画面左側の星系図と情報を見て作戦を立てて、画面右側で生産・政策・艦隊戦・惑星戦等の命令を実行します。左下は情報表示とデータセーブのコマンドで、右上は年月表示です。
画面左が自軍の艦隊、右が敵艦隊です。自軍の艦の配置を終ると、敵艦をコンピュータが配置して戦闘が始まります。左上は各艦の防衛力表示です。
STORY プロローグ -流点-
インドゥーラ帝国主星、惑星アルジェナ………
淡い乳白色の光を海の上に映し、虚空に二つの月が現れる。
黄昏にあたりは燈色に染まり、闇は徐々にその波動を強めてゆく。
都市を見下ろして建つ、巨大な塔………ストゥーバ
その中腹から枝のように突き出した空中庭園に、一人の老人がたたずんでいる。
老いて白髪となった彼の頭には、王家の印である黄金の帯が巻かれていた。
「たった三日、たった三日で、わしにどうしろというのだ。」
老人は、悲しみと憤りの入り混じった言葉をはきだした。
「我がアルジェナの民、二十億を救う術はもう残されてはいない。ならば、このまま何も知らないまま滅びたほうが、彼らにとって幸せなのか………。」
闇はいつのまにか、悲痛な風音を響かせている。
老人の眼は、足元で眩い光を放つ都市から海へ、そして暗く閉ざされた空へと移された。
「陛下、脱出の用意が………、お早く。」
老人の背後に、従者らしき男が現れて声をかける。
視線を虚空に向けたまま、老人は従者に語りかけた。
「のお、プルシャよ。」
「はっ、なんでございますでしょうか。」
「おぬしは、神を………魔神をみたことがあるか?」
「神………ですか?」
プルシャと呼ばれた従者は、怪げんそうに尋ねた。
「そうだ。神だ。」
「いえ、わたくしは神も魔神も見たことはございません。それが………何か。」
「そうか………見たことはないか………そうだな。」
老人はそれだけ言うと、眼を閉じて深く息を吐き出してから振り返り、そのまま塔の中へ歩いていった。
マウトレーア歴3721年。一筋の閃光とともに一つの惑星が銀河から姿を消した。
そして………すべては惑星アルジェナ、謎の消失から始まった………………
マウトレーア歴3722年。ヴィシュヌ銀河には、かつての繁栄の姿は微塵もなかった。そこにあるものは、絶望と悲しみと、うす暗い復讐の炎。
四千年もの永きに渡って銀河に君臨してきたインドゥーラ帝国は、その主星アルジェナの消滅と黄金帝マヌの暗殺により、その高度な文明とともに終がくを迎えた。帝国の各植民星も同じく、主星消滅の動揺によって反乱が勃発し………滅びた。
残された人々は、この荒廃の影に潜む破壊者の姿を見た。
シヴァ・ルドラ………元帝国宇宙軍総司令。
STORY4 for MSX ■アスラの血流〈ラトナ・サンバ〉
ラトナの操る高速艇は、ラティの機の可変ウィングを、OMブラスターの照準に捕らえていた。ファイヤートリガーに親指をかけた瞬間、突然後方から同じOMブラスターがラトナの艇を撃ち抜いた。そのOMブラスターは、ラトナの士官候補生時代からの親友”ラーヴァナ”の機から放たれていた。コントロールノズルを破壊され、不規則な回転を続ける高速艇のコックピットから、ラトナは視界から遠ざかってゆくラーヴァナとラティーの機を呆然と見詰めていた。
傷つきながらも、ラトナは無事に帰還を果たすが、かつての親友に裏切られたことに苦悩し、その真相究明を決意するラトナは艦長アモーガに、ラーヴァナを追う許可を求めるが、アモーガは当然のごとくそれを拒否した。しかし、度重なるラトナの要求にアモーガは根負けし、ラトナに最小構成の艦隊を与えた。そして、別れぎわにラトナに言った。
