SCREENSHOTS

KONAMI ORIGINAL GAME SOFTWARE
パロディウスだ! ⎯ 神話からお笑いへ ⎯
対応機種 : SHARP X68000シリーズ
定価 : 9,800円 (税別)
発売日 : 1991年4月19日(発売予定1990年12月→1991年2月から延期)
販売元 : コナミ
○MIDI/内蔵音源・シンクロ対応
(ローランド社MT-32/CM-32L)
○ジョイスティック操作対応
※マニュアル抜粋
笑っていると地獄に落ちるこのスリル!!
マニア泣かせの難度から初心者まで、
レベル設定は思いのまま!!
ベートーベンが!!チャイコフスキーが!
パロディサウンドに大変身!!
クオリティを極めたMIDIサウンドが
ゲーム音楽に拍車をかけたっ!!
アーケードまんまの完全移植!
やっても見ても超おもしろハチャメチャ
シューティングゲームついに登場!!
パロディウスだ!特典
その1アーケード版完全移植!ゲームセンターの臨場感が君の部屋に…!
その2MIDI を接続すればCD以上の美しいサウンドが楽しめる!
その3パワーアップをオートとマニュアルの2種類導入。シューティングの苦手な人でもらくらくできる親切設計だ!
その4コンフィギュレーションには機数設定などのサービスが盛りだくさん!
■ MIDI/内蔵音源・シンクロ対応(ローランド社MT-32/CM-32L)
MIDIを使用するには別売の専用MIDIボードが必要です。CZ-6BMI(SHARP)、又はSX-68M(SYSTEM SACOM)
をご使用ください。本体の内蔵音源とMIDIの同期演奏がお楽しみ頂けます。
■ キーボード及びジョイスティック操作対応
(マウスでの操作対応はしておりません。)
■ 本製品を無断で複写すること及び賃貸業に使用することを禁じます。
コナミ株式会社
〒110東京都千代田区神田神保町3丁目25 TEL 03-3264-5678(代)
KONAMI ORIGINAL GAME SOFTWARE
No.352733
MADE IN JAPAN
\9,800
消費税別
『パロディウスだ!』(PARODIUS DA!)はアーケードゲーム用としてコナミが開発し1990年4月25日に発売した横スクロール型シューティングゲーム。PCB価格は148,000円。1988年4月28日にMSXで発売した『パロディウス』の続編にあたる。キャッチコピーは、笑う門には「パロディウスだ」。
SHARP X68000版『パロディウスだ!』は1991年4月19日に発売。『クォース』に続くコナミ内製X68000作品第二弾。『クォース』でだいたいのハード特性はつかんでいたので、技術的な問題は作りながら解決しようと開発が開始された。なお、予約特典として「パロディウス発売記念豪華楽譜付きスペシャル下敷」をもらうことができた。
X68000への移植を担当したメインプログラマーは徳田典(Tsukasa Tokuda, a.k.a CHICHIBINTA TSUKASA)。アーケード版『パロディウスだ!』のメインプログラマー自らの移植作であるようだ※。後にアーケード版『極上パロディウス』のプログラマーも務めている。
※X68000版『パロディウスだ!』スタッフロール参照。2025年現在ECCコンピュータ専門学校の教員としてその姿を見ることができる。なお、PCエンジン版のスタッフロールでもその名を見ることができる。果たして3機種(AC、X68000、PCエンジン)のプログラマーを本当に務めたのだろうか?
