Magical Fantasy Adventure
ぽっぷるメイル
対応機種 : NEC PC-9801VM/UV以降
メディア :
5inch 2HD (3枚)
3.5inch 2HD (3枚)
定価 : 9,800円 (税別)
発売日 : 1992年5月22日
販売元 : 日本ファルコム
○サウンドボード(PC-9801-26K/73)対応
○ジョイスティック、バスマウス対応
○I・Oバンク方式増設RAMボード対応
○NEC純正EMSボード(PC-9801-53)対応
○要RAM640KB
○プロテクトメモリ対応
○RAMドライブ対応
○液晶ディスプレイ対応
○ハードディスク対応 MS-DOS Ver2.**か、Ver3.**が必要
○1ドライブ対応
○EMSボード利用時、FM音源動作可能
○PC-9801 VM2/VM4/VFは要16色ボード(PC-9801-24)
○デジタルディスプレイ対応外
○PC-9801/E/F/M/U/XA/LT/HA対応外
目次
ぽっぷるメイル for PC-9801VM/UV
※マニュアル抜粋
PROMO WORD
かっとびエルフ娘のメイルは賞金稼ぎ。
元気はあるが、失敗も多い。
森の中で金貨50万枚の賞金首ナッツ・クラッカーを追い詰めるが、
まんまと逃げられてしまった。でも、いつまでもめげていられない。
メイルは気をとりなおして新しい冒険に出た!
魔法使いの弟子タットや怪獣のガウとともに、森、洞窟、火山など……。
さまざまなステージで冒険をくりひろげます。
●ユニークで個性ゆたかなキャラクターたち。操作するキャラクターによって違った会話が楽しめます。 軽快なテンポのBGM。ファルコム得意の優しい操作性にもさらに磨きがかかりました。 〒190東京都立川市曙町1-14-130425(27)6501 このソフトウェアプログラムとマニュアルは、当社が制作・開発した著作物です。レンタルや無断コピーを行うと著作権法により厳しく処罰されます。当社はソフトレンタルに対する許可は一切しておりませんのでご注意下さい。ソフトの内容、画面の一部は、都合により予告なく変更する場合があります。 ◆サウンドボード(PC-9801-26K/PC-9801-73)対応、ジョイスティック対応 ◆スピークボード対応 ※発売元アイドルジャパン㈱ ◆I・Oバンク方式増設RAMボード対応 ◆NEC純正EMSボード(PC-9801-53)対応 ◆プロテクトメモリ対応 ◆RAMドライブ対応 ◆液晶ディスプレイ対応 ◆ハードディスクにインストールできます。※ハードディスクをお使いの場合は、 NEC社製MS-DOSのVer2**か、Ver3.**が必要です。 ◆1ドライブ対応 ◆バスマウス対応 ◆EMSボードを使用の場合でもFM音源機能をご利用できます。 ●要RAM640KB。 ●PC-9801 VM2/VM4/VFは16色ボード(PC-9801-24)が必要です。 ●デジタルディスプレイには対応していません。 ●PC-9801/E/F/M/U/XA/LT/HAには対応していません。『ぽっぷるメイル』PC-98版について
◆『ぽっぷるメイル』PC-98版概要
『ぽっぷるメイル』(POPFULMAIL)は日本ファルコムが開発を行い、NEC PC-8801mkⅡSR以降用(以下、PC-88)として1991年12月20日に発売したアクションロールプレイングゲーム。ゲーム名に使用されている「ぽっぷる(POPFUL)」は元気にハネ回っているといった感じの言葉で、日本ファルコムの造語である。NEC PC-9801VM/UV以降版(以下、PC-98)はPC-88版の移植作として1992年5月22日に発売。その際に定価はPC-88版の8,700円(税別)から9,800円(税別)へ変更されている。
PC-98への移植に際して各種メモリボードやハードディスクなどの周辺機器、ノートパソコンの8階調液晶ディスプレイ(世界初のカラー表示ノートパソコンは1991年10月発売のPC-9801NCで世の中はまだモノクロ液晶中心だった)にも対応。また、操作デバイスとしてジョイスティック以外にマウスにも対応している。発売当時までのPC-98でジョイスティックを接続するには音源ボードかインタフェースが必要だ。だからマウスで操作すればいいという考えはネタ以外でやめたほうがいいだろう。