「おまえには言ってなかったが、ラーヴァナの死んだ親父は、どうもリュカーン教の教祖だったらしい。今回のやつの行為もそれと関係あるかもしれんな………。」
「惑星トラントランへ行ってみたらどうだ。確信はもてんが、あそこにはリュカーン教の総本山があるらしい。」
ラトナは無事に戻ることを約束し、惑星トラントランを目指した……………
惑星トラントランの成層圏には、巨大な人工有機体”ヴリトラ”が生息していた。黒竜を思わせるその巨獣の前に、ラトナの小さな艦隊などひとたまりもなかった。艦が砕け散る寸前、ラトナはパワースーツをまとい、決死のダイビングを試みた。戦闘用のパワースーツといえども、大気圏に突入するには、その惑星の大気密度と重力に賭けるしかなかった。ラトナは炎の塊りとなって、地上へ降りていった……………
気がつくと、パワースーツは総ての機能を停止していた。全身に骨がきしむような苦痛を覚えながらも、ラトナの体が無傷であることを確認できた。ラトナが、黒焦げになったパワースーツを脱ぎ捨てると、目の前にはかつての親友ラーヴァナがたたずんでいた。ラーヴァナは、手にしたOMブラスターをラトナに向け、そして言った。
「ラトナ………どうして来たんだ。おまえが来なけりゃ、おれはおまえを殺さずにすんだのに。」
「どうしてなんだ、おれには訳がわからん。訳を話せっ!!訳を。訳もわからず殺されたんじゃ、死んでも死にきれん。」
ラトナは叫んだ。
「本当にすまないと思っている。しかし、これは避けようのない宿命なんだ。」
ラーヴァナは、OMブラスターの銃口をおろし、話し始めた。
「おれの一族には、アスラの血が流れている。それを知ったのはほんんお数年前………姉のラティから聞いた。そう………おまえたちが追い続けている、ラティーだ。」
「もっとも、それ以前からおれの体に異常のあることは、うすうす感じてはいたが。」
「アスラ?、アスラって、あのリュカーン教の崇める神か。」
ラトナには、ラーヴァナの言葉が理解できなかった。
「ああ、そうだ。しかし神なんていうもんじゃあ………」
言葉の途中で、突然ラーヴァナの体は赤く染まり、再びラトナに向けられたOMブラスターは、小刻みに震えていた。
「ラトナ、撃てっ、撃ってくれ!!。はやくっ!!」
ラトナは、OMブラスターをホルダーから抜いたものの、それを親友に向けることはできなかった。
「ばかやろー!!早く撃てっ。おれはもう、おまえの親友なんかじゃねえ。」
ラーヴァナは、自らの体を必死におさえるかのように叫んだ。
ラトナは目にいっぱいの涙を浮かべ、そしてOMブラスターを放った…………
自らの手によって親友の命を絶ったラトナは、リュカーン教の秘密を暴くべく、その総本山へ侵入を試みるが、何の手掛かりも得ぬまま囚われの身となってしまう。ラトナはアスラのいけにえとして、祭壇に祭られることになるが、その祭壇に運ばれる途中、幾度となくナーサティア双惑星という言葉を耳にした。
そして、いけにえの儀式が始まり、ラトナの命が絶たれる寸前、時を同じくして侵入を果たした”ルシャナ・パティー”という男に救われる。
ルシャナは人工有機体ヴリトラを追って、この惑星トラントランに来ていた。ヴリトラを撃破したルシャナは、このリュカーン教の儀式に潜りこみ、教祖として儀式を取り仕切るシヴァ・ルドラの姿を目撃した。しかし、ラトナを救出する間に、シヴァ・ルドラの姿を見失ってしまう。
上空に待機していたルシャナの艦隊に戻った二人は、シヴァ・ルドラを、そしてリュカーン教の秘密を求めて、ナーサティア双惑星へ向かった。