アーケード版からX68000版発売までの期間は僅か1年足らずであるが、その間にも移植が行われている。任天堂 ファミリーコンピュータ版(1990年11月30日発売)とゲームボーイ版(1991年4月5日発売)だ。後にもNEC PCエンジン版(1992年2月21日発売)や任天堂 スーパーファミコン版(1992年7月3日発売)など当時の現行家庭用ゲーム機へ移植が行われている。ただし、その中でもステージ構成などを最も忠実に作成したのはX68000版のみであった。
ちなみにあまり知られていないと思われる設定がある。それは家庭用ゲーム機版に限って発売年によりストーリーが異なっていることだ。ストーリー出だしは発売された年の出来事になっている。X68000版ではアーケード版準拠の「西暦1990年」で始まるストーリーになっているが、ゲームボーイ版では「西暦1991年」、PCエンジン版やスーパーファミコン版では「西暦1992年」の出来事として扱われている。
昨今では『パロディウスだ!』のことを『パロディウス』と呼ぶプレイヤーも増えてきている。これは非常に大きな間違いだ。ほとんどの方には解説不要と思われるが、念のためここで『パロディウス』について語っておこう。さらっと前述しているが『パロディウス』は1988年4月28日にMSX専用として開発され発売した、いわば『パロディウスだ!』のご先祖様だ。ストーリー上も『パロディウスだ!』は『パロディウス』の最終ボス宿敵「バグ」との死闘を終えた後という続編の設定であることを留意しておかなければならない。
海外では色々と事情が異なりややこしい(『パロディウス』が発売していないため、『パロディウスだ!』が『パロディウス』になる作品もある)が、日本のゲーマーなら区別しなければならない。ちなみに、MSXユーザーなら常識だがあのタイトル作品も「2」と「Ⅱ」の表記を間違えると戦争になるぞ。
さて、話題を元に戻そう。X68000への移植を知ったのはアーケード版稼働からわずか半年後(1990年10月)に各パソコン雑誌で掲載された開発情報。どの雑誌も同じ画面を使用していたことから、コナミから送られた写真を掲載しただけで動作するサンプルがあったわけではなさそうだ。
最近の話題作が移植される、ということにあたって一抹の不安があった。それは過去に発売されたコナミ作品がSPS開発が主であるとはいえ同じアーケードゲーム移植を行う電波新聞社と比較して個人的には「やや満足」といった評価であったことだ。『グラディウス』や『ツインビー』は画面はまだしも音の再現が全くできていなかった。『沙羅曼蛇』は音の再現性こそ100点だが、動きの遅さでX68000の限界を感じた。『A-JAX』はX68000の限界を超えたとは思ったがディスクアクセスの遅さがかなり気になった。こんな最近の作品がX68000でまともに動くわけないよな?と期待半分、諦め半分ながらドキドキしたあの日を忘れることはないだろう。
12月には『マイコンBASICマガジン』に新たな画面写真が掲載される。以前に掲載されたものはスコアやパワーアップセレクトメーターがスクロール画面に重ね合わせされていたが、枠外に表示されるように変更されていることが見て取れる。この画面写真はパッケージに使用されているものと全く同じだ。つまり、コナミから提供されている写真を使用していることがわかる。
ちなみに『パロディウスだ!』発売からおよそ3ヶ月後には同時開発されていた『生中継68』を発売。年末には『出たな!!ツインビー』、そして翌年2月には『グラディウスⅡ』と短期間で怒涛の4タイトルを発売。コピー問題でX68000のソフト業界は衰退しつつあるという発言もメーカーから飛び出しつつある時期だったが、かつてのMSXで魅せたコナミパワーを彷彿とさせるものだった。
12月にこの記事が掲載されたときにはX68000用開発ラインが5ライン存在するということだった。しかし、『出たな!!ツインビー』や『グラディウスⅡ』の開発を進めたのは『パロディウスだ!』発売以降だ。つまり、後述するコナミが想定したほど『パロディウスだ!』の売上が伸びなかったことからライン数と開発タイトルが見直されることになったのは明白だろう。
開発には知る限り製品版に至るまで大きな改良・改変があったことが判明している。一度目は動きがままならず開発終盤で行き詰まって全面作り直しになったこと。1990年10月写真と製品版では画面に違い(スコアやパワーアップセレクトメーターの重ね合わせ)があることからこのあたりだろう。ログインの記事によると15kHz表示で動作していたようだ。
本来は1990年12月発売予定で進められていたが、12月段階で開発状況が30パーセントであったということはまさに作り直した直後であったからということが想像できる。11月に初めて登場した広告には全ステージが完成していそうな雰囲気だが何が問題になったのか経緯を知りたいところだ。
