シリーズ第6弾で原点に孵った。
ドラゴンスレイヤー英雄伝説
対応機種 : NEC PC-8801mkⅡSR以降
メディア : 5inch 2D (5枚)
定価 : 8,700円 (税別)
発売日 : 1989年12月10日
販売元 : 日本ファルコム
○2ドライブ専用
○ジョイスティック対応
○CD-ROM対応
○128KB増設RAM対応
GALLERY
ストーリー
はるか昔、いや、もしかしたら遠い未来のことかもしれない。
とにかく言えることは、「イセルハーサ」と呼ばれる、豊かな自然に
恵まれた世界があり、そこに自然の恩恵を受けながら生活する
人々が住んでいるということだけだった。
大小いくつもの島々、島大陸、
そしてそれらをとりまく青く美しい海によって形成される世界には
ファーレーン、ウォンリーク、ラヌーラ、ソルディス、モレストンの
5つの国があった。
イセルハーサのほぼ中央に位置するロンウォール島と、
それよりはるかに小さいサースアイ島から成る
ファーレーン王国は、
国土が狭いこともあって、これといった特産物のない貧しい国だった。
しかし、そこに住む人々は少々の貧しい生活をものともせず、
心優しきアスエル王の統治のもと、平和な日々を過ごしていた。
ところがある晩、予告なしの異変が首都ルディアを襲った。
モンスターたちが大挙して城に攻め込んできたのだ。
突然の夜襲の上、何故か城門のかんぬきが外されていたため、
モンスターたちはたやすく城内に侵入、兵士たちと戦闘になる。
今までモンスターなど見たこともない兵士たちは、
驚きとまどい、しばらく混戦状態が続く。
しかし、夜が明けるころにはモンスターの勢力が衰えはじめ、
ついには追い払われてしまう。
重大な危機を脱し、人々は歓喜するが、それはすぐにおさまってしまう。
国王アスエルがモンスターに殺害されたと知らされたからである。
この時、世継ぎのセリオス王子は、わずか6歳。
ただ一人アスエル王の最後をみとったという側近のアクダムは
王からの摂政に任ぜられたと言い、セリオス王子が16歳の誕生日に
王位継承するまでファーレーンの政務を行うと宣言する。
そして王子は、王位継承の時まで、サースアイ島のエルアスタの町で
養育されることになった。
それから約10年の歳月が流れた。
登場人物
セリオス
15歳 男
ファーレーン王国の王子。6歳のときモンスターの来襲によって父王アスエルを失い、16歳の誕生日に王位を継承するまでエルアスタの町で養育されることになる。あと2ヶ月で16歳の誕生日を迎える。
リュナン
30歳 男
旅の修道士で、ファーレーン王国を訪れたとき摂政アクダムの政治に反抗するレジスタンスの仲間に加わる。後にセリオスと行動を共にするようになる。
ロー
22歳 男
ファーレーン王国のクルスの村に住む青年。毎日遊びまわっているいいかげんな男だが、協力な呪文を使うことができる。
ゲイル
26歳 男
アクダムに逆らい、ベルガの鉱山で強制労働をさせられている男。どこの出身で何者なのか、その正体は不明。
ソニア
20歳 女
レジスタンスのリーダーを務める、アロンの孫娘。勝ち気でシンの強い女性。
ディアナ
15歳 女
ソルディス王国の王女であり、セリオスの許嫁。
ドラゴンスレイヤー英雄伝説について
木屋善夫氏が関わった英雄伝説シリーズの最初で最後のシリーズ(Ⅱを含む)でもある。この作品では「Dragon Slayer」が大きく打ち出されており副題が「英雄伝説」であった。以降は逆に「英雄伝説」がメインタイトルとなった。発売直前のログイン(No.24)にて「ワールドアトラス」と称した攻略本が付属したが、最終直前までの各種マップや、魔法の入手場所を掲載していた。
最初に見た広告ではロゴのみの掲載でどのようなゲームか分からず、氏の流れで行くとアクションゲームではないかと予想していた。しかし、蓋を開けてみれば、フィールドで敵とエンカウントし、コマンド選択で戦闘を行う、ドラクエ的な流れのゲームだった。また、シリーズで多く見受けられた仕掛けや罠的な物は排除されており、コンシューマをメインとしたプレイヤーにも受け入れやすいようなシステム、ゲーム性だった。また、当時はPCエンジンでCD-ROM2が流行しており、その煽りもあってか、CD-ROMを搭載したPC-88MCシリーズに同ゲームのミュージックCDを入れるとCDから音声が再生された。FM-TOWNS版もフロッピーで販売されており、同様のプレイを楽しめた。
レベルアップはHPやMPの上昇が中心であり、攻守の数値アップが殆ど無くゲームの要は武器の購入及び装備である。武具に関してはドラクエにあったようなキャラクターによる装備の可能、不可能というような面倒さは排除し全てのキャラクターが原則として全ての武器を装備できる。ただ、簡略化されているだけ(悪く言えば手抜き)というような気がしなくもない。また、マニュアル上に全ての武器が記載されており、伝説の武器的なものが登場するというような楽しみが無く全てが理解された上でのものになり全てが予定通りに進んでしまう所も残念。
