3作におよぶ謎が、いま解明される!
シャロム ⎯ 魔城伝説Ⅲ 完結編 ⎯
対応機種 : MSX
メディア : ROMカートリッジ
(2Mbit ROM)
定価 : 5,980円
発売日 : 1987年12月23日
販売元 : コナミ
○要 RAM8KB以上
○ジョイスティック使用可能
○コナミのSRAM対応
○フロッピーディスク、テープ、パスワード対応
目次
シャロム 魔城伝説Ⅲ 完結編 for MSX
※マニュアル抜粋
PACKAGE REPRODUCTION
あなたに勇気を! 愛を呼び起こす大冒険
ゆう き あい よ お アドベンチャーアドベンチャーゲームの常識を打ち破るマルチシナリオ !
物語の展開はあなたの進む道次第だ !
じょう しき う やぶ もの がたり てんかい すす みち し だい主人公はあなた自身。
しゅ じん こう じ しん ◀ ゴグ崇拝の邪教集団! ◀ 人類を滅ぼす大魔王ゴグとは!? 主な登場人物。この他、約170名登場。▶
謎のゲームソフト「シャロム」を始めたあなたは過去の王国グリークへと旅立ち1匹の♀ブタと出会う。
元の世界へ戻るには、大魔王ゴグを倒し王国の危機を救わなくてはならない!?
●MSXマークは株式会社アスキーの商標です。
RC754\5,980
コナミ株式会社
Made in Japan
●1人用。キーボードまたはジョイステック使用可能。
●「コナミの新10倍カートリッジ」のSRAMでゲームセーブできます。
●このゲームはフロッピーディスク、テープ、パスワードでゲームセーブできます。
●お使いになる前に中の取扱説明書をよくお読みいただき正しくご使用ください。
●この製品はMSX規格のパーソナルコンピュータに共通してご使用いただけます。
●長時間ゲームする時は1時間ごとに10~20分休憩しましょう。
『シャロム』について
◆『シャロム』概要
『シャロム』(SHALOM)はMSX専用としてコナミが開発し、1987年12月23日に発売したマルチシナリオアドベンチャーゲーム。コナミとしては初の2MビットROMを採用した作品だ。『魔城伝説』シリーズの第三弾にあたり、副題には「魔城伝説Ⅲ完結編」(KNIGHTMAREⅢ)と付けられた。
ゲームはセーブ機能に対応しており、記録には外部記録としてカセットテープ、フロッピーディスク、『コナミの新・10倍カートリッジ』(1988年2月18日発売)の対応を謳った。また、加えてパスワードによるセーブ方式にまで対応。別売の装置やソフトを購入しなくても遊ぶことが可能だ。
※パスワードでゲームを続ける場合、ロード(コンティニュー)した際に持ち物が全部消える上に主人公の名前も消えるというバグが発生する(トリビアに詳しく記載)。
◆開発スタッフ
企画・ゲームデザインは正垣亮平(Ryohei Syogaki)が担当。過去にはMSX版『イー・アル・カンフー』(1985年1月10日発売)や『夢大陸アドベンチャー』(1986年10月28日発売)、『ガリウスの迷宮』(1987年4月18日発売)などのゲームデザインを手掛けている。
プログラムは長江勝也(Katsuya Nagae)、福井博幸(Hiroyuki Fukui)、岡利成(Toshinari Oka)、きっかわ(詳細不明)が担当したと思われる。(ゲーム内における「スタッフ村」からの考察)
また、ビジュアルグラフィックには『スナッチャー』でキャラクターデザインを務めた木下富晴(Tomiharu Kinoshita)がアルバイト入社して数日目で数枚手掛けた(ただし仕上げは別スタッフ)逸話が残っている。
◆魔城伝説シリーズとシャロムの関係
『魔城伝説』シリーズは当時のMSXユーザーなら知らない人はいないと思われるくらいに著名なゲームだ。第一弾の『魔城伝説』はシューティングゲーム、第二弾の『ガリウスの迷宮』はアクションロールプレイングゲーム、そして第三弾の『シャロム』はアドベンチャーゲームとジャンルの異なるのが特徴。しかし、世界線は共通でストーリー上も地続き。今作の『シャロム』は時系列として『ガリウスの迷宮』よりおよそ100年後の世界だ。しかし、今作の主人公はグリーク王国とは全く関わりがない現代からのタイムスリッパーであるところがこれまでの作品と大きく異なる。(誤解されやすいが生まれ変わる転生や違う世界への転移とは異なる)
◆1987年とそれ以前のパソコン用アドベンチャーゲーム
(参考)所有している当時付近のアドベンチャーゲーム(クセは強め)
ここで『シャロム』の発売した1987年とそれ以前のパソコン用アドベンチャーゲームがどのようなものであったかかなりざっくり解説しておきたい。
1987年から2,3年遡ったパソコン向けアドベンチャーゲームといえばキーボードから「ウツ レーザーガン」のように(英語のみ受付のゲームも当然存在)文字をタイピングするコマンド入力が中心で一文字でも違えばコマンドを受け付けてくれない難儀なもの。加えて、割と理不尽な謎解きが特徴と言える作品が数多く見受けられた。それこそがキーボードの存在するパソコンにおけるアドベンチャーゲームの特徴でもあった。プレイヤーは製作者の作った謎に挑む挑戦者だったのだ。それが時代の変化により、1987年頃になると殆どの作品はコマンド選択式に代わった。いわゆる、多くのプレイヤーが最後まで辿り着けるよう理不尽な謎やハマりを排除したヌルいゲームが発売され始める。そんな過渡期に、コナミから生まれた1つの作品が『シャロム』だ。
◆アドベンチャーゲームに見えない見た目
『シャロム』のジャンルはアドベンチャーゲームだが、従来のように一枚絵が大きく表示されるオーソドックスなタイプとは見た目が異なる。操作画面の見た目はトップビュー視点のランダムエンカウントタイプ型ロールプレイングゲームだ。しかし、『シャロム』は見た目をロールプレイングゲーム風に仕立てた紛れもないアドベンチャーゲームである。
ゲーム性は 任天堂 の ファミリーコンピュータ で発売された『ドラゴンクエスト』(エニックス 1986年作品)から戦闘部分、各種パラメータなどを取り除いたゲームに近いと表現すればわかりやすいだろうか。選択するコマンドの内容は異なるが ドラゴンクエスト と同じ8種類なので特別多くはない。「話す」「道具(使うに該当)」「調べる」「取る」という共通項目意外に「見る」「見せる」「渡す」「何かする」がある。ロールプレイングゲームのような成長による達成感はまったくないものの戦闘やレベル上げのように面倒な反復作業は無くなる。どこかで見たような慣れ親しんだ画面と操作で物語と謎解きに集中できるのが良い点でもあるだろう。
『シャロム』ならではの特徴としては、アドベンチャーゲームではあるが、ボス戦にあたる魔王たちとの戦いにアクションゲームやブロックくずし、パズルゲームなど様々なミニゲームを用意していることが挙げられる。もちろん、アクションゲームやブロック崩しでミスを重ねればゲームオーバーになるのでちょっとした反射神経も必要とされる風変わりなゲームとも言えるだろう。
◆お笑いのセンスはさすが関西発
正垣亮平が『ガリウスの迷宮』の開発を終え『シャロム』を企画していると思われる時期にアドベンチャーゲーム+ミニゲームという点で同じような印象を受けた作品が発売されている。ファミリーコンピュータ用としてナムコから発売した『さんまの名探偵』(1987年4月2日発売)だ。
吉本中心のお笑い芸人がキャラクターとして登場するからもちろんボケやツッコミもあるし、さんまとプレイヤーとの掛け合い漫才のような会話で展開される。そしてシューティングやアクションゲーム、カードゲームといったミニゲームも合体している。『ギャラクシガニ』なんて単語は懐かしいプレイヤーも多いのではないだろうか。
『シャロム』を知らない人にゲーム性をわかりやすく例えるのであれば、『ドラゴンクエスト』と『さんまの名探偵』を足して2で割った作品と説明できるんじゃないかと私は考えている。(『さんまの名探偵』が既にマニアックすぎて通用しない気もするが)
完全に個人的な想像だが開発時期的にも『さんまの名探偵』からオマージュした部分はあったのではないかなと考えている。ただし、『さんまの名探偵』からのオマージュ的な部分はあったとしても個人的主観においてお笑いのセンスやレベルの高さは圧倒的に『シャロム』が上だと断言しておく。
◆MSXとは思えない卓越したグラフィック
(参考)MSXの人物グラフィック
アドベンチャーゲームという観点から『シャロム』のグラフィックに触れないわけにはいかないだろう。MSX用ゲームの人物画で大きめの1枚絵というと大体は上の画像のようになるイメージという認識で間違いないはずだ。(上画像の中で『ザース』だけはこれでも別格。)
ファミリーコンピュータのこういった絵柄の画像と比較しても一目で表現力の弱さを見ることができる。わかりやすいのは輪郭線がないことや修復を失敗した絵画のような塗りだ。こうなる主な原因はMSX機種固有の制限によるものだ。
それを踏まえて『シャロム』で凄いと思った点は、MSX2 の画面と勘違いしそうなレベルの美麗なビジュアルグラフィックだ。MSXでは到底ファミリーコンピュータの画像レベルに追いつくのは不可能と思っていたが同じレベルに見える画像を見事に実現している。これにはコナミのデザイナーによる恐るべき技術力が遺憾無く発揮されている。何度も書くが、これはMSX2ではなくMSXの画像なのだ。同時に16色まで使用できるというスペックを持ちながら、横8ドットごとの管理で2色までしか置けないし、1枚のスプライトには1色しか置けない「あの」MSXなのだ。同じくプレイ画面も美麗だ。キャラクターが単色でないことだけでも凄いのにプレイヤーキャラには3色で表現されている。MSX2 の画像と見紛うこと間違いなしだ。
MSXのグラフィックにおける制約の詳細な解説に関してはあきよしさんのWebサイト『魔法使いの森』をオススメしておきたい。(情報はMSXだけではなくSHARP X68000に関してかなり詳細なハードウェア解説は一読の価値アリ!)
