THE ENFORCE FIGHTER A-144
PHALANX(ファランクス)
対応機種 : SHARP X68000シリーズ
メディア : 5inch 2HD (3枚)
定価 : 8,800円 (税別)
発売日 : 1991年5月17日
販売元 : ズーム
○ジョイスティック対応
○MIDI対応 ROLAND MT-32/CM-64
(要CZ-6BMI純正MIDIボード)
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MT-32版 / FM音源版GALLERY
PROMO WORD
共和同盟軍(RAF)第25資源採掘惑星"デリア"の外敵自動防衛システムの異変を調査に来たマーティン・ヒレンカーター率いるMIDAS1137、通称GODEYEのクルーは、未知の力を持つ強大な敵に対し、今までに人類が経験したことのない恐怖を味わっていた。4時間前に降下した調査隊が「細かい組織上の液体が侵入してくる」と言う報告を最後に連絡を絶ってしまったのである。
未知の液状生命体。しかも彼らには、「侵略」の意志がある。ヒレンカーターはGODEYEに迎撃体制を命じ、情報部、科学局、武装開発局合同のプロジェクトを設立。戦闘機A-144・PHALANXに強力な防御システムを搭載させ、迎撃ユニットを構成させた。プロジェクト名は「CLIMAX」。任務の失敗はGODEYEの全滅を意味する事から付けられた名称である。
PHALANX BACKSTORY
その、全長200kmを超す巨大な物質は現在亜空間を航行中である。自体の付近には船の様なものが何百隻も寄り添っている。彼らは生体エネルギーを求め、気の遠くなるような距離を移動し続けていた。それは彼らの意志であり、彼らはその為だけに存在していた。長い長い間彼らはその進路上に存在する生体系に侵入し、自らの中に取り込んできたのだった。現在彼らが宿っているその物質も、彼らが作りだした物ではなかった。その物質に記されている集団を統べる為と思われる赤い三角のマーキングも彼らの意志とば何の関係も持たなかった。
──巨体は急にワープアウトした。そこはアステロイドの中だった。巨体の向いている方向には一つの惑星が見えた。巨体は暫くその惑望を見つめていた。その内、巨体にまとわりついていた船が一斉に動き出し、目前の惑星に移動し始めた。巨体は惑星を見たままただ沈黙していた。時に、AD2279年の事である。
惑星デリアと呼ばれる総人口1800万人に満たないその星は共和同盟軍(RAF)の第26資源採掘惑星である。様々な鉱物そしてある種の特殊ガスが採れるため、同盟軍内部ではかなり重要な採掘源となっていた。そのデリアから通信が一切絶たれてしまってから2週間が経った。内部の反乱、軍事的な何らかの工作も現在の状況からは考えにくい。気象条件的な通信の遮断も有り得なかった。更にデリアには外敵に対する強カな自動防衛システムがあるはずだった。にも関わらずこちらからの信号に何の反応も示さなくなってしまったのである。
2219年の連合政府制圧戦から60年が経った現在でも任務に現役で参加している特殊戦術要塞MIDAS1137(通称GODEYE)には本部から惑星デリアの異変を調査するという戦術要塞にしては割と地味といえる任務が下っていた。が、いくら制圧戦当時に惑星を一つ消滅させた(MARSと呼ばれていた)実績があるとはいえ、60年の酷使で機体はガタガタだったので、任務と言えば一定区間内のパトロールがいいところであった。今回も調査隊を編成し、惑星に降下させていた。以前にも同様の任務が何度もあったのでさしたる問題もなく事は進んで行ったが、48時間を隔てた今、GODEYEのクルーは今までに体験したことのない緊張と恐怖を味わっていた。調査隊が「細かい組織状の液体が機内に侵入してくる」との連絡を最後に消息を絶ったのである。これまでにも異種生命体との遭遇はあったが、「侵略」の意志を持った例は初めてであった。総指令官マーティン・ヒレンカーターは全艦に迎撃体制を命じた。実に60年ぶりの実戦配備となった。更にヒレンカーターは情報部、科学局、武装開発局合同のプロジェクトを設立した。そこでは、多目的戦術機A-144・PHALANXを対液状生命体戦用にリファインを施していた。可変武装システム「イオックス(I.O.C.S)」、強化防御フィールドリアクター、新方式の推進エンジン等を装備したA-144は調査隊消失から4日という驚異的なスピードで完成を見た。
