Dragon Slayer Jr.
ロマンシア
対応機種 : NEC PC-8801mkⅡSR以降
メディア : 5inch 2D (1枚)
定価 : 6,800円
発売日 : 1986年10月30日
販売元 : 日本ファルコム
○FM音源対応
○ジョイスティック対応
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PACKAGE REPRODUCTION
こんなの有りか?!
掟やぶりのニュータイプ ロールプレイング風、アクションアドベンチャーゲーム。R.P.G.でもない、A.V.G.でもない、アクションでもない。
掟やぶりのニュータイプ
ロールプレイング風、アクションアドベンチャーゲーム。
Dragon Slayer Jr.
ファンフレディ王子の
おどろくべき旅
☞高速フルカラースクロール(毎秒20枚表示)
☞3D感覚の重ね合わせ処理(最大128重完全重ね合わせ)
☞20万エリアの広大なマップ、超スピード画面切り換え。
☞場面の状況によって変わる豊富なBGM(7曲)
☞レーダー機能搭載(デカマップの縮小図の表示)
☞ひらがな表示のメッセージで会話もOK。
! ! ! ! あ おきて●難易度★★★★★★の脅威
なん い ど 星六つ きょう い〒190東京都立川市柴崎町2-2-19カトービル
●この製品の無断複製・レンタル等は法律によって
禁じられています。
FM音源対応
+
ジョイスティック対応
NFNW17004
ストーリー
はるか遠い昔。北方の広大なる森の中に二つの小さな王国が肩をよりそうようにしてありました。兄弟である2人の王によって治められている王国。兄王の国をロマンシア、弟王の国をアゾルバと言い、人々は平和で静かな日々を送っていました。
しかし、平和な日々というものは、そう長く続くものではありませんでした。ある日、ロマンシアの王女セリナが何者かにさらわれ、アゾルバ王国の方へと連れ去られてしまったのです。
王国では、ただちに若き戦士たちによる「王女救出隊」がつくられ、アゾルバへと送られて行きました。が、彼らはそれっきりもどってくることはありませんでした。やがて、王国にやまいがはやりだし、各地でさまざまな異変が起こるようになりました……。
それからしばらくたったある日のこと、ロマンシア王国に1人の若者がやってきました。彼の名はファン=フレディ。とある王国の王子でいろいろな国を旅してまわってる彼は、ロマンシア国、アゾルバ国を囲む”冒険の森”とよばれる森に迷いこみ、そのすえにここにたどりついたのでした。
この国を歩きまわっているうち、彼は町という町に若者の姿がみられず、ひっそりと静まりかえっていることに気付きました。人々は何かにおびえているかのように身体をふるわせすすり泣いています。
また、いたるところで病人が苦しみもがいている光景もみられ、彼はしだいにこの王国で何が起こったのかが知りたくなりました。
今、ファン王子はロマンシア城の前にいます。王にあって話を聞くも、城に入らずセリナ姫探索の旅に出るもここからはファンであるあなたの自由です。
ただし、後戻りはできません。
あなたの冒険は今はじまったばかりなのです。
登場人物
ファン=フレディ
本編主人公。東方の王国イルスランの王子で、現在見聞を広めるため、各地を旅している。
セリナ=レビ=ラウルーラ
本編のヒロイン。ロマンシア王国の王女として生まれる。何者かの手によりさらわれ行方不明となっている。
ファネッサ3世
ロマンシアを治める王、セリナ姫の父親である。娘をさらわれて以来、元気をなくしている。
クリフト4世
ファネッサ王の弟でアゾルバを治めている。突然悪の王となる。
ロマンシアについて
マニュアルは都築氏の漫画入りで軟派なゲームを予感させるが、パッケージに記載してあるとおり「こんなのアリか?」と思わせる凶悪なゲーム。まず、セーブができないのでクリアは一気に行う必要があること。あと、ハマリが当たり前の様にあること。そして、謎が殆どヒント無しなので、条件付けが分からず困ることが多いのだ。
こんなゲームでも発売直後にクリアしていた人が身近にいたのだから恐れ入る。こういう人は何か発想などが常人と違うのだろう。
序盤でさえ、ハマリの要素満載。まず、ハマる要因の一つが薬の数に制限があること。これは、貰えなくなるのですぐにわかるのだが、巻物を持っている4人の中で正しい人物に話しかけないとニセモノを掴まされて、ハマっているのに気付かないのなんか最悪(酒場で調べればわかるんだけど)。他にも色々。
コンティニューも存在するが、最初は何故コンティニューになったか理解できなかったりした。これも謎の一つなのだろう。
また、カルマも最初は何を示しているか分からなかった。これも数によって瞑想にふけっている老人の目を覚ますことができたりするのだが、それに気付くにもかなり時間が掛かった。
当時は毎日、気付いたことに関してはメモをして、それを繋げて一歩一歩進んでいく毎日だった。天国に行くのだって当時は凄く苦労したものだ。結局の所随分経って出た攻略本に頼ってクリアすることになるのだが…。慣れたときには1時間でクリアできた。(今回のクリアには2時間ちょい掛かった)
1987年6月25日と出たのが遅かった
後にゲームはリメイク版として再販されたが、もちろん売れなかった。世の中に楽に楽しめるゲームが溢れている中で、理不尽なゲームをわざわざ選択する人間がいるだろうか?