◆漢字まで再現したメッセージ
閑話休題。『シャロム』で驚いたもう1つの点は、漢字ROMを標準搭載していないMSXでもメニューやメッセージで漢字表示を行ったことだ。過去には『グラディウス2』(1987年8月22日発売)のビジュアルで漢字の表示は使用されていたので目新しさはない。『シャロム』とほぼ同時期に発売したT&E SOFT作品の『ハイドライド3』(1987年12月12日発売)は登録されている漢字数がおよそ300文字なので、『シャロム』で使用されている漢字が64文字程度というのはインパクトに欠けるかもしれない。
しかし、アドベンチャーゲームで漢字表示を行い、文字が流れていくことに対して度肝を抜かれた。もしかしたら、既に他のアドベンチャーゲームで実現されていたのかもしれない。ただ、私の視野に入るゲームではこれが凄い事に見えたのだ。
(参考)『シャロム』に使用されている漢字一覧(現在確認分は64文字)
小学一年生で習う漢字(17文字)
人 天 下 女 子 大 生 見 町 名 村 気 目 入 中 王 日
小学二年生で習う漢字(17文字)
間 太 顔 話 何 前 思 行 言 体 心 時 国 今 少 知 方
小学三年生で習う漢字(19文字)
平 開 調 取 持 使 世 界 昔 神 動 死 悪 命 去 箱 旅 代 和
小学四年生で習う漢字(2文字)
愛 城
小学五年生で習う漢字(2文字)
現 過
小学六年生で習う漢字(1文字)
私
小学校で習わない漢字(6文字)
々 魔 呪 娘 彼 姫
興味本位で調べてみたが、ゲーム中のメッセージに使用されている漢字は殆どが小学校低学年で習うものばかりだ。対象年齢の目安とされる振り仮名(ルビ)に関してもパッケージから説明書に至るまで殆どの漢字に振られている。(そういう作品でも難易度は高い傾向にあるが…)
一般的な考えならこれらの結果から、コナミの想定する『シャロム』の対象年齢は低いと見ていいだろう。
◆小学生では難しい謎解き
付属のユーザーズマニュアルにはグリーク王国マップに加えて倒すべき魔王8匹が画面写真付きで公開されている親切設計。ヒントも割と書かれていてぜひともクリアしてくれと言わんばかり。操作画面は馴染みやすいし会話内容はこのノリだし難易度はさほど高くは無いだろうと思わせる節がある。
しかし、実のところ『シャロム』には「I love 理科」のシリーズに加えてもいいくらいの学問(知識)がシーンによっては必要だ。それは、プリズム(ガラスなどからできた透明な三角柱で光を屈折させたり分散させたりするもの)の知識が必要なことだ。漢字を読むのに振り仮名を要するような子供にプリズムの話はあまり通じるとは思えない。まず「三角柱とはなんぞや?」というレベルだろう。プリズムは稀に小学3年生位で実験に使用することもあるらしいが、中学校1年の理科で学ぶ「光の屈折」の要項に含まれる1つだ。幸いな事に4択なので最悪の場合でもなんとかなるのがコナミの優しさだろう。(さり気なくフォロー)
◆『シャロム』の嗜み方、そして落とし穴
『シャロム』はユーザーズマニュアルを熟読しなくても操作方法に迷わずプレイすることが可能だ。とにかく操作方法は単純。魔法なんてないから「パルプンテ」みたいな訳の分からない呪文の名前も存在しないし、買い物もないから序盤にルールを覚える労力も不要なのだ。
『シャロム』の最終目標はゴグの呪いによりゲーム世界(過去の時代)に飛ばされた主人公が大魔王ゴグを倒し元の世界(正確には現代)に戻ること。これもご丁寧に大体のことはゲームの最初にブタ子が教えてくれる。ユーザーズマニュアルは地方や地域の名前や位置関係を把握するためにMAPのページを広げながら使うくらいでもいい。最初は慣らし感覚でプレイしてもまずはOKだ。
ゲームをスタートして人々の会話を拾い集めていくとご親切にも割とヒントらしきものがきちんと含まれている。しかも、最初は広いマップ内でどこに行けばいいか迷わないよう封鎖された環境を作ってくれているので次に行うべき行動がひらめきやすい。確実に物語が進んでくれるので、これはお気楽で楽しいアドベンチャーゲームだ!と思うことだろう。
しかし、油断していると程なく最初の落とし穴はやってくる。
シャレでもなく本当の『落とし穴』だ。調子良く魔王を2匹ほど倒したくらいでちょっと調子に乗りかけている頃だ。アムネシア地方のたくさんある穴の中から1だけ魔物の住む穴を探す場面に遭遇する。
試しで目の前に飛び込んできた穴に入ってみたら一瞬にしてプレイヤーは死んでしまいゲームオーバーを迎える。「は?」である。わざわざゲームオーバーにしなくとも「何もいません」というメッセージ一言でいいんじゃないの?と思う意地悪な仕様だ。しかも、ゲームオーバーはタイトル画面からロードし直しだ。まあ、今までのケースからきっと登場人物の誰かが重要な手掛かりとなるヒントを教えてくれるはず。なんて期待も徒労に終わる。ヒントは…ない。
…なあに解けないような理不尽な謎じゃない。最悪27個の穴をしらみ潰しにすれば魔王は見つかるさ。毎回ロードをしなくちゃいけない面倒事が増えるだけ。パスワードセーブ組はコンティニューの文字入力で吐血するだろうけど。これ以外でもしらみ潰しに何かをさせられるという作業は後にどんどん出てくる。
そう、易しさをチラつかせながら所々鬼なのだ。鬼畜とまで言わないのは待っている魔王がそれなりに弱いからだ。(さり気なくフォロー)
魔王に脅かされながらどことなく平和でのどかな雰囲気のグリーク王国。実は、これでも即ゲームオーバーになる極悪な罠は殆どない親切設計だ。しかし、リセット地方の穴もその極悪の一つに部類される罠ということでこれも語り草の一つになっている。アーサー の忠告をとりあえず無視して飛び込めば本体がいきなりリセットされ再起動する。本体がリセットされるからリセット地方。シャレは効いているがなかなかひどい。これもセーブしていなければ全部吹っ飛ぶ罠だ。好奇心による突発的行動は死を招くという一昔前のアドベンチャーゲームで見た失敗の光景がフラッシュバックする。
この罠のいやらしい点は、あるフラグを立ててからこの穴に入ると違う場面に移動するということだ。ヒントも無い(マリアが2日前にこの辺で遊んでいたという場所からは離れている)しこんなことは想像できないだろう。トラウマを植え付けられるような穴に秘密が隠されているなんて誰が思うだろうか。普通は二度と近づかないだけだ。しかもこのフラグもどの部分がフラグか分かりにくいし、もしフラグ立てでミスしていたら即リセットされる。
幸いにもコナミは鬼畜ではなくこの謎は解かなくてもゲーム進行上問題ないことにしてくれている。さすがはコナミだ。(さり気なくフォロー2回目)ちなみに、この穴に入ったら一定時間内に脱出できないとゲームオーバーになるのでどちらにしても入る前にセーブだけはしておくのがオススメだ。
◆意外に大変なフラグ関係
調子良くプレイできた前半を超え中盤を迎え始めると稀にフラグが意外な所と複数絡んでいる場面が出て来る。ヒントの入れ忘れと思われる点やヒント不足が原因の場合もありフラグの回収不足と相まって進行が止まってしまうこともある。橋が繋がらなくてフォールズ地方からなかなか脱出できなかったり、「何か」を忘れていて遺跡に入れなかったりと、同じ思いをしたプレイヤーもそれなりにいるのではなかろうか。製作スタッフもこういうフラグの絡み合うシナリオを作り慣れていなかったのかもしれない。(開発期間が短すぎてそれどころでなかった可能性も否定できない)
