SHARP COMPUTER SOFTWARE
沙羅曼蛇(サラマンダ)
対応機種 : SHARP X68000シリーズ
メディア : 5inch 2HD (1枚)
3.5inch 2HD (1枚)
定価 : 8,800円
発売日 : 1988年9月末(5inch版)
販売元 : コナミ
開発 : エス・ピー・エス
販売元 : シャープ
目次
沙羅曼蛇 for X68000
※マニュアル抜粋
PROMO WORD
2人同時プレイ、横・縦の交互スクロール、6つのステージに興奮が詰っているスーパーシューティングゲーム!
『沙羅曼蛇』X68000版について
◆『沙羅曼蛇』X68000版概要
『沙羅曼蛇』(サラマンダ)はコナミが開発を行い、業務用基板として1986年7月4日に稼働した2人同時プレイ縦横交互スクロールシューティングゲーム。初めて移植されたのは1987年9月25日発売の任天堂 ファミリーコンピュータ用、2番目に移植されたのが12月23日に発売されたMSX用だった。しかし、ハードの性能的に忠実な移植は難しく共にアレンジ作となっている。
1988年9月末に満を持して登場したのがSHARP X68000版。広告で10月発売予定と掲載されていたが珍しく前倒しになった。販売はシャープだが、開発はX68000版『グラディウス』と同じSPSが担当している。業務用基板を(ほぼ)忠実に再現した最初の移植作になった。当時このレベルの『沙羅曼蛇』をプレイできる性能のパソコンや家庭用ゲーム機など他に存在しなかった。パソコンやゲーム機の性能が問題ない時代になっても移植されない不遇に見舞われ、X68000版以上の忠実に移植された作品が家庭でプレイできるまでおよそ9年の歳月を要した。
◆私と『沙羅曼蛇』
ファミリーコンピュータの『グラディウス』を楽しんでいた頃、友人たちとの間ではゲームセンターにグラディウスの続編が既に出ているという噂話があった。当時、ゲームの情報収集媒体は雑誌くらいで足を運ぶことが確認するのに最も速い方法だったが、地元にはゲームセンターが無かった。そのため、実際に自分の目で確認しプレイできたのは随分時間が経過してからだった。
『グラディウス』と明らかに違ったのは落ちているアイテムを拾うという点と、ステージ毎に横縦スクロールに変化する点だ。噂で聞いていたものの直に見たときの衝撃は凄かった。また、パワーアップ時に音声で喋ることに驚いたり、噂のステレオ機能(左右別々の音が鳴る)を筐体の左右に耳を付けて聞いたり確認した。
◆X68000に登場という情報が出たときのざわめき
1988年の2月にはSPSよりX68000への『沙羅曼蛇』移植開始を公表。『グラディウス』同様のビデオ撮りとコマ送りでキャラマップを作成しているという地道さだという。追々雑誌で開発状況が公表されるも蓋を開けるまで実際の所はわからないのが当時の怖さだった。心配なのはただ1つ…SPSの製品クオリティだった。画面はともかくとして『グラディウス』も『ツインビー』も音色に至るまで音楽は似せる気配のない物だったのだ。そして、ザ・リターン・オブ・イシター の音程外し。極めつけの『フルスロットル』が『沙羅曼蛇』より先にパソコンサンデーで先行公開されたときには動きのガクガク度合いに度肝を抜かれた。次々に発売されるSPSの作品を見て不安しか感じなくなっていくのは私だけだったのだろうか?
◆出来栄えはどうだったのか?