こんなのもあった。1987.8.1初版。
1986年当時は情報公開も少なく、現在のようにインターネットも存在しなかったから、自分の力だけが頼り。不甲斐ない自分の力で解いていくというのはストレスは溜まりもするが、独特の達成感があった。最高潮に達したストレスが一歩進むだけで大きな達成感に変化するゲームは、このゲーム位を境に消えていくのだ。
音楽に関しては、オープニングゲートの音楽が最高に格好良すぎる。初めて聞いたときには非常に感動した。音色、曲共に最高に良かった。オープニング画面のまま音楽を聞き続けた人も多いのではないだろうか?未だに聞いても格好良さは色褪せないし、イースよりもカッコイイのだ。
タイトル以外はFM音源3音のみを使った音楽で纏められている。雰囲気は初代のザナドゥに近い。音色もそのままの様な気がするが…。元々開発時はスーパーマリオの音なんかを鳴らしながらプレイしていたそうで、コミカルな曲が開発側から要求されたのかもしれない。ゲーム中の曲からエンディングに至るまで軽いノリの曲が多い。
エピローグ
ヴァイデスの背に乗ったフレディ王子は、ロマンシア王国の中心にあるホワイトダリア城めざしてまっすぐに飛びました。空は真っ青に晴れ渡り、遠くまで続く大森林が枝をゆすって拍手しているようでした。
アゾルバ王国を抜けるときに、ヴァイデスの呪いを解かれたアゾルバの人々が、びっくりして空を見上げているのが、小さく小さく見えました。ヴァイデスはものすごいスピードで飛びながら、歓声をあげています。おそろしげないままでとは違い、心の底からうれしそうな本物の歓声です。王子もうきうきして一緒に叫びました。
「ヤッホー!」
下に見える森はまたたくまに過ぎ、すぐにロマンシア王国に着きました。ヴァイデスは喜びのあまり、ホワイトダリア城までまっすぐ飛ぶと、そこで王子を乗せたまま宙がえりしたり体をひねったり、曲芸を見せました。
そのようすは、呪いが解かれ、病がうそのように治って外に出てきた、ロマンシア中の人が見ていました。人々はくちぐちに歓声をあげ、すべての悪夢が終わったことを知り、喜びました。
「お父さま。なんだか外が騒がしいわ…」
国民に分ける薬のことで王と相談していたセリナ姫は、大勢の声が響いてくるのを聞いて窓を振り向きました。
「どうしたというのだ?」
ちょうどそのとき、執事が入ってきました。
「失礼します。王様、国民が城のまわりにつめかけてまいりました」
王は一瞬ギョッとなりました。ついに反乱が起こったと思ったのです。
「なんだと!城の門を見張っておけ。こじあけようとしても手を出してはならんぞ!すぐに行く!」
執事は平然と言いました。
「王様。国民は王様にお会いしたいと…」
王は蒼白になって叫びました。
「ええい、わかっている!無能な王は必要ないというわけだな!命でも何でもくれてやるが、セリナだけには手を出させんぞ!」
「はぁ……」
とぼけたように執事は答えます。王はいらいらしてどなりました。
「ええい、おまえでは話にならん!近衛隊の隊長を呼べ!」
爆発寸前の王に、バルコニーに通じる窓のところから、セリナ姫が声をかけました。
「お父さま!その必要はなさそうよ!」
そう言って、セリナ姫は城の外が見下ろせるバルコニーのはずれまで出ていこうとします。王はあわててその後を追って、バルコニーに飛び出しました。
「セリナ、戻りなさい!矢でも飛んで……」