それでも数々のコマンド入力型アドベンチャーゲームの謎を乗り越えてきた歴戦の勇者であればこんな試練など乗り越えることができるだろう。その程度のものだ。
◆手を焼くパズルゲーム、箱入り娘
ただ、アドベンチャーゲームに強くてもなんともならない自体は発生する。
8人魔王最後の王である「パズラ」だ。日本では『箱入り娘』と呼ばれるパズルゲームがパソコン用ゲームとして登場する。スタート配置により難易度が変わるのが特徴の1つだ。手心を加えれば34手ほどの配置にできるが、「パズラー」の配置は81手ほど必要となりこれまでの魔王戦で与えてくれたような手心はなしだ。最高難度の配置(およそ138手)ではないが悶え苦しみ脳の味噌が飛び出し頭を抱えて狂い死にしそうになる。あえてコナミの優しさを挙げるなら時間制限や手数制限を作らなかったことだろう。(さり気なくフォロー)
世の中にはこういうパズルが妙に得意な人間もいる。そういった人の「簡単」とか「楽勝」といった言葉に惑わされてはならない。どうしても解けないプレイヤーは MSXマガジン(1988年4月号78ページ)を参照するといいだろう。
◆結局は適当なプレイではどうにもならない難易度
今や一部のプレイヤーには「パズラー」以外でも高めの難易度と語り草になっている『シャロム』。もし、『ドラゴンクエスト』と同じような感覚で記憶に頼ったプレイで適当にあっち行って、こっち行ってしているだけなら物語の進行は詰まりやすいだろう。勘違いしてはいけない。これでもパソコンのアドベンチャーゲームなのだ。知り得た情報をまとめ、分析するというプレイヤーの行動が抜けると場合によっては急激に難易度が上がることもある。
コナミはユーザーズマニュアルに177人分の登場人物一覧表とメモ欄を用意し「だれがどんな情報を持って、どこにいるかを把握しておけば、ゲームの進行がスムースになります」と記載している。急がば回れの精神だ。つまりは「話した内容をきちんと記録しなさい」ということなのだ。操作面では一切不要とも言えるユーザーズマニュアルだが、大事なのはこういうところを押さえておくことなのだ。スムースに行く作業をしないから最初のボスまで5時間もかかるのだ。(佐々木さん、ごめんなさい)
では170人以上もいる登場人物といちいち会話しないといけないのか!?と思う人もいるだろう。答えはイエスだ。何度も書くがこれはアドベンチャーゲームだ。登場人物がいるゲームには会話の中にこそ物語を進めるヒントやフラグが含まれているのは当然だ。
また、ロールプレイングゲームと異なり達成感に乏しいと先述しているが、情報を聞き出していき、自分の作った177人分の会話ノートをコンプリートする達成感がある。(このあたりは性格による)
「ハイセンスな会話」を楽しむ。コナミも言っているがこれが『シャロム』の正しい遊び方なのだ。
◆世界からみた『シャロム』
MSX作品の中でもコナミ作品はとりわけ人気が高くファンも多い。では、世界からみた『シャロム』はどうだったのだろうか?
実は、『魔城伝説』シリーズの中で唯一『シャロム』だけ海外用にローカライズ化されていない。これは日本特有のジョーク、ダジャレ、芸能、スポーツネタ、方言、言い回しを多用した会話の掛け合い漫才が多用されている点で文化の違いを吸収するには難しいゲームだからだろう。そして、正確に翻訳されても海外のプレイヤーには面白さがまったく伝わらない部分が多いことを意味する。
『シャロム』を存分に楽しむには文章を読んだ瞬間に閃くくらいの知識と教養が必要になる。事細かに説明されて知識を得ることはあってもそこで笑いにはなかなか発展しないはずだ。時事ネタも使用されており、日本人ですら当時の世代でなければ本来の面白さを堪能できないだろう。
◆有志によるローカライズ化
海外ではMSX作品のローカライズが有志により行われている。『シャロム』も例外ではなく、製品発売後10年以上経過した2002年3月ごろにRicardo Bittencourt(リカルド・ビッテンコート)がポルトガル語化をスタート。2002年9月にはSLotman(スロットマン)がポルトガル語翻訳を元に英訳を開始している。ただし、ポルトガル語化は2004年5月に99%、英訳化は2003年12月の98%で、以降更新が途絶えており完全ではない。
また、2012年9月にはPablibiris(パブリビス)がスペイン語への翻訳を完了している。(前者で課題となっているスタッフ村のメッセージは不明)
個人であれだけ多くのテキスト量を翻訳するパワーには敬服するし偉大な仕事をしたとまずは称えるべきだろう。しかし、個人故の問題も孕んでいたことは述べておく。
◆海外では伝わりにくいジョーク
海外のプレイヤーには『シャロム』によって多くの笑いが生じていたことを理解するのは恐らく難しいだろう。翻訳をさらっと読んだ一文でも理解できる。 例えば "It's not heavy eyelids, It's a heavy pig!" という一文。日本人なら老若男女を問わずここで腹を抱えて転げ回る場面だ。しかし、海外のプレイヤーには eyelids("MABUTA")と pig("BUTA")というダジャレであることを説明しなければならない。
※続きの "I must be dreaming!"(私は夢を見ているに違いない!)も正確に訳すなら "Get out of the way!" だろう。ちなみに気になった「ガチョ~ン」は "Holy moley!"(何てことだ!)と翻訳されている。
例えば、サウルの登場するこのシーンは掛け合い漫才として成立しているが海外だと全く異なる。ここで行われるのは「考える("KANGAERU")」というコマンドを選択した意味を動物の「カンガルー("KANGARŪ")」を説明するという似た語呂を掛けたボケ、そしてツッコミだ。そこへさらに、倒れて動くことができない第三者のサウルが「な~~んや それは!」と全力のツッコミで被せる。ボケとツッコミの高等テクニックだ。これを見たら日本人はドッカーン(爆笑)である。
ところが海外だと、"reflect(映し出す・反省する)"という命令に変わっており、"here is no mirror here...(ここに鏡はない)"、"It's to reflect on the subject, moron!(反省するためだよ、バカ!)"、"Oh! ok…(ああ、そうか…。)"となっておりどちらかというと苦笑ムードが漂うだろう。
「箱入り娘」に関しても本来の意味が伝わらずかなり厳しいことになっている。英訳版は翻訳されていない箇所になるのでポルトガル語で訳してみる。
"Parece que o monstro quer fazer uma prisioneira importante, uma princesa mimada que viveu presa entre quatro paredes."