レベル上げで皆が行ったであろうこと。それが、戦闘のオートバトルモードだ。設計上の問題点が、レベルアップしたときにHPとMPが全快する事だ。故に、ある程度のレベルでリターンキーを押しっぱなしにしておけば勝手にレベルアップしてしまい、お金も際限なく増えていくのだ。レベルが上がった段階で経験値が下がるようなシステムも無いので、効率よく楽にレベルアップに励める。
逆に凝りすぎているのは魔法名。ここまで分かりやすいシステムなのに魔法名があまりにも分かりにくく、説明カードを見ながら確認しなければならないことだった。ただ、魔法自体のシステムはやはり甘い。「インパス4(攻撃力をアップさせる)」の効果が高く、最終ボスにすら大ダメージを与えてしまい一気に終わらせるという事ができた。(普通に戦うと最終ボスらしく強敵)
ゲームを進めているとたまに面倒な点に出くわす。例えば、希に存在する洞窟などで使用する「たいまつ」が最初の頃に出てきた道具屋でしか手に入らないとか、イベント中に必要になる「ワプの翼」がやはり一部の道具屋でしか手に入らないこと。また、魔法なども賢者などに教えて貰うことで手に入れることになっている上に、固定の種類までしか覚えられない。欲しい魔法がどこの賢者によって教えて貰えるかというのも記録しておかないと、その賢者を探す旅になってしまうのだ。
今までのドラゴンスレイヤーシリーズでは、プログラマーの挑戦状というような作品が多かったのだが、この作品では誰でも気軽にプレイでき進めることができた。パッケージには世界地図が付属しておりご丁寧に全ての町、村、洞窟、塔、そして最終目的地までが名前入りで記載されていた。また、RPGでよく見られた経験値を稼ぎレベルアップすることによる満足感を得ることができた。ただ、お使い的な要素もかなり強く、単純に行ったり来たりしてストーリーが進むために、印象に残るイベントが殆ど無く、何となくプレイしていて何となくクリアできてしまうという、語り所の無いゲームに纏まってしまったのが残念だ。
音色と音の使い方はスタートレーダーやワンダラーズフロムイースと同じ印象を受ける。曲の出来映えは素晴らしいが、FM3音+SSG3音を活かした編曲ができておらず、音が薄い。同時期に販売された「パーフェクトコレクション・ドラゴンスレイヤー」のアレンジ版は上手く編曲されており、曲の魅力を最大限に引き出していると言えるだろう。
また、曲数が増えるだけで、使い捨て感のあった当時のゲームミュージックから一転して、最低限に近い曲数でチャレンジしている。このことにより何度も繰り返し聞くことになるので、フィールドや戦闘の曲などは覚えている人も多いのではないだろうか。もっとも、これだけの曲数でありながら、殆ど聞くことの無い曲があったりするのだが…。
名曲だと思うのはオープニング。そして、オープニングの編曲版とも言えるエンディング1。残念ながらオープニングは曲とシンクロしておらず、曲が途中で切れてしまう。(こちらで編集したアニメーションでは最後まで流している)
エンディング2に関してはスタッフロールで使われるような曲調だが、実際は何故か、ゲームキャラクターのよく分からないアニメーション。日本ファルコムでは当時の作品くらいからエンディングに制作者の名前が出なくなっている。内部でそのあたりのゴタゴタがあったとも聞いており、本来の予定と差し替えられたのでは無いかと個人的に考えている。最後に「おしまい」で締めるのは、シリアスから一転して違和感を覚える。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(FM音源+SSG)
ノーマル音源
音源チップ:YAMAHA YM2608(OPNA)
01 オープニング
02 USER DISK 作成
03 UTILITY
04 英雄行進曲
05 街
06 フィールド
07 ダンジョン
08 戦闘
09 ニルギド城
10 城
11 神の声
12 イベントクリア
13 船
14 海賊島
15 ドラゴン
16 ENDING1
17 ENDING2
18 GAME OVER
合計時間 : 38:46
作曲 : 石川三恵子, 川合将明
DISCOGRAPHY
パーフェクトコレクション
ドラゴンスレイヤー英雄伝説
発売日: 1990年4月5日
価格: 3,800円(税込)
商品番号: KICA1003~4
販売元: キングレコード
収録曲
Disc1
01 オープニング
02 USER DISK 作成
03 UTILITY
04 英雄行進曲
05 街
06 フィールド
07 ダンジョン
08 戦闘
09 ニルギド城
10 城
11 神の声
12 イベントクリア
13 船
14 海賊島
15 ドラゴン
16 ENDING1
17 ENDING2
18 GAME OVER
Disc2 米光亮アレンジバージョン
01 オープニング
02 USER DISK 作成
03 UTILITY
04 英雄行進曲
05 街
06 フィールド
07 ダンジョン
08 戦闘
09 ニルギド城
10 城
11 神の声
12 イベントクリア
13 船
14 海賊島
15 ドラゴン
16 ENDING1
17 ENDING2
18 GAME OVER
当時の広告
エンディングムービー
■エンディングムービー