グラフィックは400ラインアナログ16色モードでの描画にグレードアップ。そのため16色表示がオプションのVM2/VM4/VFは別途16色グラフィックボード(PC-9801-24, 標準価格20,000円)を搭載する必要がある。1992年にもなれば16色表示はゲームにとって当たり前の時代でもありこの文言はおまじないのようなものと言ってもいいだろう。(VM2/VM4はメモリ要件も絡む可能性が高いので標準からだと色々とキツイ。また、VFは内蔵ドライブが640Kバイトタイプのためまずそこから解決しなければならない。)
◆『ぽっぷるメイル』PC-98版の制作スタッフ
PC-98版『ぽっぷるメイル』の移植スタッフはPC-88版の開発スタッフが継続して担当しており、メインプログラマーも永島純(Jun Nagashima)が引き続き担当されている。グラフィック担当者も名前の順位は変わっているものの概ね同じ方が担当されているようだ。
パッケージや広告、マニュアルなど紙媒体のビジュアルイメージはPC-88版から刷新しており、マニュアル内のキャラクター紹介や日記関連のイラストだけがPC-88版と共通だ。デザイン担当者は不明で、画集にも著作が日本ファルコムとなっているため当時の社員であったこと以外判明していない。『ぽっぷるメイル』のイメージと言えばPC-88版やスーパーファミコン版のパッケージイラストなどを担当した西村博之(Hiroyuki Nishimura, 1963年-)が有名でファンも多く見受けられる。しかしながら、声が小さいながらもPC-98版のパッケージイラストファンもいることは記しておきたい。
◆追加されたグッズ類
PC-98版『ぽっぷるメイル』登場時にはポスター、テレホンカード、キャリーケース(クリアファイル)のグッズが追加されており、そのビジュアルはPC-98版準拠になった。このポスター(B2サイズ)は発売時の販促用としてパソコンソフト販売店に配られている。
当時在籍していた販売店にはポスターが1枚しか来なかったが取り合いになることはなく普通にもらうことができた。そもそも、パソコンゲーム好きの販売員は多かったものの、こういったグッズ類まで興味を持っていた人間は運良くいなかった。
販促品として莫大な枚数のポスターが販売店に納入され、予約者や先着で配布するようになったのは同社の『ブランディッシュ2』くらいからだった覚えがある。(同社の98版『英雄伝説Ⅱ』の時には1枚も来なかったはず)
◆PC-98版が出た時代と環境
移植にあたって基本的な操作方法やゲーム性、世界観などはPC-88版から変わっていない。ゲーム概要を含めた当時のPC-88を取り巻くPC事情、レビュー、難ボス攻略法は上記リンク(当サイト内)を参照のこと。
PC-98版『ぽっぷるメイル』が発売されたのはPC-98が出荷台数500万台の大台を突破したおよそ3カ月後だ。PC-98は486CPU時代幕開けとなるPC-9801FA(実売はFA2,FA/U2が298,000円前後)が1月27日に登場。ゲームの互換性が一部悪くなったり曖昧になり、販売対応が面倒だった時期でもあった。(比較して6月9日にEPSONから登場したPC-486GR/GFのほうが互換性は高いと当時聞いたがその情報が正しいかは定かでない)。そんな時代背景はあるが、『ぽっぷるメイル』は当然高速なCPUを必要としないため、最低限のV30を搭載したPC-98シリーズでも遊ぶことが充分可能だ。
PC-98版『ぽっぷるメイル』は日本ファルコム初のハードディスク対応となっており、MS-DOS上からゲームを起動したり、ゲーム上からMS-DOSへ戻ることが可能となった。ゲーム中(エンディングを含む)のどんな場面からでもゲームを中止してメニューへ戻り、MS-DOS上へ戻ることも可能としている。また、PC-88版と異なりオープニング鑑賞やゲーム開始なども全てメニュー画面を介して行うように変更されている。
ただし、ハードディスクインストールするとデータディスクのバックアップができなくなるため、複数のフロッピーに数多くデータ保存するようなことは通常の方法で不可能となる。
