SHARP COMPUTER SOFTWARE
パックマニア
対応機種 : SHARP X68000シリーズ
メディア : 5inch 2HD (1枚)
定価 : 7,800円
発売日 : 1989年3月(1月下旬発売予定から延期)
オリジナル販売元 : ナムコ
開発 : エス・ピー・エス
販売元 : シャープ
目次
パックマニア for X68000
※マニュアル抜粋
PACKAGE REPRODUCTION
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『パックマニア』X68000版について
◆『パックマニア』X68000版概要
『パックマニア』(PACMANIA)はナムコがアーケードゲーム用として開発を行い、1987年11月に稼働したドットイート型アクションゲーム。システム'87の第5弾。『パックマン』のアレンジ作だ。発売価格はPCB(システム'87)版が138,000円、ロムキットが53,000円。ジャンプでモンスターをかわすことができるようになったのがルール上の大きな追加変更点。
SHARP X68000用は1989年3月にSPSが移植・開発を行い、シャープから発売した。(本来1月中の目処であった)また、ほぼ同時期の3月16日にはMSX2用にナムコが移植を行っている。後に、家庭用ゲーム機初として移植されたのがソニープレイステーション用として1997年2月28日に発売した『ナムコミュージアム VOL.5』に収録されている。こちらはほぼ完全移植で収録された。
この『パックマニア』はSPSが手掛けた移植作の中ではトップクラスの出来栄えだ。最初に読み込みを終えればディスクはX68000ご自慢のオートイジェクト機能で自動排出される。つまりゲーム中にディスクアクセスは一切ない。これは大きい。
ローディング終了後、最初に表示されるタイトルの画面上には「EXTENDED VERSION」と記載されており、完全移植ではないことを示唆している。基本はJAPAN版に準拠しているがUSA版のいいとこ取りを行っている。そのため、本来存在しないネームセレクトが追加されていたり、アトラクト画面がUSA版になっている(JAPAN版は「PACMAN'S PARK」のみ)。BGM はデータ上に両仕様が収録されているがUSA版を採用している。
◆『パックマニア』X68000版開発スタッフ
X68000版『パックマニア』の移植担当者はSPSで開発した『ザ・リターン・オブ・イシター』を全機種担当した阿部敏昭(Toshiaki Abe)。1988年の9月より開発着手しておりおよそ5カ月で完成させている。開発途中には国内初のMIDI対応予定であることを示唆してたが納期と容量の問題もあり見送られた。なお、おまけの『パックマン』も収録は微妙とされていたが裏技扱いで収録されている。
『パックマニア』の開発中には『ザ・リターン・オブ・イシター』の富士通 FM77版も同時開発されていたが、優先順位が下げられPC-8801mkⅡSR版からおよそ2年後の発売(1988年3月発売)となっている。
◆オリジナルとは異なるX68000版
完全移植に見えて大幅に異なるのがタイトル画面。見た目でかなり寂しくなっている。雑誌の紹介記事にはこの事実を隠すようにタイトル画面が掲載されておらず、発売前の画面写真から受ける印象は完全移植に見えていた。また、画面に関しては単純に横画面に合わせた状況になっておらず、若干左右の表示領域が増えている、ということは「パソコンサンデー」のインタビューで知った。
他、アトラクトサウンドが無音になっていたりと部分的に割り切った作りとなっている。
ステージは「BLOCK TOWN」「PACMAN'S PARK」「SANDBOX LAND」「JUNGLY STEPS」の4ワールドで構成されており、1周目は1つのワールドにつき2ラウンド、2周目は3ラウンドとなっている。ゲームオーバー後もコンティニューは可能だがエサは初期状態に戻る。クレジット数でパックマンの残り数が増えないためお金をつぎ込んでも最後まで到達するのは困難を極める。