二度目の大きな改良・改変は「XVI用に作られた?」とまで書かれていた動作やロードの遅さの問題だ。『パロディウスだ!』が発売される直前のタイミングである1991年4月8日に16MHzCPUを搭載したX68000XVI(エクシヴィ)が発売する。X68000XVIは発売前に編集部へ貸し出されており、『パロディウスだ!』をプレイしたことに由来する記事だ。もちろん、X68000XVIで最適に動くように調整されていたわけではない。
恐るべきことに完成直前の店頭デモ版(実行ファイルのタイムスタンプは1991年2月14日)からわずかの期間にそれらの問題はほぼ払拭。XVIより前に発売されていた10MHzのX68000でも十分遊べるところにまで仕上げた。
これは、C言語でいけると思っていたがアセンブリに直したという逸話がある。まさに開発当初掲げられていた「技術的な問題は作りながら解決しよう」である。ただし、この話は完全に鵜呑みにしてはいけない。『パロディウス』はストレス解消で作られた、という話があったあのときのように。
開発が発表された当初は、期待しつつもまあ完全に近い移植はムリだろうなと思っていた。しかし、実際に動作している状況を見るとそれは一変した。忘れもしない大阪日本橋のPCショップであるSTAND-BYで見たデモ。外部MIDI音源を接続の上でFM音源とシンクロして鳴らされる原曲イメージを損なわないBGMの美しさ、想像以上にスムーズに動くネコ戦艦。これを見た時に「X68000でこんなに動くのか!」とそこまで大好きでもない『パロディウスだ!』の購入を決めた。これは買うのが使命だ、そして自分のX68000で動かしたい!と思った。
パッケージを手に取ったときも驚いた。一般によく見られた物と異なるオリジナル仕様であり、ここからしばらくのコナミパソコンゲームはX68000に限らず『永世名人Ⅱ』(1991年5月17日発売)を除いてこのパッケージに統一された(とはいっても他機種ではPC-98シリーズ用の『永世名人Ⅲ』くらいか)…はずだ。豪華なんだけどスリーブが厚紙製の為傷みやすいのが難点。そして、ディスク2枚という少なさにも驚いたが、残り容量はDISK1が16KB、DISK2が0KBと超絶だったのも痺れた(隠しファイルが入ってないか探すのもパソコンゲームの個人的楽しみであった)。
当時はゲームセンターでもまだ見かけるぎりぎり現役といってもいいゲームでもあり、中古基板でも7万円~11万円程度とさほど値崩れを起こしていなかった。所有欲を満たしてくれるとともに自宅でこれほどのデキのものが遊べるという優越感も凄かった。
くどいようだがディスクはたったの2枚だ。加えてRAMが1メガバイトのX68000で動作する。つまりは当時のX68000全ユーザーが遊ぶことができるということだ。稀に見る2メガバイト以上必要だとか、ハードディスクがないとディスクを入れ替えまくらないといけないということもない。2枚だからデータに超圧縮がかかっていて読み込みと展開する待ち時間が長いなんてこともない。X68000のポテンシャルが凄いのか、それともコナミの底力が凄いのか。もう何が何だかわからないがX68000で動いていることが不思議でならなかった。
ここまでできるならX68000で『サンダークロス』や『グラディウスⅢ』も発売されるのは時間の問題だと思っていたのは私だけではないはずだ。(5ラインのうちに含まれていると思っていた)
移植可能だったとしても自社開発の作品でなければ版権を買う価格に見合った売上を見込まなければならない。その兼ね合いか、1990年は有名人気タイトルではなくちょっとマイナーかなあという作品の移植が量産された時期でもあった。それを考えれば、『パロディウスだ!』のようなアーケードゲームの人気作を登場から1年で完全移植(完璧移植ではない)するというのは当時でも割と異例。
また、アーケードゲームのハードウェアスペックはたった数年で大幅に上がっておりX68000に移植する事は困難な作品が増えていた。しかし、当時で古い基板(とはいっても1986年や1987年)の作品は完全移植できて当たり前と満心になった私はまったくそういった移植に凄いと思わなくなり、無茶移植でも現行に近い人気作品を渇望するようになっていた。『パロディウスだ!』、罪作りな作品である。
『パロディウスだ!』はX68000作品として歴史的な結果を残した。ゲームユーザー数がNEC勢に比べ圧倒的に少ないX68000のみのプラットフォーム作品ながら「ログイン」1991年6/21日号(1991年6月7日発売)の「SOFT LOG TOP30」(4月20日~5月20日までの集計)にて1位を飾っている。2位に着けた『信長の野望・武将風雲録』(光栄作品)は1990年12月12日にNEC PC-8801mkⅡSR以降用として発売。その後の3月15日には最もPCゲームユーザー数を誇ったNEC PC-9801VM/UV以降用に移植され1位を長らく守ってきたバケモノタイトルだが、それを引きずり下ろした。ただし、『パロディウスだ!』にとって集計がオイシイ期間であったことは間違いないということは記しておこう。「マイコンBASICマガジン」(1991年7月号)の「SUPER SOFT HOT INFORMATION」では集計期間が4月~5月上旬ということもあり、2位で終わっている。『パロディウスだ!』のような最大瞬間風速的な売上では『信長の野望・武将風雲録』のようなロングセラーソフトに太刀打ちできなかったのも事実だ。