PC-98版『ぽっぷるメイル』の発売当時(5月)、PC-98は個人使用であればフロッピーベースの運用も特に珍しくない時代ではあった。ハードディスク対応を謳ったゲームは見受けられたものの一部に留まっている。そんな時代背景ながら、およそ2カ月後の同年7月24日にはハードディスク専用ゲームとして『ペブルビーチの波濤』がティーアンドイーソフトからリリースされ、セールスランキング入りするほどの人気を博すのだから当時の環境変化は非常に早いことが分かるだろう。同年10月1日にはコンパックが超低価格のマシン24モデルを発表し低価格化(486SX-25MHzで198,000円~)で業界を震撼。コンパックに追従するように年明けである1993年1月にEPSON、NECも低価格化を推し進める。1993年5月12日にはマイクロソフト Windows3.1が国内で登場し更にハードディスクの普及と低価格化を更に促進した。1992年から1993年にかけて国内でのパソコン環境は1年で目まぐるしく変化した時代だったとも言える。
『ぽっぷるメイル』PC-98版発売までのハードディスクインストール対応ソフト(漏れはきっとある)
●JET(サブロジック/1989年1月)
●ポリス・クエストⅡ(シエラオンラインジャパン/1989年12月21日)
●戦略空軍(ホビージャパン/1990年5月24日)
●DE・JA(エルフ/1990年6月15日)
●ブラックレインボウ(ホビージャパン/1990年8月23日)
●グランプリサーカス(ウエストサイド/1990年9月20日)
●電脳学園シナリオⅠ Ver2.0(ガイナックス/1990年11月10日)
●ドラゴンナイトⅡ(エルフ/1990年11月30日)
●ドラッケン(エピックソニー/1991年3月15日)
●FOXY2(エルフ/1991年4月4日)
●クエスト・フォー・グ口ーリィ(シエラオンラインジャパン/1991年4月12日)
●プリンセスメーカー(ガイナックス/1991年5月24日)
●ELLE(エルフ/1991年6月13日)
●フューチャーウォーズ(スタークラフト/1991年6月14日)
●ダーウィンウズ・ジレンマ(スタークラフト/1991年6月28日)
●電脳学園Ⅳ エイプハンターJ(ガイナックス/1991年7月19日)
●シャングリラ(エルフ/1991年8月28日)
●雀皇登龍門Ⅱ(ゲームアーツ/1991年9月12日)
●キングスクエストⅤ(シエラオンラインジャパン/1991年11月9日)
●ウィザードリィ ベイン・オブ・ザ・コズミックフォージ(アスキー/1991年11月15日)
●沈黙の艦隊(ジー・エー・エム/1991年11月21日)
●遥かなるオーガスタ HDパック(T&Eソフト/1991年11月22日)
●妖獣倶楽部カスタム(ディー・オー/1991年11月15日)
●ランスⅢ リーザス陥落(アリスソフト/1991年11月15日)
●ライフ&デス(ビング/1991年11月28日)
●ジョシュア(パンサーソフトウェア/1991年12月13日)
●ドラゴンナイトⅢ(エルフ/1991年12月14日)
●らんま1/2 飛龍伝説(ボーステック/1991年12月20日)
●DOR(ディー・オー/1992年2月)
●スペースクエストⅣ(シエラオンラインジャパン/1992年2月21日)
●人生クイズゲームだ(ユーコム/1992年3月6日)
●天神乱魔(エルフ/1992年3月18日)
●ふしぎの海のナディア(ガイナックス/1992年3月27日)
●マイト&マジックⅢ(スタークラフト/1992年3月27日)
●トラフィック・コンフュージョン(マスターピース/1992年4月23日)
●Dr.STOP!(アリスソフト/1992年4月15日)
●A.Ⅲ.H.D.(アートディンク/1992年4月24日)
●アトラスH.D.(アートディンク/1992年4月24日)
●レッサーメルン(パンサーソフトウェア/1992年4月28日)
●水龍士外伝 月龍の山(ソフト屋しゃんばら/1992年5月)
●ま~ぷる・まぢっく(風雅システム/1992年5月15日)
●ぽっぷるメイル(日本ファルコム/1992年5月22日)
◆PC-98版の追加・変更点は?