各システムの提唱者、科学局所属メル・ウィンターは弱冠25才でプロジェクトの総指揮をとる女性である。IOCSの発案者である故ジェフ・ウインターの意志を継ぎ、20才の時点で理論を完成させたという天才である。今回の任務でA-144のパイロットに遠出されたリキ・サナダとは将来を誓いあった仲であった。2人ともGODEYE艦内で生を受けた者だった(但し、リキは試験管ベビーである)ので周囲の期待も大きかった。が、今回の作戦でリキが無事に帰還できるという保証がどこにも無いだけに、GODEYEのクルーだけでは無くメルも立場上複雑な気持ちにさせられていた。できることならリキを行かせたくはなかったが、生まれつき正義感が強く、血気盛んなリキを止めることは彼女にはできなかった。それはプロジェクトの指揮者としてではなく、彼女個人年若いリキのそんな部分にひかれていたからである。
リキ・サナダは18才という年齢からは考えられないほどの業績を第13飛行中隊「デルタ・パック」で挙げてきたエースである。今回の作戦にはサポートとして中隊在籍時の良き仲間、グレン・フォスター少佐とダラス・フォード少佐がバックアップすることになっていた。この2人はツーマンセルの行動には定評のあるペアである。ブリーフィング時にグレンはそれとなくリキにメルのことを聞いてみたが、リキは何も言わなかった。
PHALANX投下作戦は、任務の失敗がGODEYEの全滅を意味する事から"CLIMAX"と名付けられた。作戦決行時、既にコクピットに収まっていたリキの傍らにはメルがいた。2人は何も話していなかったが、メルがそこを離れるときリキは一言だけ「必ず戻るから」と言った。
AD2279・5・17、00:00:00、A-144と支援艇STORKER-1を搭載した輸送艇「REIDHURCURES」がゆっくりとデリアに降下してゆく。目指すは謎の液状生命体に乗っ取られてしまったシステムの中枢である。固唾を飲んで見守るGODEYEの後方20万kmのアステロイドの中では銀色に光る巨大な物体がこちらを黙って見つめていた。
ファランクスについて
ズーム作品第三弾として発売したのがこのファランクスだ。デザインやキャラクターなどの質が格段にグレードアップ。大好きなジャンルのシューティングということで購入に躊躇いなどなかった。(しかし…購入したのは発売してしばらく経った上にソフパルの中古だったけど。)
ファランクスはオープニングから他社と技術力の差を見せつけた。当時アーケードだけの特権となっていたグラフィックの拡大機能をソフトウェアで再現していたのに目を丸くした。また、ヒーローものの主題歌のように曲に合わせてテンポ良くアニメーションしていく様はかなり秀逸。何度もリターンキーを叩いてオープニングを見たものだ。このあたりのセンス…流石ズームだ。
ゲームの内容だが、これも秀逸。とにかくX68000の持てる機能を最大限に生かしたゲームであったことは間違いない。1面ではいきなりの多重スクロールに度肝を抜かれ、そして…酔いそうになった。2面では水中ということで半透明機能にラスタースクロールを使用していたりと凄いデキ。これでもメインプログラマはX68000初作品がこのゲームだったらしい。凄すぎる。
しかしながら、ステージ3あたりからダラダラし始め問題が露出し始める。まずステージ3は洞窟の上中下の選択で誤ると最初に戻されるループのトラップが存在。ステージ6は硬派さを無視したオマケみたいなステージ。そしてステージ7ではワープにより飛ばされる地点が異なり、解決しないとゲームが一向に進行しない。スーパーマリオの最終ステージと同じだ。何のジャンルか分からない作りになっていった。
またハイスコアなどの概念があるのに名前登録も無いし記録もできなかった。稼ぎのできるワープ面の存在でハイスコアの概念も破綻してしまった。
余談だがエンディングのスタッフロールの雑誌社の綴り間違いは未だ忘れることができない。ぱっと見ただけでテクノポリスの綴りが違うし、マガジンの綴りも違う。誰も気付かなかったのだろうか?