「Oh!X」では毎年4月号に年間を通じての人気投票結果が発表されていた。「1991年度 GAME OF THE YEAR」では見事に『パロディウスだ!』が1位を獲得している。ゲームセンター稼働からわずか10カ月で移植された『出たな!!ツインビー』もインパクトは凄く完成度は非常に高いものであったが、蓋を開けてみると投票数では『パロディウスだ!』とは勝負にならないほど差が開いた。個人的印象ではやはり『パロディウスだ!』で受けたインパクトの凄さは一生の印象に残るものであった。おかげで、贅沢な移植に慣れてしまいちょっとのことでは驚かなくなったとも言える。私はもう『ゼクセクス』くらいの移植でないと驚かなくなっていた。これは私にとって不幸だったかもしれない。
コナミとしては人気作品といえる『パロディウスだ!』を投入したのでかなりの数が売れると見込んでいたようだ。実販売本数はおよそ2万本程と推測されるが、コナミが喜んでいる様子はなかった。2万本という数は当時のX68000全ユーザー数およそ10万人(1人1台計算なので実際には不正確)の内5人に1人が購入した計算になりX68000の市場では超ヒットの部類だ。しかし、「ユーザー数の4分の1も売れなかった」と納得いかなかった様子が伺える。
コナミがX68000に本腰を据え想定していた売上とはどの程度だったのだろうか?それは本体出荷台数と同等のおよそ5万本といわれる程爆発的に売れた『アフターバーナー』(1989年電波新聞社)の比率までは行かずとも1988年に発売した『ドラゴンスピリット』(1988年電波新聞社)のような半数近いユーザー(ユーザーでない層も購入したという話が散見されたが)が購入することを想定していたのではないだろうか。結果として想定より売れなかった理由は「コピーしたユーザーが多いから、半数のユーザーはソフトを持っている」という結論とメッセージをゲーム評論家の山下章(Akira Yamashita、1964年6月2日-)を通じて残すことになった。コナミは相当問題と捉えていたのか『パロディウスだ!』と同時期に開発されていた『生中継68』の起動画面や開発ドキュメントなどには不正コピーに関するメッセージが色濃く残されている。
https://x.com/opaimar/status/18597723493206592857(2024)
コピー問題に関しては色々と論じられるが、『パロディウスだ!』に関しては「Oh!X」が述べる市場に対する過剰なソフトタイトルの供給が原因としてもっともらしく思える。1989年の92タイトルに対して1991年にもなれば倍にもなっている。
また4月という発売時期もあまり良くはないだろう。翌月の5月にはズームの『ファランクス』や『スコルピウス』といった目玉のシューティングゲームが連続して発売なので個人的には結構金銭面がタイトだった記憶がある。2メーカーには申し訳ないが中古品を購入せざるを得なかった。これらの作品のために本来購入していたであろうユーザーが分散してしまった可能性は十分にあるだろう(それでもコナミが1990年に想定していた本数にはまだ足りないだろうが)。
※記載されているソフト本数はソフトバンクの流通を通して出荷されたものに、シャープ、電波新聞社、コンパックなどの製品を加えたもので完全に正確なものではない(実際にはこれよりもっと多い)断り書きが文章内にある。
パロディウスだ! ⎯神話からお笑いへ⎯
キングレコード/1990年7月21日
メディア/価格:
CD KICA-1011 2,800円(税込)
収録曲: 〈アレンジ・バージョン第一部〉 ①イントロダクション⎯パロディウスだ! 〈オリジナル・ゲームサントラ〉 ②神話からお笑いへ ③パロディウス音頭 ④こんにちは、パロちゃん ⑤VIC VIPERのテーマ ⑥アイランド・オブ・パイレーツ ⑦クライシス第4楽章 ⑧ボスBGMだ! ⑨ピエロの涙も三度まで ⑩ちちびんたリカのテーマ ⑪イーグル佐武のテーマ ⑫イーグル佐武のテーマ ⑬ラビリンス ⑭ホットリップスのテーマ ⑮嗚呼!日本旅情 ⑯豚潮のテーマ ⑰宇宙戦艦モアイN ⑱TWINBEEのテーマ ⑲軍艦マーチで今日もフィーバー ⑳電飾コアのテーマ ㉑ビューティフル・ギャルズ ㉒もっとも北の国から'90 ㉓ペン太郎のテーマ ㉔ナイト・オブ・ザ・リビングデッド ㉕吉原太夫のテーマ ㉖タコ要塞のテーマ ㉗ゴルゴダ・タコのテーマ ㉘エンディングだ! ㉙コンティニューだ! ㉚ランキングだ! ㉛ボス・アウトだ! ㉜プレイヤー・アウトだ! ㉝ゲームオーバー!! 〈アレンジ・バージョン第二部〉 ㉞ ザ・軍艦! ㉟アイランズ・オブ・ドリーム 〈効果音特集〉 ㊱こうかおんアラカルトだ!