USA版はJAPAN版と仕様が異なっている。ネームエントリーはUSA版のみ存在する。他にもステージセレクトが最初から可能であったり、1周目の「BLOCK TOWN」はラウンド2から始まるなどの違いもある。パックマンの移動スピードが早い、コーヒーブレイク3つ目の演出、BGMの小変更など細かい点が異なる。
モンスターのアルゴリズムに違いがあるかといった細部の違いはわからない。だが、X68000用をプレイしている限りは横長画面を含めて違和感なく普通にプレイできる。演出で少し異なるのは、エンディングのスタッフロール。『ザ・リターン・オブ・イシター』と同様にSPSスタッフの名前が「X68000 VERSION CREATIVE STAFF」として流れる。そして、タイトル画面と同様に「namco」のロゴは下部に無い。
◆メモリとディスク制限の中で作成された最高移植の1つ
賛否両論あるだろうが、USA版を組み合わせた判断は良かったと思う。ただしもう一歩なんとかすれば、それこそ完全移植に近づいたのではないかという惜しさを感じさせる。タイトル画面を入れて、「INSERT COIN」表示にして、USAとJAPANの切り替えスイッチを設け、疑似縦画面モードを付ける。たったこれだけのような気がするのに、オンメモリで動作させるにはその差が開発者にとってはとてつもなく大変だったのだろう。
この『パックマニア』は私自身の思わぬ感情を知るきっかけになった一つのゲームでもあった。それは「怒り」だ。前半の和やかな雰囲気と打って変わって2周目の後半は狂気の難易度だ。うまくプレイできないという自分自身にではなく、無茶苦茶さに激しい感情が現れ何度も机を叩いた。ゲーセンなら台パン行為と言われる迷惑行為だ。そういう意味でも『パックマニア』を家庭でプレイできるという事は非常に意義のあることなのだ。そして、その感情を起こさせるほどに移植のレベルは高い次元にあるのだろう。そう思うのだ。
◆新しいパックマンシリーズを開拓したBGM
『パックマニア』のオリジナルBGMは戸室仁人(Yoshito Tomuro)、慶野由利子(Yuriko Keino)、小沢純子(Junko Ozawa)の3名で作成されている。当時のナムコが手掛けた業務用基板ゲームで音楽担当が多人数というのは珍しい。ゲーム曲には『パックマン』のゲームスタートやコーヒーブレイクデモをモチーフとした曲が多く含まれている。ゲームが『パックマン』のアレンジなのでイメージ作りとしてのコンセプトがあったのかもしれない。
業務用基板は「システム'87」(SYSTEM I)上の音源を使用しており、X68000と全く同じヤマハの音源チップであるYAMAHA YM2151を使用している。(ADPCMは不使用)そのため理屈上では全く同じ音が鳴るはずだ。移植にあたって音楽は開発の初期に完成したようで1988年11月には「SPS-NET」でプレゼントとして配布された。
パックマニアの曲作りとして特徴的なのはパンニングが積極的に行われていることだ。行われていないのは「CONGRATULATIONS」と「ALL CLEAR」の2曲のみだ。パンニングで差別化されているのはJAPAN版とUSA版との違いにも現れている。「COFFEE BREAK 3」 のみ編曲で若干の差はあるものの、「BLOCK TOWN」、「PACMAN'S PARK」はパンニングで差別化しているだけで音の構成は全く同じだ。(「BLOCK TOWN」のJAPAN版はAメロのメロディーにビブラートがかかってるなどの細かい違いもある)もしかしたら他の曲でも差別化されているかもしれないが分からなかった。
BGMとしては歌詞でもあるのかと思わせる「BLOCK TOWN」が秀逸。後半のもうどうしようもないという情けない雰囲気が笑顔にさせる。また多くの人に知られている曲を大胆にアレンジした「PACMAN'S PARK」も聴き応え十分だ。(特にサビの部分のギター処理が非常にうまい。)X68000なら基板を購入しなくてもこの音楽群を何ループでも聞くことができる。これも当時は一つの優越感であった。