「怪物は重要な囚人を狙っているようで、それは4つの壁の間に閉じ込められて暮らしている甘やかされた王女だった。」
と訳されている。この場合の「箱入り娘」とは本来「ほとんど家の外に出されず、大事に育てられた娘」の意味だ。「箱入り娘」(海外名:Klotski)と呼ばれるパズルゲームと語呂が同じというダジャレなのだ。
「箱入り娘」を狙っているのは「箱入り娘(魔王パズラー)」というオチを序盤から含んでいることの面白さも伝えなければならないだろう。
前述したのはほんの一例だが、『シャロム』 はこういう日本独特の言い回しやギャグに溢れているのだ。翻訳の精度は高いのかもしれないが意訳の際に本質が理解されていない。『シャロム』は『ハイセンスな会話』でゲラゲラ笑い、そして時に悲しむという落差のあるゲームだということが伝わらないのではないかと思うのだ。
日本では『シャロム』を購入したプレイヤーの評価は概ね高い(もしくは楽しんでいる)ように見受けられる。しかし、海外のレビューを見る限り珍しく正反対な意見も目立つ。ジャンルの変わった『魔城伝説Ⅲ』にがっかりしたプレイヤーもそれなりにいるようだ。しかし、楽しさの本質を伝えきれていない翻訳にも原因があるのではないかと思うのだ。そういう難しさがコナミのローカライズしなかった理由の1つに思えてならない。
世界的に見れば倫理観の違いや変遷もある上に、日本でも当時とは大きく笑いの文化が変わってきている。『シャロム』で多く見受けられるのが容姿や体型をいじる笑いだろう。現在の日本では容姿いじりによる笑いはタブー視され始めているが、『シャロム』ではカジュアルに使用されている。誰彼構わず思ったことがそのまま口に出てしまう主人公の豪快さが私的には笑えるポイントであるが、世代や国が変わればドン引きということも十分あり得るわけだ。
こういった笑いだけでも国や時代でハラスメント扱いにもなりうるということから、『シャロム』を取り巻く状況は厳しくなってきているのかもしれない。
◆『沙羅曼蛇』に話題を奪われた『シャロム』
コナミは『シャロム』と同時期である1987年12月26日にMSX用の『沙羅曼蛇』を発売している。『沙羅曼蛇』は明らかに贔屓されており広告の取り扱いは大きく、対する『シャロム』はついでというような扱いとされたようなイメージを受けた。発売が同時期ということでお小遣いなど予算の都合上2本ともポンと購入できたプレイヤーはそう多くなかったはずだ。
『沙羅曼蛇』は一般的な知名度から期待も大きくMSX独自のアレンジなどで話題性も高かった。当然かもしれないが雑誌上の売上ランキングで『シャロム』が『沙羅曼蛇』に敵うことはなかったが、奮闘はしていた。(MSXマガジン 1988年4月号 MSX SOFT TOP20にて最高4位)
『シャロム』は一歩引いて見れば前述したような文化的な面や倫理的な面で問題を抱えている作品と言えなくはない。しかし、1987年当時において『ユーモア&ギャグ感覚あふれるハイセンスな会話』という広告の触れ込みは決して過大では無かった。一般的なゲームを見渡してもこれほど気分を愉快に、そして感動させてくれるゲームはなかなかお目にかかれないだろう。当時は確かに輝いていた。今現在も私の中で貴重な作品の一つとして燦然と輝いているのは『シャロム』 なのだ。
◆SCCを使わずPSGで勝負した傑作のBGM
『シャロム』のサウンドにはコナミが新開発したSCC音源を使用せず、MSXが標準搭載する従来のPSG音源(矩形波3音とノイズ1音)を使用して楽曲が作成されている。
サウンド担当として上原和彦(Kazuhiko Uehara)、山下絹代(Kinuyo Yamashita)が参加。ゲーム中に存在する「スタッフ村」の人物から 佐々木嘉則(Yoshinori Sasaki)、水谷郁(Iku Mizutani)も担当している可能性が極めて高いが現状確たるものがない。
また、現在の所サウンドトラック化されていないため曲名も不明であり、当サイトを含め各所で付けられている曲名はすべて仮称である。
曲名に関しては、MSX・FAN 1991年12月号にて編集部側からコナミに問い合わせたという興味深い一文を発見している。しかし、その回答も「わからなかった」という結果に終わっている。よくある話だが、サントラ化の話が当時出なかったため曲名までは決めていなかったと思われる。
※コナミ・エンディング・コレクション(サントラ)の『シャロム』に寄せたコメントで 上原和彦の担当された作品であることが記されている。また、山下絹代はご自身のサイトで『シャロム』を担当作品として挙げている。
『シャロム』はこれまで私が聞いてきたコナミの曲とは大きく異なるイメージのBGMが収録されている。ゲーム評論家の山下章(Akira Yamashita)は「マイコンBASICマガジン」(電波新聞社刊)1988年1月号の誌面上にて『シャロム』を「コナミ製ドラクエ」と評し、私も同じ印象を受けた。その面影を感じさせる一面はクラシックをモチーフとした雰囲気のBGMにも一端はある気がする。それはアドベンチャーゲームのBGMというよりロールプレイングのBGMというイメージを連想させる。その中でも個人的にお気に入りである「お城のBGM」、そして「人魚の世界、船旅のBGM」などで使用されているワルツ曲はPSG音源の奏でる調べにチープさはなくむしろ美しさを感じる。よくぞ3音でここまで表現したものだと未だに思う音だ。『ドラゴンクエスト』の楽曲に勝るとも劣らない名曲揃いと言えるだろう。
そして、最も推したいのはオープニングの登場人物紹介で流れるBGMだ。『シャロム』の全てを濃縮して表現したといわんばかりの素晴らしい曲だ。ゲームを終えて聞き直すと物語の思い出がまぶたに浮かび、また違った印象にも聞こえる。これをたった60秒で表現しきってしまう表現力と作曲家のポテンシャルには驚きを隠せない。
『魔城伝説』を愛し続けたプレイヤーに向けて、コナミから最後のファンサービスは音楽で与えられる。『シャロム』のBGMを語るにこのシーンは外せない。移動シーンに用意されたBGMが、最終局面のみ『魔城伝説』のBGMに変わるのだ。このグランドクロスでBGMが変わった直後のみ 魔城伝説 のゲームスタートBGMも流れるニクイ演出がある。(通常のBGM切替時にはゲームスタートBGMはない)
このシーンは何度聞いても鳥肌物だ。元々PSG音源2音で演奏していた古いBGMを雰囲気はそのままにPSG音源3音にアレンジして演奏している。シリーズ最終作の最終局面ということで感極まるが、ここまで盛り上がる作品はそう多くないはずだ。
もし仮にこのBGMが『コナミ ゲーム コレクション Vol.1』のように豪華なSCC音源で演奏されていたならばこれほど感動しただろうか?当時に聞いた音の延長線上で流れることに価値があるのだ。そういった意味でも『シャロム』のBGMがPSG音源で演奏される意義は十分にあったと思うのだ。
ストーリー
――――シャロム――――
ヘブライ語。
正しい発音はシャローム。
ユダヤ人の伝統的な挨拶
(別れ)の言葉。
平和の意味。
古くは、「平安あれ、神があなたと
ともにおられますように……」
という意味を持つ。
プロローグ
あなたが男性なら、〔 〕にあなたの名を、( )にはあなたの好きな彼女の名前を入れてください。もし、あなたが女性であるなら、〔 〕にはあなたが想いをよせている男性の名を、そして( )にあなたの名を入れてください。
それでは、ながらくお待たせ致しました。魔城伝説・完結編『シャロム』の始まりです。お気をつけて……。
〔 〕は、とあるハイスクールの学生でパソコンクラブのリーダーを努めている。しかし、パソコンクラブとは名ばかりでその実体はパソコンゲームクラブであった。
〔 〕は放課後、クラブのパソコンの前に座ると時間のたつのも忘れてゲームをするのが日課となっていた。
( )は〔 〕と同じパソコンクラブのメンバーで、またクラスメートでもあった。( )は、ほのかに〔 〕に想いをよせており、真心を尽くすのだが鈍感な〔 〕は全く気付いていない様子で、顔を見ると悪態をついていた。
今日も〔 〕はゲームをするため、クラブに顔を出した。
ドアを開けると( )が一人で立っていた。
「おや、ブスの( )か。今日はおまえ一人かい?」
「そうみたいね」
「……ん、手に持っているのはなんだい?おっ!今度コナミからでた『シャロム』じゃないか!さっそくプレイしてみるか!」
「このゲームだけはやめといた方がいいわ。あなたのためよ。」
「なにいってるんだ、こいつ。」
なかば強引に『シャロム』を取り上げた〔 〕は、すぐさまパソコンにセットし、スイッチを入れた。
ゲームがスタートした。と、その瞬間!
「うわぁ―――っ!」
「きゃぁ―――っ!〔 〕!」
〔 〕は( )の目の前から消え去ったのだ!