オリジナルのアーケード版は音源としてYAMAHA YM2151(FM音源最大8声)と0053260(PCM最大4声)を使用している。つまりX68000と異なるのはPCM部分のみである。そのためナムコのSYSTEMⅡ基板などに比べるとX68000でBGMを再現しやすい環境にあるといえるだろう。
FM音源3声は常に効果音へ割り当てられており、BGMはFM音源5声、PCM最大4声を使用して演奏される。ただし、「ゲーム・オーバー!!」のみ例外でFM音源を7声で演奏している。
X68000用に編曲を行ったのは碇子正広(Masahiro Ikariko a.k.a IKA-chan), 井上秀登(Hideto Inoue a.k.a けろっぴ・いのうえ)、木内薫(Kaori Kinouchi a.k.a KAORI-CHAN)の3名だ。
X68000版の内蔵音源版BGMはYAMAHA YM-2151のFM音源5声+ADPCMによって演奏されており、残り3声はアーケード版と同様に効果音で使用されている。オリジナルのPCM使用がリズムやオーケストラヒット、そして目立ちにくいコーラスで構成されていたため内蔵音源で聞いても大きな違和感無くオリジナルの雰囲気そのままに楽しむことができるだろう。
『パロディウスだ!』はコナミ初の外部MIDI音源対応作品でもあり、Roland MT-32※(CM-32L、CM-64)に対応。FM音源5声+ADPCMにMT-32の演奏を加えたシンクロ演奏が行われる。例外としてアーケード版同様「ゲーム・オーバー!!」のみFM音源7声を使って演奏。また、ゲーム中に使用されていないローディング中のBGMはFM音源フルパートの8声を使用している(MT-32部の演奏はなし)。
MT-32シンクロ演奏は単純に内蔵音源版のBGMにMIDIパートを足しただけのものではなく、半数ほどの曲は専用で作り直されている。また、ほとんどの曲ではMIDIパートをオリジナルの雰囲気を壊さない補助的な使用に留めている。ただし、MT-32側の使用チャンネル数は7チャンネル+リズムとオリジナルのPCMチャンネル数を超えている。私が原作を超えたと評価するX68000版『パロディウスだ!』はこの点が大きい。
※後に発売されたCM-500にも対応しているがモードB(CM-64 SIMULATION)に設定しなければならない。You-Tubeで『パロディウスだ!』のX68000実機+CM-500という動画を見かけるが、稀にモード設定ミスで音が変になっているものがある。
MIDI POWER X68000COLECTION VER.1.0
キングレコード/1992年5月21日
メディア/価格:
CD KICA 7602 2,800円(税込)
収録曲: 〈出たな!!ツインビー〉 ①KONAMI MORNING MUSIC ②KONAMI LOGO ③出たなツインビー ④メル女王からのメッセージ ⑤風の贈り物 ⑥雲海を越えて ⑦天空の要塞ラピュタ ⑧WORLD OF THE MOLD ⑨水上の行進 ⑩イーバの神殿 ⑪霧の向こうのパラダイス ⑫イーバ星人の攻撃 ⑬来るなら来いっ ⑭ありがとう!ツインビー ⑮イーバの帝王脳味噌昆虫 ⑯惑星メルに平和の戻る日 ⑰LET'S TRY AGAIN ⑱CONGRATULATIONS! 