国王は城の外を見てあぜんとしました。城のまわりはいつのまにか、国民でいっぱいだったのです。みな、手に武器どころか、もろてをあげてよろこんでいます。
「国王陛下ばんざーい!国王陛下ばんざーい!」
鳴りやむことのない歓声があがっています。王様は目を白黒させて、それでもあいそ笑いを浮かべながら国民に手を振りました。
「矢がどうしたんですの?お父さま」
いたずらっぽく笑ったセリナ姫が、王を見上げました。せきばらいをして王は言いました。
「な、なんでもない」
王を見上げたセリナ姫の目は、王の肩越しの上空に移りました。
「あ、あれ。お父さま!」
王の袖口をひっぱって、セリナ姫は空を指さしました。王はあわててぐるりと首をめぐらせると、セリナ姫の指している方を見上げました。
「フレディよ、ファン=フレディ王子だわ!」
そこには、あのファン=フレディ王子を乗せた美しいドラゴンが、踊るようにして空を飛び回っているのでした。
王子はバルコニーに出ているセリナ姫とファネッサ王を見つけると、ヴァイデスの背から振り落とされないようにしながら、大きく手を振りました。
「王様ぁー!セリナー!セリナ姫!」
バルコニーからセリナ姫が、キャッキャととびはねながら手を振りました。
「フレディ王子!」
国民の歓声の中、ドラゴンはバルコニーに急降下し、着地寸前でふわりと浮き上がり、王子を降ろしました。
王子は走ってきたセリナ姫を、しっかりと抱きとめました。セリナ姫の顔は喜びの顔でくしゃくしゃです。
それを見ていた王は、窓のところにいる執事に向かって大声を上げました。国民の歓声に、負けないようにせねばならなかったからです。
「よし、今宵は宴だ。城の貯蔵庫から酒や食べ物をすべて出してしまえ」
「はい!仰せのとおりに!」
それから一週間の宴が二回、ロマンシア王国だけでなくアゾルバ王国もまきこんで、やすむことなく祝宴が設けられました。なぜ一週間が2回なのかって?
七日目に王子とセリナ姫の結婚が決まったからです。
その後、世継ぎのいないアゾルバ王国のクリフト四世は、領土を王子にゆずることを決め、ファン=フレディ王子は両国の王としてこの地を治めました。
何はともあれ、めでたし、めでたし。
……かな?
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源+SSG)
ノーマル音源
音源チップ:YAMAHA YM2203(OPN)
01 オープニングゲート
02 ロマンシア王国
03 ロマンシア城
04 天上のワルツ
05 アゾルバ王国
06 アゾルバ城
07 地下迷宮
08 ゲームオーバー
09 エンディング
合計時間 : 5:13
作曲 : 阿部隆人(02~09), 古代祐三(01)
DISCOGRAPHY
サウンドファンタジーロマンシア
発売日: 1987年11月21日
価格: 3,000円
商品番号: BY30-5176
販売元: アポロン
収録曲
01 オープニング・ゲート
02 ソング・オブ・ロマンシア
03 ソング・オブ・アゾルバ~天上のワルツ
04 迷路~城から城へ
05 エンディング・テーマ
06 オープニング・ゲート~夢旅人~(ヴォーカル・ヴァージョン)
07 ソング・オブ・ロマンシア~微風のロマンシア~(ヴォーカル・ヴァージョン)
08 ロマンシア・ゲーム・オリジナル・サウンド・メドレー
ファルコムゲームミュージック
発売日: 1987年11月10日
価格: 2,800円
商品番号: 28XA179
販売元: アルファレコード