実際に発売された『沙羅曼蛇』に関してはどうだったのか。
仕様が異なるのはコインクレジット。業務用と同じく99クレジットまで可能だが、1回のプレイで3枚まで(合計9機)が有効となっている。このため、業務用のようにコインさえ入れ続ければ誰でもエンディングが見られるようにはなっていなかった。
他に関してはほぼ同じだ。ディスクのローディングが終わると業務用基板同様のパターン画面、タイトル画面では拘りの "PLEASE DEPOSIT COIN" 表示。安全地帯も限りなく忠実にできている(らしい)。
しかし、マルチプル(オプション)を数個付け敵が登場した段階から動きが一変する。ミサイルとショットを撃つとその瞬間に画面がスローになるのだ。背景のアニメーションが多いステージ3ではショットやミサイルを撃たなくても1コマ1コマが認識できる程。動きが遅くなるということは難易度が下がるということ。そのため、X68000の『沙羅曼蛇』で鍛えても私にはゲームセンターで1コインクリアができなかった。(とにかく処理が速すぎて目と体が付いていかなくなる)それでも私には十分満足で得点を付けるなら満点だった。
ただ、X68000の限界をこの『沙羅曼蛇』で垣間見た気がしてやや落胆した。しかし、後に発売される『パロディウスだ!』や『グラディウスⅡ』などコナミ自らの開発作品、そしてSPSが後に発売した『ネメシス'90』とそのドキュメントを見る限りはサウンドドライバーが想像以上の悪であったことと、プログラマーの腕に差があったと後から気付かされる。(後の ネメシス'90に含まれるドキュメント でも過去作品のソースを確認しても高速化に関しては特別なことはしていなかったと記載されている)動作することだけを終着点としたプログラミングではなく、高速化を狙ったプログラミングの最終チューニングで不可能を可能にしたような動きが我々をドキドキさせてくれた時代だった。
◆ゲーセンそっくりに聞こえたBGM
『沙羅曼蛇』はBGMも話題になった。その一つがステレオ化だろう。ゲームで左右から別々の音が鳴っているということ自体が革命であり、そんなことが起こりうるということすら想像できなかった。同じような感銘を受けたのか、マイコンベーシックマガジンでは1986年11月号、12月号にて前編、後編と分け、NEC PC-8801mkⅡSRで左右別々の独立したプログラムを掲載した。2台のPCを使って左右別々で鳴らすか、多重録音させるという荒技で再現させようというのである。そんなことを考え実現したのは古代祐三(Yuzo Koshiro、1967年12月12日-)その人であった。
X68000版に関しては基板からの吸い出しと思われる。音楽に使用されているのは業務用共にFM6音で残り2音は効果音で使用。3チャンネル目がベース、6チャンネル目がリズムで固定して作成されている。そのため、エンディング曲の「Peace Again」とゲームオーバーの「Crystal Forever」のようなリズムが使用されていない曲では5音の再生となっている。何か理由があるかもしれないがエコーに回すなどの作成はされていない。
業務用基板のROMに入っている未使用曲(起動時に流れる曲もその1つ)や未完成曲に至るまで順番もそのままで収録されている。業務用基板に搭載されている音源チップもX68000と同じYAMAHA YM2151なので再現も無理がなくほぼ完全再現できている。ただしボイス部分が多重再生できないため、ステージ3のボス・サラマンダを倒した際の咆哮は収録されているものの聞くことができない(再生されると同時に「Go up!」と別ボイスが入るため)
ミュージックモードは搭載されていない。しかし、下記の技を使うことによって、業務用基板でさえ不可能だった音楽を延々と流し続けるということが可能だった。これにより優越感と至福の時間を得ることができた。まだMDXなど知らない時代で、お気に入りの「Starfield」(ステージ4BGM)を大音量で流し続けたものだ。
ストーリー
美しい輝を放つ水の小惑星ラティスには、はるか昔より炎の予言が語り継がれていた。たとえ、それが真実であろうとずっと未来の出来事だろうと、誰もが軽く考えていたようだった。しかし、今、その日がやって来たのである。強大な勢力で侵略を続ける亜時空星団、バクテリアンの精鋭部隊サラマンダ軍の侵攻が、この星を滅ぼそうとしているのだった。サラマンダ軍の究極生命システマイザー『ゼロスフォース』に吸収され惑星生命体と化してしまったラティスには、もはや戦闘能力はない。時空間戦闘機にラティスの王子であるロードブリティッシュが乗り込み迎撃を開始したが敵の攻撃は想像を越えていた。かろうじてゼロフォースを脱出した王子は、ゼロス軍を打ち破ったという惑星グラディウスに救難信号を送った。連絡を受けたグラディウスの勇者は超時空戦闘機を発進させたのだ。二機のマシンは、すべてをコントロールしているサラマンダの母星へと逆襲を開始したのである。