画面説明
ゲーム画面
主人公とブタ子(プレイヤー)
タイトル
ウインドウ
話している人の顔や状態、小道具などを表示。
コマンド表示
全部で8つのコマンドがあり、サブコマンドもここに表示する。
会話表示
村人やブタ子との会話や
ナレーション等をここに表示。
操作方法
【ゲームのスタート】
キーボード | ジョイスティック | スタートの状態 |
---|---|---|
スペース | トリガA | プロローグを見ることができる。 |
M | トリガB | プロローグを省略することができる。 |
【移動モード】
ゲーム画面のプレイヤーを移動させるモード。会話などを行うときにはコマンドモードに移らなければならない。
キーボード | ジョイスティック | 動作 |
---|---|---|
⇧⇩⇦⇨ | 上下左右レバー | プレイヤーの移動(4方向) |
M | トリガB | 【コマンドモード】に移る。 |
【コマンドモード】
会話などを行うモード。プレイヤーを移動させる時は移動モードに移らなければならない。このモードに入ると、カーソル "▶" が点滅する。
キーボード | ジョイスティック | 動作 |
---|---|---|
⇧⇩ | 上下レバー | コマンドの選択(カーソル▶が移動) |
スペース | トリガA |
コマンド実行
(⏎マーク点滅中は、会話の続行) |
M | トリガB | 【移動モード】に移る。 |
F5 | ―― | 会話音の消去。 |
【コマンドの種類と使い方】
①コマンドモードで、⇧⇩キーを押すと8種類のコマンドを選ぶ事ができる。
② "何かする" を選択すると、時々さらに別コマンド(第二コマンド)が表示されることがある。その時の場面を打開するヒントがその中に入っていることがよくある。
③自分が手に入れた "小道具" を見るコマンドは存在しない。小道具の所有状況を確認する時は、〔使う〕〔見せる〕〔渡す〕などのコマンドを使用し確認する。これらのコマンドを使うと、いま主人公が持っている小道具の一覧表が表示される。また、場合によって(その場面では必要ない時)は、小道具が表示されない場合もある。
コマンド | どのような時に使用するかと言うと… |
---|---|
話しかける | 村人と話をしたい時(この時、話す人の方を向いている事)。 |
見る | 何かを見たい時や探したい時。 |
調べる | 村人や物などをより詳しく調べたい時。 |
取る | 物や小道具を取る時。 |
使う | 手に入れた小道具などを使う時。 |
見せる | 手に入れた小道具などを見せたい時。 |
わたす | 手に入れた小道具などを渡したい時。 |
何かする | 何をしてもうまくいかない時、答えが見つかるかもしれない。 |
魔王たちとの戦い
このゲームを終わらせるには、8匹の魔王たちを倒し、さらには大魔王ゴグを倒さなくてはならない。魔王たちとの戦いの方法は、魔王たちによって異なる。
◆デビル 弟
グリーク城に一番近い山の中に潜んでいる。とりあえず最初に倒しておこう。するとオーマン地方に渡れる橋が現れるぞ。
ジャンプ
⇧
左⇦⇨右
スペース
ショット
◆デビル 兄
この敵の弱点は脳天である。ゴンドラを上下させて転がってくる石を受け止め、敵の脳天めがけてタイミング良く石を投げよう。
スペース石を投げる
※攻撃用の石は、落下する石にプレイヤーが当たると自動的に拾える。
上
⇧
⇩
下
◆半魚人
外周のブロック上を移動しながら、敵の顔をめがけてショットせよ!敵の吐いてくる弾はジャンプでかわせ。半魚人を倒すとハンマーが手に入るぞ。
M | ジャンプ |
---|---|
スペース | ショット |
上
⇧
左⇦⇨右
⇩
下
◆リザード
うれし懐かしいブロック崩し型の対戦。敵の吐いてくる "紙おむつ" に弾を当てるとカラーが変化し、それをキャッチすると3種類のパワーアップが可能。敵の涙は、シビレ薬だから要注意!
左移動⇦⇨右移動
◆一つ目アゴル
一つ目が弱点だ。ここを狙うべし。しかしこの敵を倒したあとに悲しい出来事が……。
ジャンプ
⇧
左⇦⇨右
スペース
ショット
◆ラーナ
砂嵐に閉ざされた砂漠の向こうにいる魔女。コマンドモードで戦う。ラーナの攻撃をよく見ていると重大なことが解ってくる。果たしてラーナは敵か味方か!?
◆ガンガン
ある山中の岩に悪魔の魂が宿った。口から岩を吐き、天井からは落盤が!弱点は額だ。この敵は、一人の重要人物を監禁しているのだ!
ジャンプ
⇧
左⇦⇨右
スペース
ショット
◆パズラ
パズラの体内に捕らわれているチェルシー姫を助け出せ!ブロックを動かして姫の入っているブロックを一番下の中央の位置に持ってくると成功だ。チェルシー姫がパズラから解放され、物語はいよいよ終盤を迎えるぞ。
①まず "指マーク" をカーソルキーを使って、移動させたいブロック上に動かす。
②スペースキーを押しながら、ブロックを移動させたい方向のカーソルキーを押す。
③ ①と②を繰り返す。
◆大魔王ゴグ】
ついに大魔王ゴグとの対戦だ。しかし、ゴグは簡単にはあなたの前に姿を現さないぞ。コマンドモードで正体を暴け。そしていよいよ本当にゴグを倒す時がくる。
大魔王ゴグを倒す方法とは何か!グリーク王国に来てからのことを一つずつ振り返りコマンドを駆使してゴグの弱点を、会話の中から推理せよ!!
グリーク王国MAP
登場人物紹介
【主人公】
あなた自身(またはあなたの彼氏)。
とあるハイスクールの学生で、パソコンクラブのリーダー。放課後、クラブのパソコンを使いゲームに明け暮れるのが日課となっている。根は優しいのだが少々ツッパリで他人に対して、つい冷たい態度を取ってしまう。
【ヒロイン】
主人公のガールフレンド。
主人公と同じパソコンクラブのメンバーでクラスメートでもあった。ほのかに主人公に想いを寄せており真心を尽くしているのだが、主人公は持ち前の鈍感さで全く気づいておらず「ドラム缶!」と悪態をつかれる毎日であった。
【パンパース王】
英雄ポポロンとアフロディテの間に生まれる。二人の亡き後、グリーク王国を治め平和を維持してきた。しかし、一人娘のチェルシーが行方不明になってから病の床にふせっている。
【チェルシー姫】
パンパース王の一人娘。王国一の美貌と優しさを持ち、村人たちの憧れの的であった。しかしある日、忽然と姿を消してしまった。
【ポポロン】
過去ヒュドノスとガリウスを倒し、グリーク王国の危機を救った英雄、時は流れ、かの英雄も既に天上の人となった。今は、空の上からグリーク王国を静かに見守っている。
【アフロディテ】
まだ生を受けていなかった幼子パンパースを取り戻すためガリウスと勇敢に闘ったかつての姫。ポポロンと共に王国の行く末を案じている。
【ブタ子】
グリーク王国に住む人間の言葉を喋るブタ。主人公と一緒に旅をする事になる。ある時はケンカし、ある時は励まし合い、あなたの良きパートナーとなる。
【大魔王ゴグ】
闇の世界に君臨する恐怖の大魔王。人間世界に大厄災をもたらす為、地獄の底から蘇らんとしている。
トリビア
パスワードセーブに大きなバグがある
シャロム のパスワードシステムには致命的なバグがある。普通に発行されるパスワードを入力しロード(コンティニュー)すると持ち物が全て無くなっている上に、名前まで消えてしまう。なお、パスワード以外の方法でロードした場合は問題ない。割と早期に対応方法が記載された紙が封入された模様だ。後のロットによって改善されたかは不明。
パスワードセーブについてのお願い
パスワード方式でゲームをセーブすると、次にゲームを始める時、エラーがおこることがあります。
このため、パスワードでゲームをセーブする時は、必ず次の方法でセーブしてください。
① セーブの村人のところで「何かする」をえらぶ。
② "▶" で「テープ」をえらび、スペースキーをおす。
(データレコーダはつながっていなくてもよい)
③ ⏎キーを押すと "ただいまセーブ中です" の文字が表示
されるので、すかさず CTRLキーとSTOPキーを同時に押す。
(押したままにすること)
④ 5~6秒後に "セーブにしっぱいしました" と表示され
るので CTRL+STOPキーをはなす。
⑤ もう一度「何かする」をえらぶ。
⑥ "▶" で「パスワード」をえらぶスペースキーを押す。
⑦ パスワードが表示されるのでこれをメモする。
▲ パッケージ内に添付されたペラ紙の1つを再現したもの
この件に関して、私の調べた限りパソコン雑誌媒体で報告は一切されていない。当時のMSXユーザーは外部記憶装置を所有していないユーザーもそれなりに存在し、これが理由で痛い目にあった話は割と見る。(当方は データレコーダ内蔵 の SANYO PHC-30N のため被害無し)
最初期と思われる紙には「日立、ソニー、松下(ナショナル)の全機種」で問題発生、その他の機種は調査中とある。また、日立の画面が出ないというケースも気になるところだ。