PC-98版『ぽっぷるメイル』の追加要素として、システム面でゲーム速度の変更が可能になった。『ぽっぷるメイル』はお使い的な移動やショップを再訪問する際の移動がかったるいことも多く、ゲーム速度の選択を「速い」にすることでストレスはほんの少し改善されるだろう。ただし、ゲームにならないほどの高速化ではないため、鈍感なプレイヤーなら気づかないレベルだ。
また、アクションシーンが苦手なプレイヤーなら「遅い」を選択することにより、実質的な難易度を下げることが可能になった。
他にも、ウインドウを開くキー変更が可能になった。PC-88版でアクションシーンでキー捌きが忙しいボス戦などに限ってウインドウが開いてタイミングが悪くなりムキー!となったことのあるプレイヤーは少なくないだろう。単なるベタ移植ではなく、こういったインタフェースに改良が重ねられているのは嬉しい点だ。(定価は1,100円上がったけど)
PC-88版『ぽっぷるメイル』で不評の声もあったアクション面(特に後半のボス)の難易度は全く変わっておらず改善ポイントは無いように思える。しかし、システム面で不親切な面での改良などが行われている。例えばPC-88版ではカギを所有していない時に扉を開けようとした時メッセージもサウンドも出ないため、ただの背景と思ってしまう可能性があった。PC-98版ではメッセージを出すことにより、そうでないことを教えてくれる。
ただし、移動マップでカギが必要なシーンではメッセージが出てくれないのは変わっておらず、中途半端な対応が少々残念。そのため、移動マップ上で次のステージへなぜ進めないのか分かりにくいのはそのままだ。
細かいことだが、PC-88版で使えたテクニックがPC-98版では使えなくなっているケースもある。PC-88版ではメイルが半身で下向きの場合、ダガーを左手で投げてくれるという特殊な利き手が存在していた。そのため、右下にトゲトゲがいる場合と左下にトゲトゲがいる場合でプレイヤーを交代させ安全に危険地帯を抜けることができた。しかし、PC-98版ではメイルが半身で下向きの場合、ダガーを一切投げることができなくなった。そのため、右下側にトゲトゲがいる場合の安全な対処法がなくなった。(タットが半身で下を向いている場合、右手の杖からファイアの魔法を下に放つことができるのはPC-88版と同じ)
◆誤解の多いビジュアル変更
PC-98版『ぽっぷるメイル』で誤解が多いのは「移植時に田中久仁彦(Kunihiko Tanaka, 1970年8月12日-)は日本ファルコムを辞められていたためビジュアルグラフィックが変わった」という話だ(そもそも、田中久仁彦がゲーム中の原画を描かれていたかも不明)。しかし、実際はパッケージやマニュアルの一部とオープニンググラフィックのキャラクターデザインが変わっただけである。基本的(一部変わっているシーンも存在はする)な画像はほとんど同じで、原画はPC-88版そのままに400ライン16色で描き直されているだけだ。オープニングを除くビジュアルはPC-88版を遊んだプレイヤーも違和感なく鑑賞することができるだろう。
他のキャラクタービジュアルではショップのキャラクターが一部変更となったり構図が変わった。怪獣のショップは構図が遠目に変わり、鉱山のショップは年配の女性から若い女性へと変更されている。このあたりの理由は不明だ。
なお、どうでもいいような細かい修正点だが、メッセージ設定を「速い」にしてもまばたきのアニメーションが行われるようになった(PC-98版の怪獣はまばたきをしない)。PC-88版でまばたきが無いとか、口パクのアニメーションが無いと思っていたプレイヤーは、メッセージ設定を「普通」へ戻そう。なお、PC-98版でもメッセージ設定が「速い」の場合は口パクのアニメーションは行われない。理由は単純でメッセージが全て瞬時に表示されるからだ。
それでも、変わったのはちょっとしたインタフェースの改善や画面が綺麗になっただけでしょ?と思うかもしれない。しかし、ゲーム内容もPC-88版のベタ移植ではなく何気に細かい変更を加えてきている。例えば、ほとんど同じと思えたジャングルでは思わぬところに丸太転がしが配置されていて、びっくりするだろう。慣れたプレイヤーにとってはこの1匹のモンスター配置だけで何かが違っている、と驚いたのではないだろうか。
PC-98版『ぽっぷるメイル』がPC-88版と比べて最も大きく変わったのが火山のラウンドだ。グラフィックの大幅な描き直しもあるが、敵配置の変更やフラグの追加により攻略方法が変化している。
当時はPC-88からPC-98への移植と言えばグラフィックは200ラインのままのベタ移植で、せいぜいフォント表示が400ラインに対応している程度というものが殆どだった。しかし、PC-88版をクリアしたプレイヤーにも単なる同じ工程の繰り返しではなく、変化を楽しむことができるようになっている。(過去に発売した同社の『ソーサリアン』でも同じような変更を施した移植を行ったことはあった)
◆PC-98版で売上は上がったのか?
