に無関心という厳しい領域に入ってしまう。
しかしだ。このゲームは特定の条件できらめきを見せる。それは二人プレイの対戦だ。友人を自宅へ招くと二人プレイできるゲームチョイスが中心になってくる。しかし、二人プレイでも交互プレイの『パックマニア』や 同時プレイの『沙羅曼蛇』などはX68000を物珍しがるようなプレイヤーでなければ、そう盛り上がらないのだ。
そこで、『V'BALL』の登場だ。派手でポップな演出にADPCMを用いた派手な効果音、スーパースパイクでふっ飛ばされるキャラクター。一人では感情が動かないのに大爆笑である。こういうとき、眩しいくらいに テクノスジャパン のソフトは最高に輝く。そうだ。これぞゲームだ。
◆BGMも完全移植ではなくなぜかアレンジされている謎
『V'BALL』のBGMは山根一央(Kazuo Yamane)が担当している。『ダブルドラゴン』シリーズを中心に手掛けており、2017年には『ダブルドラゴンⅣ』が発売され話題になったことが記憶に新しい。名を聞くことが無くなって久しいがこの作品にも音楽で関わられているのでご健在の様子だ。
さて、この『V'BALL』のX68000版だが、ADPCMが使用されてアレンジされているのは前述しているとおりだ。しかし、それ以外も実は大きく異なる。パッと聞いた雰囲気はよくできているのだが、何か違和感を覚えないだろうか?不必要にADPCMの音量が大きいのだ。この裏には大きな隠し事があった。
業務用基板のオリジナル音源を聞いていると一発で分かるのだが、主旋律以外はほとんどばっさりカットされているのだ。適当に同じ音を重ね合わせて8chを全て使用するという力技だ。この頃のSPSはROMの吸い出しを行っているのかBGMの再現性はほぼ完璧になっていたのだが、ここでやってくれた。バッキングなどが鳴っていないと結構寂しい。
幸いだったのはオリジナルを収録したCDが発売されていないことだ。音色も似せてはきているが割と異なっているという事実はマイナーさ故にほとんどのプレイヤーは気付かなかった。業務用基板で奏でている音源はYAMAHA YM-2151でありX68000と全く同じだ。完全再現できるハードウェアで同じ音が流れないという結果は非常に残念だが一つの色を打ち出してくれたという意味では良かったのかもしれない。
ストーリー
Once up on a time、アメリカ合衆国のとある街に、それはそれは貧乏で不良な白人と黒人の二人の若者がいました。白人の若者の名前はジョージ、黒人の若者の名前はマイケルといいました。
彼らは貧乏なのにもかかわらず勤労意欲は全くなかったので、毎日のらりくらりと遊んで過ごしていました。彼らの唯一の取り柄はビーチバレーがうまいことだけだったので、お金がなくなるとビーチにくる人達とビーチバレーの試合を賭けてやっては小銭を巻き上げて生活していました。
そんないい加減な奴らにもなぜかチャンスが巡って来ました。賞金総額250万ドルというビーチバレーの大会が開かれることになったのです。
これは彼らのサクセス・ストーリーです。これから先の物語はあなたが作ってください。
操作方法
プレイヤー | 1P | 2P |
---|---|---|
移 動 |
8
4D6 2 |
U
HDK N |
ジャンプ、ブロック | OPT.1 | XF1 |
サーブ、レシーブ、スパイク | OPT.2 | XF2 |
・HELPキーを押しながら起動すると15kHzモード。
・2人プレイの場合は2P側のジャンプボタンかスパイクボタンを2回押す。
・操作キーの変更はタイトル画面でF5キーを押し、キーコンフィグモードで変更。
・ポーズはESCキー。
裏技の紹介
◆V'BALL BGM Test
キーを押してタイトル画面を表示させF4を押す。(デモ中のタイトル画面では不可)BGMテストモードを抜けるにはESCを押す。一旦抜けても、そのままF4を押せば再びBGMテストモードに入ることができる。
◆V'BALL Game Mode Change
F5を押してキーコンフィグモードにする。
PLAYER 1 V'BALL
PLAYER 2 LLAB'V
に変更してESCでモードを抜ける。
タイトル画面でF3を押すとモードに入ることができる。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源+ADPCM)
音源チップ:YAMAHA YM2151(OPM)+OKI MSM6258
01 Loading (ローディング)
02 V'BALL (タイトルバック)
03 Mach Location Map (マップ)
04 First Wave (デイトナのテーマ)
05 Match Won! (勝利)
06 An off-day, we're going to shopping. (車購入)
07 Twilight Game (ニューヨークのテーマ)
08 Match Loast! (敗北)
09 Sea Side Walker (L.A.のテーマ)
10 Beyond The Sky (ハワイ・ワールドカップのテーマ)
11 Iron Wing (空母のテーマ)
12 Macth Point (マッチポイントのテーマ)
13 Winner's Theme (優勝シーン)
14 GAME OVER (ゲームオーバー)
合計時間 : 10:59
作曲 : 山根一央
01, 03, 05, 08, 12, 14は便宜上付けた曲名で正式なものではない。
DISCOGRAPHY
V'ボール
発売日: 1990年3月10日
価格: 2,800円 (税込)
商品番号: MECG-28002
販売元: トライエム
収録曲
01 V'Ball (タイトルバック)
02 First Wave (デイトナのテーマ)
03 Twilight Game (ニューヨークのテーマ)
04 汐風のヒーロー (シカゴのテーマ)
05 $1,000,000 Night (ラスベガスのテーマ)
06 SeaSide Walker (L.A.のテーマ)
07 Beyond The Sky (ハワイ・ワールドカップのテーマ)
08 Iron Wing (空母のテーマ)
09 Big Red Attack (ソ連戦のテーマ)
10 Winner's Theme (優勝シーン)