書面が整頓されていく過程でおおよその発行順が見えてくる。が、後の書面では「エラーがおこることがある」というエラー(バグ)の内容が曖昧な書き方に変更されているのも気になる。曖昧にした点は機種またはメーカーによってエラーが起こらないという結果はわかったが全機種調べるに至らなかった可能性が考えられる。
紙の入っていない早期に購入し、コナミへ直接手紙で問い合わせたプレイヤーには「RC754シャロムの問い合わせについて」という別書面が送られたようだ。
ヘレシ地方に致命的なバグがある
悪の宗教の本拠地に辿り着いてから話が進まなくなるという大バグ。ネット上でも稀に遭遇しているプレイヤーを見かけるバグだ。セーブデータにもこれに関する何らかのフラグデータが書き込まれているため、ロードしても同じ状態なら最初からやり直しとなる。昔のアドベンチャーゲームでよく聞いたハマり(進行不能)だ。
バグだと気付かず延々とこの状態でグリーク王国をさまよったプレイヤーも多くはないだろうがきっといることだろう。
辿り着くまでの道のりが面倒な悪の宗教の本拠地。そこに辿り着くまでにチェックできる方法がある。エーラト村の住民は夜ごと変な声が聞こえるというような話をするが、それが「へんな こえは もう きこえなくなったよ」と話したらバグに陥っている。バグに陥っている場合、悪の宗教の本拠地では信者たちが全く動かなくなるので辿り着いた瞬間でも分かる。
バグ状態の進行でない場合は、先述の会話も異なる上、辿り着いた段階で信者たちが祈りを捧げる動きを行っている。バグの起こる要因の予想だが、エーラト村の会話から既にボスを倒したという一部のフラグが上書きされているのだろう。
バグの発生する要因は不明だが、再現する方法は発見できた。所定の画面から船で上陸して移動するとバグが発生する。右手のグリーク地方に上陸し、モグラの穴を経由してエーラト村に着いてもバグが発生する。このバグを無難にかつ確実に回避する方法はエーラト村の謎を後回しにせず早めに解決しておくことだ。(少なくとも船を手に入れる前に)
船で来てしまった場合は4画面以外から上陸すれば防ぐことができる。上の動画では4画面以外から上陸した場合、「さいきん よごと へんなこえがきこえるんだ。」という会話だが、所定の画面から上陸すると「へんな こえは もう きこえなくなったよ」に変わるのが分かるだろう。
ちなみに会話しなければバグが発生しないのではという点も検証したが、それは関係なかった。
ちなみに魔王(リザード)を倒した事になっているかもしれないという仮定で進行を続けてみた。合計7体のボスを倒し、遺跡のイベントもクリアしてみたが海に渦は現れなかった。進行上やや面倒なあの魔王と戦わずに済むバグなら良かったのだが、このバグはそうではなかったようだ。やはり完全なハマりである。
天体望遠鏡の意味
天体望遠鏡の役目は裸の女の子を覗くための道具ではない。この十字線上に並んでいる星の数が魔王を倒した数だ。きちんと惑星が移動するのは芸が細かい。まず、自分の倒してきた魔王を忘れるわけはないので必要はないが、現在の進捗状況を知ることができるシステムでもある。
マントに効果はあるのか?
MSX・FAN(徳間書店刊)の1988年2月号(MSXマガジン1988年5月号の『ゲームすとり~と』にはほぼ同内容の投稿あり)にはマントの効果として「魔王の力を半減させる効果がある」と記載されている。ネット上でも同様の記載だったり、『効果はない』という記載で二分しているので検証してみた。
持ち物を確認・証明するため『使う』などのコマンドを使用し移動画面はカットした。デビル弟で検証した結果、効果は全く無いということが判明した。どちらもおよそ20発食らうとプレイヤーはやられてしまう。
短剣に関しても同様だ。『魔王と戦うために必要な武器』とあるが、所有していても全く意味はなく短剣を放つことは可能である。
では、マントには何の効果もないのだろうか?実は「あるもの」に効果があるのだ。マリア も言っていただろう「胃液の中で平気だったのはマントを着ていたからだ」と。このマントを手に入れてからもう一度穴に飛び込んで見るとわかる。どれだけ胃の中に滞在しても胃液に沈んでいくことはなくなりゲームオーバーになることはない。魔王ではないが下僕である『ホコラー』の魔力を半減させる効果はあったということだ。ただ、それほど役には立たないアイテムであることは間違いない。
シャロムと豚の関係
製品名に付けられた シャロム(シャローム)という言葉の意味はユーザーズマニュアルの一番最初に記されている。要約すると「ユダヤ人の伝統的な挨拶に使う言葉でもあり、平和を意味する単語」と。この単語は物語の中できちんと紐付けられているのだが、やや無理な感も受ける。
この、ヘブライ語に関するテーマで考えると物語のパートナーとなる ブタ子 との組み合わせは最悪とも言えるだろう。なぜなら、ユダヤ人にとって豚とは不浄の動物であり忌み嫌われている対象だからだ。ヘブライ語のタイトルで描かれる作品に登場する主人公の重要なパートナーは豚という筋書きを聞いた段階で表情が曇ることは想像に難くない。
シャロムのロゴに使用されているフォント
Solit さんに教えていただいた情報。シャロムのロゴには Raphael Std というフォントを使用している。ちなみに、日本ファルコムの ザナドゥ シナリオⅡ や ソーサリアン などではゲーム内の英字フォントにこちらを使用しているようだ。
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
SHAROM
SORCERIAN Dragon Slayer V.
ユーザーズマニュアルに描かれたスタッフ村
ユーザーズマニュアルに掲載されている『グリーク王国MAP』。ここに描かれている『スタッフ村』として描かれているビルの形に見覚えはないだろうか?当時コナミのゲームソフトが開発されていた部署を含むビル、通称コナミビル(正式名称:ポートアイランドコナミビル)だ。 地上10階地下1階というかなり大きいビルで1986年8月頃から使用されていたようである。(現在は閉鎖)
コナミビルはポートアイランドという1981年に街開きが行われた人工島に建っている。『スタッフ村』が島で表現されているのはポートアイランドを模しているからと想像できる。 会話の中には「しまから でれんと デートできへん。」とあり、島から出るのが困難な場所と捉えられがちなメッセージがある。しかし、ポートライナーという鉄道は走っているし、通常の道路も通っているのでアクセスは容易だ。
スタッフ村の人物
永田昭彦(Akihiko Nagata)
ながた 「 私が かつて センニンと
よばれたことのある プロデューサーの
『 ながた 』です」
Nagata 「I am Nagata, a producer who was once called a hermit.」
コナミ広報 阿部千絵(Chie Abe)
ちえ 「 モーニングコールがかり、けん、
しゅうきんがかり! だれか いい人
いてたら しょうかい してねェ」
Chie 「I am a wake-up caller and collection agent! If you know any good men, please introduce me to them.」
現在詳細不明。本当にどこの誰か不明。
まい子 「 私は どこの人間なんでしょう?
だれか おしえてぇ~」
Maiko 「Where do I belong? Can someone please tell me?」
プログラム担当 長江勝也(Katsuya Nagae)
ながえ 「 ハックショ~ン! ハックショ~ン!
ここは プログラマーの へやです」
Nagae 「aaachoo! aaachoo! This is the programmer's room.」
プログラム担当 福井博幸(Hiroyuki Fukui)。
ふくい 「 ほとんど 死にかけや。 よるは
ぎゅうどんを たべて がんばったんや。
さいごまで あきらめずに やってな。
ちなみに ぼくは みな子の
大、大、大ファンなんや。 みな子命!」
Fukui 「I am dying. I ate a bowl of gyudon at night and tried my best. I hope you will not give up and play this game until the end. By the way, I'm a big, big, big fan of Minako. I love Minako!」
プログラム担当 岡利成(Toshinari Oka)
としなり「 じょうだん ポイポイッ!さいなん
げつよう! ちびっ子ヤンキーやねん。
ヨーコ! すきやで~~~っ!!」
Toshinari 「Jokey poi-poi! The day of the disaster was Monday! I am a child bad boy. Yoko! I love you!」
※The first half is unintelligible even in Japanese.