PACMAN WORLD
くいしん坊のパックマンは、追いかけてくるモンスターたちをジャンプでかわして今日もエサを食べ続けるのであった。
操作方法
| キーボード | ジョイスティック | |
|---|---|---|
| 移 動 |
8
4D6 2 |
スティックを倒す方向にパックマンが移動 |
| ジャンプ | SPACE | ボタンA |
・HELPキーを押しながら起動すると15kHzモード。
・2人プレイの場合はXF4キーまたはジョイスティックのボタンBを押す。
・操作キーの変更はタイトル画面でF5キーを押し、キーコンフィグモードで変更。
・ポーズはESCキー。
画面
①
②
③
④
⑤
⑥
①1プレイヤーの得点
② ハイスコア
③2プレイヤーの得点
④ パックマン
⑤ パワーエサ
⑥ エサ
モンスターの種類
|
クライドみんなをひきつれている親分モンスター。 |
|---|---|
|
ピンキー先回りや待ち伏せが得意。少々いじっぱり。 |
|
スーひとなつっこく寄ってくる恥ずかしがりや。 |
|
インキー"足の向くまま気の向くまま"のきまぐれや。 |
|
ブリンキーちょっとおとぼけだけど気のイイ奴。 |
|---|---|
|
コモン子分モンスター。パックマンにジャンプで対抗することも・・・。 |
裏技の紹介
◆パックマンで遊ぶ
この『パックマン』を移植したのは阿部敏昭ではなく、アルバイトの秀さん(仮名)でデビュー作。アルゴリズムなどの細かい所は異なるとのことだ。(少なくとも音は全く違う)
1. ドライブ0にHuman68kのシステムディスク、ドライブ1に パックマニア を挿入し起動。
2. A>B:⏎
3. B>CD PACMAN⏎
4. B>PAC⏎
◆『PAC-MANIA』BGM DEMO 平成元年 Version
1. ドライブ0にHuman68kのシステムディスク、ドライブ1に パックマニア を挿入し起動。
2. A>B:⏎
3. B>PMDEMO⏎
◆オプション画面表示
F5でキーコンフィグモードの画面に入り、上から。X68000と書き換えESCで抜ける。(数字はテンキー側)
SELECT はスタート時のワールドセレクト。ただし、ステージ進行が海外仕様になるわけではない。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源)
内蔵音源
音源チップ:YAMAHA YM2151(OPM)
01 GAME START~BLOCK TOWN (JAPAN)(X68k未使用)
02 GAME START~BLOCK TOWN (USA)
03 COFFEE BREAK 1
04 PACMAN'S PARK (JAPAN)(X68k未使用)
05 PACMAN'S PARK (USA)
06 COFFEE BREAK 2
07 SANDBOX LAND
08 COFFEE BREAK 3 (JAPAN)(X68k未使用)
09 COFFEE BREAK 3 (USA)
10 JUNGLY STEPS
11 ALL CLEAR
12 CONGRATULATIONS
13 GAME OVER
14 NAME ENTRY (USA)
合計時間 : 11:57
作曲 :
戸室仁人 (1, 2, 4, 5, 7)
慶野由利子 (8, 9, 10, 11, 12)
小沢純子 (3, 6, 13, 14)
パックマン作曲者 : 甲斐敏夫
DISCOGRAPHY
ナミコビデオゲームグラフティー Vol.4
発売日: 1989年3月8日
価格: 3,000円
商品番号: VDR-5282
販売元: ビクター
収録曲
1 ドラマ・1
2 ベラボーマン(アレンジ・バージョン)
3 ドラマ・2
4 ベラボーマン
5 ドラマ・3
6 パックマニア
7 ファイナルラップ
8 クエスター
9 ドラゴンスピリット(アレンジ・バージョン)
エンディングムービー
■エンディングムービー
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