SORCERIAN SYSTEM SCENARIO Vol.2
戦国ソーサリアン
対応機種 : SHARP X1turboシリーズ
メディア : 5inch 2D (2枚)
定価 : 3,800円
発売日 : 1988年10月21日
販売元 : 日本ファルコム
○同一機種同一メディアのソーサリアンが必要
GALLERY
PROMO WORD
出で、来たれよソーサリアン。
戦国の世に
巣食う”魔”を討つのだ
今回のシナリオは、5本を通じてひとつの大きな物語を形作っているのだ。ファン待望の長編シナリオ、といってもいいだろう。
しかも、前作を越えようとシナリオを練り上げた結果、5インチ2Dディスクではシナリオディスクを2枚組にしないと収まりきらないほどに、ボリュームアップされているのだ!さらに、各シナリオに登場する敵キャラの強さは、これまでのシナリオレベル5と同等に設定されているから、生半可な強さのパーティーじゃ、返り討ちにされてしまう。いやはや、今度のソーサリアンは手強いぜ!
壱 武田信玄の章
元亀3年(西暦1572年)、甲斐の(今の山梨県)の武将・武田信玄は、大軍をひきいて京の都へと進軍しはじめた。その折、三河(今の愛知県)の三方ヶ原において、徳川・織田の連合軍と合戦を行い圧勝する。
向かう所敵なしの信玄は、徳川方の諸城を次々と攻め落とし、翌年の春、三河野田城を包囲する。
エティスは、この武田信玄の背後に魔の気配を感じるという。
弐 織田信長の章
永禄3年(西暦1560年)桶狭間の戦いで今川義元を破り、武名をあげた尾張(今の愛知県)の織田信長は、年々その勢力を広げてゆき、天正元年(西暦1573年)には、信長の勢いはとどまることを知らず、天正10年(西暦1582年)宿敵武田氏を滅ぼした頃には、本州のほぼ半分を征服していた。
エティスは、この凄まじい戦いぶりを見せる信長に、ただならぬ魔の気配を感じていた。
参 豊臣秀吉の章
天正18年(西暦1590年)、もと織田信長の家臣・豊臣秀吉が天下を統一してからというもの、日本は戦のない平和な日々が続いていた。が、一方ではキリスト教を信仰する人々の弾圧が激しさを増し、処刑された宣教師や信者の数は、はかりしれないものになっていた。
また秀吉は、天下を統一しただけでは物足りず、文禄元年(西暦1592年)、慶長2年(西暦1597年)の2回にわたって朝鮮へ出兵、明の国をも征服しようとした。
「秀吉に魔がとりついておる。」
そう確認したエティスは、急いでソーサリアンを日本へ送り込んだ。
四 真田幸村の章
元和元年(西暦1615年)、大阪夏の陣において豊臣氏はついに滅び、豊臣方についていた将たちも数多く死んでいった。最後まで徳川軍を悩ませつづけた真田幸村もその1人であったが、エティスは、彼が死んでいないと説いた。魔の力によってよみがえったというのだ。
幸村は、自分の故郷へ戻り、忍者軍団を組織し、徳川家康の暗殺をもくろんでいるという。
五 徳川家康の章
ソーサリアンが真田の里から帰ってしばらくの後、徳川家康から江戸へ来るよう招待状が届いた。早速、旅じたくをはじめるソーサリアンだが、エティスの顔はうかない。
微弱ではあるが、江戸の城から魔の気配を感じるというのだ。
「もしかしたら、ワナかもしれぬぞ。」
エティスは十分注意するよう言いきかせた。
プロローグ
~大魔法使いエティスの予感~
ソーサリアンが何度めかの冒険の旅に出ている頃、ペンタウァの城に、ひとりの年老いた魔法使いが駆け込んできた。目を血走らせ、髪を振り乱した必死の形相と、その年齢からは想像もできないくらいの速さで駆け続けている姿は、誰の目にも奇異に写った。
しかし、その異様な老魔法使いが、そのまま城のなかに入ろうとするのを阻む者はなかった。いや、むしろ誰もが、尊敬の念をもって彼を迎え入れようとしていた、といっていいだろう。そう、彼こそが、ペンタウァの平和を司どる偉大な魔法使いエティス、その人だったのだ!