現在詳細不明。プログラマーの部屋にいる。
きっかわ「 とろい。ねむい。だるい。かえりたい。
『よゆうの よっちゃん』とは
オレのこと だんべ」
Kikkawa 「Slow. Sleepy. I feel tired. I want to go back. "Yotchan of Yoyu" means me.」 ※"Yo yu no yotchan" is a word that was popular in the 1970s and means "easy."
サウンド担当 佐々木嘉則(Yoshinori Sasaki)
ささき 「 でろでろば~!モアイじゃ わ~れ!
『たらばガニ』って 知ってるけ~?
どこに おるんやろか~!?」
Sasaki 「 De-ro-de-ro-ba~! Hey Men! I am the moai! Do you know what a "king crab" is? Where do they live?」 ※"De-ro-de-ro-ba~!" is an onomatopoeic sound when a yokai appears.
サウンド担当 山下絹代(Kinuyo Yamashita)
やまこ 「 しりめつれつな エービーがたの私は
ブタ子ちゃんが 気に入ったョー。
エンディングで かんどうしてネ!」
Yamako 「As a type AB who is known in the world as incoherent, I like Butako. Watch the ending and be impressed!」
サウンド担当 上原和彦(Kazuhiko Uehara)
うえはら「『うえはら』でございます。 いつも
モアイさまに かわいがっていただき
たいへん しあわせに思っております」
Uehara 「I am Uehara. I am very happy that Moai has always taken good care of me.」
サウンド担当 水谷郁(Iku Mizutani)
いく 「いっひっひっ。 わしは とても
ねおきが悪いど。 ここ さいきんは
べんぴぎみやし……とほほほほ」
Iku 「hehehe. I am a very bad wake up. I am constipated these days...boo-hoo.」
企画者 正垣亮平(Ryohei Syogaki)
りょう 「 できる、できる。 わ~すれたあ~。
何で ぼかぁ きゃあんこと ばっかし
せな あかんだらぁ?えりゃあ~っちゃ」
Ryou 「I can do it, I can do it. I forgot. Why do I have to do all this? It's hard work.」
美術担当 iwamoto 修子(Syuko Iwamoto)
しゅうこ「 むっちゃくちゃ ねむいわぁ~!
だれのせいや? 私は すっかり
1008の じゆう人に なってしもた」
Shuko 「I am deathly sleepy. Whose fault is it? I am totally the resident of room 1008.」
美術担当 三好威正(Takemasa Miyoshi)
たけまさ「 あ~!じぶんの いえに かえりたい。
じゆうな体になりたい。 うまいもん
くいたい。 もっと あそびたい~!」
Takemasa「Ahh..! I want to go back to my own house. I want to be free. I want to eat delicious food. I want to play more!」
美術担当 松井直樹(Naoki Matsui)
まっきい「 しまから でれんと デートできへん。
あしたの 2時までに きょうとに
行かんと あかんねん」
Makky 「I have to leave the island (Port Island) to get a date. I have to be in Kyoto by 2:00 tomorrow.」
裏技(隠し技)の紹介
◆名前が天下大平と女子大生になる
ゲーム開始時に自分の名前と好きな人の名前を入力する場面で何も入力しないままおわる を押すと自分の名前は 天下大平、好きな人の名前は 女子大生 になる。両方とも未入力にする必要はなく、片方だけ入力することも可能だ。
注意点としては『天下太平』ではなく『天下大平』であることだ。
◆ヌード
天文学者 カリレオ のシーンにて望遠鏡の方向を向き何かするのコマンドを7回行うと、のぞくというコマンドが現れる。それを実行すると、ウインドウキャラクター表示で女性の入浴シーンが見られる。
部屋を出ない限り、次からは何かするのあとのぞくコマンドが表示される。部屋を出たらコマンド7回からやり直しだ。
◆デビル 弟 の安全地帯
グリーク城に一番近くにいるため、恐らく大抵のプレイヤーが最初に戦うことになるであろう魔王の一匹、デビル弟。主人公を一番左に移動させると弾に当たらなくなる。
◆ブタ子が記憶喪失になる
アムネシア地方に落石の落ちてくる看板がある。この看板を見ると ブタ子 は記憶を失ってしまい言葉がしゃべれなくなる。これを治すには、ブラインド地方にいる グヌス という人に会い ブタ子 を見せるしないといけない。
これに関してはノーヒントではなく看板より上に1画面、右に1画面移動した所にいる ウイヤ という人物がヒントをくれる。しかし、グヌス のいる場所までは教えてくれないので、どの人物がどこにいるかというメモは取っておくことが重要。これは シャロム を自分の力で攻略するには基本中の基本だ。
住人による重要なヒント
ノーヒントのように思える謎解きだが、住人との会話に大きなヒントを含んでいることも多い。そんな会話を集めてみた。約170名の会話はメモするだけでなく、誰がどの地域にいたかまで記しておかなければ後々面倒なことになるぞ。
オーマン地方に渡る橋のヒント
ヘルモン山の魔王を倒せば橋ができそうな事がここから分かる。
ブラインド村のヒント1
村人の姿が見えないブラインド村には人が住んでいることがわかる。
ブラインド村のヒント2
オーマンの湖の水をかけると解決することが分かる。
記憶喪失のヒント
誰が治せるかは分かるがどこにいるかが分からない。誰がどこにいたかというメモも重要だと分かる。
穴に潜むボスのヒント
穴はゲームオーバーになるだけの罠ではないということがわかるが多すぎる。パスワードセーブ組はやってられないだろう。
リセット地方へ渡るヒント
木を切るなら斧があればいいんじゃない?とわかるだろう。
人魚の出した手紙のヒント
地下水路を使って文通していたという手紙が届かなくなったということだが、どこを探せばいいか?
ヘレシ地方の岩のヒント
やや難しいヒントだけどかなり重要。どの岩をどう動かすかまでは教えてくれないので面倒。
砂漠のヒント
砂漠に埋もれてゲームオーバーになったときの秘密が語られる。この会話抜きに謎を解くのは不可能だ。
フォールズ地方脱出ヒント
あらゆる事の想定が想定外で難しかった。
ダイヤ山のヒント
ハンマーが必要な事がわかるのと、入り方まで教えてくれる。
パズラの入江のヒント
橋が途切れて渡れない入江には渦潮が関係している。渦潮はいったいどこにあるのか。
渦潮のヒント
渦潮はこの付近に出ることがわかる。もっとも、この謎を解明するのは最後に近い場面だが。
遺跡のヒント
ここに大事なものがあるよ!という掲示。フラグの一つで大事なものが描かれていると言うほどでもない。
シャロムで使われた元ネタ
シャロム には単なるダジャレに加えて、元ネタとなる当時の時事ネタ、商品名、流行語などが使用されている。全てでは無いと思うが、気づいた部分の元ネタをここに記しておく。
イトウ
プロ野球チーム 西武(セーブ)ライオンズ 石毛宏典(いしげひろみち)。西武とセーブを掛けたダジャレ。
イシゲ
プロ野球チーム 西武(セーブ)ライオンズ 伊東勤(いとうつとむ)。西武とセーブを掛けたダジャレ。
エナツ
プロ野球チーム 西武(セーブ)ライオンズ 江夏豊(えなつゆたか)。当時は既に引退していたので今はやっていない、と掛けた。
オーマンのみずうみ
日本語における女性器の俗語。オーマンの湖→オーマン湖
カク
プロ野球チーム 西武(セーブ)ライオンズ 郭泰源(かくたいげん)。西武とセーブを掛けたダジャレ。
ガチョ~ン!!