PC-88版『ぽっぷるメイル』の売上は今一つだったが、PC-98版でどうなったか検証しておこう。PC-88版では月間集計で35位だった電波新聞社刊『マイコンBASICマガジン』。1992年8月号の「SUPER SOFT HOT INFORMATION」(92年5月から6月上旬までのデータ)で見事2位に登場している。これは、面目躍如と言ってもいいのではないだろうか(個人的贔屓は認める)。また、徳間書店刊『コンプティーク』9月号の「今月のTop Sales20」(集計期間6月1日~6月30日)では5位を記録している。ただ、およそ4カ月も前に発売している『三國志Ⅲ』(1992年2月5日発売)に勝てなかったというのは少々寂しい。
しかし、『ログイン』1992年7月3日号(集計期間5月14日から5月27日)では見事1位を獲得している事実はここに残しておきたい。これはホビー中心のユーザーもPC-88シリーズからPC-98へ移行しているという1つの現われだろう。残念ながら次号の7月17日号(No.14)では2位に転落、その後順位を維持すること無く転落していくのは『英雄伝説Ⅱ』と比べるとファルコム作品としてはやや寂しさを感じるところだ。
◆PC-98版のBGMは73音源対応!
FALCOM MUSIC BOX'93 Disc 3 POPFULMAIL
キングレコード/1992年12月24日
メディア/価格:
CD KICA 9014(4枚組)6,980円(税込)
収録曲: ①バックアップ作成 ②オープニング 遙かなるヴァルハラ ③オープニングデモ(1) ④オープニングデモ(2) ⑤メニュー ⑥JUNGLE(探検) ⑦JUNGLE(戦闘) ⑧ショップ ⑨中ボス ⑩ゲームオーバー ⑪JUNGLE~CAVE ⑫CAVE(探検) ⑬CAVE(戦闘) ⑭宝箱 ⑮ステージボス ⑯ステージクリア ⑰CAVE~VOLCANIC ZONE ⑱VOLCANIC ZONE(探検) ⑲VOLCANIC ZONE(戦闘) ⑳VOLCANIC ZONE~ICE BERG ㉑ICE BERG(探検) ㉒ICE BERG(戦闘) ㉓ICE BERG~CASTLE ㉔CASTLE(探検) ㉕CASTLE(戦闘) ㉖ラストステージ ㉗ガイストレイス ㉘エンディング(1)~誰かがあなたを愛してる ㉙エンディング(2)
PC-98版『ぽっぷるメイル』は26音源(NEC PC-9801-26/K)のOPN(FM3音+SSG3音)、BEEP音での演奏に加えスピークボードや73音源(PC-9801-73)のOPNA(FM6音+SSG3音)演奏にも対応している。日本ファルコムはPC-98版『ダイナソア』(1991年6月21日発売)でスピークボードを使ってOPNAに対応する予定だったが、見送られた経緯がある。そのため、PC-98版の製品版としては『ぽっぷるメイル』が日本ファルコム初のOPNAに対応となった。
音源選択は標準で自動になっているが、メニュー画面から手動で選択することも可能だ。聴き比べが容易に可能な点はPC-88版より優れていると言えるだろう(ただしメニューの曲は自動認識された音源でしか聞くことができない)。
1992年5月といえばパソコンのゲームミュージックにおいて外部MIDI音源対応がちょっとしたトレンドになっておよそ2年半。そんな時代背景にありながら、日本ファルコムは1987年11月に登場したPC-88のサウンドボードⅡの対応ですら1991年12月の『ぽっぷるメイル』まで行っていない(PC-88VA専用版は除く)。ただし、PC-98ではスピークボード対応の同梱ソフト『ロードモナーク スピークボード専用体験版』を開発(製品版はOPNAは非対応)し一歩進んだ動きを見せていたことは知っておかなければならないだろう。
NECのPC-98に対する音源ボード開発はサードパーティより明らかに消極的で、1987年に登場したPC-88のサウンドボードⅡに相当する73音源を1991年11月になってやっと販売。4年遅れでPC-88の音源に追いついたという状況でもあった。ただし73音源は一般ユーザー向けに開発しなかったためか、あまりにも高額(定価90,000円)だった。