操作方法
青い戦闘機(1P) | 赤い戦闘機(2P) | |
---|---|---|
移 動 |
W
ADD X |
8
4D6 2 |
SHOOT | B | XF4 |
MISSILE | N | XF5 |
コインクレジット | F6 | F7 |
スタート | F9 | F10 |
裏技の紹介
◆ステージセレクト
か な | ローマ字 | コード入力 | |
---|---|---|---|
STAGE1 | × | × | × |
STAGE2 | × | × | ○ |
STAGE3 | × | ○ | × |
STAGE4 | × | ○ | ○ |
STAGE5 | ○ | × | × |
STAGE6 | ○ | × | ○ |
SHIFTを押しながら起動する。
タイトル画面で左記のキーを点灯(消灯)させ、OPT.1を押しながらスタートすると指定したステージからスタートする。
◆音楽を自由に聞く
1. ドライブ0にHuman68kのシステムディスク、ドライブ1に 沙羅曼蛇 を挿入し起動。
2. A>b:⏎
3. B>mux⏎
4. B>msx -s soundprm.sal⏎
5. B>msx -b○○ bgmdata.sal⏎(○○に数値を入れる。下記参照)
01 未使用曲 (0x41)
02 Burn the Wind (0x42)
03 Starfield (0x43)
04 未使用曲 (0x44)
05 未使用曲 (0x45)
06 Power of Anger (0x46)
07 Peace Again (0x47)
08 Thunderbolt(0x48)Life force BGMリズムなし
09 Fly High (0x49)
10 未使用曲 (0x4a)
11 Combat (0x4b) Life force STAGE 5 BGM
12 Aircraft Carrier (0x4c) Life force
13 未使用曲 (0x4d) Life force
14 未使用曲 (0x4e) ローディングBGM
15 未使用曲 (0x4f)
17 未使用曲 (0x51)
18 未使用曲 (0x52)
19 未使用曲 (0x53)
20 未使用曲 (0x54)
21 Poinson of Snake (0x55)
22 Planet RATIS (0x56)
23 Crystal Forever (0x57)
24 未使用曲 (0x58)
25 未使用曲 (0x59)
26 未使用曲 (0x5a)
27 未使用曲 (0x5b)
28 Destroy Them All (0x5c)
29 未使用曲 (0x5d)
30 Slash Fighter(0x5e)Life force BGMリズムなし
カッコ内は業務用基板コード番号(参考値)
◆テストモード
SHIFTとOPT.1を押しながら起動するとテストモードに入れる。
業務用基板に搭載されていたテストモードで、F9キーがテストボタン(ページ切り替え)に相当する。用意されているのは下記6ページ。REVERSE TESTは当然反応しない。
○I/O TEST
○COIN COUNTER TEST
○DIP SWITCH SELECT
○SOUND TEST
○REVERSE TEST
◆レゾリューション変更2種
HELPを押しながら起動すると15KHzモードで起動する。(マニュアル記載あり)
INSを点灯させた状態でSHIFTを押しながら起動すると画面サイズが1/4になる。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源)
内蔵音源
音源チップ:YAMAHA YM2151(OPM)
01 ? (Loading)
02 Power of Anger (STAGE1)
03 Fly High (STAGE2)
04 Planet RATIS (STAGE3)
05 Starfield (STAGE4)
06 Burn the Wind (STAGE5)
07 Destroy Them All (STAGE6)
08 Aircraft Carrier (Bic Core)
09 Poison of Snake (Boss)
10 Peace Again (ENDING)
11 Crystal Forever (GAME OVER)
合計時間 : 7:50
作曲 : 東野美紀
DISCOGRAPHY
オリジナル・サウンド・オブ
グラディウス&沙羅曼蛇
発売日: 1987年11月21日
価格: 3,000円
商品番号: BY30-5180
販売元: アポロン
収録曲
1 グラディウス(アーケード版)
2 グラディウス2(MSX版)
3 沙羅曼蛇(アーケード版)
4 グラディウス(TVゲーム版)
発売日に関して
発売日に関して
出典:マイコンBASICマガジン1988年12月号 346ページ