
イー・アル・カンフー for MSX
作品名 : イー・アル・カンフー
販売 : コナミ
対応機種 :
メディア : ROMカートリッジ
サウンドチップ : GI AY-3-8910
サウンド性能 : PSGx3
定価 : 4,800円
発売日 : 1985年1月10日
GALLERY
PROMO WORD
カンフーの達人リーの鉄拳が悪の一族チャーハン家の競合に挑む!
ストーリー

ところは中国、清朝も末期の時代。
カンフーの達人"李(リー)"は、中国全土で悪行をかさねるチャーハン一族撲滅のため、彼らの城である「メンマ」の塔へとしのび込んだ。
だが、リーの行く手には次々とチャーハン一族の強豪が立ちはばむ。棒術使いの"王(ワン)"、火炎術師の"桃(タオ)"、くさり使いの"陳(チン)"、手裏剣使いの女"藍(ラン)"、そして謎の男"呉(ウー)"。はたして、リーは得意のカンフーでチャーハン一族を倒し、中国に平和を取り戻すことができるだろうか?!
遊び方
- このゲームは1人用です。
- キーボード、ジョイスティックのどちらでも遊べます。
- スペースキー、またはショットボタンを押すとゲームスタートです。
- プレーヤーは最初3人です。30,000点、50,000点に達すると1人ずつ増えます。
- プレーヤーは技をきめると、敵のエネルギーが減ります。敵のエネルギーがなくなると勝利です。
- プレーヤーは技をきめられるとエネルギーが減ります。エネルギーがなくなると1人失います。
操作方法
レバー(カーソルキーのみ)
上・・・・真上ジャンプ
右上・・・ハイキック
左上・・・ハイキック
左右・・・前進又は後ずさり
右下・・・ローキック
下・・・・しゃがみ
左下・・・ローキック
ショットボタン(スペースキー)との併用
上・・・・左右ジャンプ・ジャンプの間にショットボタン(スペースキー)をもう1度押すととび横げり
下・・・・足払い
ー・・・・正拳(ショットボタン(スペースキー)のみ)
プレーヤーは常に敵の方を向いて戦うので、左上右上や左下右下の操作による攻撃は全て敵のいる方向に行います。ただし、ボーナスステージでは左右を区別して攻撃しなければなりません。
イー・アル・カンフーについて

1985年1月にコナミより発売された格闘ゲーム。見た目やルールなど、1990年代に一世を風靡した格闘ゲームの先駆けとなったといえるだろう。まだ黎明期でもあったので、コマンド技は存在しないシンプルなゲームに仕上がっている。カーソルキーに1ボタンというシンプルな作りでプレイできるようになっている。当時発売されたグラディウスやツインビーと比べればシリーズとして短命に終わったが、当時のユーザーは印象に強く残るゲームであったといえるだろう。
当時、イー・アル・カンフーは非常に知名度が高い作品だった。ただし、知られているのはアーケード版やMSX版ではなくファミコン版になるだろう。しかしながら、そのファミコン版のルーツとなるのがこのMSX版だとはほとんど知られていない。ファミコン版の数ヶ月前に発売されたのがこのMSX版だったからだ。後に発売されたファミコン版は見た目こそMSX版そのものだが、ボタン割り当てに正拳の存在する点が大きく異なる操作性を生む結果になっていた。
ファミコン版とは操作性が大きく異なっており賛否両論になっている。私は後発であるファミコン版の操作性が良いと思う。壁を使った三角飛びが追加されていた点も大きいだろう。対するMSX版はカーソルキーとスペースバーのみで操作を行うため、キックとパンチの使い分け、ジャンプキックなどの使い分けが難しい。また女性キャラである藍(ラン)もファミコン版は色気があったのにMSX版はぼてっとしていたのがガッカリポイントだった。また、ゲームとして、当たり判定も比べてかなりルーズで明らかに当たっている筈なのに、空振るのはかなり厳しい。ステージクリアの後のパフォーマンスもファミコン版は色々やっており、ステージ5をクリアした際にドラをキックするというパターンはMSX版に存在しない。
初期版のパッケージイラストは燃えよドラゴンを意識したと思われる劇画タッチで描かれたものだった。当時は表現できないイメージをパッケージ絵に詰め込むということが多々あり、ゲーム内容と掛け離れた仕上がりになっている作品が多々存在した。MSX版イー・アル・カンフーもその例外ではなかった。
「パッケージの格好良さに騙される!」といった事例を重く見たのか定かでは無いが、左写真のようにパッケージの改変(マニュアル表紙も同時に改変)が行われている。噂によるとアルゴリズムの違う2種類のイー・アル・カンフーが出回っているそうなので、このタイミングの可能性がある。ファミコン版とも異なるデザインではあるが、上半身は裸というゲームと同様の仕様に変更されている。

ゲームに劣らず音楽もかなり有名だろう。コナミを代表する作品となったグラディウスの作曲者である東野美紀が担当している。BGMはファミコン版と共通になっている。(アーケード版はニュアンスは似ているが全く異なる)
今時のゲームであれば、対戦相手によってBGMが変化するのは当たり前。そうでなければ手抜きとも称される時代だ。しかし、30秒に満たない1曲がボーナスステージに至るまで使用されている。しかし、それゆえ脳に刷り込まれやすくなりイー・アル・カンフーのイメージ曲といえば1つに絞られるのである。
意図されたものなのか、偶然なのかは不明だ。しかし、今となっては行えない1つのテクニック(手法)でもあるように感じる。