エティスがよろけるような足取りで謁見の間に入ると、その姿に驚いた王は彼にたずねた。
「エティスよ、いったいどうしたというのだ!? いつも冷静なおまえが、それほどまでに取り乱すとは……」
エティスは、自身の意思とは裏腹に、なかなかおさまろうとしない動悸の激しさにイライラしながらも、王の質問に答えた。
「王よ、事件なのです! それも、私の理性を狂わせる、いや破壊するほどの大事件が起ころうとしているのです!」
彼のいう "大事件" とは、次のようなことだ。
ペンタウァよりはるか東方に位置する、日本という小さな島国。そこは今まさに戦国の世を迎え、いたるところで戦火が交えられ、罪もない民衆の血が流されているという。エティスは、この殺伐とした小さな国、日本から、邪悪で強大な "魔" の波動を感じ取ったというのだ。その "魔" は人の心を自在に操って戦いを増幅させ、それによって死んだ人間の魂を食らって生きているという。
「王よ、"魔" は日ごとその力を増大させております。いまのうちにヤツの息の根をとめないと、"魔" は日本はおろか全世界までも覆いつくし、すべての生き物を滅ぼしてしまうことでしょう」
翌朝、謁見の間には、思い思いの装備に身を包んだソーサリアンの姿があった。王は、たかぶる心を抑えつつ、ことの重大さを諭すようにゆっくりと、ソーサリアンにエティスの話を聞かせ、そして命じた。
「ソーサリアンよ、"魔" の討伐のため、日本へ向かうのだ。もはや一刻の猶予もならん。人類が滅びるか否かは、そなたたちの腕にかかっているぞ!」
ストーリー
■武田信玄の章
甲斐の武将、武田信玄は、治水、鉱山開発、優れた政治力によって甲斐をはじめ、遠江、駿河までを手の内に収め、さらに越後の上杉謙信と対立を続けながらも、信濃の一部まで領有するにいたったのである。
そして、元亀三年(西暦1572年)、信玄は最大の敵である謙信を、南関東の北条氏に牽制させつつ、自身は大軍を率いて京の都へと進軍を始めた。が、その折、信玄の上洛を阻止すべく動き始めた、織田信長、徳川家康の連合軍と合戦となってしまった!
しかし、時の勢いは信玄にあった。三河の三方ヶ原において対峙した徳川家康の軍勢を、ことごとく打ち破った信玄は、以後徳川方の諸城を次々に攻め落とし、翌、天正元年には、三河野田城を包囲していたのだ。
ペンタウァの偉大な魔法使いエティスは、この快進撃を続ける武田信玄の背後に、魔の気配を感じるという……。
■織田信長の章
尾張の織田信長は、永禄3年(西暦1560年)、尾張は桶狭間において、西上中の今川義元軍二万五千を、わずか三千で急襲し、滅亡に追いやった。この、駿河、遠江、三河を治める南北朝以来の名家、今川義元を敗ったことによって、信長の武名は、いやがうえに高まっていった。
さらに信長は、年々その勢力を広げていき、天正元年(西暦1573年)には将軍、足利義昭を都から追放、室町幕府を滅亡させた。その後、信長の勢いはさらに激しさを増し、天正10年(西暦1582年)、宿敵武田氏(勝頼)を天目山の戦いにおいて滅ぼしたときには、本州のほぼ半分を征服していたのだった。
エティスは、鬼神と見間違えんばかりの、凄じい戦いぶりを見せる信長に、ただならぬ魔の気配を感じていた……。
■豊臣秀吉の章
天正18年(西暦1590年)、織田信長の家臣であった豊臣秀吉が、その遺志を次いで天下を平定してからというもの、日本では一時的ではあるにせよ、平和な日々が続いていた。
だが、その平和の裏には、検地、刀狩りにみられるような農民の弾圧や、キリスト教を信仰する人々の弾圧があった。しかも、それは日ごとに激しさを増し、処刑された宣教師や信者の数は、はかりしれないものとなっていった。