73音源発売後に「PC-9801-73音源部コンパチブル」という表記が追加されほんの僅かながらに脚光を浴びることになったのがアイドルジャパン発売のスピークボードだ。スピークボードは73音源よりおよそ半年前となる1991年3月中旬に発売しているが、発売開始時はあくまで非純正の仕様。それがコンパチブルとなれば話も変わる。PC-98版『ぽっぷるメイル』が登場する1992年5月にもなれば実売価格が29,800円前後にまで下がっており73音源と比較すれば圧倒的に安かった(結果論だが)。ただ、スピークボードがゲームのOPNA対応を促進したかと言えば全くそんなことはない。1993年に発売されるPC-9801-86(86音源ボード)の登場まで待つことになる。PC-98のゲーム音楽環境はかなり時代遅れであったと言えよう。
FM音源での演奏はPC-88版に準拠しているが、「宝箱」「エンディング1」「エンディング2」はPC-88版とやや異なっている。また新曲として「ラストステージ」が追加された。
「エンディング1」はよく聴き比べないと気づきにくいがメロディー以外かなり変更されている。「エンディング2」もループする点以外変更がないように聴こえるが、パンが変更されている。細かな違いではあるが修正が行われており、このPC-98版が製作者の考える1つの完成形としていいのではないだろうか。
画面説明
●ヒットポイントの回復
ヒットポイントは、各エリアの入口では自然に回復する。
その他の場所では自然に回復しない。リンゴやチェリーなどのアイテムを使用して、回復させる。
●所持金
戦闘で敵を倒したり、宝箱を開けることによって得ることができる。また、ショップでアイテムを売ることによって所持金を増やすことができる。
操作方法
6、→
8、↑
2、↓
スペース 、 リターン
ジョイスティックのAボタン
シフト 、ESC、NFER
ジョイスティックのBボタン
右に移動/敵への体当たり攻撃
扉に入る/会話をする/宝箱を開ける/ハシゴを上がる
ハシゴを下りる
ジャンプする/水中では浮上
装備している武器で攻撃/ショップから出る/コマンドのキャンセル
f・2
f・3
f・4
f・5
2+ SHIFT
2+ スペース
アイテムを見る/移動マップ上ではプレイヤー交代モード
現在の状態を表示
ゲームのセーブ
ゲームのロード
コマンドメニューの表示
下へ下りる
*マウスにも対応している。左ボタンがリターンキー(ジャンプ)、右ボタンでSHIFTキー(武器アイテムで攻撃)の役割をする。
移動はマウスを動かした方向へ走り続けるので、止めたい場合は逆の方向へマウスを動かす。
メニュー
●メニュー画面表示
ゲーム中、F・1キーか2+シフトキー(フィールド上ではシフトのみ)を押すと、コマンド一覧が表示される。2、8キーで選択、リターンキーかスペースキーで決定。
●プレイヤー交替
冒険を共にする仲間が加わると、このコマンドが表示される。メイル1人の時は表示されない。
ボスのエリア以外はいつでもどこでもキャラクターをチェンジすることができる。4、6キーで選択、リターンキーかスペースキーで決定。どうしてもボスキャラに勝てない場合は、キャラクターを変えてチャレンジしてみるといい。また、キャラクターによって会話の内容が変わるので、いろんなパターンを楽しむことができる。
●面セレクト
各エリア内では表示されない。移動マップ上のみ表示される。
ゲーム中、一度クリアしたエリアに戻る事態が生じたときなどに、このコマンドを使うと便利。4、6キーでステージの選択、2、8キーでエリアの選択、リターンキーかスペースキーで決定。選択したエリアの入口まで一気に飛ぶことができる。
●アイテム
戦闘や防具を装備しなおしたり、アイテムを使用する時などに使う。ボスキャラとの戦闘中でもこのコマンドを実行することができる。(f・2キーで、アイテム画面にすることができる)
アイテム画面の左半分が、自分で選んで装備するもの。テンキーの2、4、6、8キーで選択して、リターンキーかスペースキーで決定。画面右上のフルーツ類は、ヒットポイント回復アイテム。状況に応じて使用する。右下のアイテムは、持っていると自動的に使用されるもの。ESCキーかシフトキーでゲーム画面に戻る。
