SCREENSHOTS
PROMO WORD
──────物語はRPGを覚醒する。
■フルカラー・グラフィックの3Dダンジョン。人口迷路の他に自然の地形迷路もある。
■自然宗教を核として設定された、独特のファンタジー物語がビジュアル・グラフィックで展開する。
■パソコンRPGならではの、連続成長システムを導入。
この国に、かつてない大きな異変の波が押し寄せてきている。父の墓前に別れを告げたジェダ・チャフは、形見の剣と鎧を持って旅立った。「父はなぜ騎士を捨て、樵になったのか?」騎士になればその答えがわかるはずだと、功名を求めてあてのない青春の旅に向かう彼を巻き込む、アルカサス異変時。部族も、旅の目的も違う者達が出会い、そこから本当の旅が始まろうとしていた。過去、精霊達に見放され、大自然の神秘の力「魔法」を封じられたその歴史ゆえか、平和の万人と伝承される"黄金の竜"自らが、「太陽がその光を失う時、最後の審判が下る」と国王に最後通牒を発してきた。この国に降りかかる審判とは何か!運命という大河に巻き込まれ、翻弄される六人の行く手には壮大なドラマと真実が待っている……人は、歩む道の終りを知ることはできない。
「ARCUS」はRPG本来の「過程を楽しむ」という精神的な観点から、「物語としてRPGの世界を感じたい」を基本的なテーマとしています。そのためにゲーム世界の視覚表現を充分に取り入れ、プレイヤーがドラマとしてファンタジー世界の冒険を堪能できるように綿密に設計されています。
「ARCUS」は何年も経過する長いキャンペーンではないので、成長とは肉体的なものではなく、勇気と精神の成長である。経験とはモンスターに対する「戦闘経験」、「ARCUS」には従来の経験ポイントもそれに伴うレベルもない。
アークスpro68Kについて
アークス(ARCUS)は ウルフ・チーム が開発し、NEC PC-8801mkⅡSR以降版 をオリジナルとして 1988年5月13日に発売したドラマチックロールプレイングゲーム。ウルフ・チーム が 日本テレネット から独立しての第二作目。後にNEC PC-9801 シリーズ(8月発売-7月10日予定から延期)、SHARP X1turbo シリーズ(9月10日発売-7月下旬予定から延期)、富士通 FM77AV(10月発売)、MSX2(11月15日発売-11月13日予定から延期)などへ移植されている。
SHARP X68000 版はタイトル名を アークス pro68k(ARCUS pro68K) としてオリジナルよりおよそ1年経過しようかという1989年4月21日に発売された。X68000 版のメインプログラマーは 深谷文明(ふかやふみあき)さん。アークス は機種によりゲームインタフェースやエンディング内容が異なるが、この X68000 版はオリジナルである PC-8801mkⅡSR以降版 を踏襲している。
ネーミングに「pro68K」と付け加えられたのはシャープ製品のソフトウェアに「PRO-68K」付随するケースが多い(全商品ではない)ことに由来してと思われる。同じようなネーミングケースが当時のソフトウェアにも一部見受けられた。
移植作である本作がウルフ・チーム X68000 初参入作品になる。アークス が第一弾ということは、処女作である「ヤシャ」がやはり評判を大きく落としてしまったからという可能性が考えられる。ほぼ1年遅れての発売ということで、パッケージは一新した。ただし、パッケージのウリ文句やマニュアルはほぼ共通である。
ウルフ・チーム X68000 初参入作品ということで アークス pro68k の扱いは大きくてもいい筈だがパソコン雑誌などでの取扱いは殆どなく発売されていることが知られたのは随分経過してからというプレイヤーも多かったのではないだろうか。ウルフ・チーム もこの時期には ミッドガルツ や ガウディ の告知に力を入れており、アークス pro68k の広告が入り込む隙は無かったようだ。また、ほぼ同時期には アフターバーナー の話題が X68000 界隈を賑わせており運も無かった。
また、およそ1ヶ月前には日本テレネットから同じ3D視点型ロールプレイングゲームの注目作 デス・ブリンガー が発売されていたこともあり、話題性という点でも多数の機種に移植を重ねた出がらしに近い アークス pro68k には不幸な状況が重なったともいえるだろう。
X68000用にグレードアップしたグラフィックだが、X68000時代の後半作品まで特徴とも欠点となる色使いのスタートになる。全般として「垂らして塗っている」という表現が当てはまる。とにかく濃いのだ。そして、なぜかゲーム画面周辺のグラフィックはキャラクターに至るまで8色。ベタ移植ではなく、キャラクターの表情が修正されているがなぜだろうか。
しかし、最も問題なのは自分の環境だけかもしれないが、エンディンググラフィックが表示されなかったことだ。
音楽面では PC-8801mkⅡSR以降 版に比べると特にパーカッション関係の音が弱く、どうしても劣っているように聞こえてしまう。ADPCM同期にするだけで大きく印象は異なると思うが実現されなかった。これだとX1のベタ移植ともいえるだろう。ウルフ・チーム はしばらくサウンドボードⅡ版のBGMを X68000 で追い越すことができない時代が続くことになる。
ストーリー
プロローグ
太古の昔、人間は大自然の脅威に脅えながら細々と暮らす弱い存在であった。嵐、山火事、洪水、地震など、人々はその強大な『力』の存在を恐れていた。しかし、その『力』を司る者達………自然を統べる、火、水、土、風の精霊達………の存在を知った時、その"恐れ"は"崇拝"へと変わり、彼等を自らの"支配者"として崇められるようになった。だが、同時に人間は、精霊達のその神秘的な『力』に魅せられてしまい、やがて自らの知恵によってなんとかそれを会得しようと模索する者達が現われた。時の王は彼等に『聖導師』という地位を与え、精霊達からより多くの恩恵を授かれるように務めさせた。その願いはかなえられ、精霊達は『聖導師』に限って、その『力』を使える"四つの器"を人間に与えた。『聖導師』達はその"特権"によって自然を操り、人間はその『力』を大いに利用して文明を築き、栄えていった。しかし………人間はさらに多くの『力』を欲するようになった………戦いのために………!そして人間達は、生来より持つその不屈の精神で精霊達から得た『力』を "呪文" という形に置き換えて利用する "学問" を発明し、それを『魔(法)学』と呼んだ。現在で言う『魔法使い』の誕生である。強力無比な魔法の力を得た人間は、より良い土地を求めてその勢力を拡大し、先住部族達を力で追い払った。
その、あまりの "無軌道ぶり" を見兼ねた精霊達は、人間からいっさいの『力』を奪い去るため、アルカサスの国を見捨ててしまったのだった。精霊の加護を失った王国は、いたるところで土地が荒れていった。氷河の侵攻、砂漠、荒野の拡大………精霊信仰はすたれていゆき、人々の心はすさみ、部族間の争いが絶えなかった。そして、今………この国にかつてなく大きな異変が起ころうとしていた………!