さらにまた、秀吉は天下の統一のみならず、明の国をも征服しようと企てた。そして、文禄元年(西暦1592年)と慶長2年(西暦1597年)の2度にわたってまで、朝鮮に出兵させたのだ。
これを見たエティスは、「秀吉に魔がとりついておる!」と確信、急ぎソーサリアンを日本へ送り込んだのである。
■真田幸村の章
元和元年(西暦1615年)、前年の大阪冬の陣の直後から、徳川家康の命によって、大阪城の堀は本丸を残し、すべて埋め立てられていた。こうなってしまうと、難攻不落の名城とうたわれた大阪城とて、裸同然である。家康の周到な準備に裏付けされたこの作戦によって、豊臣氏は、つづく大阪夏の陣において滅亡、同時に豊臣方についていた武将たちも数多く死んでいった。
後藤基次や木村重成らとともに、最後まで徳川方を悩ませた武将、策士として知られる真田幸村もそのうちのひとりであったが、偉大なる魔法使いエティスは彼が死んでいない、と説いた。幸村は、魔の力によって蘇ったというのだ。そして幸村は自分の故郷に戻り、忍者軍団を組織し、徳川家康の暗殺をもくろんでいるという……。
■徳川家康の章
豊臣秀吉の没後、日本最大の、東西を分けた慶長五年(西暦1600年)の関ヶ原の合戦に勝利し、さらに豊臣家の残党を元和元年(西暦1615年)の大阪夏の陣において一掃した家康は、大阪城の落城後、すぐに武家諸法度と公家諸法度を発令した。これによって事実上江戸幕府は確立し、平和の世が築かれようとしていた。
ソーサリアンが真田幸村の里から戻ってしばらくの後、徳川家康から江戸城へくるよう、一通の書状が届けられた。さっそく旅じたくを始めるソーサリアンであったが、エティスは浮かない顔をしている。微弱ではあるが、江戸の城から魔の気配を感じるというのだ。「もしかするとワナかもしれぬぞ!」。まさか、こんな平和の世に魔が現れるとは考えにくいが、これは偉大なるエティスの言葉なのだ! ソーサリアンたちは、その忠告を胸に刻み込んで、家康の待つ江戸城へと向っていった……。
戦国ソーサリアンについて
戦国ソーサリアンはソーサリアンの別売シナリオ集第2弾だ。ソーサリアン本体のシステムディスクが今でいうOSならば、シナリオ集はアプリケーションソフトというところだろうか。ヨーロッパを舞台としたソーサリアンの世界を開発メーカー自身でひっくり返した。また、それまでのシナリオと異なり一連のストーリー性を持たせたのもこの戦国ソーサリアンの特徴。2枚組で5シナリオという点でも作品の密度の濃さが伺える。
妙に納得が行かないのはウイザードを編成していないとシナリオが進行しない箇所があること。また、ある程度レベルアップしたパーティでないとクリア自体が非常に困難な敵の強さだったりとシナリオ集という部分では初心者排除の傾向がある。特に困るのが豊臣秀吉の章の二重底の宝箱のトラップが強力なこと。石化や凍結など連続で襲ってくる極悪ぶりには閉口。しかも確実に仕留められるので1回毎に回復が必要だ。アイテムを持っていなければそこでパーティを失うのだ。他に、徳川家康の章の短歌の謎である「たまはほとけよりはち」。ノーヒントでこのくらいのひらめきを要求する謎を出すゲームは最近少ないので、返って斬新かもしれない。
X1turbo版で使用されているチャンネル数はFMx6,PSG(SSG)x3でそれまでのソーサリアンの作品と同じ。X1turbo版の戦国ソーサリアンはCD化されていることもあり、目新しさを感じることはないかもしれないが、CD音源に加えられているエコーなど混じっていない素直な音を聞いてみて欲しい。左右の音がクッキリしていることにより感じられるエコーでは得られない臨場感がある。その中で最も聞いて欲しいのが「武田信玄の章 異教の地」だ。曲名そのままだが、武田信玄の章のシナリオで使われているメインの曲だ。好みの曲ではないが、左右から奏でられる音がこれほど聴き応えのあるものだったのかと思わせる素晴らしい出来映え。8和音で頑張っているMDX版でもこの曲だけは程遠いなと感じさせられる。残念なのが他の曲はX1turbo版ならではという完成度の曲があまり無いことだ。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源+PSG)