〈グラディウスⅡ〉 ⑲NOW LOADING! ⑳TITLE DEMO ㉑EQUIPMENT ㉒TABIDACHI ㉓BURNING HEART ㉔TAKE CARE! ㉕A SHOOTING STAR ㉖SYNTHETIC LIFE ㉗CRYSTAL WORLD ㉘A WAY OUT OF THE DIFFICULTY ㉙THE OLD STONE AGE-1 ㉚THE OLD STONE AGE-2- ㉛MAXIMUM SPEED ㉜GRADIUS1 BOSS THEME ㉝SALAMANDER BOSS THEME ㉞FIRE DRAGON ㉟INTO HOSTILE SHIP ㊱SHOOT AND SHOOT ㊲THE FINAL ENEMY ㊳FAREWELL ㊴GAME OVER ㊵RANKING 〈パロディウスだ!〉 ㊶神話からお笑いへ ㊷パロディウス音頭 ㊸アイランド・オブ・パイレーツ ㊹ピエロの涙も3度まで ㊺ラビリンス ㊻嗚呼!日本旅情 ㊼宇宙戦艦モアイ ㊽軍艦マーチで今日もフィーバー ㊾ビューティフルギャルズ ㊿もっとも北の国から (以下略)
惜しむらくはこれほど素晴らしい音源が一部のユーザーにしか伝わらなかったことだ。『パロディウスだ!』発売からおよそ1年後に発売された『MIDI POWER X68000COLECTION VER.1.0』に収録されることになるが一部のみ。完全なものは未音源化のまま。今でこそYouTubeで全曲聞くことも可能となったが、素晴らしさの全容を知らずにいるプレイヤーも多いはずだ。改めてこの機会にぜひ聞いてほしい。
余談ではあるが当時は内蔵音源とシンクロといっても効果音とのシンクロが主(例外として過去の作品に『モトス』や『スーパーハング・オン』がある)であり、ディスプレイや本体から効果音が鳴ることに容認はできるレベルであった。しかし、BGMとなれば話は別でミキシングを行った上で外部出力する必要があった。楽器屋に行けばミキサーなど割と安価で購入することは可能であったが、最も安価であったのは電波新聞社の『オーディオ・ミキシング・ケーブル』(税別1,300円)だ。私はこれを最初に手に入れたが、品質はあまり良くなくすぐに断線してしまった思い出がある。
タイトル画面中にF3キーを押すとCONFIGRATIONの画面に変わります。カーソルをジョイスティックかテンキーの上下で移動させ、左右で選択、トリガーABもしくはZXCのいずれかで決定してください。なお、EXITでCONFIGRATIONから抜け出せます。
西暦1990年、20世紀もあとわずかと押し迫った頃。全世界の人々は夢を失いつつあった。役人たちは私服を肥すことを至福とし、子供たちは親よりもパソコンを愛し(マザコンではなくパソコン!)、女性社員はセクシャルハラスメントの恨みを晴らすためェ、と立ち上がり、若者は人類滅亡の危機を感じながらもゲームセンターに通っていた。これら諸悪の根元は……? 語るもおぞましや、磔にされた謎の大ダコだったのだ!
その頃、宿敵バグとの死闘を終え、有給休暇をとり、田舎でのんびりと野良仕事に精を出すMr.パロディウスこと、タコの姿があった。我が家の建て売りツボに帰り宇宙新聞を見た彼は、驚きのあまりマナ板から転げ落ちそうになった!そこには今地球を賑わしている謎の大ダコの顔写真があった。「父ちゃん!?」何とそれは2年前から行方不明になっていた彼の父だったのだ!そこへ新聞を見た旧友が駆けつけた。
●ビックバイパー
第3次G大戦集結後退役し、たいやき屋にデューダ。58歳。
●ペン太郎
趣味がエアガンごっこ。ペンギンとペン子の間に生まれた子供。9歳。
●ツインビー
双子の兄弟のどちらか。可愛い顔で敵を虐殺する怖い奴。17歳。
タコの真相を探るため、仲間と共に再び地球をめざして旅立った!