コメディアン谷啓の一発ギャグ。流行語になった。当時でも少々古かったように思う。
カナモリ
プロ野球チーム 西武(セーブ)ライオンズ 金森栄治(かなもりえいじ)。西武とセーブを掛けたダジャレ。
カミオム2世
2を英語にするとTwo。カミオムツ。紙おむつ。パンパース王に絡めたシャレであろう。
キヨハラ
プロ野球チーム 西武(セーブ)ライオンズ 清原和博(きよはらかずひろ)。西武とセーブを掛けたダジャレ。
セイケ
プロ野球チーム 西武(セーブ)ライオンズ 清家政和(せいけまさかず)。西武とセーブを掛けたダジャレ。
チェルシー
明治製菓のキャンディ菓子「チェルシー(CHELSEA)」。「あなたにもチェルシーあげたい」というセリフは当時CMで有名。
パンパース王
P&Gの紙おむつ「パンパース」。「♪漏れずにニコニコ、パンパース」というフレーズがCMで有名。
パーでんねん
「オレたちひょうきん族」に出てくるキャラクター「パーデンネン」。セリフはクルクルパー(死語)もダジャレで掛かっている。
バンドエイド
ジョンソン・エンド・ジョンソンが製造・発売している絆創膏の商品名。日本では絆創膏の方言として捉えられる場合もある。
ヒガシオ
プロ野球チーム 西武(セーブ)ライオンズ 東尾修(ひがしおおさむ)。西武とセーブを掛けたダジャレ。
フコヒチ
プロ野球チーム 西武(セーブ)ライオンズ ジョージ・ブコビッチ 。西武とセーブを掛けたダジャレ。
ポポロン
明治製菓が販売していたお菓子。シュースナック「ポポロン」現在は発売されていない。専用のCM曲を含めて当時は有名。
マルコメミソ
マルコメ株式会社の販売する味噌製品のシリーズ名。
モリ
プロ野球チーム 西武(セーブ)ライオンズ森祇晶(もりまさあき)監督。西武とセーブを掛けたダジャレ。
よばれて とびでて ジャジャジャジャ~~~~ン!!
アニメ「ハクション大魔王」で大魔王が壺から出てくる時の掛け声に由来する。
ラーマ
日本リーバの発売していたマーガリンの製品名「ラーマソフト バターの風味」。
わ~ん!くらいよ。せまいよ。こわいよ~!
「うる星やつら」の面堂終太郎が暗闇に閉じ込められた時発するセリフとメンドウのダジャレ。
TRACK LIST
ラジオ収録曲(PSG音源)
標準音源
音源チップ:GI AY-3-8910
01 オープニング
02 ネームエントリー/パスワード
03 ビジュアルシーンA
04 ブタ子のテーマ
05 メインテーマ
06 お城のテーマ
07 ビジュアルシーンB
08 山岳地帯
09 ボステーマA
10 穴のテーマ
11 ダンジョンのテーマ
12 人魚の世界/海のテーマ
13 ボステーマB
14 巨人の遺跡
15 天上の世界
16 別れのテーマ
17 ラーナのテーマ
18 メインテーマ2
19 ゴグのテーマ
20 ヒント
21 虹のグランドクロス
22 エピローグ
23 THE END
24 ゲームオーバー
※上記タイトルは全て適当につけたもの。
合計時間 : 22:00
作曲者 : 上原和彦, 山下絹代, 佐々木嘉則?, 水谷郁?, 東野美紀?(18のみ)
長江さんが死去
証言
入社した当時の社名は「コナミ工業株式会社」で、自分が配属されたのは「開発部 開発三課」という部署。
— センセ (@PortIsland1987) July 10, 2021
所属長は長江勝也氏だった。
入社して最初にこのチームに入れられた。この魔王の絵を描いた記憶が微かにある。後で大幅に修正されてたけど?? 古い話で自信ないな…?? https://t.co/nro6cM7qig
— センセ (@PortIsland1987) December 23, 2021
確か「シャロム」のチームリーダーが面接官の一人で私を採用してくれた。しかし、1週間程でチームを放り出され、次は「F1スピリット」で数枚デモ絵を描き、その後訳もわからず「スナッチャー 」の開発に。アルバイト入社だったからいいように使われてたかもしれん??
— センセ (@PortIsland1987) December 23, 2021
入社してまだ数日、悪戦苦闘しながらこの絵を描いてた時、モニターに人影が映り込んでた。後ろに誰か立って私の描いてる絵をずっと見てる。気になって仕方ないので振り返り話しかけるとニヤッと笑い去って行った。後で分かったが、あれはスナッチャー のリーダーだった。 pic.twitter.com/cP4AuvJoH2
— センセ (@PortIsland1987) December 28, 2021
シャロム 魔城伝説III 完結編
— センセ (@PortIsland1987) December 25, 2021
この絵も描いたような気がする。最終的に手直しされてるが、なんせドット絵なんて生まれて初めて描いたから、どこまで描き込んだら完成なのか分からなかった。 pic.twitter.com/H2OTcczvrQ
当時、私が何らかの形で関わったMSXのタイトルは数本です。「シャロム」「沙羅曼蛇」「F1スピリット」「スナッチャー 」「SDスナッチャー 」「スペースマンボウ」たったこれだけです。MSXファンの画像を拝見し、それまでの歴史を作った先輩方々や同僚に心から敬意を表します。
— センセ (@PortIsland1987) February 6, 2022
フラグ条件
ヘルモン山に入れない
デビル弟のいるヘルモン山の入り口を開くには、イサウ と2回話すこと。ベティーがかわいいと分かれば主人公のやる気が出て道が開ける。
ブラインド地方へ渡る橋ができない。
ユーザーズマニュアルにも記載されているが、魔王の1匹デビル弟を倒せば橋は掛かる。カーペンター(大工)である マナ との会話も不要だ。デビル弟を倒した後、ベティー を放置しても問題ない(そんなプレイは普通しないだろうが)
フリーパスをくれるモグラがいない。
初めての場合どちらかというと怪我したモグラがどこにいるか探すのがしんどい。怪我したモグラを出現させるにはオーマン地方にいるモグラに「たずねる」こと。他の地方のモグラではダメなので注意。
マーマンのいる島への橋がない。
水脈を探して倒れている サウル を助け、おじいさんの クリス を殴って ラーナ の話を聞くと橋が掛かる。女の子の人魚である マーマ はフラグに関係ない。
手紙が手に入らない
女の子の人魚 マーマ と話をしていればフラグが立つ。男の子の人魚 マーマン と話していてもフラグは立たないので注意!(つまり マーマ から会いに行くのが効率的)
リセット地方の穴に入れない
リセット地方の穴に入ると本体がリセットされる。この穴には秘密がある。しかし、このフラグがこのゲーム上で最も厳しい。ただしこのイベントは必須ではないので放置でも構わない。まず、ロウソクは手に入れておくのが1つめの条件。
次に ベレナ と2回話すと「魔王のだれかにさらわれたのでは」というセリフが聞ける。これが2つ目のフラグ。
ベレナ のセリフを聞けた後、超高速で走るシモンに話しかけると「2日前女の子がこのへんであそんでいるのを見かけたよ」というセリフが聞ける。そうしたらあとは穴に突進するだけだ。
御使いの穴に入れない
神に遣わされた御使い(使者)の守る穴に入るには魔王を4匹倒すこと。この穴には入らなくてもストーリー上の展開に変化はない。
フォールド地方の橋が掛からない。
これは巷では有名。砂の中に埋もれて助け出された後、フォールド地方から出ることができないというもの。これは、セーブして一旦電源を落とし(もしくはリセット)コンティニューで始めるだけ。マム の会話やネックレスはフラグに含まれていない。
巨人の遺跡に入れない。
これには複数のフラグが重なっている。砂に埋れて助けてくれた マム から「ききだす」こと。ただ、このコマンドに「何かする」が出る条件がわかりにくい。これはグリーク城にいるパンパース王の傍らに飾られている チェルシー 姫の肖像画を見ていること。
デッドロック地方の橋が掛からない。
魔王一つ目アゴルを倒すこと。この橋が繋がらなくてもモグラの穴を駆使して魔王ラーナを倒すことは可能。ただし面倒なのでこの橋が繋がってからラーナを倒すのが効率的だろう。
船が手に入らない
これには複数のフラグが重なっている。セーブが必要なフォールド地方の橋を掛けていること、マーマンとマーマとのイベントをクリアしていることだ。
遺跡内部への階段が見つからない
これには複数のフラグが重なっている。ダンテ のイベントを終わらせていることとブラインド地方にいる ディー に神の啓示を見せてもらうこと。
パズラーの入江に繋がる渦潮が出ない
これには複数のフラグが重なっている。パズラーを除く魔王7匹を倒し、遺跡のイベントを終わらせること。
エンディングムービー
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