ステレオタイプFM音源ボード + 標準音源
音源チップ:YAMAHA YM2151(OPM)+ GI AY-3-8910
01 武田信玄の章 異教の地
02 武田信玄の章 阿修羅
03 織田信長の章 雪の五条大橋
04 織田信長の章 風神 雷神
05 豊臣秀吉の章 哀愁の天守閣
06 豊臣秀吉の章 ぬえ
07 真田幸村の章 忍者屋敷
08 真田幸村の章 天狗
09 徳川家康の章 江戸を斬る
10 徳川家康の章 邪鬼
11 シナリオクリアファンファーレ
12 勝利 [シナリオクリア]
13 帰還 [エンディング]
合計時間 : 19:27
作曲 : 石川三恵子
DISCOGRAPHY
ソーサリアン・スーパー・アレンジバージョンⅢ
戦国ソーサリアン VS ピラミッドソーサリアン
発売日: 1989年3月21日
価格: 3,000円
商品番号: K30X7711
販売元: キングレコード
収録曲
スーパー・アレンジ・バージョン
―戦国ソーサリアン―
01.雪の五条大橋(織田信長の章)
02.忍者屋敷(真田幸村の章)
03.江戸を斬る(徳川家康の章)
―ピラミッドソーサリアン―
04.Forest of Lafaune(魔の下僕ガッシュの陰謀)
05.Gash(魔の下僕ガッシュの陰謀)
06.Grievously Shrine(嘆きの神殿)
オリジナル・ゲーム・サントラ
―戦国ソーサリアン―
07.異教の地 (武田信玄の章)
08.阿修羅 (武田信玄の章)
09.雪の五条大橋 (織田信長の章)
10.風神 雷神 (織田信長の章)
11.哀愁の天守閣 (豊臣秀吉の章)
12.ぬえ (豊臣秀吉の章)
13.忍者屋敷 (真田幸村の章)
14.天狗 (真田幸村の章)
15.江戸を斬る (徳川家康の章)
16.邪鬼 (徳川家康の章)
17.勝利(シナリオクリア)
18.帰還(エンディング)
―ピラミッドソーサリアン―
19.Sanders Island(マップ画面)
20.Bloody-diamond (血塗られた王家の秘宝)
21.Tutankhamen (血塗られた王家の秘宝)
22.Forest of Lafaune (魔の下僕ガッシュの陰謀)
23.Before Gash (魔の下僕ガッシュの陰謀)
24.Gash (魔の下僕ガッシュの陰謀)
25.Cherish-doll (心を失った姫君)
26.Gaddlegun (心を失った姫君)
27.Grievously Shrine (嘆きの神殿)
28.Juggler (嘆きの神殿)
29.Labyrinth of Gilbares (魔王ギルバレスの迷宮)
30.Foreboding (魔王ギルバレスの迷宮)
31.Gilbares (魔王ギルバレスの迷宮)
32.Click ! Click !(シナリオクリア)
33.Good-luck ! Good-by !(エンディング)
当時の広告
PC-9801 ソーサリアンシリーズ 全クリア Part.22
「武田信玄の章」
PC-9801 ソーサリアンシリーズ 全クリア Part.23
「織田信長の章」
PC-9801 ソーサリアンシリーズ 全クリア Part.24
「豊臣秀吉の章」
PC-9801 ソーサリアンシリーズ 全クリア Part.25
「真田幸村の章」
PC-9801 ソーサリアンシリーズ 全クリア Part.26
「徳川家康の章」