登場人物
ジェダ・チャフ
種族:人間 18才
母を早くに亡くし、その昔、騎士の名声を捨て樵となっていた父と共に、物心ついた頃から人気のない山奥でひっそりと暮らしていた。
厳格な騎士道を歩んできた父親に育てられたおかげで、礼節を重んじ、素直で正直なたくましい少年に成長したものの、母の優しさの記憶に乏しいせいか、根は優しいがそれを表現するのは苦手である。武器の扱いにとりわけ長けている訳ではないが、父の手伝いをしながら長い間野性的な生活を送ってきたので、力の強さだけは確かなものがある。
エリン・ガーシュナー
種族:人間 17才
出生の詳細は本人が明かさないので謎である。が、姓から判断すると、西北の地に分布する狩猟民族の出と思われる。放浪の旅を続ける内に、数々の戦いをくぐり抜け、剣の腕を磨いたらしい。戦い慣れしており、男勝りの剣裁きと軽快なフットワークで敵を倒していく様は見事なものである。ただ、独りで行動してきたことが多かったせいか、団体行動は苦手である。
無類の酒好きで、飲むと暴れて手がつけられなくなるという酒乱癖があったりする。
ディアナ・フィレリア
種族:エルフ 年齢不詳
その昔、エルフ達は人間に土地を追われ、今はアルドゥールの森でひっそりと暮らしている。彼女はそのエルフ族の族長の娘で、幼い頃から戦士としての訓練を受けており、今ではエルフ族の戦士達を従えるほどの腕前を持っている。が、何事にも慎重な判断をとりがちな為、緊急事態での行動がやや出遅れることがある。性格は穏やかで優しく、生まれが高貴な処も助けて、何者にも侵されない気品と風格をそなえている。また、勧善懲悪主義者であるために、ささいな悪事にも目をつぶることができず、何らかの制裁が下されるまで許さない"正義の味方" である。
トロン・ティア
種族:ホビット 32才
ホビット族の商人の息子で、裕福な家族に育ったが、ホビット族が人間に追われて土地を失って以来、泥棒稼業をしながらあちこちを放浪している。"獲物は大物に限る"という信念を持ち、人間から盗むことが多いため、その名は同族の間では有名である。が、内心ではそんな泥棒家業に飽き飽きしており、"もっと広く世界を巡り、壮大な冒険を成し遂げたい"という夢を抱いている。
足は速く、手先も器用だが、体が小さいので重い武器や道具を持って走り回ることは苦手である。お人よしで優しい性格の持ち主だが、損得勘定には少々うるさい。
ピクト・アネクシオス・ピヨント
種族:ハーフエルフ 12才
人間とエルフ族の、両種族の断絶をもかえりみず、エルフ族の語り部の娘イリス・レグ・ピヨントと、人間の若者アネクシオス・フォトノが駆け落ちして生まれた混血児、ハーフ・エルフである。
母から多くの伝承について聞かされており、伝説や歴史について実に様々な知識を持っている。好奇心はかなり旺盛なのだが、その珍しい容姿のために幼い頃から回りにうとんじられ、気弱で引っ込み思案な性格になってしまった。まだ、子供なので体力はあまりなく、戦いの経験もいっさいない。
ヴィド・シア
種族:人間 54才
その昔より魔法について多くのことを研究してきた魔学者の末裔。古えの聖導師ルディ・クロウス・リーの血筋をひいている知恵者である。薬学を始めとする様々な学問に通じ、知識も豊富で、すこぶる頭の切れる男だが、自信過剰で自己中心的な物の考え方をとることが多く、人を見下すばかりでなく、自分の失敗を人に押しつける悪い癖を持っている。さらに、日常においては傍観者を決め込んでいるのに、集団においての決断をとる際には決まって指揮をとりたがるという、少々やっかいな男である。