ゲームセンターを笑いの渦に巻き込んだあの『パロディウスだ!』が帰ってきました。おなじみ4人のキャラクター(ビックバイパー・タコ・ツインビー・ペン太郎)の中から1人選び、迫り来る謎の大ダコ軍団をやっつけてください。ステージは全部で10ステージあり、最高2周プレイすることができます。
パワーアップは2種類あり、カプセルを取るとパワーアップするカプセルパワーアップとベルの色を変えて取るベルパワーアップとがあります。バリアや巨大化、セリフの出るメガホンなど、いろいろなアイテムを使い分け高得点をめざしましょう。(ベルパワーアップでスコアを得ることもできます)
残基数が少なくなり、画面上のプレイヤーもやられてしまったら勿論ゲームオーバーです。2人で交代にプレイすることができるので、スコアを競いながらエンディングをめざしてはいかがですか。
1Pスコア
ハイスコア
プレイヤー
残機数
2Pスコア
プレイヤー
パワーアップセレクトメーター
ベルパワーアップショット
『パロディウスだ!』の操作方法にはマニュアル操作(マニュアルパワーアップ)とオート操作(オートパワーアップ)とがあります。各々パワーアップの方法も異なってきますので、操作方法をコントロールセレクトで選びプレイしてください。
カプセルパワー アップ |
ショット | ミサイル | ベルパワー ショット |
|
---|---|---|---|---|
マニュアルパワー アップ |
B
C |
A
X |
A
Z |
A押しながらB
Z |
オートパワーアップ | 自動 | ショットボタンでまとめて発射します。 |
プレイヤーの動作
(マニュアル、オート共通) |
ショット、パワーアップの動作
マニュアルパワーアップの場合 |
---|---|
8方向に移動
|
ベルパワーアップショット………
▼
ショットボタンを押しながらパワーアップボタンを押してください。
▲
カプセル パワーアップ
▲
ショット・ ミサイルボタン
オートパワーアップの場合
ショット・ミサイル・ベルパワーアップを1つのキーで操作できます。A,Bボタンのどちらかを使用してください。 |
Human68k上から「SD_DRV」と入力。ほぼ全曲を聞くことはできるが「ゲーム・オーバー!!」が含まれていない。なお、終了時の「バイバイ」という声はサウンドスタッフ木内薫のもの。
そもそも、コンフィグレーションにてサウンドテストがあること、ミュージックモードでは外部MIDIを使った演奏に対応していない点を踏まえると、その存在意義が問われるかもしれない。
起動時に68Kと入力し続けると昔懐かしのテープロード音が流れる。
起動時にSPACEを押し続けるとMIDIとFM音源のバランステストで使用されいる「かえるのうた(カエルの合唱)」が流れる。
起動時にG2HOMEと入力し続けると『グラディウスⅡ』の自機セレクトBGM「Equipment」が流れる。
ラジオ収録曲(FM音源+ADPCM+MIDI音源)
内蔵音源 +
音源チップ:YAMAHA YM2151(OPM)+ OKI OKI MSM6258
01 Now Loading!
02 BALANCE TEST
03 神話からお笑いへ(オープニングBGM)
04 パロディウス音頭(タイトルデモ)
05 こんにちは、パロちゃん(セレクトBGM)
06 VIC VIPERのテーマ(空中戦BGM)
07 アイランド・オブ・パイレーツ(1st.BGM)
08 クライシス第4楽章(山場BGM)
09 ボスBGMだ!(ボスBGM)
10 ピエロの涙も三度まで(2st.BGM)
11 ちちびんたリカのテーマ(2st.後半BGM)
12 イーグル佐武のテーマ(2st.ボスBGM)
13 たこのテーマ(空中戦BGM)
14 ラビリンス(3st.BGM)
15 ホットリップスのテーマ(3st.ボスBGM)
16 嗚呼!日本旅情(4st.BGM)
17 豚潮のテーマ(4st.ボスBGM)
18 宇宙戦艦モアイ(5st.BGM)
19 TWINBEEのテーマ(空中戦BGM)
20 軍艦マーチで今日もフィーバー(6st.BGM)
21 電飾コアのテーマ(6st.ボスBGM)
22 ビューティフル・ギャルズ(7st.BGM)
23 もっとも北の国から'90(8st.BGM)
24 ペン太郎のテーマ
25 ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(9st.BGM)
26 吉原太夫のテーマ(9st.ボスBGM)
27 タコ要塞のテーマ(10st.BGM)
28 ゴルゴダ・タコのテーマ(10st.ボスBGM)
29 エンディングだ!(エンディングBGM)
30 コンティニューだ!(コンティニューBGM)
31 ランキングだ!(ランキングBGM)
32 ボス・アウトだ!(ボス・アウトBGM)
33 プレイヤー・アウトだ!(プレイヤー・アウトBGM)
34 ゲームオーバー!!(ゲームオーバー)
合計時間 : 19:32
作曲 : ヨハン・シュトラウス2世(07), ベートーベン(08), リムスキー=コルサコフ (09), チャイコフスキー(10,14,22,26), ロッシーニ(14), オッフェンバック(15), ハチャトゥリアン(16), ビゼー(18), 瀬戸口藤吉(20), メンデルスゾーン(23), ヨゼフ・ワーグナー(23), グリーグ(26), 東野美紀(21,27,28), 村岡一樹(29~33)