上記で色々書いたものの完成度は高い。ボスは攻略法を確立しないとアッという間にやられるが、攻略法自体は1度戦えば見つけることがてきる。何度か繰り返しプレイすれば必ずクリアできる難易度に抑えられている。そのあたりのバランスはかなり高くシューティングとしての撃つ避けるという基本部分はしっかりしていた。
音楽だが、ズーム立ち上げ時のスタッフが脱退。新しいメンバーはそれまでの作品に比べるとインパクトはやっぱり薄い。曲も悪くないのに打ち込みで失敗しているように思える。音色を適当に作成して、適当に音に割り当てて鳴らしてみた印象を受ける。また、PCM部分もうまく鳴っていないようだ。曲としての評価は高いと思うが、トータル的な曲のデキでの良い評価はあまり聴いたことがない。
ちなみにテーマ曲とステージ5の曲は同じテーマと分かったが、エンディングの曲がステージ2をモチーフにしたものだと気付いたのは随分後だった。オススメは当然オープニング曲。これだけでファランクスの曲を勧める理由に十分だ。
ズームのMIDI初対応作品がこのファランクス。オープニングディスクを立ち上げると、いきなりFM音源と同時発声しなかなか聴かせてくれる。曲自体の出来も格好イイので何度繰り返し見たことか。
ゲームシーンは内蔵音源とシンクロしないMIDIのみの演奏になっている。音使い的には、なんとなく適当に鳴らした感じが否めない。また、ステージ1や2はメロディに矩形波似の音色「SQUARE WAVE」を使用しているので、ゲームっぽさ的な音になってしまった。また2面の曲に於いてはキーオフを忘れていて、音が鳴り続けるところがあったりと、結構なデキになっていたりする。
とにかく、FM音源部分をそのまま置き換えただけのような感じで、音が増えているとか同時発音数が増えているとか、そういったアレンジがいまいちなため、残念な結果になっている。曲自体のデキはいいのにデータ化に失敗した典型的な例ではないだろうか。
裏技の紹介
【隠しメッセージ】
Human68kのシステムディスクを立ち上げ、「ファランクス」のシステムディスクをドライブ1に入れる。
そして、
A>B:
B>type FUCKME.KMN
と入力すると、開発者からのメッセージを読むことができる。
【面セレクト】
タイトル画面で「AKICHANSUKI」と入力。
【無敵モード】
タイトル画面で「SUGOINO」と入力。
【残機が増える】
タイトル画面で「FUERUNO」と入力。
【オープニングでスカートが落ちる】
オープニングが終了しメルのメッセージが出ている時に「YUKO」と入力する。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源+ADPCM+MIDI音源)
内蔵音源 +
音源チップ:YAMAHA YM2151(OPM)+ OKI OKI MSM6258
オープニング曲のみMIDI+FM音源+ADPCM
01 Opening
02 Stage 1
03 Stage 2
04 Stage 3
05 Stage 4
06 Stage 5
07 Stage 6
08 Stage 7
09 Stage 8
10 Boss
11 Bonus Stage A
12 Bonus Stage B
13 Last Boss
14 Last Boss Escape
15 Ending
16 Game Over
17 Stage Clear
合計時間 : 18:17
ラジオ収録曲(FM音源+ADPCM)
01 Opening
02 Stage 1
03 Stage 2
04 Stage 3
05 Stage 4
06 Stage 5
07 Stage 6
08 Stage 7
09 Stage 8
10 Boss
11 Bonus Stage A
12 Bonus Stage B
13 Last Boss
14 Last Boss Escape
15 Ending
16 Game Over
17 Stage Clear
合計時間 : 18:04
>作曲 : 神尾憲一
DISCOGRAPHY
レジェンドオブゲームミュージック
コンシューマーBOX
発売日: 2006年3月24日
価格: 16,800円(税込)
商品番号: SCDC-00497~506
販売元: サイトロン
当時の広告
作者: kantoku666
エンディングはMIDI版のBGMに差し替わっている。
エンディングムービー
※映像はFM音源版