登場人物
メイル
物語の主人公で、元気一杯のエルフの女の子。職業は賞金稼ぎ。本人は認めていないが、結構ドジなところがある。その証拠に、大きなエモノを逃したことも一度や二度ではないし、タヌキのワナにひっかかったりもしている。
性格は勝気で明るい。そして何よりもお金が大好き。時にはお金のためにあくどいこともやってしまうが、本人は決して悪人ではない。なりゆきから仕方なく(本人談)タダで人助けをやってしまうことがある。
タット
とある魔道師の弟子として将来を有望視されている少年。今は見習いだが、その才能は素晴らしく、場合によっては師匠をしのぐほどである。
性格はいたって温和。元気のカタマリのようなメイルに圧倒され、今一つ影は薄いが、どのような困難でもくじけない芯の強さを持っている。敬愛する師匠を連れ戻すという目的が、少々ずれてしまい、騒動に巻き込まれてしまう。
ガウ
洞窟に住む怪獣。会話の語尾に「~ガウ」とつけるのがクセ。怪獣の洞窟で仲間たちと暮らしている。これまた仕方なく、メイルの仲間になる。
その性格は怪獣らしく、物事を包み隠さず話す。また、気に入らない人間には、かみつくことだってある。メイルにかかわったために、苦労をしょいこんでしまった哀れな怪獣。
ブラッキィ
ご存知、エルフの村の"歩く火薬庫"。ドワーフのヤコブとは親友である。いたって危険な存在で、いまくいかないときはすぐ、お手製お得意の爆弾でけりをつけようとする。弱いくせに町に出て、一旗あげようとしていた。
どうしようもないほど厄介なやつだが、陽気なお笑い野郎のため、憎めない性格をしている。彼もメイルと同じで、エルフの常識をひっくりかえしている。
ヤコブ
自称、最先端をゆくドワーフ。その自慢の髭もそり、気軽に他人とつき合う。地下の村では細工師をやっている。その腕はかなりのもので、金属や細工物などを自由自在に加工する。
ブラッキィとは親友だが、開放的な反面、お人好しなところがある。
マテリアル
偉大なる魔導師としてその名を轟かせていたが、いつのころからか、賞金首になっていた。その首には$200万ものお金がかかっていて、メイルに目をつけられてしまう。
年をくっているわりに、けっこうオチャメな性格をしている。
いただいた情報
更新お疲れさまです 投稿者:しお
投稿日: 2007年 5月27日(日)08時51分13秒
ぽっぷるメイル。
98版ではオープニング曲がゲームでは途中までしか鳴らないんですよね。(同じく英雄伝説も98版では途中までしか鳴らない)
データ上は88も98も同じみたいですが。
CD版はPC9801-73版で演奏?か、88と98版が入り乱れてる感じです。
エンディング2は98版のループ直前の部分が気に入ってるので、カットされてちょっと勿体無い感じがしました。
(このCD、全体的に音が篭った感じに弄られててあまり好きではなかったです)
同じく英雄伝説Ⅱも98と88版がごっちゃになって収録されてる感じ。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源+SSG)
音源チップ:YAMAHA YM2608(OPNA)
01 バックアップ作成
02 オープニング -遙かなるヴァルハラ-
03 オープニングデモ1
04 オープニングデモ2
05 メニュー(Now Loading)
06 JUNGLE(探検)
07 JUNGLE(戦闘)
08 ショップ
09 中ボス
10 ゲームオーバー
11 JUNGLE~CAVE(ビジュアルシーン)
12 CAVE(探検)
13 CAVE(戦闘)
14 宝箱
15 ステージボス
16 ステージクリア
17 CAVE~VOLCANIC ZONE(ビジュアルシーン)
18 VOLCANIC ZONE(探検)
19 VOLCANIC ZONE(戦闘)
20 VOLCANIC ZONE~ICE BERG(ビジュアルシーン)
21 ICE BERG(探検)
22 ICE BERG(戦闘)
23 ICE BERG~CASTLE(ビジュアルシーン)
24 CASTLE(探検)
25 CASTLE(戦闘)
26 ラストステージ
27 ガイストレイス