AC版編曲 : 村岡一樹
X68000版編曲 : 碇子正広, 井上秀登, 木内薫
MIDI POWER X68000COLECTION VER.1.0
発売日: 1992年5月21日
価格: 2,800円(税込)
商品番号: KICA 7602
販売元: キングレコード
収録曲
01 KONAMI MORNING MUSIC(LOADING DEMO)(出たな!!ツインビー)
02 KONAMI LOGO(KONAMI LOGO)(出たな!!ツインビー)
03 出たなツインビー(TITLE DEMO)(出たな!!ツインビー)
04 メル女王からのメッセージ(START DEMO)(出たな!!ツインビー)
05 風の贈り物(1st BGM)(出たな!!ツインビー)
06 雲海を越えて(2st BGM)(出たな!!ツインビー)
07 天空の要塞ラピュタ(3st BGM)(出たな!!ツインビー)
08 WORLD OF THE MOLD(4st BGM)(出たな!!ツインビー)
09 水上の行進(5st BGM)(出たな!!ツインビー)
10 イーバの神殿(6st BGM)(出たな!!ツインビー)
11 霧の向こうのパラダイス(7st BGM)(出たな!!ツインビー)
12 イーバ星人の攻撃(1,2,5,6,BOSS)(出たな!!ツインビー)
13 来るなら来いっ(3,4,BOSS)(出たな!!ツインビー)
14 ありがとう!ツインビー(STAGE CLEAR)(出たな!!ツインビー)
15 イーバの帝王脳味噌昆虫(LAST BOSS)(出たな!!ツインビー)
16 惑星メルに平和の戻る日(ENDING)(出たな!!ツインビー)
17 LET'S TRY AGAIN(GAME OVER)(出たな!!ツインビー)
18 CONGRATULATIONS!(RANKING)(出たな!!ツインビー)
19 NOW LOADING!(グラディウスⅡ)
20 TITLE DEMO(TITLE DEMO)(グラディウスⅡ)
21 EQUIPMENT(SELECT BGM)(グラディウスⅡ)
22 TABIDACHI(KUCHUSEN1)(グラディウスⅡ)
23 BURNING HEART(1st BGM)(グラディウスⅡ)
24 TAKE CARE!(BOSS1 BGM)(グラディウスⅡ)
25 A SHOOTING STAR(KUCHUSEN2)(グラディウスⅡ)
26 SYNTHETIC LIFE(2st BGM)(グラディウスⅡ)
27 CRYSTAL WORLD(3st BGM)(グラディウスⅡ)
28 A WAY OUT OF THE DIFFICULTY(4st BGM)(グラディウスⅡ)
29 THE OLD STONE AGE-1-(5st BGM1)(グラディウスⅡ)
30 THE OLD STONE AGE-2-(5st BGM2)(グラディウスⅡ)
31 MAXIMUM SPEED(6st BGM)(グラディウスⅡ)
32 GRADIUS1 BOSS THEME(BOSS2 BGM)(グラディウスⅡ)
33 SALAMANDER BOSS THEME(BOSS3 BGM)(グラディウスⅡ)
34 FIRE DRAGON(7st BGM)(グラディウスⅡ)
35 INTO HOSTILE SHIP(8st BGM1)(グラディウスⅡ)
36 SHOOT AND SHOOT(8st BGM2)(グラディウスⅡ)
37 THE FINAL ENEMY(8st BGM3)(グラディウスⅡ)
38 FAREWELL(ENDING)(グラディウスⅡ)
39 GAME OVER(GAME OVER)(グラディウスⅡ)
40 RANKING(RANKING)(グラディウスⅡ)
41 神話からお笑いへ(OPENING1)(パロディウスだ!)
42 パロディウス音頭(OPENING2)(パロディウスだ!)
43 アイランド・オブ・パイレーツ(1st BGM)(パロディウスだ!)
44 ピエロの涙も3度まで(2st BGM)(パロディウスだ!)
45 ラビリンス(3st BGM)(パロディウスだ!)
46 嗚呼!日本旅情(4st BGM)(パロディウスだ!)
47 宇宙戦艦モアイ(5st BGM)(パロディウスだ!)
48 軍艦マーチで今日もフィーバー(6st BGM)(パロディウスだ!)
49 ビューティフルギャルズ(7st BGM)(パロディウスだ!)
50 もっとも北の国から(8st BGM)(パロディウスだ!)
51 ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(9st BGM)(パロディウスだ!)
52 タコ要塞のテーマ(10st BGM)(パロディウスだ!)
53 エンディングだ!(ENDING)(パロディウスだ!)
パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~ 内蔵音源+MT-32 : Parodius Da!. X68000実機