28 エンディング1 -誰かがあなたを愛してる-
29 エンディング1
合計時間 : 40:38
作曲 : 石川三恵子, 白川篤史
DISCOGRAPHY
ファルコム・スペシャルBOX'93
発売日: 1992年12月24日
価格: 6,980円(税込)
商品番号: KICA-9012~5
販売元: キングレコード
収録曲
Disc.1
ミュージック・フロム・ロード・モナーク/アドバンスド・ロード・モナーク
01 オープニング
02 メニュー
03 マップエディット
04 ロードモナーク 通常
05 ロードモナーク 勝利目前
06 プレイヤー勝利
07 表彰式
08 フーズパニック 通常
09 フーズパニック ~勝利目前
10 戦乱の陣 通常
11 戦乱の陣 勝利目前
12 メカニックテクノ 通常
13 メカニックテクノ 勝利目前
14 ファンタジーパステル 通常
15 ファンタジーパステル 勝利目前
16 エンディング(ロードモナーク)
17 ゲームオーバー
18 モンスタードミニオン 通常
19 モンスタードミニオン 勝利目前
20 シーパークアドヴェンチャー 通常
21 シーパークアドヴェンチャー 勝利目前
22 ミッドナイトパニック 通常
23 ミッドナイトパニック 勝利目前
24 ミルキーワールド 通常
25 ミルキーワールド 勝利目前
26 エンディング(アドバンスド・ロードモナーク)
Disc.2
ミュージック・フロム・ブランディッシュ
01 オープニング
02 RUINS
03 ショップ2
04 古代の彫像
05 ドーラ=ドロン
06 ショップ(1)
07 ディンク
08 クラブデビル
09 ステージクリア
10 タワー
11 ヘッドレス
12 ラクシャーサ
13 CAVE
14 蜘蛛女
15 忍者
16 DARK ZONE
17 ゲームオーバー
18 FORTRESS
19 ロブスター
20 アジタカーハ
21 ガドビスタル
22 エンディング(1)
23 エンディング(2)
24 エンディング(3)
25 ディスクコピー
Disc.3
ミュージック・フロム・ぽっぷるメイル
01 バックアップ作成
02 オープニング~遥かなるヴァルハラ
03 オープニングデモ(1)
04 オープニングデモ(2)
05 メニュー
06 JUNGLE(探検)
07 JUNGLE(戦闘)
08 ショップ
09 中ボス
10 ゲームオーバー
11 JUNGLE~CAVE
12 CAVE(探検)
13 CAVE(戦闘)
14 宝箱
15 ステージボス
16 ステージクリア
17 CAVE~VOLCANIC ZONE
18 VOLCANIC ZONE(探検)
19 VOLCANIC ZONE(戦闘)
20 VOLCANIC ZONE~ICE BERG
21 ICE BERG(探検)
22 ICE BERG(戦闘)
23 ICE BERG~CASTLE
24 CASTLE(探検)
25 CASTLE(戦闘)
26 ラストステージ
27 ガイストレイス
28 エンディング(1)~誰かがあなたを愛してる
29 エンディング(2)
Disc.4
イース4/風の伝説ザナドゥ/ブランディッシュ2 プレリリース
01 セルセタの樹海(YsIV)
02 バトル#58(YsIV)
03 峠~追跡(YsIV)
04 希望を求めて(風の伝説ザナドゥ)
05 DAWN OF MAKRIA(風の伝説ザナドゥ)
06 船(風の伝説ザナドゥ)
07 哀愁の戦士たち(Brandish2)
08 BR2056「ラボ」(Brandish2)
09 カール・キャレス(Brandish2)
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貴重な証言
思い出し描き。ぽっぷるメイルってゲームで昔デザインした敵キャラの落書き。最終面のお城に出てくるキャラです。真ん中のガンメット(当時命名)がお気に入りです。30年ぶりくらいにふと思い出しました。この辺は88版、98移植版共に自分でドットを打っています。 pic.twitter.com/P9IduCLakm
— ぴぃたぁそると (@pe_salt) July 21, 2024